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ハイキュー!!にハマってた人間が一度抜けてまた帰ってきた話
自分がハイキュー!!を知ったのはそのアニメ1期が放送されていた頃であった。
名前も知らないソバカスの男の子が「見てるだけで疲れる~」と言ったあの空気感と、その後のちょっとのホラー要素にこれが噂のバレーボール漫画(アニメ)なのか…?と、視聴後にたまたま予約録画をしていて見ても無かった1話から見始めた。
まあ、ものの見事に共感性羞恥が働いて途中で見るのを断念したのだが。
特に雪ヶ丘で日向だけが、北川第一で飛雄だけが真剣に試合をする中、自分の心は主人公二人よりも周りの人物と重なっていた。実は自分も昔、部活から逃げたことがある。戻りはしなかった。それもあって苦しくなった所もある。
その後何とか中断と再開を繰り返し、ぐったりしながら1話を見終わった。たぶん、今でも1話はまともに見ることはできない。
それこそ、「見てるだけで疲れる~」だった。
ここまで書くにあたってアニメ1期っていつだったっけ、と調べたが1期放送が2014年で10年前。10年前??マジ???マジである。こりゃまた祭りが始まるぜ。めでてぇわっしょいわっしょい!
アニメはIH予選へと話が進んでいく中、ようやく自分は単行本の1巻を購入した。そしていつの間にかその沼にはまっていったのである。
常波戦で泣き、伊達工戦で泣き、青城戦で泣いた。特に伊達工3年の部室語りのシーンは漫画で号泣してしまった。
当時のツイートを遡ってみていると「二口が3年になったら全国行くわって思ってる」
マジで行ってるし…いやそりゃ行くでしょあんな熱い展開しておいてさ。
その後時は進み春高大会宮城予選準決勝。
烏野VS青葉城西(推し)の試合である。
人気の高い試合の一つ。天才VS秀才。
正直自分はこの試合が大好きで大嫌いだ。
何度だって青城の全国を夢見た、けれど叶わなかった。オレンジコートに映える青葉達は見れなかった。
それでも、及川さんのバレーのセンスとプライドを一段と磨き上げた試合でもあった。だから何にも代え難い大好きな試合でもある。
あと烏野の推しが山口忠なのでIH予選の失敗を乗り越えたあのシーンは烏野メンバーと一緒に叫んだ。推しは何人いてもええですからね。
そして白鳥沢戦、東京代表決定戦、春高本戦、Vリーグプロ編。
正直、稲荷崎編辺りから熱が落ち着き始めて、もともと追っていたゲーム実況者の方に熱が傾き始めていた。それでも毎週ジャンプは読んでいて、なんとなくの結末は知っていたのだけども。
本誌ほぼラストで飛雄、金田一、国見の元北川第一の蟠りが解けて飛雄が穏やかに笑って約束をするシーンは、本当に涙が嘘のように零れた。
何年お前らのいざこざにやきもきしてきたと思ってるんだ、とか、あの頃はどっちも譲れなくてでも両方とも日向という存在に救われたんだな、とか、飛雄のトスを呼ぶ金田一や国見の姿がいつか見れるんだな、とかいろいろ思う事があった。
迎えた大団円は理想の日向と飛雄の最後で終わったなと思った。
最強の敵で最強の味方。俺がいればお前は最強だ、を体現した終わりだったなと。だって自分が最強なら相手も最強で、つまりずっと強いやつとバレーができるんだよ、と。最強じゃん。
そんな感じで自分の中の熱も下火になっていってたのだが。
ゴミ捨て場の決戦が映画化されると話題になって、研磨のあのシーン見れる!?とかいろいろ思ったが三日も経てば忘れてしまうくらいに冷めていた。
けども公開直前、本当にたまたま「もう一回が無い試合だ!研磨!」のシーンがSNSで流れてきた。
瞬間、「初日上映見に行こう」と良く分からない衝動に駆られ、仕事終わりである夜の初日上映の席を予約した。席は前日昼の時点で半分以上埋まっていた。その時は混んでるな~初日だからかな?くらいでそれ以上は何も思わなかった。
