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米国株師匠🍅アウトライヤー寄稿138

第137回から続く



サマリー(要約)~


一番気にしている事は、自分の利益を失う事


僕は、この寄稿で、まず2月半ば、そして、「3月」「4月」、Q1とQ2と述べてきました。僕の弱気が強気に変わったわけでは全くありません。今も相変わらず、弱気のままです。何ら見方に変わりはありません。

でも、弱気、強気以上に、一番気にしている事は、自分の利益を失う事です。

ポジションの7割を利確


先ほど引けたマーケットで、今回の下げに乗らせて頂き、ポジションの7割を利確しました。3月14日火曜日のマーケットを見て、昨日もクレディ・スイスの話などが取りざたされていましたから、15日水曜日の下げの場面で、ポジションを部分利確しようと思っていました。ですのでそうしました。
まあ、いつも言っていますように、当事者として僕は相場はへたくそです。

今回は、過去に明示しました通り、余力を残して、S&P500で表現させて頂きますと4100超を、自分が思う範囲で初動でガツ~ンと売って、途中、過去のこの寄稿で述べた通り、ちょっとだけ利食ちゃって。そこから、ポジションの7割、先ほどのマーケットで、指値を置いていたのでそこで利食って、残り3割のポジションだけ持っているという具合です。

部分利確した理由


悪材料の軽減(リリーフ)で反騰するリリーフ・ラリーを、個人的に著しく警戒したという事が一番の理由です~ベアースターンズの時を思い出してみると、ベアースターンズの事が起こってからその後、アメリカの株式市場は、まず、2,3か月ラリーしたんですよね。なんでかって、これで、”「問題は解決した、問題が封じ込められたんだ」と、当時、投資家が解釈したから”です。この時のラリーって結構大きくて

今でい言うなら、それこそ、ブルマーケット(強気相場)の始まり?とか、錯覚しそうなくらいの反騰で(当時約15%くらいラリーしました)。それで、ベアースターンズの事から、2,3か月経って、このリリーフラリー(悪材料の軽減からの反騰・約15%の上昇)が終わってから、この寄稿で述べた、次の、”いけにえ”をマーケットが探し始めて、そこから、マーケットは下落に転じたわけです。この時のこの下落が大変大きかったことことから、この時のこの下落ばかりが、後に一般的には、語られたり、すごく記憶されがちで、それは当然そうなのですけど、その前に結構大きな反騰があった事を忘れてはいけないと僕は思ったからです。僕が一番気にしている事は目先、この反騰の可能性です。あるのかないのかは、今わかりませんが。


僕にとって、現時点で、わからない事は下記の2点です。
・今回、ベアースターンズの時と同じようになるかどうかは僕には全くわかりません。
・投資家の解釈が、今後、”今の懸念と心配”から、いつ、”問題は解決した、封じ込められたんだ”、に、投資家の解釈が変わるのか、ぼくにはわかりません。
とりあえず、”懸念と心配”の間に、利食って逃げておこうという感じですかね。


リリーフラリー(悪材料の軽減からの反騰)の存在を舐めてはいけない


僕の場合はですが、3月14日火曜日のアメリの株式市場。「あ~、いい具合に下がってきたな~と思いきや、引けにかけてグ~ンと戻りを入れましたでしょ。S&P500で、3900割って引けるかな~、思いのほか、ここで下落トレンドでちゃうの?な~んて思いきや、そんなことはまったくなくて、引けにかけて、最後の1時間弱くらいのところで、グ~ンと戻って、3900台に戻して、3919で引けて。これ見せられて、”あ~、これ、あか~んやつかもしれない~”(苦笑)」~リリーフラリー(悪材料の軽減からの反騰)の存在を舐めてはいけない、投資家心理を舐めてはいけないと僕個人は強く思いました。僕に、今この瞬間の全体の投資家心理なんてわかるわけないわけですから。

昨日の繰り返しですが、金融危機の時、世紀の空売りと言われたMichael Burry(マイケル・バーリ)さん~"I am not seeing any true danger here." (SVB破綻後の混乱に「真の危険はない」)とおっしゃっていました。僕も、その通りだと思います。だから、これについても昨日述べました。

これは僕の妄想ですが、今から、仮に、約15%ラリーでもされようもんなら、S&P500で4300越えになっちゃうわけで。第111回の寄稿で述べましたが、僕は、自分の対局の負けを認めて、ゲームオーバーだと考える水準がS&P500で4300。「おい、おい、それより、上かい?」という事が頭をよぎったことは事実です。

