米国株師匠🍅アウトライヤー寄稿225
第224回から続く
100ポイントも逆、行っていますよ(笑)。
7月7日金曜日の引け間際、S&P500で4420から4400のところ、売るのどうかなあ~売ってみたいなあ~な~んて誘惑にかられるだけかられたので、例として出しますが。アメリカの一部、自称専門家、売りだぁ~、売りィ~、とかって言ってましたね(笑)。確かその日の引けは、4398でしたかね。
それから、1週間経って、7月14日金曜日S&P500の引け、4505。100ポイントも上じゃないですか(笑)。100ポイントも逆、行っていますよ(笑)。
まあ、だから、僕は、ジム・ロジャースさんの言葉の引用ですが「人に聞いて投資するなんてやめたほうがいい」と思うんですね(笑)。
債券のマーケットが意識している事と株のマーケットが意識している事を少し対比しながらの私見です。
債券のマーケットが意識している事
債券のマーケットは、金利「高い、を、より長く」という事を意識していますし、昨日寄稿で取り上げたFRBウォラー理事が年内2回の利上げに言及したことを意識していますね。(年内2回は7月と年内にもう1回というご発言の主旨ですね。9月と言っているわけではありませんでした。ご発言からはむしろ、9月の一時停止示唆とも解釈できるわけで)
株のマーケットが意識している事
株のマーケットが意識している事は、金利の引き上げサイクルというより、業績ですね。(僕はそんなこと思っていませんけど)ソフトランディングで行けると言うなら、業績のところ、ミスれませんね。
昨日の寄稿で業績については述べましたが、そこでこうも述べました~第221回寄稿からの引用~”ゴールドマン・サックス・グループの株式ストラテジストは、米企業が第2四半期業績についての低い市場予想を「満たすか上回る」と予想。ただ、24年の利益急回復期待は「楽観的過ぎる」とみている。”
”ただ、24年の利益急回復期待は「楽観的過ぎる」とみている。”
ですよね~、僕もそう思っています。
中立金利について
ブルームバーグ記事からの引用です。
・「米国債強気派にリスク、中立金利は想定より高い恐れ-値上がりの重し」
過去のこの寄稿で、何度か中立金利について触れてきましたが、この記事内容は重要だと思っています。
この記事からの引用~”ゴールドマン・サックス・グループやトゥエンティーフォー・アセット・マネジメントなどは、中立金利が上昇し、米連邦準備制度のより多くの当局者らもいずれその傾向を認めるようになり、債券の強気派は足をすくわれて、米国債を敬遠してきた投資家が報われることになると警告している。ゴールドマンによれば、インフレ調整後のいわゆる実質中立金利は、米連邦準備制度理事会(FRB)の長期予測が示唆する中立金利の4倍にもなるという。
トゥエンティーフォー・アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、フェリペ・ビジャロエル氏は、中立金利が「そろそろ動き出すと考えている。アンカーとなる中立金利が上昇するにつれて、10年物米国債の値上がり(利回り低下)は限定的なものになるだろう」と話した。”
引き続きこの記事からの引用~”FSインベストメントの米国担当チーフエコノミスト、ララ・レーム氏は11日のブルームバーグテレビジョンの番組で、「この先、Rスター(自然利子率、景気に中立的な実質利子率)が跳ね上がれば、債券が値上がりするのは難しいだろう」と話した。
今のところ、中立金利が上昇するという見方は少数派だ。連邦準備制度当局者の何人かは長期の金利予想を引き上げているが、予想の中央値は2.5%のままだ。
一方、トゥエンティーフォー・アセットのビジャロエル氏は、当局の中央値が3%に向けて徐々に上昇し、6四半期程度の期間でその水準に達するだろうとみている。”
FRBがウィークリーに出している金融状況に関する数字
FRBは最速のペースで金利を引き上げ続けてきました。
でも、この寄稿で述べております通り、FRBがウィークリーに出している金融状況に関する数字を見る限り、金融状況(マネーマーケッツ、債券、株の市場、従来の銀行システムおよびシャドーバンキングシステムにおける金融状況)は引き締まっておりません。緩んでますね。今年について言うなら、金融状況が引き締まっていたのって、2月から3月にかけての期間、僕が行動させて頂いた期間くらいですね。4月以降、今に至るまで、緩みっぱなしと言っていいと思います。FRBが出している数字を見る限り、そのように緩んでいますから。
Rスター(自然利子率)
ってことは、Rスター(自然利子率、景気に中立的な実質利子率)によって示唆される中立の数字は少なくとも3%もしくはそれ以上とかと見て行くのが妥当だと思いますし、この先、今織り込まりているよりも、より高い水準に、FRBは金利を引き上げる必要があるでしょうね。だから、2回もしくは複数回の利上げを示唆していたパウエル議長、昨日年内2回の利上げについて言及したウォラー理事のスピーチをよくノートしています。いっぽうで、今も金融状況が緩んでいるわけですから、そんなすぐにリセッション差し迫っているわけではないでしょうね。だから僕は、過去、直近の寄稿でも、こう述べております。
CPIの数字発表後の株式市場のラリー
CPIの数字発表後の株式市場のラリーって、インフレが抑制されているぅ~、ソフトランディングで行けるぅ~、ヴィクトリー・ラップぅ~、FRBのターミナルレート(金利の最高到達点)を見越しちゃったあ~、ターミナルレート(金利の最高到達点)に行きついちゃったあ~というのがあると思います。
ホントですかね???