30分遅れで仕事を終わらせ、映画館へ急ぐ。興奮か緊張か、それとも両方か。向かうにつれて大きくなる心臓の音。連載中にジャンプを開いて一番にハイキューを読み進めた時や、単行本が発売されて本屋で発見した時と同じ胸の高鳴り。
自分は今、久々に楽しみにしている。そう思った。
なんとか着いた映画館は恐ろしく混んでいた。
こんな混むことある?というレベルの込み具合で、いつもは10人いるかいないかなのに身動きが若干取り辛いレベルで人がいるのである。田舎のイオンシネマのロビーは激狭なのだ。ヘケッ。
初日である2月16日は金曜日でもあったので華金で混んでいるのかと思いきや大体皆さん、手にハイキューの劇場グッズを握っていた。
ここにいるだいたいの人、ゴミ捨て場の決戦を待ってた人たちなんだ。そりゃそうだ、席はもう半分以上埋まっていたのだから。
浮かれ気持ちになって自分も売店でミニキャラが描かれたポケットファイルを手に取り(パンフレットは売り切れていた、残念)、ポスカ付きのナチョスとドリンクを買う為にすでに長蛇の列になっているレジ待ち列へ並ぶ。ちなみにナチョスは初めて買った。食べるのも初めてだ。
ホットスナック兼グッズ販売レジは共通なのでとりあえずレジが激混みだった。というかロビーにいる人の半分はここに並んでいた。
人の多さとレジの捌け具合は反比例する、とか、これライブの物販待機列だなぁとかくらだないことを考えていてもなかなか進まない列、着々と近づいてくる上映時間。焦る自分。
「これより劇場版ハイキューゴミ捨て場の決戦の入場受付を開始いたします」
劇場のお姉さんのアナウンスが無慈悲に流れる。これ間に合うのだろうか?
そう考えてるのもつかの間。
「ハイキュー入場者特典はまだ在庫があります、館内ではお急ぎにならないよう、お願い申し上げます。ここにいるみなさんにお配りできますので安心してください!」
激混みクソ狭ロビーで急いだおバカさんがいる。日向かよ、と心の中で突っ込みをしつつ、ようやく回ってきたレジを済ませ、ナチョスとドリンクとチケットを手に入場列へ並ぶ。
後ろに並んだ男性たちの「どうしよう、俺泣いたらごめん」「号泣するかもしれん」という会話にほっこり。聞いちゃってごめんね。
チケットを確認され、渡された33.5巻。え、ガチの本じゃん。こんな豪華なものもらってもいいのか…???決戦も見れて描きおろしイラストも見れて番外編も見れて、いいのか…???
席に着き、33.5巻を読み始める。各キャラというか烏野と音駒全員の描きおろし!?木下くんも成田くんもいる!?球彦くんも!?なんてこった古舘神よ!!!!
こんな豪華なもの映画代だけ払ってもらっていいのですか!?!?本当に!?ありがとうございます!!!!
読んでいるうちにスクリーンの映像は上映中の注意事項を伝えていたので、33.5巻を鞄へ仕舞い、ドリンクを飲んで落ち着く。
お気付きだろうが、自分のテンションはこの時点でマックス近くまでいっていた。下火?なにそれ状態である。
というか、ロビーにいてここにいる人のほとんどがゴミ捨て場を見に来た人と認識した時点で自分の中の春は終わってなかったんだなと気付かされた。しょうが焼きで終わったと思ったのにな。
そうして始まったゴミ捨て場の決戦。
内容は大体割愛するがこのシーンがないまあ時間制限あるし仕方ない、このシーン動いてる見たかった最高!が入り乱れる。
ぶっちゃけ興奮しすぎてナチョスは一枚も食べれなかったし、ドリンクの氷は解けていてかさ増し状態になっていた。それくらい、ゴミ捨て場の決戦に見入ってしまった。
もう一回のない、でもあと一秒だけ、もう一秒だけ。烏野じゃなくても音駒じゃなくてもそう思う試合だった。
最後の夏の練習試合の光景は自分なりの解釈になってしまうのだけれども、まだ終わらないでよと願う好敵手との試合が何日も続く合宿の一コマに感じた研磨の走馬灯のようなもの、なのではないかなと思っている。というか、あの演出でより一層そう感じた。
ゆっくりと、一秒一秒を惜しむ様に体育館を眺めていく。
