米国株師匠🍅アウトライヤー寄稿219
第218回から続く
”グローバル”に流動性というものが豊富に供給
この週末に、いろいろチャートなど拝見しておりますと。
アメリカだけでなくて”グローバル”に流動性というものが豊富に供給されている事、今一度、チャートを見ながら、それを目に致しております。
それでアメリカを見ておりますと。
TGAの再構築にあたって、最近は下記のように述べてきました。
リバースレポの残高は減少しています。で、TGAは増加しています。FRBの”意図”するQT効果は相殺されています。(僕も加えて、多くのアメリカの専門家が予想してきたように、流動性が吸い上げられるという予想、その状態に”なっていません”とここのところ述べてきました。そう予想した人達の予想は、もちろん、僕も含めて、外れてますねって。)
直近の週で見てもTGAはプラス400billionで、リバースレポはマイナス500billionですね。銀行預金に100billion行きましたんでしょうかね。???
マネーマーケットファンドが、リバースレポからTGAの補充作業を行っているという格好ですね。
いっぽう、あるアメリカの専門家の方がご指摘されておられましたが~引用~マネーマーケットマネジャーの人達、FRBが金利引き上げてもあと1回だけだろうと見ているところから、イエレンさんは短期証券を強烈に発行して、アメリカのデュレーションを短縮していると。イエレンさんが恐れている事は銀行(支払)準備金危機を引き超す事。そうならないようにやっていると~。
直近の寄稿で述べましたが、FRBもBTFP(FRBの新しい緊急貸出措置)を通じてデュレーションリスクを除去していますね(第213回寄稿をご覧になっていただけましたら)。
本日冒頭になぜこのような事を書いておりますかと言いますと。7月7日金曜日のマーケット、米株式市場の引け間際の60分足とかを見ますと、それまでマーケット戻ろうかとしていたところ、引けにかけて、もう1回売り直されたじゃないですか。
こういう動きを見ておりますと、本来であれば、たとえば、S&P500で、4420から4400くらいのレベル、そこを売って見たいという”欲望”に、”かられるだけはかられました。で、そうしない、そう寄稿でも発言しない、その理由が、上記です。
(個人的な事で恐縮でございますが、現実には、6月初旬の実父の死去に伴いまして、物理的にも、心理的にも、相場に取り組む、実際に行動できるという環境にはございません。)
ですが、これは、寄稿ですから、自分がそこを売らなくても、自分の意見として、自分は事情により売っておりませんがと前置きして、日にち、時間帯と合わせて、インデックスレベルだけでも、この時、この水準は売りだと思います、という事を昨日の寄稿に書く事は出来たと思います。しかし、それさえ、しませんでした。
そうしなかった、その背景にある理由が上記です。
リセッション来るよ~って、ワーワー言って。私、誰よりも詳しいんだから(笑)~とか言って、自慢しながら誰かが言って。それ相応に、まことしやかに、いろいろチャートや表を持ち出して来て、リセッション来るよ~を説いて。
いや、その説明大事だとは思いますよ。リセッションが来る前って、過去の例で見ても失業率は低い水準にあるわけで、僕もいずれリセッション来ると考えておりますしね。
でもですね、そのリセッションが来る前にマーケットが、さらに上値を追って、最高値つけに行ったらどうするんですか?って話なんです。フロス(泡、あぶく)だろうが、なんだろうが、吹き上がったらどうするんですか。
だから、ベアーマーケットラリーだと考える意見と、おそるおそるというところはあるにせよ、新しいブルマーケットの初期段階だと考える意見を過去の寄稿で対比させ、”準備しながら”よく見てみましょう、という表現を用いてきました。
これは、僕が強気転換したとかそういう事ではなくて、です。
最高値を先にこれからつけに行って、それからリセッションだったら、どうするんですか?