まあ、どう理由をつけようがラリーはラリーです。
ウォラー理事がスピーチで、年内2回の利上げに言及したように、また昨日この寄稿で述べましたように、FRBは、金融政策を、今後出来るだけタイトに、出来る限りタイトに持って行きたいというところでしょうね。
それで、企業業績は、この第2四半期も、それ以降も、こういうFRBの姿勢を乗り越えて行かなければなりません。第2四半期のみで言うなれば、この寄稿で述べてきました通り、まあ、僕は7%くらいダウンかと思っていますが(専門家によって8%、9%ダウンなど)。業績発表の数字いかんで、この第2四半期の業績発表時、いつでもマーケットに3%~5%の調整は、起こり得ますよね~とも述べてきました。ロージー(バラ色)シナリオで行くなら、業績発表まずミスれませんよ。
ザックリですが、S&P500の1株当たり利益コンセンサス2023年3%ダウン。$224から3%ダウンで$217。$217 x 19.5x =4231という数字が出てきます。アウトライヤーの6月15日のツィートでは~”上は4500超が視野、下は4250を割れないとその下が見えてこないところに(6月15日時点で)立っている。”
昨日述べました~S&P500の2024年通年の1株当たり利益については、利益回復で11%アップ。これを長い目、来年に飛んで見ると、S&P500の2024年の1株当たり利益$240に、フォワードPEで、20xでも、21xでも、22xでも掛ける。単に、そこからはじきだされた数字、20xで、S&P500のインデックス~4800、21xで同5040、22xで同5280。
これはおそるおそるというところはあるにせよ、ブルマーケットの初期段階だと考える人達、ソフトランディングのシナリオで行けると考える人達は、この5280を当然視野に入れていると思います。だから、ブルマーケットの初期段階だと考えるわけですから。
ロージー(バラ色)が、過ぎませんか?と僕は思っているわけですね。
2022年1月に4796
いっぽうで、リセッションが来る前に、マーケットが高値とりに行ったらどうするの?とも、これまで述べてきましたように思っています。
ここで言う高値というのは、S&P500で、5280とかではなくて、2022年1月に4796というのがありますが、これ超えをとりにいったらどうするのという意味です。
シャドーバンキングシステム、威力
BTFP(FRBの新しい緊急貸出制度)で、デュレーションリスクが除去されている事、インパクトのあるパワフルな事です。
シャドーバンキングシステム、威力ありますね。
こういう事は認識致しておりますが。
ここでブルームバーグ記事を5本引用させて頂きます。
・「株式ファンドに大量資金流入、夏以降の株ショートを推奨-BofA」
・「世界的な株高、ゴールドマンは懐疑的-長引くリスクを指摘」
・「JPモルガン、収入が過去最高-ファースト・リパ買収や金利高で」
・「シティ、4-6月期利益は予想上回る-クレジットカードが寄与」
・「ウェルズ・ファーゴ、通期NII見通しを引き上げ-利上げで恩恵」
記事~
「世界的な株高、ゴールドマンは懐疑的-長引くリスクを指摘」からの引用~
”クリスチャン・ミュラーグリスマン氏率いるチームはリポートで、「米国のリセッションリスクは依然として高く、インフレが今後さらにしぶといことが判明し、中央銀行のタカ派サプライズを招くかもしれない」と述べた。”
まあ、僕は、ハードランディングのシナリオを採用しておりますし、インフレ、ここから2%に持って行くところが難儀だと思っておりますし、前述の通り、FRBは、金融政策を、今後出来るだけタイトに、出来る限りタイトに持って行きたい。この先、今織り込まりているよりも、より高い水準に、FRBは金利を引き上げなければならないでしょうね、と最近思っておりますので。
BofAのストラテジスト、マイケル・ハートネット氏のコメントは、機会あるごとに耳を傾けるようにし続けております。
過去のこの寄稿で何度も引用を用いながら、流動性の定義について触れてきました。
全体的な流動性というは
~FRBのバランスシート - TGA - リバースレポ
金融状況というのは、前述~マネーマーケッツ、債券、株の市場、従来の銀行システムおよびシャドーバンキングシステムにおける金融状況
株を売るという場においては、売る時のその素材、素地として、流動性が吸い上げられているとか、金融状況が引き締まっているという時に売らないと、自分が嫌な思いする事になるだけだと僕は思っています。
僕はデータアナリストではありませんし、シャドーバンキングシステムにおける手口の説明、解説者でもありません。それらのデータや数字、ファクトをよく観察しながら、それに対して、今、マーケットはどう反応しているのか、どう動いているのか、どう動こうとしているのかが、この寄稿のポイントです。
それをつかみきれない場合、つかみきれないのに大きく行動を取るという事ではなくて、ごく少量で、マーケットの感触をつついて見るとか、もしくは、遅れていもいいから、そのトレンドに、乗れればいいと思っています。
”能書きいい、いらないから、仕事しろ!”
