米国株師匠🍅アウトライヤー寄稿254
第254回寄稿
第253回から続く
ブルームバーグ記事からの引用をまずさせていただきます。
・「株価はさらに上昇する必要がある―米国人が再び豊かさを感じるために」
・「S&P500種に映る投資家の迷い、8月はまだ2日続伸できず」
・「米国債の高利回りが投資家引き付け、パウエル議長の警告にかかわらず」
9月は、金利引き上げ停止局面でしょうけれど、まだ、FRBは金利引き上げ局面を終了しているわけではないという事、それと、金利、高い、をより長く、これを頭に入れています。
マーケットは、9月停止、11月に25ベーシスポイント金利引き上げの可能性大、来年2024年1月金利引き下げ、その後一時何も起こらず、来年6月から金利引き下げというイメージを持っている、でしょうかね。
それで、この寄稿で述べておりますところの、マーケットchoppy(むらがあって、絶えず変わる、途切れ、途切れ)な期間がどのくらいあるのか、まずは、この8月残りの日々から9月初めにかけて見ていくという姿勢でいます。狙っている価格水準につきましては昨日の寄稿で述べた通りで今のところ考えております。
リスクアセット売り、ここからどのくらい続くのか
よくT-Bills(財務省短期証券)と言います。この場合、いわゆるビル(Bills)ですが。ビルではなくて、デュレーションが長めのノート(notes)とかボンド(bonds)の発行増に際して、それをにらんだリスクアセット売り、このリスクアセット売りが、ここからどのくらい続くのか、という視点です。
これが、マーケットがchoppy(むらがあって、絶えず変わる、途切れ、途切れ)になる主因だと僕は考えていますから。デュレーションにつきましては、第251回寄稿をご参照いただけましたら。
リスクアセット売りによって誘われる株式市場の調整、その調整幅が、5%で終わるのか、7%、8%、9%まであるのかという視点で見ており、9%まであったら、そこは買いたいなあと僕は思っているわけですね。
S&P500のチャートで言うなら、8月24日も、木曜日に引いた長い陰線、これを起点に、戻りも入れながら、これからどのくらいchoppy(むらがあって、絶えず変わる、途切れ、途切れ)な期間が続くのか、choppyになるのかという事で見ています。
直近の寄稿で述べて参りました通り、まあ、”上々”ですし、クレジット市場を見ておりましても、著しい危惧、懸念を感じ取らなければならないような兆候は、クレジットスプレッド(企業などが債券を発行してお金を調達する時に、お金を返せるかのリスクに応じて「上乗せ」される金利のこと・債券の債務不履行(デフォルト)リスクに応じて上乗せされる金利のこと)を見ておりましても、今のところ探知されておりません。
FRBは、non partisan institution、独立した機関です。パウエル議長はじめFRB関係者はインフレターゲットは2%という事を言明しています。
僕は、それ以外のインフレターゲットの水準を話題にする人たちは、ワシントンの政治色に染まった人たちなんだろうなあと考えております。まあ、政治的な議論ということなんだろうなあと。
インフレターゲットに対する政治的な発言、議論や、弱気材料を並べ立てた弱気一辺倒で、調整を飛び越えて、いきなり崩壊、崩落、大崩れを述べる議論とは、一線も二線も画しています。
起こりうる調整はあくまで調整だ
起こりうる調整はあくまで調整だというところ、そこから見ていますから。
ゆえに、”株はこれまでほどスムースには上がりにくいのだろうけど、どか~ンと下がるかと言われれば、そうでもないかなあ~”とこれまでこの寄稿で述べてきた通りに思っています。
TGA(Treasury General Account・一般勘定会計口座)の再構築、米国債の大量発行(T-Bills, T-Notes, T-Bondsを含めて)。
デュレーションが長めのnotesやbondsの発行を前もってにらんでのリスクアセット売り、それにともなうマーケットの調整だと認識しています。そこから、マーケットは戻りも、もちろん入れますよ~って、やってるわけですからね。
リバースレポの残高が減ったその分、銀行システムに注入
昨日ちらっと述べましたけど、銀行の準備金に対する警鐘話が地区連銀からつい先日出た時、直後すぐにリバースレポの残高減でございましたでしょ。リバースレポの残高が減ったその分それが、銀行システムに注入されたわけですね。