蝉の声、カーテンの閉め切られた2階窓、参加しているメンバーたち。
東京体育館より狭い高校の体育館の、あの夏のすべてがオレンジコートまで繋がっている。
でもこの試合は公式試合で終わってしまう。東京体育館に戻ったあの瞬間、心臓がぎゅっとなった。
ぶつかり合っていた二校とも試合終了直後は喜んでいる、というより終わったぁ!!感が強くて、本当に公式試合というより、合宿の続きに見えた。あそこで「フライング一周ーゥ!」「うぇーい」が聞こえてもおかしくなかった。
だから余計に走馬灯のように見えたのかもしれない。
いろいろな考えと映像と音が脳内でぐるぐる回りながら、一枚も減っていないナチョスを片手に帰路に付く。
こりゃもう一回見るしかねぇべ。二回目が確定した瞬間である。ちなみにこれを書いている時点で三回見ている。
無事帰宅後、ひたすらナチョスを頬張る自分は新たな問題に直面していた。
ナチョス減らない。てか、サルサソースってなんだろう。違う。いや、違うくはないのだが。
そう、単行本である。
下火だった自分は本誌こそ追っていても、単行本を買わなくなっていた。
あるあるだと思うのだが、自分は自分の中で熱が下がると単行本もグッズもまったく買わなくなってしまう。典型的な二足の草鞋ができないタイプだった。
公開直前まで稲荷崎戦の32巻辺りまでしか単行本を買っていなかったのである。ジーザス。ちょうどゴミ捨て場の決戦直前じゃないの。
まあ、2、3日もあれば揃える事はできる。大人なので。週6で労働してる大人なので。そう思っていた。
大体は揃える事が出来た。が、見事にどこの書店にも33巻がないのだ。
勤務先市内のTSUTAYA数件、アニメイト、未来屋書店を梯子する日々が続く。しかしどこにも売っていない。ついでにカバー付きのショーセツバンもなかった。
みんな考えることは一緒だとは思っていたけどどうして…!!たぶんこの時の自分の顔は33.5巻の研磨のような顔になっていたに違いない。
最悪密林か楽天で通販するしかないな、と考えながら買い物ついでに地元のイオンの未来屋書店へふらりと寄った。小さな区画の本屋なので期待はしていなかったのだが。
あった。普通に売ってた。
ついでにカバー付きのショーセツバン2冊、ゴミ捨て場の決戦のノベルもあった。
気付けば4冊手にほくほくとレジへ向かっていた。今までの梯子した苦労はなんだったんだ、とか考えたけど結果が全てやーって侑さんも言うてはりましたしエエと思ってます。大人やけど。
これを書いてて気付いたが、長期連載(というか30巻以上出ているもの)の単行本を最後まで自力で揃えられたのは初めてだった。なんか感慨深い。
そして今に至るわけだが。
その間に逃しているイベントやらコラボやらがありすぎるし逃した魚は大きかった、を地で行く状態で涙目になりつつ心の大地さんが「切り替え切り替え!」と励ましてくれてます。
ファミマコラボなんて最終日に5件くらい梯子した。板チョコ以外何も売ってねぇ!その板チョコすらほとんどねぇ!状態だった。ウィダーゼリーは久々に買った。
気付いたらくら寿司終わってたしココスも後半だし。ファミレスにぼっちはハードル高ぇんスよ…。誰も気にしてないとは思うけど。近々行きます。
ハイドリだってリリース直後にインストしたは良いがドンピシャマッチに慣れていたのとやたらとアプリが落ちる(ガチャを引くたびに落ちる、ストーリーを進めるたびに落ちる、試合結果で落ちるなどなど)でアンストしてたのをまた入れ直して(相変わらず落ちるけども)頑張って選手を育てている。及川さんと矢巾と狂犬ちゃんが来ませんどうして。監督も来ませんどうして。
ハイフラ楽しみだけどハイドリより落ちそうで怖い。
とまあ、そんな感じで再び再熱したハイキュー!!ライフを楽しんでいる。
とりあえずゴミ捨て場の決戦は上映中は何回も見に行きますわよ。これは何回ももう一回があっていいものだから。
ほそぼそまったりと、また楽しんでいきたいですな。