【音楽】「ユリリガミ」のイントロは四拍目の裏からは常識か

1978年。キンクスの名曲「ユー・リアリー・ガット・ミー」のイントロがエディ・ヴァン・ヘイレンのギターから放たれた。
カヴァー曲でありながら、以降、ギターキッズにとってはヴァン・ヘイレンの入門曲と化した。
殊にイントロの「ズジャジャジャジャ」はエレキギターを購入したその日から弾くことが可能なほどシンプルなリフで一度聴けば忘れることはない。
今では常識だが、エディ・ヴァン・ヘイレンはリフもソロも必ず裏拍から音を出す。
そして、ピックを持つ右手の人差し指は伸ばしている。これらの特徴はジャズに通じている。

裏拍からのタイム感。
初めてバンドで「ユー・リアリー・ガット・ミー」を演奏した時にイントロが合わなかった経験をお持ちの方も多いるのではないだろうか。
ひとり練習で弾けるようになったはずの「ユリガミ」であるがバンド練習では上手くいかない。
裏拍の乗りは音楽の素養が無い中学生のわたしには理解を超えた領域だった。
しかし、レコードをよく聴くとアレックス・ヴァン・ヘイレンのドラムも入るタイミングが「何か変」なことに気がつく。
他のメンバーもドラムではなくエディ・ヴァン・ヘイレンのタイム感に合わせて演奏しているとの情報も強ち嘘ではないと思えてくる。
動画など無い時代に頼りになるのは自分の耳だけだった。
あれから何十年たったのか。当時は好きなバンドが年をとり容姿も変わり亡くなっていくことは想像もしていなかった。
自分も含め時代は変わるという当たり前のことに今更ながら驚く。知人からは身体が衰え、指が痛くてギターが弾けないなんて話しも聞こえてくるようになった。音楽への夢はいつの間にか忘れた。

ギターソロ不要論が出てくる時代にギターヒーローは出てこないかもしれない。
今夜も動画で夢の欠片を補う。