
歯医者と60代
子供の時から虫歯、乳歯はみそっ歯(変換されない、すでに死語)えーつまり虫歯で全体的に茶色くなったり形凸凹してたりした状態だった。昔は「大人の歯が生えてくるから」と放置されたりしても誰も「育児放棄か?」なんて思わないのどかな時代だった。
父方祖母は「近所に良い歯科がないから」と60代で総入れ歯にしたと聴いている。母は八十七で亡くなるまで全部自前の歯だったが、父は80前には総入れ歯にしている。
残念ながら母の歯は私に遺伝してくれておらず、歯医者さんとの付き合いは長い。
この20年ほど通っていた歯科はインプラント大好きな歯科で、歯の調子が悪くなると嬉々として「じゃあそれはインプラントにしましょうか」と言う人だった。磨き方指導もなんとなくおざなりで、早く悪くなるのを待っているのではと言いたくなる時があったのみならず、年々審美歯科の傾向が強まり、「お母さんがきれいな歯の方が息子君も嬉しいですよ」と言い出したので捨てた。
今はほどほどな街のほどほどな歯科に通っている。入れ歯や総入れ歯の経験も豊富な若い歯医者さんなので、安心して死ぬまでお任せしようと思っている。