【エッセイ】ストイックな解散と再会
ザ・ストリート・スライダーズが2023年5月3日に、日本武道館でライブを行う。ファンとしては端的に嬉しい。
しかしどうしても喜びと同時に脳内では「ラストライブ」の記憶が甦ってくる。
2000年10月29日の「ラストライブ」のステージ上では解散に関する言及は無くそれは、まさにスライダーズ然とした最後であった。
この潔さは解散ツアーをせずに一回きりの「ラストライブ」であったことにも現れている。
ラストが何回もあるのはおかしいと言う理由であったと思う。内部の事情は知る由もないが、関係者が最終的に了承したことも含め異例なことではないかと思う。開演時間も遠方からくるファンの為に早めに配慮されいたと思う。
解散理由はギターの土屋公平が脱退を希望したことで、土屋自身はスライダーズは新メンバーで再始動すると思っていたと語っていた記憶がある。
「らしさ」なんてファンの一方的な思い込みに過ぎないものだが、スライダーズとしてこれ以上ない見事な幕引きであったと思うし、有無を言わせない説得力があった。
形容としてストイックを当てるのはどのような印象を与えるか分からないが極私的には「ストイックな解散」だったと言いたい。このストイックさはスライダーズ側だけではなく、ファン側も共有していた姿勢である。