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米国株師匠🍅アウトライヤー寄稿223



第222回から続く


インフレとの闘いが全て終わったという意味ではない


ブルームバーグ記事からの引用です。

・「米消費者物価指数、6月は前月比0.2%上昇-前年比では3%上昇」


・「リッチモンド連銀総裁、インフレ率まだ「高過ぎる」-目標2%を強調」


・「パウエル議長が注視する米サービス業物価指数、21年末以来の低い伸び」


・「米インフレ率3%は非常事態の終わりを示唆、金融政策の転換点に」



この記事からの引用~”インフレとの闘いが全て終わったという意味ではない。これはとりわけ、今月の会合で追加利上げが広く確実視されている連邦公開市場委員会(FOMC)に当てはまる。ただ、そこで利上げが当面打ち止めになる確率はいまや50%以上あるだろう。

これが12日のCPI発表後、市場が織り込みつつある見方だ。米短期債利回りは低下、株は上昇、ドル指数は14カ月ぶり低水準となった。これは全て、米当局が引き締めを緩めるとの期待に基づいている。”

パウエル議長が注視する米サービス業物価指数、21年末以来の低い伸び
の記事からの引用~”今月25ー26日に開かれる連邦公開市場委員会(FOMC)会合では、利上げ再開を決定すると広く予想されている。しかし6月のコアサービス物価の上昇率が他の物価指標とともに予想を下回ったことは、9月以降の会合で追加利上げを敬遠する動きにつながり得る。”


ポイント ”はなから”


ポイントは、7月の利上げ云々ではなくて、パウエル議長が言うように、7月も含めてあと2回もしくは複数回の利上げと見るのか、それとも、この寄稿で述べたように、マネーマーケットマネジャーの人達が、”はなから”みているようにあと1回(7月)の利上げで済むのかどうか。これなんですよ。



今回のCPIの発表、その数字いかんが7月の利上げの可能性を占うとか、そういう事ではないんですよ。そんなところにポイントないですよ。


両方とも穴に落ちてしまうだろう。



今回のCPIの数字が7月の利上げの可能性を占うというコメントとを聞いて、それでアメリカ株を見てい行こう、アメリカ株に投資して儲けたいと考える方に置かれましては、僕が感じるのは、申し訳ないですけど、昨年スペースで述べ、7月3日にアウトライヤーのアカウントからツィートしました~「ウォール街、金融機関で働く時に、一貫して肝に銘じていたのは、かつて一緒に仕事させて頂いた方から教えていただいた事~Quotation: "Matthew 15:14 Verse New International Version" "Leave them; they are blind guides. If the blind lead the blind, both will fall into a pit."~バイブル・バース:マタイによる福音書 15:14 - 彼らをそのままにしておきなさい。彼らは盲人のための盲目の案内人だ。盲人が盲人を導くなら,両方とも穴に落ちてしまうだろう。

主が言うのです。彼らをほっとけって。彼らは、盲人の案内人だ。盲人が盲人の手を引いて、一緒に穴に落ちますよ」~僕はですけど、まあ、アメリカ人の専門家と称する方々のお話を拝聴する時に、そこにいた人、その事を現実世界で、”その中にいて”実際に長い期間やっていた人のお話に耳を傾けることにしています。僕の場合は、外からの解説とかはほとんど聞いていません(笑)。」
を思い出します。


7月、9月、2回もしくはそそれ以上の複数回の利上げと見るのか、7月1回の利上げと見るのか。7月1回の利上げで済みそうだな、というところで、CPI発表後のマーケットこれだけ上がっているわけでしょ。ここのところ、この寄稿で強調して注目してきた米5年債の利回り推移パターン、昨年10月から築かれてきた、その軌道、ゾーンに逆戻りし、おさまった形になりました。NYゴールド、1930どころか、1960超えて、大幅上昇してしてますね。米5年債の利回り推移パターンが壊れたという事がホンモノなら、まずNYゴールドが即座に反応するはず。下落するはず。下落するどころか、昨日大幅上昇していますね。米5年債の利回り推移パターンが壊れたという事がホンモノだとは、この時点では、言えませんね。

僕が、レベル観で売って見たいという誘惑にかられましたという7月7日金曜日引け間際のレベル4420~4400で、もし仮に売っていたら、今頃、ものすご~く、嫌~な思いをしていたと思います(笑)(笑)。なぜ売らないのか。売らない、そうしない理由につきましても、直近の寄稿で述べました。

