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米国株師匠🍅アウトライヤー寄稿217

第216回から続く


今日のテーマは、~探し物~

昨年10月マーケットの安値からこれまでの上げ、その背景で、どの条件に変化がみられるのか。どの条件が変っているのか。シャドー流動性と米5年債利回りの推移に注目しながら。

昨年のことです。過去のこの寄稿で何回にもわたって、FRBはターミナルレート(金利の最高到達点)を6%もしくはそれ以上のところに持って行くのではないかと記した時期がありました。
そして、それから一転、今年4月、5月には、もはや金利の水準はあまり関係ない、5月に25ベーシスポイント象徴的に金利を引き上げてそこで今回の金利の引き上げは終了、「高い、を、より長く」とこの寄稿で記してきました。

TGAの再構築をサポートする意図もあってか6月に金利の引き上げを一時停止したものの、今回、この4月、5月に僕がそう考えたようにはならないようです、なっていません。この4月、5月に述べた事は外れましたね。

昨今のパウエル議長のご発言から、そして、今、米2年債、5年債、10年債の利回り見ておりますと。FRBはターミナルレート(金利の最高到達点)6%もしくはそれ以上の水準に持って行く可能性十分にありますね。その事が示唆されていると”この7月そう思うようにさえまたなっています”。

ホ~ント金融市場って難儀ですね。

今日は、”そう思うようにさえまたなっています”と言うところについても触れます。

そして、昨日述べた米5年債の利回り。今日の時点でも、昨年10月から描いてきたパターンを上抜けしている状態で、4.2%のところを上回って、米5年債の利回り、この寄稿を書いている今の時点で、4.363ですね。

これまで僕が探してきた、探している探し物は、マーケットを、それを、ベアーマーケットラリーと呼ぼうが、おそるおそるというところはあるにせよ新しいブルマーケットの初期段階だと呼ぶにせよ、昨年10月の安値からの上昇の背景となっているところのどの条件に変化がみられるのか?というところです。

何が昨年10月安値からの上昇をドライブしてきたのか。明白、明らかなのは流動性と金融状況です。

もちろん、昨年10月以来、上げばかりではなくて、下げの局面もありました。

僕は、過去の寄稿で明記させて頂いた通り、この2月半ば、ブレーナード前副議長が2月14日に退任して、2月16日をマーケットの潮目の変わり目、変わり目の日と見て、そう位置付け、そこから3月終盤まで、マーケットの下げを獲りました。良くも悪くも、今年これまでにマーケットに関して実際にした仕事はこの期間だけです。

4月に入って以降は、マーケットの下地、土台となる素地、素材が変わらないと、売るって言ったところで、そんな下がりませんよ。売ったは良かったけど、逆に(上にグ~ンと)持って行かれて、即死状態になるなんて嫌だ、という事をこの寄稿で述べてきました。当時、買うに買う度胸もありませんでした。

マーケット、フロス(泡、あぶく)ですからと述べてきました。
まあ、僕の認識において、マーケットは、フロス(泡、あぶく)状態と呼んできたわけですね。

自称専門家が、インデックスのレベル(S&P500)で、4000で弱気で売り、4100でも弱気で売り、4200でも弱気で売り、4300でも弱気で売り、4400でも弱気で売り、それを超えても弱気で売り。インデックスのレベル「価格」や行動のタイミング「時」を明示することもなく、弱気材料を並べ立て、ただ持論を展開する。

これは、僕には、unacceptable 受け入れられません。
全部スルーしていますと明確に述べ続けて参りました。

FRBのシャドー流動性というところと米5年債の利回りについて触れます。


米5年債の利回りについては、昨年10月から描かれてきていたパターンが壊れたのかというところ、判断するには時間があまりにも短すぎますが、現に、株も7月6日木曜日は下落に転じているわけですからね。失業率の発表前、米5年債利回り上昇、米株下落、こういう日は心に留めておくようにしています。

昨日第216回の寄稿から~新しいブルマーケットだとおっしゃる別の専門家の方は、FRBのシャドー流動性こそが新しいブルマーケットを支えているとおっしゃいます。果たして今後もそうでしょうか。少なくともFRBが、”意図”している事、その”意図”は、流動性を吸い上げることだと僕は考えております。米財務省はこれはまた別でしょうけど。このあたりが、複合要因が絡む複雑な事象ですね。過去のこの寄稿でひとつの考え方として、「複合要因の絡む複雑な事象を簡潔化して述べる事は危険」と述べてきましたが、まさしくそれだと思います。~

