私の競輪備忘録②④

輪界史上最高傑作の脇本雄太。2008年のデビューで2010年の前橋寛仁親王牌でG1初優出、ライン三番手の市田佳寿浩のG1初優勝に貢献。その後は幾多もG1決勝の舞台に乗るも逃げては潰れ逃げては潰れの繰り返し。


脇本ラインからのG1優勝者を数えると10年寛仁親王牌の市田、14年全日本選抜の村上博幸と高松宮杯の稲川翔、15年寛仁親王牌の園田匠、16年寛仁親王牌の稲垣裕之、18年日本選手権と高松宮杯の三谷竜生に競輪祭の浅井康太、19年高松宮杯の中川誠一郎、21年オールスターの古性優作...


記念G3を優勝するのと同じくらいに難易度の高いG1の決勝に9回乗るだけでも大変なのに9人の選手のG1優勝に貢献。三谷は18年2回のタイトルに加えてGPまでのおまけつきで脇本がラインから輩出したタイトルは現行のG1競走完全制覇のグランドスラム。


脇本自身の初タイトルは18年いわき平オールスターで後続ぶっちぎっての文句なしは悲願のG1初優勝。この時の番手が古性でこの時はまだ追走できずの悔し涙。

ここから3年後の21年、同じ場所同じ舞台はいわき平オールスターで見事脇本を差しきってのG1初優勝が古性だった事は記憶に新しく、脇本と共にG1初優勝がいわき平のオールスターというのは輪界最強の矛と盾でなにか縁があるのかも。


脇本は18年オールスターのG1初優勝を皮切りに同年の寛仁親王牌、19年日本選手権、20年は高松宮杯、寛仁親王牌を制覇してのタイトルラッシュ。

何度も何度もG1決勝の舞台に立つもののいつも優勝候補ではなかった脇本が明らかに覚醒したと感じられたレースが18年5月、平塚の日本選手権初日特選。


相手は17年競輪祭、18年全日本選抜でG1連続優勝、無双一閃状態だった時代の新田祐大。

全日本選抜決勝では古性のバンザイ駆けからこの頃まだまだ元気だった村上義弘の番手発進をいともたやすく粉砕で時代は完全に新田時代。


私は捲りの効きにくい平塚バンクで脇本を得ては村上の全日本選抜でのリベンジ車券を大量購入。

当時は脇本が残らずのブン回しで村上がようやく新田に先着しての1着ゴールが五分あるかないかの考察、結局村上は1着でゴール線を踏むものの脇本が2着普通に残って車券は脱糞、脇本に驚愕したことを鮮明に覚えている。当時の新田の捲りはそれほど強烈だった。


この大会、それまではG1決勝戦でいつも逃げ潰れていた脇本も決勝戦3着に残って新田をノーヒットノーランの完全試合、脇本ー三谷ー村上兄弟で並んだ近畿カルテットで4着までを独占した。


YouTubeでレース映像を探してもなかったのでレースを観たい人はKEIRIN.JPのPC版から資料室で検索。JPの動画は一旦ダウンロードしてYouTubeにでも貼り付けないとリンクが貼れないので面倒くさい。なので代わりに検索中に見つけた松浦イン粘号泣事件、事の成り行き動画から話を転回。


18年は松浦悠士の地元広島で当時S班だった三谷がぶん回してくれての松浦記念初優勝。22年は三谷が地元奈良で松浦にイン粘りされて飛ばされたの映像。


何が問題なのかと言うと地元記念に賭ける選手の気持ちと言うのはなんとなくわかると思う。暗黙の了解では地元に内から競ったり明らかに狙った飛びつきというのは昔からのご法度。


勝負なんだからそれはおかしい!


という気持ちもよーくよくわかるがそれも込みなのが競輪。もし番手勝負にするにしても地元には内からでなく外からというのが礼儀というのもある。


20年小田原記念決勝戦、郡司浩平の地元記念では松浦はレースの流れで外から郡司に競りかけている。

レースは松井宏佑ー郡司浩平ー和田真久留で並んだ南関トリオで松井のブン回しから郡司の番手発進、郡司和田で10万円ぶち込んだと同時に酔拳で与太こいた青汁10万円脱糞事件のレース。

結局郡司は絡まれたうえでの失格で個人的にいけ好かない和田の優勝。


『松浦なにしてくれてんねん!』


と当時は心底呪ったし頭ではもしかしたら松浦が自在日本一の選手かもと思った時でも認めたくなかった根底がここにある。


三谷の地元奈良記念では松浦がハナから狙っていたのかは本人しかわからないし事の成り行き、レースの展開で仕方ない部分もある。松浦の地元記念へ賭ける強い気持ちを踏まえて18年広島記念は三谷が駆けてくれた筈だし、その恩人である三谷の地元記念で展開上仕方ないにしろ内から飛ばす形になってしまった事に対するレース後の松浦の号泣だった筈。


いつかの小松島記念では地元徳島の太田竜馬阿竹智史で並んだ決勝戦、太田に先行勝負を挑む中で村上が太田の番手にハマっての優勝というのがあった。


画像1

これは鐘で踏み遅れた阿竹が鈍臭かったので仕方なしだしそこが阿竹が阿竹たる所以。とにもかくにも色々なドラマがあるのが記念競輪で深く語ればキリがないのでまたの機会に気がむいた時。


5月、G1日本選手権はいわき平。地元福島の新田、佐藤慎太郎に期待が集まるし、いわき平G1の縁は脇本に古性の近畿コンビ。日本選手権を過去10年少し遡れば村上兄弟、脇本三谷で合計8回の優勝は近畿勢が圧倒的に強い大会。


車券はフラットに死にがけ上等、いつもの特別競輪同様に打率1割前後のホームランバッター、皆は無法の荒野でヒャッハーしたいと思うんだな。 謝々

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?