そもそも、4300越えなんて、僕のこれまでの弱気ぶりから見て、そんなの頭にないですから(笑)。いや、そんなにラリーするだろうとも内心それほど思っていませんよ。でも、ある程度の戻りを入れる事は頭の中にあるわけです、もしかしてみたいな。それで、利益が縮小するのも嫌だな~と。

こう、抽象的に、弱気とか、下がる、売り、とか、言葉はあるわけで、僕は言葉で言うと、これらなんですけど、もっと具体的に。いつも言う、まずは足元から。そりゃ、言葉でノーランディングが、ハードランディング(経済、景気の急減速)になるとか、もちろん言えますが、それは、もうちょっと先の事で。まず、目先、足元、投資家さんが「問題は解決した、封じ込められたんだ」と解釈して、リリーフラリー(悪材料の軽減からの反騰)が突然起こって、せっかく売ったのに、利益飛ばされたら、嫌だなあ~と思ったわけですね。

ここのところの金利の引き上げ幅の話でも、なんでも、マーケットにある話、市場心理って、結構、変わりますから、短期間で。そりゃ、話としては、こうで、あーでと説明はありますが、ポジションを持つという事は、日々を生きているわけであって、まず足元、目先、今。まあ、僕は、こんな感じでやってます。

リセッションに入る数か月前に逆イールドが解消されるという考え方もありますし、逆イールドが解消されることなくリセッションに入ったという例もありますし。リリーフラリーとかなくて、もっと下落する事もあるでしょうし、リリーフラリーがある場合もあるでしょうし。それに対して、僕は、このように立ち回っていますという事ですかね。

姿勢は弱気。スタンスは売り。これに変わりはないんですが、部分利確もする。目先、起こるかもしれなさそうなことについては、準備して対処しておく。それが、見立て違いで、起こらなかったら、「ま~、そんな事もあら~な」と割り切る。こんな感じですかね。リリーフラリーって言うなら、アウトライヤーは、強気なんだろ?いえ、違います。弱気です。リリーフラリーがあるかどうかもわかりません。それが仮にあっても、その後下がると思っています。ただ、その後下がるという事の前に、そのリリーフラリーが、あったと仮定して、そのリリーフラリーで利益飛ばされることが嫌なだけです。戻ったら、その戻りをよく見て、また売りますという事です。

説明~


僕は、第135回の寄稿で~今回のシリコンバレー銀行の破綻も、2008年のベアー・スターンズの時同様、3月の金曜日から週末をはさんで~と述べました。この不思議さが。なんとまあ、15年の歳月、3月のホントに同じ週末。ベアースターンズと比較するなら、不思議な共通点って、これくらいな感じです、今のところ、ぼくにとっては。その他についての内容そのものは、ずいぶん異なると思っています。

金融危機当時の15年前とは時代も違いますし、それから時代は変わりましたし、ルールも違いますし。

すでにこの寄稿で述べましたけど、2008年の時はSolvency crisis(支払い能力不足の問題、危機)で、今回のシリコンバレー銀行の破綻はそれではないです。
過去の寄稿で述べました通り、今回のプライオリティ(優先順位)は、取り付け騒ぎの発生を回避するというところにあったわけで、それについては、もうある程度、先週末時点その時に対処がすでになされていますと述べました。

だから、繰り返しですが、シリコンバレー銀行の破綻を、過小評価はしない事ですが、過大解釈もしない事だと述べました。




記事からの引用~世界最大の資産運用会社を率いるフィンク氏は「ドミノは倒れ始めているのだろうか」と15日の書簡で問い掛け、「ダメージがどの程度広がっているか判断するには時期尚早だ」と続けた。

この寄稿でも述べてきましたが、今後のContagion/Contagious(伝染・伝染性)というところにもちろん焦点が行きますし、行くのも当然です。


技術革新にブレーキ



もうひとつ、これに加えて、すっごく重要な事は、3月14日付のUSA TODAY(ユーエスエー・トゥデイ)(USA TODAYがおおかた全国紙と考えてもいいかと思います)の経済欄の記事のところに記されていた~「技術革新にブレーキ・40年間、全てのアメリカ人が恩恵を受けて来たアメリカの技術進歩の波から波をサポートしてきたシリコンバレー銀行の破綻で、アメリカのテクノロジー経済に深刻な課題を突きつける」(Matt Ockoさん、 Zachary Boggueさん、両名が執筆されたオピニオン記事)