上記に加えてもうひとつ、昨日第216回の寄稿から~米5年債の利回り~この利回り推移については、専門家の提供するチャート見ておりますと、去年の10月を始めとしてそこからつくられてきた、描かれてきたパターンから、今この時点では上にブレークしている格好になっているんですね。~略~この5年債の推移は、具体的です。4.2%以上が、今後も続くのか?というところです。経済指標やいろいろなイベント、いろいろありますが、そういう中で、これが続くのであれば、それは、昨年10月からのパターンが変わったわけで、それは株にとっては良い話では明らかにないわけですからね。株の上昇を支える要因にはなりませんね。逆風ですね。

これらの事について考えながら、昨日日中、結構真面目に読みものをしました。

FRBのシャドー流動性について~


やそれ以前の過去の寄稿で述べましたように、リバースレポの残高は減少しています。で、TGAは増加しています。QT効果は相殺されています。この通りなんですよね~。これについては過去の寄稿で述べて来た通りです。
ずっと以前から、僕も加えて、多くのアメリカの専門家が予想してきたようにTGAの再構築に及んで、流動性が吸い上げられると予想し、予想されてきましたが、今まだそうなっていません、と、ここのところの過去の寄稿で述べてきました。

いや、昨日読み物をしておりましてね。僕が信頼を置いているアメリカの専門家のおひとりは~その方のコメントからの引用~大々的に宣伝されていたTGAの補充は最も危険な段階を過ぎて、米財務省の9月末目標である6000億ドルまであと1100億ドルに迫ってきてますね。 流動性は十分に維持されていますね。~と述べておられました。思い出してみてください。今年1月から、この寄稿の過去の早い段階で、TGAからのドローダウン(お金の引き出し)はおおよそ5690億ドル、これは、QTの1か月分を最大950億ドルと見積もって、5690億ドルはその6か月に相当しますということを引用を用いて何度も述べました。このドローダウンそのものが景気刺激的であり、QT効果を相殺しています、と。

新たな「ステルスQE」


前述アメリカの専門家の方からの引用~リバースレポのファシリティに2兆ドルの余剰資金プールが形成されて、FRBのショック吸収機能として蓄えられているかたち。リバースレポのファシリティにある2兆ドルというお金が銀行システムに再参入しようとしており、FRBの引き締め姿勢をさらに脅かしつつ、FRBが想定する金融引き締めに逆行しており、これはQEではないのですが、市場にとって新たな「ステルスQE」としての後押し(として認識される)となる可能性があり、これがマーケットを支えるのではないかという事が、今、明らかになりつつありますね~とこの専門家の方はご指摘されておられました。いっぱい刷っちゃったお金のことですね。FRBの”意図”は明らかにQTなのですが、実際にそのQT効果もろかぶりになっていないというところ。FRBの本来の”意図”に反しているところ、FRBのジレンマですね。FRBのジレンマがここにあるのでしょうね。

この専門家の方のコメントを全部鵜呑みにするとか、信じ込むとかではありませんが、少なくともこれは、よく聞いて、よく見ています。流動性というところにおいて、余剰資金は豊富にあり、素地、素材を変えてしまうという事には現在、この時点おいては、そうはなっていませんから。

マーケットを引きずり下げる要因は何なのか?仮に、それがないのであれば、マーケットは言うほど下がらないわけですから。そりゃ、売ったところで、”私なにしてるの?”って話になっちゃいますからね。

そこで、もうひとつ眼を光らせているところ、それが、米5年債の利回り推移です。4.2%以上が継続する、それをさらに上にブレークということであれば、これは、明らかに去年の10月を始めとしてそこからつくられてきた、描かれてきた、パターンが壊れたことになるわけで。これは、ここに来てパターンが変ったという事ですからね。これが続くのであれば、これは株式市場をサポートする要因ではありません、逆風ですね。

米5年債の利回りについて、利回りが上昇している事も事実ですが、昨年10月以来描いてきたパターンが、利回り上昇、パターンを上にブレークで壊しつつあること、この点がポイントであり、そして7月6日木曜日は、その日に株が下落している事、この事実を見ています。