第219回の寄稿で~あるアメリカの専門家の方がご指摘されておられましたが~引用~マネーマーケットマネジャーの人達、FRBが金利引き上げてもあと1回だけだろうと見ているところから、イエレンさんは短期証券を強烈に発行して、アメリカのデュレーションを短縮していると。イエレンさんが恐れている事は銀行(支払)準備金危機を引き超す事。そうならないようにやっていると~。

マーケットが注視してきたことは、リセッションうんちゃら、かんちゃらは、脇に置きましても。

・BTFP(FRBの新しい緊急貸出制度)によって、デュレーションリスクが除去されている。これはインパクトのある大きな、パワフルな事です。

・TGAの再構築

・金利「高い、を、より長く」で行くのかと思っていたきたけど、金融状況のところにFRBのジレンマがある。バランスシートは縮小している、向こう2年にわたって縮小し続ける。

しかし、インフレ抑制に対して、より金利のところ、ターミナルレート(金利の最高到達点)はじめ、金利引き上げの回数も含めて、まだ、金利の引き上げ局面が続くのでは。

2%になる事の方がはるかに難儀


インフレについて、9%から今の水準になる事よりも、リッチモンド連銀のバーキン総裁が強調されておられます通り”目標2%を強調”、今の水準が2%になる事の方がはるかに難儀である事、FRBの人達も、マーケットも、理解しているわけですよね。
だからパウエル議長は、金利の引き上げ回数を、2回もしくは複数回という示唆してきました。

そして、僕は、この寄稿で、リバースレポの残高減、TGAの残高増について触れてきました。自分も含めて、多くのアメリカの専門家が予想してきたように、流動性が吸い上げられるなんてことおこってません、流動性が吸い上げられるという予想は”今のところ”外れていますと述べてきました。

マネーマーケットマネジャーの人達、FRBが金利引き上げてもあと1回だけだろうと見ているところから、イエレンさんは短期証券を強烈に発行して、アメリカのデュレーションを短縮し、リバースレポからお金が出て、T-Bills(米財務省短期証券)への需要、豊富にある状態になっているわけですね。


現在、流動性は供給



見方としてですね。たとえば、短く端折って述べますと。
TGAの残高がこれこれしかじか○○今日増えました。
リバースレポの残高がこれこれ、しかじか△△今日減ってリバースレポからお金が出ました。

単に、リバースレポから出たお金△△ - TGAのところ増えた分○○ = 流動性に加味されたお金
ってことで考えて良いわけすね。いや、現在、流動性は供給されておりますでしょ。なんら、これまでから、マーケットの素地、素材が変っているわけではありません。

で、マネーマーケットマネジャーの人達だけではなくて、マーケット全体で、FRBが金利引き上げてもあと1回だけだろうという解釈が強くなっているわけですね、今のところ。

そりゃ、株、上がりますよね。フロス(泡、あぶく)吹きますよね。僕は、これが嫌だから、売らない。売っても下がらないでしょ。逆に上にポ~ンと持って行かれて即死状態になるのは嫌だ、と述べて参りました。

今日のマーケット、金利を引き上げる回数たぶん1回だね~、流動性、オッケーだね~、米5年債の利回りも元の鞘に収まる形で~、って言いながら、フロスが吹いていると呼ぶのか、新しいブルマーケットの初期段階と呼ぶのか、どう呼ぶかは別として、とにかく上昇。

前述の記事からの再度引用~米短期債利回りは低下、株は上昇、ドル指数は14カ月ぶり低水準となった。これは全て、米当局が引き締めを緩めるとの期待に基づいている。

でも、いっぽうで、バランスシートの縮小は、粛々と行われているのです。
昨日の寄稿で、ゆでガエルも例に用いましたし、デフレの前にある資産バブル?も例に用いました。

ここから業績発表が始まる中で、昨日も述べましたが、FRBのバランスシート縮小、その縮小幅については、今月から来月にかけてのところで、8月の頭、8月1日の週、33.25billion縮小予定で。7月の他の週から見ると、週ごとの数字として大きめの数字であるこの時前後、FOMC前後のところを時期として注目しています。