ウォール街の人達が、”能書きいい、いらないから、仕事しろ!”ってよく言っていました(笑)。
数値化されたものの中で理詰めにされる世界なわけですから、説明や解説よりも、どうしたら、数字が上がるのか。相乗効果であり、乗数であり、数字をあげる、伸ばすことができるか。そのためにどう行動するのか。まあ、ポイントはそういうところですよね。
データやファクトを踏まえて、それに対してマーケットがどう反応していて、自分は実際にどう行動するのか。
余談ですが。マーク・トゥエインが言ったと一般的に言われていますが、ほんとかどうかはわかりません。まあ、その出典は別として。
Figures don't lie, but liars figure.
(数字は嘘をつかないが、嘘つきは数字を使う)
数字は噓をつかない。数字は大切。でも、悪い人ほど数字をうまく使いこなし、時に、いとも容易に改ざんし、あたかも真実であるかのように嘘を広め、純真無垢な人々を騙して利益を得てるな~んてことが世の中にはあります。数字に騙されないようにすることも大切ですね。というようなニュアンスなんでしょうね。
前回お伝えしました通り、明日から来週前半、中頃過ぎまで寄稿をお休みさせて頂きます。
来週後半どこかで、出来る限り寄稿できればと思っております。
どうぞよろしくお願い致します
第226回へ続く
最後に …
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第138回~
第1回~第137回
私、アウトライヤーは、OUTLIER とは関係ありませんが、
OUTLIERは素敵な商品です
OUTLIER 「相乗的にパフォーマンスを高める食品と栄養素を集約。」
🍅🍅
アウトライヤーより。外れ値です。でも異常値ではありません。
笑って許してくださいね。ごゆるりとお時間ある時ご覧になってください。
背景にある経歴:80年代後半から、ペインウェバー証券会社、メリルリンチ証券会社、ベアー・スターンズ証券会社等々の外資系証券会社東京支店法人営業部門に勤務。外資系企業生活で24年の歳月が流れました。
ペインウェバー証券会社ニューヨーク本社にて、2名のメンターのもと、米国株式業務を基礎から習得。なぜ、2名だったかと言いますと、フロントオフィス業務用に1名=MIT出身のトレーダーで数学者、バックオフィス業務用に1名=米国では名の知れたバックオフィスの専門家でした。当時、NY証券取引所にもしばしば、足を運び、入り口から出口まで、叩き込まれました。その後、日本国内の機関投資家向け外国株式営業に携わり、メリルリンチ証券会社とベアー・スターンズ証券会社では、それぞれ東京支店法人営業部門外国株式営業部長として、東京、ニューヨーク(ウォール街)、ロンドン(シティ)を中心に、アジア諸国も含めて、世界中を飛び回りました。グローバル株式・金融業務に従事する上で、メリルリンチ証券会社では、当時のメリルリンチ・グローバル株式営業部門におけるアジア地域2名のグローバル・エクティ・コーディネーターの1人として、米国株式を中心に、グローバルに株式業務推進役の職責も兼務。(この時とっても楽しかったです)
2012年2月に外資系企業生活を終えました。
同2012年年春から、日本企業の顧問に就任。
一貫して、この30年超の期間、何度も何度も現地に足を運び、そこにいた人々と直接仕事をした事を含めて、アメリカの金融政策、アメリカの株式市場を見つめてきました。
🍅注意事項
①不特定多数の者により随時に、誰でも閲覧可能な無料記事です。
②投資助言行為に該当するアドバイスは行いません。短期動向や個別の運用相談に関するご質問へのご回答は一切行っておりません。
③投資の最終決定はご自身のご判断と責任でおこなってください。
④『アウトライヤー寄稿』は利益を保証するものではありません。