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米国株師匠🍅アウトライヤー寄稿195

第194回から続く



ブルームバーグ記事からの引用です。

・「賃金上昇は米インフレの重要な押上げ要因ではない―SF連銀分析」

・「米シカゴ製造業景況指数、5月は40.4に低下―市場予想下回る」

・「米求人件数、4月は1010万3000件に増加―市場予想を上回る」

・「米地区連銀経済報告、景気鈍化の兆し指摘―雇用とインフレが減速」

・ジェファーソンFRB理事、6月利上げ停止示唆―終了は意味せず」

・「6月FOMCは利上げ見合わせを―フィラデルフィア連銀総裁」


上記6本の報道について順にさくっと見ていきますと。

・「賃金上昇は米インフレの重要な押上げ要因ではない―SF連銀分析」については、これはもう、ずっと以前から、パウエル議長も、同様にブラード総裁も、賃金上昇は米インフレの重要な押上げ要因ではない、と考えていますよという事、この寄稿で述べてきました。

ディスインフレ

・製造業景況指数や米地区連銀経済報告を見ていましても、
これらが示唆していることはディスインフレですね。


今週土曜日から、FRBのブラックアウト期間


・日本で言う今週土曜日からですね、FRBのブラックアウト期間が始まりますね。その前のところでのジェファーソン理事やフィラデルフィア連銀総裁のご発言ですね。これはよく聞いておきましょう。ジェファーソン理事はこれまでの報道にある通り、将来のFRB副議長ですからね。ジェファーソン理事のこのご発言で、7割超にまでなっていた6月の利上げ確率が、約3割に落ちましたね。まあ、利上げの時は、ほぼ毎回これまで、確率ほぼ100%と織り込んでからの利上げでした。

ジェファーソンFRB理事

*ブラックアウト期間~FRB関係者が金融政策に関して踏み込んだ発言をしてはならない期間のことで、委員会(FOMC)の前々週の土曜日(日本時間)からFOMC終了後まで。
それと、言うまでもなく、銀行の貸出基準がより厳格化され、貸し渋り状態が、米経済に与える影響を過小評価してはいけませんね。すでにゾンビ企業の淘汰にもつながっていっているわけですから。

6月以降も、金利の水準につきましては、現在宙に浮いている状態のようなターミナルレートのことも踏まえて、委員会(FOMC)の中で様々な議論があるのだろう、マーケットでも常に話題になるのだろうと思っています。その点は、金融政策に直接携わる方のコメントなどを聞きながら、僕は、さほど表面的な金利水準については、5月以降あまり気にしていません。FRBの中立金利(景気を刺激も損ねもしない金利水準)の予想については気にかけています。それを見ながら、おおよそどのあたり、水準を景気抑制的と見るのかについては、注視はしています。このことは大事だと思っていますが、やはり何といっても気にしているのは、これまで述べてきている通り、金融状況と流動性の推移です。本当の意味で、QTの状態となった時の政策金利「高い、を、より長く」という事のほうをより意識しています。

第190回から第194回の寄稿をご参照頂けましたら。


株式市場が本格的に下落するような素地、素材とは言えない


5月30日の時点で見ましても、まだTGA(米財務省一般勘定))からのドローダウン(お金の引き出し)は続いていますね。これが継続しているうちは、景気刺激的であり、QT効果を相殺していますから、株式市場が本格的に下落するような素地、素材とは言えないと僕は考え続けてきました。今日もそのように思っております。考えは何も変わっておりません。おおもとの蛇口はこれですからね。まずは、おおもとの蛇口が閉まる(TGAからのドローダウンが終わる)。その上で、イエレンさんにとっては悪夢かもしれない、TGAの再構築が始まる。蛇口が閉まって、再構築が始まるという2つの段階的プロセスにならないと。


踊ると、大やけどする


弱気や売り目線を言う場合、この2つのプロセスを最重要視した上で、TGAの状態、タイミングをよく見て、その他の弱気材料を考慮するとかでないと。
一方で、この2つのプロセスはそっちのけで、全く語られることもないけれども、弱気材料を並べ立てたfear-monger(脅威をあおる人)、それに同調して、踊ると、大やけどするんじゃないかと思ってきました。今もそう思っています。大やけどしたくないですからね。株、リスクアセットにとって重要なおおもとの蛇口はなんなのか、よく認識しておくことが必要だと思います。

5月から申し上げておりますが、個人的なことで恐縮です。実父の病状とも相まって、6月、7月に入りましてからは、途中、寄稿ができない期間が出てくることは、すでに今から予想されます。しかしながら、その間であっても、株式市場に対して、重要なことについては、どのようなタイミングをどのように考えるかなど、ごく短くツィートを利用することも心掛けます。できる限り、もちろん寄稿を継続致します。どうぞよろしくお願い致します。




第196回へ続く




最後に …
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第138回~

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私、アウトライヤーは、OUTLIER とは関係ありませんが、
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アウトライヤー
より。外れ値です。でも異常値ではありません。
笑って許してくださいね。ごゆるりとお時間ある時ご覧になってください。
背景にある経歴:80年代後半から、ペインウェバー証券会社、メリルリンチ証券会社、ベアー・スターンズ証券会社等々の外資系証券会社東京支店法人営業部門に勤務。外資系企業生活で24年の歳月が流れました。
ペインウェバー証券会社ニューヨーク本社にて、2名のメンターのもと、米国株式業務を基礎から習得。なぜ、2名だったかと言いますと、フロントオフィス業務用に1名=MIT出身のトレーダーで数学者、バックオフィス業務用に1名=米国では名の知れたバックオフィスの専門家でした。当時、NY証券取引所にもしばしば、足を運び、入り口から出口まで、叩き込まれました。その後、日本国内の機関投資家向け外国株式営業に携わり、メリルリンチ証券会社とベアー・スターンズ証券会社では、それぞれ東京支店法人営業部門外国株式営業部長として、東京、ニューヨーク(ウォール街)、ロンドン(シティ)を中心に、アジア諸国も含めて、世界中を飛び回りました。グローバル株式・金融業務に従事する上で、メリルリンチ証券会社では、当時のメリルリンチ・グローバル株式営業部門におけるアジア地域2名のグローバル・エクティ・コーディネーターの1人として、米国株式を中心に、グローバルに株式業務推進役の職責も兼務。(この時とっても楽しかったです)
2012年2月に外資系企業生活を終えました。
同2012年年春から、日本企業の顧問に就任。
一貫して、この30年超の期間、何度も何度も現地に足を運び、そこにいた人々と直接仕事をした事を含めて、アメリカの金融政策、アメリカの株式市場を見つめてきました。
🍅注意事項
①不特定多数の者により随時に、誰でも閲覧可能な無料記事です。
投資助言行為に該当するアドバイスは行いません。短期動向や個別の運用相談に関するご質問へのご回答は一切行っておりません
③投資の最終決定はご自身のご判断と責任でおこなってください。

『アウトライヤー寄稿』は利益を保証するものではありません。

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