なぜ、こう言っているかと申しますと。FRBのジレンマがあると述べ、そう思っていますが、金融状況は、一般的に言われているより引き締まっていません。
金融状況でやるか、利上げの回数でやるか、利上げ幅でやるか。
利上げ幅については、ここからは25ベーシスポイントでしょうから、金融状況が引き締まっていない以上、FRBが目的を達成するためには、利上げ回数が重要だろうと現時点、この時点では思います。だから、7月1回で終わり、とは、まだ、僕の場合は言い切れませんね。
いっぽうで、金融状況が引き締まっていないという事は、リセッションは、すぐには来ませんね。すぐには来ないでしょうから、リセッションが来る前に、マーケットが先に高値を獲りに行ったらどうするんですか。と過去の寄稿で述べてきました。

この時代の株にとって大事な事は、流動性と業績。


まあ、昨日も述べましたが、業績発表内容いかんで、3%~5%の調整、修正というものは、いつでも起こり得ると思います。でもですね。流動性のところ、いわゆるこの寄稿で言うところのマーケットの素地、素材は、これまでのところ変わっていませんからね。
そして、本当に7月で利上げ打ち止めなの?本当は、9月もあるんじゃないの?インフレ9%から今の水準より、今の水準から2%、これが難儀なんだから~。
こういう条件の変化、マーケットとFRBとの間にある乖離。
7月FOMC前後のところでこのようなところを探ろう、探ろうとマーケットはするでしょうね、と僕は思っています。

第150回寄稿以降のところでも述べていますが、ディスインフレ。M2の推移などからのデフレ、デフレ懸念。ここのところのマーケットの動きは、デフレの前の資産バブルに、長い目で見た場合、僕には見えています。

僕は、ず~っとさかのぼること過去の寄稿で、今年2023年については、金利を引き上げ続ける局面、金利の引き上げを終了する局面、引き上げた金利をその高い水準で維持する局面、局面、局面で立ち回り方が異なるはずだ、マーケットの動きは途切れ途切れになり、迅速な立ち回りが必要になる、そう考えていると述べてきました。金利を引き上げ続ける局面でさえ、当初予想から、こう、”後ずれ”しているわけですから。いったんマーケットに参加したら、長居をしないで、乗ったら降りる、乗ったら降りるくらいの対応が必要だとも述べてきました。この考え方というのは、今年1年をとおして、今でも、自分の基盤のひとつにあります。

条件の変化と、マーケットとFRBとの間にある乖離が、局面、局面でどちらが側に収れんされて行くのかというところがポイントです。

まあ、余談と致しまして。
ラエル・ブレーナードNEC委員長の話もサクッと拝見致しました。
引用~”The economy is defying predictions that inflation would not fall absent significant job destruction."
米経済は、重大な雇用破壊がなければインフレは下がらないという予測を裏切っている
来年の大統領選をにらんでますかね。私達は、雇用破壊せずに(皆さんのお仕事をお守りして)インフレ抑制に成功しているという、強調、アピールでございましょうか。
まあ、それにしても、ずいぶんとお早いビクトリーラップですね。早すぎませんか???ここから、インフレターゲット2%へが、ホント難儀だと思いますけど。

もうひとつ余談です。アメリカでは、その時、ずいぶんと話題になっておりましたが。
自分も若い頃から、アメリカとご縁あって、時間を過ごし、仕事もさせて頂きましたので、これは、ビデオを見た瞬間にすご~く内心気にしていたのですが~「イエレン財務長官のお辞儀
こんなことするぅ?びっくりしちゃった。やってくれちゃった?
どうしたの、この人?何やってるの、この女性?
まあ、ビデオを見た直後の僕の率直な感想です。

最初の頃の寄稿で述べました通り、僕は、専門家でもありませんし、中国へは何度も足を運んだことはありますが、中国の事はよくわかりません。中国に関しては、事あるごとに、その都度、遠藤誉氏のお話を参考にさせて頂いておりますと述べてきました。
日本では、遠藤氏が、このように、ご指摘されておられましたので、引用させて頂きます。

株が上がる、下がる、金融市場がどう、という話とはまた別に。
僕は、トランプ氏の台頭以降、過去この7年間くらい、民主主義 vs.権威主義という観点からアメリカの政治を見てきました。その根底にあるのは、アメリカ合衆国憲法です。憲法に基づく国家統治です。True Faith and Allegiance to the Constitution.(トゥルー・ファイス・アンド・アリージャンス)アメリカ合衆国憲法に対する忠誠。

