統計準1級 第3章 分布の特性値 解説
確率分布の特性値
最頻値・中央値・期待値(平均値)
期待値は標本内の数値に依存しているので
サンプル内外れ値の影響を大きく受けやすい
対して、最頻値・中央値は標本内の数値に依存していないので
サンプル内外れ値の影響を大きく受けにくい
最頻値と中央値の違いは
最頻値は単峰性の分布に対して峰の位置にくるが
中央値は数直線の真ん中あたりにくることが多い
したがって分布によって大小が逆転する
サンプルデータの特性値
加重平均
加重平均は今まで日常的に使っている平均と同じ意味で足し算による平均を表す
例:日経平均の直近4年間株価が11,150,9,800,10,300,9,900円であったときに、この直近4年間の平均株価はどのくらいか?
解:平均株価は全ての年の足し算で算出されるので、求めるのは足し算の平均である算術平均
$$
A = \frac{1}{4}(11,150 + 9,800 + 10,300 + 9,900) \\{}\\
A = 10,375
$$
幾何平均
幾何平均は掛け算による平均を表す
例:日経平均の直近4年間伸び率が1.15,0.98,1.03,0.99であったときに、この直近4年間の1年あたりの平均伸び率はどのくらいか?
解:伸び率は前年からの掛け算で算出されるので、求めるのは掛け算の平均である幾何平均
$$
G = \sqrt[4]{1.15 \times 0.98 \times 1.03 \times 0.99} \\{}\\
G = 1.04…
$$
調和平均
調和平均は割合の平均を表すもの
例:48kmの道のりを行きは8km、帰りは12kmで往復したときの平均時速は?
解:行きの割合は1hあたりに8kmの割合で進み、帰りの割合は1hあたり12kmの割合で進む
調和平均は
$$
\frac{1}{H} = \frac{1}{2} (\frac{1}{8} + \frac{1}{12}) \\{}\\
H = 9.6
$$
となる
またこれらの平均に関して
$${調和平均 \leq 幾何平均 \leq 算術平均}$$
の不等式が成り立つ
期待値と分散の性質
加法性に関して
$$
E[aX + bY + c] = aE[X] + bE[Y] +c
$$
$$
V[aX + bY] = a^2V[X] + b^2V[Y] + 2abCov[X,Y]
$$
独立性に関して
$$
E[XY] = E[X]E[Y]
$$
$$
V[X + Y] = V[X] + V[Y] (\because Cov[X,Y] = 0)
$$