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米国株師匠🍅アウトライヤー寄稿221


第220回から続く


業績と金利

業績と金利のところ、ちょっと見て見ましょう。

ブルームバーグ記事からの引用です。

・「米決算シーズンは株価上昇を引き起こさず-モルガンSのウィルソン氏」


業績のところ~


僕は、4月以降、マーケットはフロス(泡、あぶく)、フロスの高さは測れないけれども、まあ、高いところでS&P500で4300くらいかなあ~と思いながらマーケット見て来て、自分の見方が外れた事を、以前にS&P500が4300上回った時点で認めました。見方は外れました。これまで弱気を述べて来たて人達、TGAの再構築で流動性が吸い上げられると予想してきた人達、僕も含めて外れてます。現時点で、そうなっていませんから。

僕は、外れたことを、な~ンとなくうやむやにしながら、引き伸ばしつつ、オブラートに包んで、次に進むというやり方を好んでおりません。自分が、そういうの受け入れられませんから。相場において、当たる外れるは、常に、あるわけで、時間軸をある程度の時間軸に区切って、その期間については外れているということを”認めて”、次に進む事だと思っています。

第2四半期のみの業績については、7%くらいのダウンを見ているという意見が、僕個人も含めて多かったわけですが、そこまでのダウンが今回見られるかどうかから始まって、その後の”今後についての業績見通し”がポイントですね。

僕はこの寄稿で、コンセンサス予想S&P500の1株当たり利益2023年通年については3%ダウン、同2024年については11%アップ~これには賛同しかねますと述べておりますが、もちろん2023年の数字大事ですが、この記事からの引用~”ゴールドマン・サックス・グループの株式ストラテジストは、米企業が第2四半期業績についての低い市場予想を「満たすか上回る」と予想。

ただ、24年の利益急回復期待は「楽観的過ぎる」とみている。”
この部分ですね。、24年の利益急回復期待は「楽観的過ぎる」。
11%増?。こう思っておりますがゆえ、上記前述、”賛同しかねます”と述べております。
それで、昨日述べましたが、2024年のS&P500の1株当たり利益予想、$240に、フォワードPEで少なくとも20x以上をかけますと、大きな数字が出てきます。果たして、そうロージィ(バラ色)に行きますか?腰折れするのでは、という考えを持っております。

ブルームバーグ記事からの引用です。

・「サンフランシスコ連銀総裁、年内「あと2回」の利上げが適切」

先日第219回の寄稿で、イエレンさんは、銀行(支払)準備金危機を引き起こすことを回避するために、短期証券を強烈に発行してデュレーションを短縮しているという引用を用いて述べました。その際、FRBが金利を引き上げてもあと1回だろうとマネーマーケットマネジャーの人達は見ているところから、と引用を用いて述べました。

回数に乖離がありますね。2回という連銀総裁1回と見ている人達と。パウエル議長は、2回もしくはそれ以上複数回という事を示唆されておられました。

ブルームバーグ記事からの引用です。

・「アトランタ連銀総裁、FRBは忍耐強くいられる-抑制的姿勢が奏功」

バランスシート縮小、QT。QTというFRBの”意図”。
金利については「高い、を、より長く」で行くという事であり、この春先以来、5月で金利引き上げ終了だと僕は、思って来ました。思って来ました理由のひとつは、金融状況が引き締まることによって、25ベーシスポイントの金利の引き上げと同様の効果をもたらすことはさほど難しいことではないですからという事。

金融状況の引き締まりというところ、ここにFRBのジレンマがある、ジレンマが存在しているという事についても述べました。
ジレンマが存在しているから、今、より金利に目が向く。
ターミナルレート(金利の最高到達点)に目が向く。

金利を引き上げることによって、というところに目が向く。
ターミナルレート(金利の最高到達点)6%というところに目が向く。
ここのところ強調して述べてきました通り、米5年債の利回り推移パターンが、昨年10月以来築かれて来た軌道パターンから上抜けして、4.2%以上で推移。

そして、この寄稿を今書いている時点で、4.244。ここ過去何日かの、金利の動きを見ていると、債券のマーケットは、「高い、を、より長く」を意識し始めている。いっぽう、株のマーケットは、「そんなことより、ゴルディーロックス(適温経済)さ」というところ。

ブルームバーグ記事からの引用です。

・「FOMC、インフレ目標達成には追加利上げが必要-当局者3人が指摘」

まあ、もう7月の利上げは織り込まれていて、7月は利上げでしょうが、その後のところですよね。回数や見方に乖離があるわけですから。その乖離がどう修正されて行くのかというところ。

この寄稿で述べてきました”後ずれ”。金利の引き上げ終了局面も、それにともなって、通常であれば見られる、出て来るであろう現象も。クレジットイベントであり、リセッションであり。

FRBが、避けて通りたかったハードランディングのパス(道)へ、FRBが導いて行くことに、と僕は述べてきました。少し長い目で見て、こうだと僕は思っています。


「事象も後ずれ、行動も後ずれ」


現在、QT効果は相殺されている。流動性が吸い上げられるという状態にはなっていない。BTFP(FRBの新しい緊急貸出制度)によって、デュレーションリスクが除去されている。冒頭の業績に関するブルームバーグ記事の引用の中で、その記事で、ゴールドマンさんの方がおっしゃるように~引用~米企業が第2四半期業績についての”低い市場予想を「満たすか上回る」と予想”。僕も、今回も”また”そうかな、低い市場予想を「満たすか上回る」と予想、と同様に思っています。

