OUWN is : 言葉の力
昨年は誰もが想像しなかった苦しい1年になりましたね。
そして、まだまだその状況は続いています。
OUWNもさまざまな面で影響を受けました。
新しいな価値観が生まれ、生活様式も随分と変わり、実質的に人と人の距離も心の距離も、たった一年で大きく変わったと思います。
OUWNというワードについて
OUWNというワードは、まさに人と人の距離に着想を得て作ったものなので、言葉の持つ意味を再確認した年でもありました。
ちなみに撥音は人によりまちまちですが、読み方はそのまま[オウン]と読みます。
OUWNってどんな意味があるんですか?と、打ち合わせ等で聞かれることも少なくないので、
下記の記事で少しロゴについてお話もさせていただきましたが改めて。
OUWNという文字を構成している[OWN]は自分自身、間に入っている[U] は、あなた[YOU(U)]の意味があります。
それを合わせることで、
「僕(僕ら)」と「あなた」の共感や共有を大切にするブランドにしたいと命名しました。
何も共感できなければ、大きな仕事も断るし、
どんなに小さな仕事も、共有できれば全力で受ける。
そんな姿勢でやってきたことが、今に繋がっていると思います。
人も増え、歳もとり、笑いがあり、苦汁を飲み、日々の変化の中で
その姿勢が唯一変わっていないところです。
「YOU」を「U」と表現したのには訳がある
僕は、昔から「みんなでひとつになろう」といった言い方が好きではありません。
変に冷めているところもあって、人と人とはひとつになれないと思うことも多々あります。
でも、手を取り合ったり、想いを重ね合うことは出来る。
そこに一つの大事なものが生まれると思っています。
あなたのありのままを受け入れたいということも無い。むしろ、偽ったり、仕事上役を演じることも必要なはずですし、そういったことも人を魅力的に見せる、大切な要素だと思っています。
だから「YOU」というストレートな言葉ではなく、「U」として、相手側には変化を付けた文字を起用しました。どう演じていても大丈夫。安心して任せてほしいという気持ちも込められています。
単純に重なったところに良いものが生まれると信じています。
このように、OUWNは人と人との繋がりをコンセプトにしたブランドで、引き続き大切にしていきたいと思っています、当初とは違う気持ちも生まれてきました。
ここで今年のOUWNの年賀状をご紹介:
上の写真は、2021年のOUWNの年賀状のグラフィック面です。
この緑は染色をしたわけではなく、丑年にちなんで、一年草である牧草を50%も配合した「グムンドバイオサイクル-FS クロロフィル」という、古紙や自然素材をそのまま活かしたファインペーパーの色になります。つまり、牧草そのままの色味なんです! 実際に匂いを嗅ぐと、ヨモギ団子のような香りがします。その紙に金の箔押しをしました。
スティーブ・ジョブズの名言「点と点をつなげる」
スティーブ・ジョブズの言葉に「点と点をつなげる」という内容があります。人と人が繋がるという意味では、ロゴに込めたコンセプトに似たような部分がありますが、正直、今はそれ以上のことが求められていて、人々と人々が繋がる時代になっていると思います。コロナ禍であっても技術の発展でそれができるし、[OWN]と[U]の点と点ではなく、面と面がすぐにつながる時代なのかなと。
でも、
だからこそ、改めてOUWNという名前で良かったと思うんです。
たくさんの人々が瞬時に繋がれる時代の中で
、一人の人が、誰か一人のことを考えるというミニマムな熱っぽさが、今こそ大事だと思う。
しいていうなら、それがデザインの本質だと、そう考えています。
今年も厳しい状況は続くと思うので、私たちは人との距離が離れることにさらに慣れていくはずです。
だからこそ、OUWNのように、僕らとあなたが隣り合わせで歩めることを願っています。そして、この言葉によりいっそうの価値が生まれる年になると確信しています。
2021年のOUWNの年賀状の宛名面。
牧草地を走り回るような軽快なデザイン。環境のために私たちが考え、できることは何か。今年は、このテーマも一つ指針となるはずです。
今年も、OUWNのスタッフや作品、活動が輝くよう精進いたします。
2021年も宜しくお願いいたします。
石黒
Profile
石黒 篤史 ( Atsushi Ishiguro )
OUWNのクリエイティブディレクター。東京生まれ。佐野研二郎主宰のMR_DESIGNを経て、 2013年に「OUWN株式会社」を設立。アートディレクションから、グラフィックデザイン、サイン計画、web設計など多角的に企画立案製作に携わり、設立当初より継続的に国内外でデザイン賞を多数受賞。Design Workの他に「People and Thought.」といった、デザインを基軸に置きつつ、人の思考や現代の当たり前の感覚など、ベーシックとされてしまった思考に対して「疑問を見い出す」を、テーマにした芸術活動・展示・作品製作も精力的に行う。
Instagram : https://www.instagram.com/ai_ouwn/