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[りす]元中堅社員と統計① 〜 統計の存在を認知する。

皆様こんにちは。
何年も何年も前の話です。
私の中に「統計を知らないといけないなぁ」と言う想いが発芽した話を一部フィクション形式で紹介してから、統計を学んでみた感想までを、数回に分けて書き連ねてみます。

プロローグ

統計との邂逅

会社員は目の前の仕事に追われます。
(個人的な見解です。)
追われれば、追われるほど、、、
業務は表面的になり、仕事は作業になり、
納期に間に合わせるために脳での思考を停止させます。
大量の書類を作成するために、与えられた社内書式の空欄を埋め、
空欄が全て埋まった書類を出来上がった順に上司がハンコ(※)を押していきます。

※ 上司のハンコは時として部下への信頼を含めて、書類の中身を見ることなく押される事があるようです。

(個人の見解に空想と妄想が混じりはじめてます。)
あの忙しさが喉元を過ぎて数年、突然Xデーがやってきます。
第三者機関による監査です。
私は製造業の世界にいるので他の世界の事はよくわからないのですが、国際規格にめっちゃ詳しい彼らは必ずやってきます。
そこで次々と、我々がこなしてきた仕事の歴史が紐解かれていくのです、、、。
「⚪︎年前のプロジェクトに関する書類のうち、こちらが指定した20の書類について確認させてください。」
監査員は並べられた書類を、さも適当に確認していきます。そうすると、書類と書類に記載されている類似項目が全く異なる記載である事を指摘され、A→B→Cと順に承認されるべき書類だったはずがC→A→Bとなっている事が明るみになり、ポンポンテンポよく押された書類のハンコは作成と承認の日付が逆転するタイムマシン的な事象の存在が世に知られていきます。。。
当時書類を乱射していた作業者はすでに違う部門に異動して不在、ハンコ乱打してくれた上司は昨年華々しく定年退職、事情を何も知らない新任上司は監査員からの質問に対してしどろもどろで言い訳を並べるハメになります。
この様子を見ていて、ふと気づくのです。
不備の無い書類は山のようにあるのに、何故この監査員は不備の有る書類を見事に掘り出す事ができるのだろう?
自らの寿命を犠牲に監査を乗り切った後のティータイムに、監査員に質問します。
「事前にどの書類に不備があるか、調査してきました?」
監査員は答えます。
「とんでもないです。プロジェクトで作成された書類の中に5%以上の不備が有れば95%の確率で検出できるように、抜き取るサンプルサイズを20に決めてランダムに選んでいるだけです(※)。今回不備のあった書類は3つでしたので、このプロジェクトに問題があると言う結果は得られませんでした。しかし、書類の承認順が前後していた点については、是正を求めます。」
質問した手前、監査員の回答にうんうんとうなづき、教えてくれてありがとうと握手して別れます。

※ 今回のこれらの数字は正確ではありません、悪しからず。

さっぱりわからない

きっと監査員は丁寧に教えてくれたはずなのに、何を言っているのか、、、。
事前に調査したのか聞いたのに、何故かパーセントで回答されて心拍数が上がったままになっている。
95%はなんだか良さそうだけど、5%は良くなさそうだし、そもそも95と5をかけても割っても足しても引いても20という答えになりそうが無い。抜き取るとはなんだか抜いてるようなのに、実際は適当にいくつかの書類を指定しただけだし、そもそも書類が個や枚ではなくサンプルサイズと言う不可思議な単位で表現されていた事は、きっと明日には忘れてしまうだろう。
さらに、不備が3つあったにも関わらず、プロジェクト自体に問題は無いと言われた事は、感覚が麻痺してしまって思考が止まりそう。
なぜ?なぜっ?!なぜなんですかぁーー??
ハハハ、さっっぱりわからない。
深呼吸をひたすら繰り返し、過呼吸気味になりながら思い返してみると、そういえば話の途中で「95%の確率」「抜き取る」と言っていたようないなかったような。頭か心かわからないどこかに、その言葉が引っかかっていた。

