コロナ時代における都市政策のあり方
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、企業・個人の生活・仕事のあり方が大きく変わっています。
筆者についても、仕事・呑み会がリモート化し、移動に割く時間が激減し、自炊と宅配の食事が増え、本やニュースを読む時間が増えるといった変化がありました。
このような事象は、これまで進めてきた都市政策と相反する考え方を突き付けられているように感じます。
そのような中で、国土交通省では2020年10月~2021年3月にかけて「デジタル化の急速な進展やニューノーマルに対応した都市政策のあり方検討会」を開催していました。
2021年4月6日にその検討結果を「中間とりまとめ」として公表していますす。
今回は、中間発表で検討された結果の概要と筆者個人が考える都市政策の変化を考えてい見ようと思います。
今求められている都市政策とは(中間発表概要)
国の中間とりまとめでは、地域の資源として存在する官民の既存ストック(都市アセット)を最大限に活用し、市民ニーズにこたえていくことが重要としており、その取組の方向性は、以下のように記載しています。
■都市アセットを「使う」「活かす」
・職住遊学の融合等、官民の都市アセットの一体的利活用による空間づくり
・空家をコワーキングスペースにする等、都市アセットのリノベーション
・街路⇔オープンスペース等、都市アセットを可変的・柔軟に利活用
・公・民・学の多様な関係者が連携してまちのビジョンを共有
■スピーディに「動く」
・公園等まちなかでの社会実験
■デジタル技術・データを「使いこなす」
・データを活用したシミュレーションや効果検証、デジタル技術による新たなサービス
中間とりまとめの目指すべきまちづくりの方向性(上図・文)
引用元:国土交通省HP 報道発表資料より
コロナ禍における都市政策の変化
中間発表の内容自体は、近年の動向やトレンドであった都市アセットの活用やデジタル技術の活用を今一度推進していこうという考え方だと考えます。
ただし、これらの施策をまとめた都市ビジョンを上位計画から何年もかけて作るのではなく、すぐに市民ニーズに対応できるような「機動力」が求められていると感じました。
さらに、人口増加時代を担ってきた「都市計画(土地利用・都市施設・市街地開発)」で作り上げた都市は、もうすでに成熟したものとして捉えられています。
筆者も同様なことを考えており、「都市計画マスタープラン」のようなこれまでの都市計画に関する整備の方向性を担ってきたトップダウンの計画が中心となるのではなく、官民が連携しながらボトムアップによるまちづくりが求められていると考えています。
ただし、ボトムアップを進める上で、都市アセットの活用やデジタル技術の活用は、民間にとっては得意不得意なことあるため、行政がしっかり「つなぎ役」として一緒にボトムアップのまちづくりを進めていく必要があると考えます。
また、筆者がこの中間発表で特に重要と感じた事項は、「機動力(スピーディな行動)」です。
コロナ禍におけるまちづくりはもちろん、人口減少下におけるまちづくり、都市アセットがありふれているまちづくりなど、今までに事例はありません。
だれもわからない未知な領域は、トライアンドエラーを繰り返しながら学ぶ必要があると考えています。
あとがき
トライアンドエラーの代表格として、社会実験をうまく活用してはいかがでしょうか。
国の報道発表は、普段からコマめにチェックしていますが、こうやってnoteにまとめながら執筆していると、より勉強できますね。
当面、月水金での投稿を頑張ってみようと思います!
Cover Photo by Takuma OBARA