こういう動き、兆候がはっきりと見て取れる時に、遠い先の話、時間軸が示されていない弱気材料を並べ立て、大崩れだ~とかって言われましても、僕はあまり、いや、ほとんど、いや、全く、ピンときませんね。
今、FRBはQT(量的引き締め、バランスシート縮小)をやっています。同時に、米財務省、FRBによる、何かあった時のための「介入」体制、確固としてあるわけですから。言葉を変えますと。QTやってます。でも、QTもろかぶりにならないように、当局は注視しています。そうは言っても、もろかぶりとまではいかないまでも、この8月は、QT効果部分も結構見えてますね、という印象を持っております。過去の寄稿で述べました通りですが、だから、8月あたまからショート、8月17日にかけて、そのショートの全ポジションを閉じるという行動をとりました。
全ポジションを閉じた、裏話
この春先から、ずっとこの寄稿で、TGAの再構築について触れ、米国債の大量発行、オークション、売却について触れ、8月めどに、とかって何度も何度も述べ、述べまくった割には、流動性が強烈に吸い上げられるという予想も外れ(自分に対する失笑、冷笑)、挙句の果てには(第248回寄稿~全ポジションを閉じた、裏話で述べました通り)、”米財務省が、T-Bills(米財務省短期証券)の発行シェア増のレベル22.4%のレベルで、しばらくの間(for some time)、問題ないよ、オーケーよ”とのご発表(資産価格に対して追い風のご発表)に、吹っ飛ばされましたから。
まあ、米財務省に吹っ飛ばされたがゆえに、走って逃げたイメージですね(笑)。
「介入」体制に対して、逆らうなど
だからこそ、米財務省とFRBとがとっている「介入」体制に対して、それに逆らうなど、僕はしません。そこに素直にやって行きたいと思っています。
第255回へ続く
最後に …
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私、アウトライヤーは、OUTLIER とは関係ありませんが、
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アウトライヤーより。外れ値です。でも異常値ではありません。
笑って許してくださいね。ごゆるりとお時間ある時ご覧になってください。
背景にある経歴:80年代後半から、ペインウェバー証券会社、メリルリンチ証券会社、ベアー・スターンズ証券会社等々の外資系証券会社東京支店法人営業部門に勤務。外資系企業生活で24年の歳月が流れました。
ペインウェバー証券会社ニューヨーク本社にて、2名のメンターのもと、米国株式業務を基礎から習得。なぜ、2名だったかと言いますと、フロントオフィス業務用に1名=MIT出身のトレーダーで数学者、バックオフィス業務用に1名=米国では名の知れたバックオフィスの専門家でした。当時、NY証券取引所にもしばしば、足を運び、入り口から出口まで、叩き込まれました。その後、日本国内の機関投資家向け外国株式営業に携わり、メリルリンチ証券会社とベアー・スターンズ証券会社では、それぞれ東京支店法人営業部門外国株式営業部長として、東京、ニューヨーク(ウォール街)、ロンドン(シティ)を中心に、アジア諸国も含めて、世界中を飛び回りました。グローバル株式・金融業務に従事する上で、メリルリンチ証券会社では、当時のメリルリンチ・グローバル株式営業部門におけるアジア地域2名のグローバル・エクティ・コーディネーターの1人として、米国株式を中心に、グローバルに株式業務推進役の職責も兼務。(この時とっても楽しかったです)
2012年2月に外資系企業生活を終えました。
同2012年年春から、日本企業の顧問に就任。
一貫して、この30年超の期間、何度も何度も現地に足を運び、そこにいた人々と直接仕事をした事を含めて、アメリカの金融政策、アメリカの株式市場を見つめてきました。
🍅注意事項
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②投資助言行為に該当するアドバイスは行いません。短期動向や個別の運用相談に関するご質問へのご回答は一切行っておりません。
③投資の最終決定はご自身のご判断と責任でおこなってください。
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