これまで起こってきたファクトと現実から考えて、そういう事も無きにしも非ず、と思うからです。最高値を先にこれからつけに行って、それからリセッションだったら、どうするんですか?仮にそうであれば、リセッションが来ること、そのことは、当てるには当てることができたということかもしれないけど、リセッション以前に、そんな話に乗って、売れば、上に持って行かれて即死状態、その上、買いについては機会損失。なにやってるの?って話です。踏んだり蹴ったり。”相場(の方向性)を当てて、儲からず”の典型例に陥るわけですね。
解説だけする人と実際に相場をする人との大きな違い
ここが、この寄稿の最初の頃から述べている、解説だけする人と実際に相場をする人との大きな違いなのです。全く違うくらいに違うのです。
手が止まる、手が出ない、悩ましい。それは、自分でこれまで申してきました、マーケットの背景にある素地、素材が、昨年10月半ばから、大きく変わっていないからです。
僕は、リセッションが来るから、弱気、株は売りみたいな、短絡的な話とは、そもそも組しません。もっと、株式市場の素地、素材、その土台になる流動性、金融状況、そう言ったところをよく観察しておきませんと、と思っております。
だから、僕は、タイミング「時」とかインデックスのレベル「価格」が記されていなくて、ただ要因が羅列されている類のコメント、”事実の羅列”は全部スルーしますと、少し強調気味に(笑)この寄稿で申しております。
現実生活でも、僕は、”事実の羅列”ほど退屈なものはないくらいの感覚でおります。あ~、また始まった、事実の羅列、さて寝よう、みたいな(笑)。
現実今、過去のこの寄稿で述べて来たリセッションの2つの定義に該当するリセッションなんてまだ来てませんよ~。これが、現実です。
弱気を述べる人達がどう言おうが、現実は、昨日述べました通り、グールスビー総裁の発言、その中にあった、ゴールデンパスGolden path(黄金の道)であり、たとえばゴールディロックスGoldilocks(適温経済)であり、株のマーケットはこれまでも今も、基本、これらに対して「うん、そうだね」と言い続けながら、推移してきている形、ここのところの大幅な上げにつながってきているわけですからね。
その中で、目を引くのが、米5年債の利回り推移のパターンが壊れそうになっているところが、少し「え~、ちょっと、待てよ」と、サイン出し始めながら、株式市場に語り掛けはじめているのか、と現在考えております。
この辺につきましては、直近の寄稿をごらんになっていただけましたら。
「忍耐」、永遠の課題
話しが全然違いますが。
先日この寄稿で、ウォーレン・バフェット氏に対するイメージ、「忍耐の人」。
パウエル議長に対するイメージ、「忍耐の人」と、
僕の勝手なイメージを述べました。
僕にとりましては、「忍耐」、永遠の課題です。
Easier said than done. 言うは易く行うは難しです。
これは、なかなかできません。
(たぶん、僕の事を、おまえは馬鹿かと思っていた時期も多分にあったであろう)今は亡き実父からのアドバイスで、昔から名刺入れの中に、徳川家康の遺訓を、紙にペンで書いて入れておりまして、たま~に、見るようにはしているのですが。
徳川家康の遺訓
人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし。急ぐべからず。
不自由を常と思えば不足なし。
こころに望みおこらば困窮したる時を思い出すべし。
堪忍は無事長久の基、いかりは敵と思え。
勝つ事ばかり知りて、負くること知らざれば害その身にいたる。
おのれを責めて人をせむるな。
及ばざるは過ぎたるよりまされり。
徳川家康の遺訓、そして、ウォール街の人達。
”いかりは敵と思え”
昔、ニューヨークのトレーディングフロアーの喧騒の中で、このペンで書いた紙を広げて、いろいろちょっと考えたこともあります(笑)、その時、その場で感じたことを。
「忍耐」、僕にとりまして、言うは易く行うは難しです。
修行中です。
徳川家康の遺訓、このペンで書いた紙を今でも大事にしています。
第220回へ続く
最後に …
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私、アウトライヤーは、OUTLIER とは関係ありませんが、
OUTLIERは素敵な商品です
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アウトライヤーより。外れ値です。でも異常値ではありません。
笑って許してくださいね。ごゆるりとお時間ある時ご覧になってください。
背景にある経歴:80年代後半から、ペインウェバー証券会社、メリルリンチ証券会社、ベアー・スターンズ証券会社等々の外資系証券会社東京支店法人営業部門に勤務。外資系企業生活で24年の歳月が流れました。
ペインウェバー証券会社ニューヨーク本社にて、2名のメンターのもと、米国株式業務を基礎から習得。なぜ、2名だったかと言いますと、フロントオフィス業務用に1名=MIT出身のトレーダーで数学者、バックオフィス業務用に1名=米国では名の知れたバックオフィスの専門家でした。当時、NY証券取引所にもしばしば、足を運び、入り口から出口まで、叩き込まれました。その後、日本国内の機関投資家向け外国株式営業に携わり、メリルリンチ証券会社とベアー・スターンズ証券会社では、それぞれ東京支店法人営業部門外国株式営業部長として、東京、ニューヨーク(ウォール街)、ロンドン(シティ)を中心に、アジア諸国も含めて、世界中を飛び回りました。グローバル株式・金融業務に従事する上で、メリルリンチ証券会社では、当時のメリルリンチ・グローバル株式営業部門におけるアジア地域2名のグローバル・エクティ・コーディネーターの1人として、米国株式を中心に、グローバルに株式業務推進役の職責も兼務。(この時とっても楽しかったです)
2012年2月に外資系企業生活を終えました。
同2012年年春から、日本企業の顧問に就任。
一貫して、この30年超の期間、何度も何度も現地に足を運び、そこにいた人々と直接仕事をした事を含めて、アメリカの金融政策、アメリカの株式市場を見つめてきました。
🍅注意事項
①不特定多数の者により随時に、誰でも閲覧可能な無料記事です。
②投資助言行為に該当するアドバイスは行いません。短期動向や個別の運用相談に関するご質問へのご回答は一切行っておりません。
③投資の最終決定はご自身のご判断と責任でおこなってください。
④『アウトライヤー寄稿』は利益を保証するものではありません。