気まぐれに調べてみる

監査から数日後、心?に刺さっていた「95%の確率」と「抜き取る」について、なんとなく調べてることに。
まずは「95%の確率」について。
便利なインターネットを使って検索すると、ものすごいスピードで大量の結果が表示されてしまい、どうしていいかわからないままとりあえず上から眺めると、
 ・95%信頼区間
 ・オッズ比
 ・何故1.96なのか
 ・有意水準5%
冒頭からこんな言葉が目につく。
はて。一瞬自分が何を調べているのかわからなくなります。
このインターネットは、何を教えようとしてくれてるのか、、、。自分は何をしてしまったのか。。。
そもそも95%だと言っているのに1.96のような中途半端な数字や全然少ない5%が回答に含まれているのに加えて、ギャンブルの世界でありそうなオッズが登場しており、肝心な95%の確率については全く教えてもらえない。
いや、そもそも私の調べ方が悪かったのか??
インターネットさん、つまり95%の確率ってなんですか?と、虚しく誰もいないオフィスで呟いた後に、思いつくように「抜き取り」を追加して再検索する。
すると、先ほどの言葉に紛れて、以下のような見慣れない言葉と聞いた事がある言葉が紛れているではないですか。
 ・AQL
 ・品質検査
 ・サンプルサイズ
奇跡?!なんだか棒アイスで一本当たりを出した時のような高揚感を覚えます。
もしかすると、こないだの監査は品質検査?だったのかもしれません。確かにプロジェクトで作成した大量の書類を確認すると言う事は、プロジェクトの品質を確認する事と同義のような気がしてきます。年間でいくつもの会社を「品質検査」する監査員は、誰でもできる事ではなさそうです。
監査を受ける自分が監査員と渡り合うためには監査員資格を得れば良いのでは?と、安直な思考がよぎりますが、、、
調べると訳のわからない9001や14001などの難しそうな話が出てきます。中をチラ見すると、とてもじゃないけど、無理そうです。
なるほど監査員はつまり、品質検査員だった可能性が高いぞと直感がつげるので、改めて「品質検査 資格」で再度検索すると、「品質管理検定(QC検定)」と言うものがあるじゃないですか!
しかもこれを少し掘り下げてみると、4級の試験というものは、無料で教科書をダウンロードできる上に試験に合格すれば箔がつく事が判明します。

、、、と、ここまでお話ししてきましたが、いわゆる監査をきっかけにQC検定に出会った事で、私の隙間時間を利用してのリスキリングが始まります。
プロローグはここまで。
これからは統計の話に入っていきます。

統計の存在を認知する

QC検定期

もちろんQC4級程度で監査員と渡り合えるとは、毛頭考えていませんが、何もないよりもマシです。
しかも教材は無料です。
早速「品質管理検定」を検索し、4級の教材をダウンロードし勉強開始です。
とここからはあまり面白くないのではしょりますが、あっさりと(合格点ギリギリで)4級に合格しました。
というのも、4級の主な対象は、これから社会人になろうとする高校生だったのです。中堅社員がちょっと本気?を出せば、(ギリギリ)合格など容易い!?
さ!3級を目指すぞ!!と勉強を始めて2年目が過ぎた頃、ふと気づきました。
これで監査員と渡り合えるのか?
久しぶりの勉強に心奪われてしまい、当初の目的を見失っていたのです。
忙殺される毎日の中で、ふとした瞬間に得られる「解けた!」「正解だ!」と言う喜びに、脳内で幸せホルモンが放出されていたようで、勉強をしている最中に目的に向かっていない事に気がつけなくなっていました。
ただし、この勉強の中で理解し身についた事があります。

それは「統計」と言う考え方、、、

長くなってきたので、次回に続きます。

追伸
この記事に使った写真は、以前流氷を見にウトロへ行った際の一枚です。この写真を撮った前の日は、一面氷の大地で、そこが海であるとは全く思えなかったのですが、一晩でほとんどが沖に流れていったようです。自然の力って、本当にすごいですね。

修正2025/2/04
タイトルに「元」を追加しました。統計を勉強しないと!と思ったのは中堅社員ですが、今はもはや中堅社員はおこがましい?!年齢になってしまいましたので。。。

続き↓

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りす&きりん
ありがとう♪新しい教材に活かします!