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「コット」を観た
コットが叔父の合図で駆け出した時涙がでた。
コットは、周りと少し変わっているから、家が大変だから、腫れ物扱いされていた。
夏休みに、そんなコットを厄介払いするように叔父と叔母の家に預けられた。叔母が一生懸命可愛がろうとしてもコットはそれの受け取り方を知らない。けれども、何度も何度もクシで髪をとかしてもらううちに、叔母への信頼が生まれていく。
一方で、叔父はコットとのかかわり方に迷っていた。なるべく距離を取ろうと避けていた。しかし、叔母が用事で仕方なく出かける間、自分の仕事場へ連れていく。突然姿を消したコットを強く叱るが、次の日黙ってクッキーをコットに渡す。そして、「タイムを測るから郵便ポストまで駆けてこい」と不器用すぎる可愛がり方をする。
ただ走る。ただ家族の手伝いをする。ただ家族から愛される。たったそれだけでいい。裕福な暮らしも、他者から羨まれる仕事もいらなかった。
私は、ただ「普通の幸せ」が欲しかった。