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統計準1級 第12章 一般の分布に関する検定法 解説
はじめに
検定統計量について丸暗記せずに理解できる記事については下記を参照
https://note.com/outlifest/n/ne304cd16af63
この章で扱うもの
この章で扱う検定は正規分布以外に関する検定
つまり
二項分布に関する検定
ポアソン分布に関する検定
適合度検定と尤度比検定
について解説していく
二項分布に関する検定
試行回数$${n}$$、成功確率$${\theta}$$
のパラメーターを持つ二項分布を考え
$$
\binom{n}{k} \theta^k(1 - \theta)^{n-k}
$$
母比率の検定
帰無仮説を$${\theta = \theta_0}$$とする仮説検定を考える
検定統計量は標準正規分布に従う式から求められる
まず$${\theta}$$の最尤推定量は$${\hat{\theta} = (\frac{X}{n})}$$であり
これが漸近正規性($${n \rightarrow \infty}$$で正規分布)を持つ
※ 漸近正規性について詳しくはこちら
この$${\hat{\theta}}$$の正規分布は
帰無仮説$${\theta = \theta_0}$$のもとで
$${\hat{\theta} 〜 N(\theta_0, \sqrt{\frac{ \theta_0 (1 - \theta_0)}{n}})}$$
となるので、これを標準化すると
検定統計量は
$$
\frac{\hat{\theta} - \theta_0}{\sqrt{\frac{\theta_0 (1 - \theta_0)}{n}}}
$$
母比率の差の検定
基本的には母比率の検定と同じで2標本に拡張するだけ
帰無仮説を$${\theta = \theta_0}$$から$${\theta_1 = \theta_2}$$
とする仮説検定を考える
$${\hat{\theta_1} - \hat{\theta_2}}$$もまた漸近正規性より正規分布をもち
帰無仮説$${\theta_1 = \theta_2}$$のもとで
$${\theta_1 - \theta_2 〜 N(\theta_1 - \theta_2, \sqrt{\frac{ \theta_1 (1 - \theta_1)}{n_1} + \frac{ \theta_2 (1 - \theta_2)}{n_2}})}$$
となるので、これを標準化すると
検定統計量は
$$
\frac{\hat{\theta_1} - \hat{\theta_2}}{\sqrt{\frac{ \hat{\theta_1} (1 - \hat{\theta_1})}{n_1} + \frac{ \hat{\theta_2} (1 - \hat{\theta_2})}{n_2}})}
$$
ポアソン分布に関する検定
帰無仮説を$${\lambda = \lambda_0}$$とする仮説検定を考える
検定統計量は標準正規分布に従う式から求められる
まず$${\lambda}$$の最尤推定量は$${\hat{\lambda} (= X)}$$であり
これが漸近正規性($${n \rightarrow \infty}$$で正規分布)を持つ
この$${\hat{\lambda}}$$の正規分布は
帰無仮説$${\lambda = \lambda_0}$$のもとで
$${\hat{\lambda} 〜 N(\lambda_0, \sqrt{\lambda_0})}$$
となるので、これを標準化すると
検定統計量は
$$
\frac{\hat{\lambda} - \lambda_0}{\sqrt{\lambda_0}}
$$
カイ二乗分布に関する検定
適合度検定
先ほどまでとは違い適合度検定の検定統計量は
$${\chi^2}$$分布の検定統計量を用いる
$$
\begin{aligned}
& \sum_i\frac{(観測度数_i - 期待度数_i)^2}{期待度数_i} \\{}\\
&= \sum_i \frac{(O_i - E_i)^2}{E_i}
\end{aligned}
$$
尤度比検定
尤度比検定とは帰無仮説とそうでない一般の場合(対立仮説)
の尤度の比$${L}$$を計算して
$${\chi^2}$$検定統計量に従う形に加工して検定する
![](https://assets.st-note.com/img/1710930395046-W1icV3QENf.png?width=1200)
用いる検定統計量は
漸近的に$${\chi^2}$$分布に従う対数尤度比を2倍した値を用いる
$$
尤度比統計量 : 2log\frac{L_1}{L_0} 〜 \chi^{2}
$$
![](https://assets.st-note.com/img/1711033474146-XmPdA5vXIL.png?width=1200)
問題を解く流れとしては
尤度関数を作成
帰無仮説対立仮説の尤度関数を計算
尤度比計算
-2log$${\frac{L_0}{L_1}}$$計算
![](https://assets.st-note.com/img/1711033791769-oTe0JPvfCd.png?width=1200)
なお検定統計量が
$${\chi^2}$$分布に従うことはWilksの定理で保証されているが
発展的な内容なので参考文献を載せるのみにとどめておく
![](https://assets.st-note.com/img/1710929835659-LJwCzuYtcv.png?width=1200)
適合度検定と尤度比検定
適合度検定と尤度比検定は漸近的に(nを大きくすれば)同じことを言っている
詳しくは下記を参照