これらの事から、「事象も後ずれ、行動も後ずれ」このようなイメージでいます。

いや、まあ、S&P500が4000で弱気、4400でも弱気。
弱気、強気、その”気”は、人それぞれ自由ですけど。
S&P500で400ポイント以上、上に推移しているのに。
僕は、400ポイントもの逆方向は受け入れられません(笑)。そんなん、いつも、弱気を言って、下がった時に、いつか当たる、みたいな話、勘弁してくださいよ~ですね(笑)。

出遅れてもいい


ですからね。7月7日金曜日の引けあたりのところで、S&P500で、4420~4400のレベル、売って見ようか、売って見たいという誘惑にそりゃあもうかられましたよ。誘惑にかられるだけはかられました。

でも、出遅れてもいいと思うのは、今現実には、マーケットの素地、素材が変っていないからですね。リバースレポの残高減、TGAの残高増、QT効果は相殺されている。6か月のT-Billsで5.5%の利回りあるわけで。リバースレポのファシリティより、T-Bills(米財務省短期証券)の方がええやん、とマネーマーケットファンドはなるわけで。T-Billsへの需要、豊富にあるわけで。

S&P500のインデックスのレベルで言うならば、僕個人はですが。上、4600が視野、その声が聞こえてきたら。下、4250割れてくるような事があって、そこから戻りを入れるような事があったら、まあ、売り目線、売り方ととして、ひとつ思い腰が上がる、動く前に腰がまず上がるかなあと考えていますが。下の場合、4250の割れ方、戻り方もありますけど。

ご託や表、チャート並べたリセッショントークとか、まあ、そういうのはちょっと後回しで。リセッションはいずれどこかで来るのだろうけれど、そうなる前に、マーケットが高値とりに行ったらどうするんですか?という観点から、マーケットを見ています。

株にとって、この時代、重要な事は流動性と業績。まずこれです。
今、流動性は、天気で言うと、晴れちょっと曇り、ところどころに雲ありくらいで、曇雨とか、大雨とか、ましてや嵐とかじゃないですから。

そして、金利。


株に対して、今、目立って、”敵対している”要因は、ここのところ述べている、米5年債の利回り推移パターンですね。今、この時点では、昨年10月以来あった軌道パターンを上抜けしていますから。ここは、株のマーケットの推移と一緒に観察が必要です。
QTよりも、よりターミナルレート(金利の最高到達点)、金利に目が行っている時だからという一時的な事なのか、それとも、ここから、潮目の変わり目のサインが出始めているという事なのか。CPIの発表などイベント通過後の推移をみたいですね。

NYゴールドの動き


これを見る時に、心に留めているのはNYゴールドの動きです。僕が、米5年債の利回り推移を指摘し始めたころ、NYゴールドは、1914くらいだったのですが、今1930、それより、上がってますからね。この米5年債の利回り推移パターンが壊れたという事がホンモノであれば、NYゴールドがまず反応すると思っているんですね。

下落する、下落に転じるはずだと。

NYゴールドの下落、米5年債の利回り推移パターン崩壊の確認、そして、「株も呑気な事言っている場合じゃないよ、ほら、債券のマーケットは”高い、を、より長く”と意識してるでしょ」という流れです。

この時、腰が上がるだけかもしれませんが、重い腰があがると。

ず~っと先の話も大事かもしれませんが、まずは、足元から。
足元。
足元からの積み重ねだと僕は思います。




第222回へ続く




最後に …
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アウトライヤー
より。外れ値です。でも異常値ではありません。
笑って許してくださいね。ごゆるりとお時間ある時ご覧になってください。
背景にある経歴:80年代後半から、ペインウェバー証券会社、メリルリンチ証券会社、ベアー・スターンズ証券会社等々の外資系証券会社東京支店法人営業部門に勤務。外資系企業生活で24年の歳月が流れました。
ペインウェバー証券会社ニューヨーク本社にて、2名のメンターのもと、米国株式業務を基礎から習得。なぜ、2名だったかと言いますと、フロントオフィス業務用に1名=MIT出身のトレーダーで数学者、バックオフィス業務用に1名=米国では名の知れたバックオフィスの専門家でした。当時、NY証券取引所にもしばしば、足を運び、入り口から出口まで、叩き込まれました。その後、日本国内の機関投資家向け外国株式営業に携わり、メリルリンチ証券会社とベアー・スターンズ証券会社では、それぞれ東京支店法人営業部門外国株式営業部長として、東京、ニューヨーク(ウォール街)、ロンドン(シティ)を中心に、アジア諸国も含めて、世界中を飛び回りました。グローバル株式・金融業務に従事する上で、メリルリンチ証券会社では、当時のメリルリンチ・グローバル株式営業部門におけるアジア地域2名のグローバル・エクティ・コーディネーターの1人として、米国株式を中心に、グローバルに株式業務推進役の職責も兼務。(この時とっても楽しかったです)
2012年2月に外資系企業生活を終えました。
同2012年年春から、日本企業の顧問に就任。
一貫して、この30年超の期間、何度も何度も現地に足を運び、そこにいた人々と直接仕事をした事を含めて、アメリカの金融政策、アメリカの株式市場を見つめてきました。
🍅注意事項
①不特定多数の者により随時に、誰でも閲覧可能な無料記事です。
投資助言行為に該当するアドバイスは行いません。短期動向や個別の運用相談に関するご質問へのご回答は一切行っておりません
③投資の最終決定はご自身のご判断と責任でおこなってください。

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