7月6日木曜日は、米雇用統計発表の前日ですから、それに絡めての動きもあるのでしょうけど、米債利回り上昇、株下落は事実です。

余談ですが。これは、僕個人の勝手な印象にすぎませんが。雇用統計の時って、まあなんとなく(すみません、”なんとなく”、なんて、こんなテキトーな言葉を使用して)、雇用統計の数字の発表が意識されてその前から動いて、数字の発表があって、またその当日に動いて、で、週末をはさんで、全くまた別の月曜日、新しい週がやってくる、という印象も、時に、時にですが、ありましてね。雇用統計発表時だった先週大騒ぎしたけど、なんだったのあれは?みたいな週末をはさんだ翌月曜日、火曜日、水曜日という意味です。

この米5年債のパターンが壊れることがホンモノであり、ホンキかというところ。

これを見るのに、NYゴールドをひとつの判断基準に使用しています。これが、ホンモノであり、ホンキなら、明らかにNYゴールドには、逆風。
NYゴールドが、いち早く反応する形であったりで、もっと下がるでしょうから、と思っています。

*注記:上記は、単にNYゴールドを意味しています。”金”というのは、NYゴールドの価格 x 為替、これに金利分でしょうかね、それが加算されて、価格が形成されているという認識でいます。
僕は、商品の専門家でも何でもありませんが、米5年債の利回り推移を見るにあたって、NYゴールドを参考にしていますという意味です。


ブルームバーグ記事を引用させて頂きます。

・「TB大量供給によるコスト面の影響、ディーラーの余力低下で悪化も


・「米住宅ローン金利が2週連続で上昇、昨年11月以来の水準に」


・「NY連銀総裁、データは金利面でさらなる行動支持―インフレ抑制で」

読み物をする時に、これらのブルームバーグ記事も、もちろん読んでいます。

この寄稿で述べております通り、僕はハードランディングのシナリオ採用者です。

同じ事述べておりますが。
ちょっと皮肉な事でもありますけど、”FRBが金融政策において、本来避けて通りたかったハードランディングへ導いて行くことになるのだろう”と考えております。

第3四半期、始まったばかりです。
昨日も述べましたが、準備しながら、準備しながら、見ています。

よろしければ、どうぞ、アウトライヤー寄稿、過去の寄稿もパラっとご覧になっていただけましたら。

第218回へ続く




最後に …
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私、アウトライヤーは、OUTLIER とは関係ありませんが、
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アウトライヤー
より。外れ値です。でも異常値ではありません。
笑って許してくださいね。ごゆるりとお時間ある時ご覧になってください。
背景にある経歴:80年代後半から、ペインウェバー証券会社、メリルリンチ証券会社、ベアー・スターンズ証券会社等々の外資系証券会社東京支店法人営業部門に勤務。外資系企業生活で24年の歳月が流れました。
ペインウェバー証券会社ニューヨーク本社にて、2名のメンターのもと、米国株式業務を基礎から習得。なぜ、2名だったかと言いますと、フロントオフィス業務用に1名=MIT出身のトレーダーで数学者、バックオフィス業務用に1名=米国では名の知れたバックオフィスの専門家でした。当時、NY証券取引所にもしばしば、足を運び、入り口から出口まで、叩き込まれました。その後、日本国内の機関投資家向け外国株式営業に携わり、メリルリンチ証券会社とベアー・スターンズ証券会社では、それぞれ東京支店法人営業部門外国株式営業部長として、東京、ニューヨーク(ウォール街)、ロンドン(シティ)を中心に、アジア諸国も含めて、世界中を飛び回りました。グローバル株式・金融業務に従事する上で、メリルリンチ証券会社では、当時のメリルリンチ・グローバル株式営業部門におけるアジア地域2名のグローバル・エクティ・コーディネーターの1人として、米国株式を中心に、グローバルに株式業務推進役の職責も兼務。(この時とっても楽しかったです)
2012年2月に外資系企業生活を終えました。
同2012年年春から、日本企業の顧問に就任。
一貫して、この30年超の期間、何度も何度も現地に足を運び、そこにいた人々と直接仕事をした事を含めて、アメリカの金融政策、アメリカの株式市場を見つめてきました。
🍅注意事項
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投資助言行為に該当するアドバイスは行いません。短期動向や個別の運用相談に関するご質問へのご回答は一切行っておりません
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