技術革新にブレーキというところがポイントだなあと僕は思い、痛感しました。


too big to fail(大きすぎて潰せない)~


ブルームバーグ記事からの引用です。
・「BofAに預金150億ドル流入、危機拡大恐れる顧客の受け皿に―関係者

こちらは、ブルームバーグのLisa Abraamowiczさんがシェアしてくださったツィートとチャートです~引用「トレーダーは、向こう12か月で、ほぼ100ベーシスポイント・1%の金利引き下げを織り込んでいます。

*僕はよくこの寄稿で、モルガンスタンレーのチーフ・ストラテジスト、マイケル・ウィルソンさんと目線を合わせておりまして、とか、他にもストラテジストの名前をあげて、そう目線を合わせておりましてと述べて参っております。これは、この言葉通り、目線を合わせて、方向性をイメージし、その方向に向かう、根拠、論拠を、ファンダメンタルズ分析面から、自分で固めるためです。ただ、実際の行動面は、これは、全く別の話です。僕は、たとえば、すでにだいぶ前、2月の段階でショートですと明示して述べておりまして。それで、たとえば、どこかの投資銀行のストラテジストの方が、昨今、この戻りを売りの機会ととらえて(これはロングオンリーの投資家さん向けであることを含んでいることも承知しておりますが)売りというコメントを出されて、それを聞いて、自分で納得もしていないのに、さらに売ったり、売り増したりすることはありません。目線を合わせる事と、自分の行動は、これは全く別です。まずは、自分の初動から、それをどう広げていくことができるのか、できないのかというところにポイントを置いて考えております。


第139回へ続く




最後に …
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関連スペース

11月27日 第1回スペース 2時間

12月18日 第2回スペース 2時間20分

12月22日 第3回スペース 12分間

12月24日 第4回スペース 20分間

12月30日 第5回スペース 20分間

2023年1月19日 第6回スペース 8分間

2023年2月22日 第7回スペース 18分間

2023年2月25日 第8回スペース 8分間


関連note


第138回~

第1回~第137回

私、アウトライヤーは、OUTLIER とは関係ありませんが、
OUTLIERは素敵な商品です
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アウトライヤー
より。外れ値です。でも異常値ではありません。
笑って許してくださいね。ごゆるりとお時間ある時ご覧になってください。
背景にある経歴:80年代後半から、ペインウェバー証券会社、メリルリンチ証券会社、ベアー・スターンズ証券会社等々の外資系証券会社東京支店法人営業部門に勤務。外資系企業生活で24年の歳月が流れました。
ペインウェバー証券会社ニューヨーク本社にて、2名のメンターのもと、米国株式業務を基礎から習得。なぜ、2名だったかと言いますと、フロントオフィス業務用に1名=MIT出身のトレーダーで数学者、バックオフィス業務用に1名=米国では名の知れたバックオフィスの専門家でした。当時、NY証券取引所にもしばしば、足を運び、入り口から出口まで、叩き込まれました。その後、日本国内の機関投資家向け外国株式営業に携わり、メリルリンチ証券会社とベアー・スターンズ証券会社では、それぞれ東京支店法人営業部門外国株式営業部長として、東京、ニューヨーク(ウォール街)、ロンドン(シティ)を中心に、アジア諸国も含めて、世界中を飛び回りました。グローバル株式・金融業務に従事する上で、メリルリンチ証券会社では、当時のメリルリンチ・グローバル株式営業部門におけるアジア地域2名のグローバル・エクティ・コーディネーターの1人として、米国株式を中心に、グローバルに株式業務推進役の職責も兼務。(この時とっても楽しかったです)
2012年2月に外資系企業生活を終えました。
同2012年年春から、日本企業の顧問に就任。
一貫して、この30年超の期間、何度も何度も現地に足を運び、そこにいた人々と直接仕事をした事を含めて、アメリカの金融政策、アメリカの株式市場を見つめてきました。


🍅注意事項
①不特定多数の者により随時に、誰でも閲覧可能な無料記事です。
投資助言行為に該当するアドバイスは行いません。短期動向や個別の運用相談に関するご質問へのご回答は一切行っておりません
③投資の最終決定はご自身のご判断と責任でおこなってください。

『アウトライヤー寄稿』は利益を保証するものではありません。


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