【現代詩】八方美人の一方だけでも

馬鹿にされて騙されて

廃棄されたのは

最後の糸が騒がしい

鴉と鳩の気の狂う枝を喰む

噛みしめる

穿孔と亀裂の痛み

流れるのは紫の血脈

至極まっとうに

信頼は反故になり

灰に消えた偽善の媚態

帰り路も見失い

抑圧の暴力に魂が溶けだす

強要される薄ら寒い笑顔