昭和プロレス真贋論

プロレスがエンタメなのか真剣勝負なのかが本気で議論されていた時代がありました。

ファンはプロレスラ―は強いと信じていました。試合も真剣勝負だと思っていました。勿論私もです。

中学生になると徐々に疑問が浮かんできましたが、そこは念頭にあっても、プロレスそのものの面白さに魅せられていきました。

体力的に一般人を凌駕しているのは誰にとっても一目瞭然です。なので「本気」になれば一般人だけではなく、競技者としても強いと信じていました。

つまりプロレスのリングでは常に猪木が世界一でした。

更にいうと「プロレスごっこ」で技の検証ができることが信じる実感を与えてくれました。

プロレス技は相手の協力が必要なこと、技が決まる瞬間、相手にダメージを与えない技術が存在することが必須です。
しかし、小学校の四年生ぐらいだとバックドロップやパイルドライバーを力まかせにかけることができてしまいます。大怪我する可能性もありますが、実際に「痛い」のでプロレスラーなら更に凄いと思うわけです。

そして意図せぬ経緯を経て第1次UWFが発足。所属のレスラーの移籍、脱退を経て「格闘技プロレス」の完成に向けた試行錯誤が始まりました。

しかし団体内でプロレスに対する距離が澎湃とし資金繰りがつかず倒産します。

短期間の活動ながらキック、関節技など従来のプロレスにない動きがプロレスファンに格闘技を意識させることになります。
現在、プロレスではない「総合格闘技」が世界規模で展開され隆盛を極めています。


さて、「昭和プロレス真贋論」というタイトルから遠く離れたようですがそうではありません。
ここでの眼目はプロレスファンほど情報に対して「real or fake」を考え続けた人たちはいないと思います。
これは現在のSNSに対するリテラシー能力の高さを担保していると思います。正確にはそうだと思いたい。ということです。

今、プロレスと格闘技は別のジャンルでまったく関係のない世界です。

所謂 fake newsに絡み取られないよう思考することに長けているのが「昭和プロレス者」であるはずです。