僕の場合は、アメリカの政治を見るにあたって、アメリカで言うところの米保守リバタリアンの人達と目線を合わせ、そこから、チェックス・アンド・バランシーズ(抑制と均衡)のシステムに基づいて見てきました。
まあ、これは、国の立法、司法、行政の三権分立、特定の部門が専横なふるまいをする事を防ぐシステムなわけですが。トランプ氏は、このシステムを破壊しようとしたので。トランプ氏とその取り巻きに対しては今でも限りなく非常に厳しい眼で見ております。危険人物だと思っております。

ただ、それはとは別に。
長い事、低金利政策を放置して、その上、今度は、1年4か月で、早々に、ビクトリーラップをする人。

国家を背負って中国に行って、相手はお辞儀なんてしてないのに、満面の笑顔でお辞儀何回もする人。

僕には、こういうところが、よくわかりません(笑)。
わかりたくもありません(笑)。
過去の寄稿で何度も述べましたが、ミュニューチン財務長官が恋しいです。

その国、その国で、また、事情が異なりますが。僕の目線は、保守リバタリアン、Neoconservatism(新保守主義)というところからです。
保守リバタリアンであっても、リベラルであっても、議論はたくさんできますからね。そこが面白いところです。

アメリカの場合ですと、特定の人に対する忠誠ではなくて、憲法に対する忠誠。アメリカの議員さんは、特定の人に対してではなくて、アメリカ合衆国憲法に対して忠誠を誓い、選挙で選ばれた公人として議員さんの職を務めるわけですから。

僕にではなくて、ビジネスについて行くにように

昔の仕事の頃。若い人に、「アウトライヤーさんについて行きますよ。上手く使って下さいね。ついて行きますから」と言って頂いた事があります。ありがたいことです。ただ、その時。その方に、そのお気持ちとニュアンスをありがたく頂戴しますが。それは、「自分(その方)は間違うけど、アウトライヤーは間違わないという前提に立った時にのみ成立する話だ。だから、それは止めといた方がいい。僕にではなくて、ビジネスについて行くにように」と述べた事があります。

友人は別として、ビジネスなら特定の人に、とか、じゃないんですよね~、今でも。
いや、なんてったって。若い頃から、
Everybody is replaceable. If you don't like it, the door is right there. Get the fu*k out of here.
全員取り換え可能。嫌なら、出口そこよ~って、刷り込まれて来ましたから。
まあ、こういう考え方が、根底にあるんでしょうね(笑)。




第224回へ続く




最後に …
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私、アウトライヤーは、OUTLIER とは関係ありませんが、
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アウトライヤー
より。外れ値です。でも異常値ではありません。
笑って許してくださいね。ごゆるりとお時間ある時ご覧になってください。
背景にある経歴:80年代後半から、ペインウェバー証券会社、メリルリンチ証券会社、ベアー・スターンズ証券会社等々の外資系証券会社東京支店法人営業部門に勤務。外資系企業生活で24年の歳月が流れました。
ペインウェバー証券会社ニューヨーク本社にて、2名のメンターのもと、米国株式業務を基礎から習得。なぜ、2名だったかと言いますと、フロントオフィス業務用に1名=MIT出身のトレーダーで数学者、バックオフィス業務用に1名=米国では名の知れたバックオフィスの専門家でした。当時、NY証券取引所にもしばしば、足を運び、入り口から出口まで、叩き込まれました。その後、日本国内の機関投資家向け外国株式営業に携わり、メリルリンチ証券会社とベアー・スターンズ証券会社では、それぞれ東京支店法人営業部門外国株式営業部長として、東京、ニューヨーク(ウォール街)、ロンドン(シティ)を中心に、アジア諸国も含めて、世界中を飛び回りました。グローバル株式・金融業務に従事する上で、メリルリンチ証券会社では、当時のメリルリンチ・グローバル株式営業部門におけるアジア地域2名のグローバル・エクティ・コーディネーターの1人として、米国株式を中心に、グローバルに株式業務推進役の職責も兼務。(この時とっても楽しかったです)
2012年2月に外資系企業生活を終えました。
同2012年年春から、日本企業の顧問に就任。
一貫して、この30年超の期間、何度も何度も現地に足を運び、そこにいた人々と直接仕事をした事を含めて、アメリカの金融政策、アメリカの株式市場を見つめてきました。
🍅注意事項
①不特定多数の者により随時に、誰でも閲覧可能な無料記事です。
投資助言行為に該当するアドバイスは行いません。短期動向や個別の運用相談に関するご質問へのご回答は一切行っておりません
③投資の最終決定はご自身のご判断と責任でおこなってください。

『アウトライヤー寄稿』は利益を保証するものではありません。

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