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マイクル・コナリーの描く世界    ハリー・ボッシュ,Who are you?①

久々の投稿になります。

自分の好きなものは映画がまず筆頭に上がるのですが、次は何かといえば、まぁ普通過ぎて笑ってしまうのですが読書、本になりまして、その本の中でも一番好きなのがマイクル・コナリーによる「ハリー・ボッシュ」シリーズになります。

好きになったきっかけは、これまた映画でした。
「ゴーン・ベイビー・ゴーン」というベン・アフレックが監督を務めた映画があるのですがこれが予想以上の傑作で驚きました。

で、これに原作があるのを知ってそれがデニス・レへインという作家で、映画「ミスティック・リバー」の原作者でもあるわけですが、この方の本をまずは『私立探偵パトリック&アンジー』シリーズから全巻を読み通し始めました。

そのシリーズ以外にも手を伸ばして、彼のほかの作品も読み始めてやや食傷気味になったところに(シャッター・アイランドかな?)、彼がマイクル・コナリーという作家と比較されてたか仲がいいんだかということが本のあとがきに書かれてまして、じゃぁちょっとそのマイクル・コナリーていう人のも読んでみようかなと思って彼のデビュー作「ナイト・ホークス」を読み始めました。

『私立探偵パトリック&アンジー』シリーズが一人称で物語が進んでいくのになれていたこともあり、三人称で語られるこの本を読むのに正直違和感を抱えながら、その世界観にダイブするのに苦労しました。
ただ、読み進めていくうちにその徹底してリアルでドライで写実的な描写が綿々と続いていくこの本の筆致に強く惹きつけられました。

この本の世界観を知ってしまうと、他の映画とか本とかのフィクションの作品がなにか嘘くさく青くさく外連味たっぷりな(歌舞伎とか宝塚みたいな)ものに感じてしまうほどの強烈な磁場がこの本の中にはありました。

もちろん、人それぞれ好みあるのでボッシュシリーズが合う人合わない人いると思いますが、自分にはしっくり来ましたし、映画の好みもリアルで写実的なものが多いのです。

さらに、ただただドライなだけでなく、独特なユーモアもそこかしこに散りばめられていて、ボッシュもさることながら例えば事情聴取などで関わる嫌な性格のサブキャラの個性とかでもそれによってフワーっと香り立つのが素晴らしいのです。

そういう絶妙なブレンド感覚を併せ持つ作品、作家に一番近いと感じてるのが、映画監督ではあるのですがロマン・ポランスキーでとくに彼の「チャイナタウン」が読後感で一番似ています。
奇しくもこれもLAを舞台にしていますし、どちらもLAという街がまたキャラクターになっています。

次回はもう少しこのシリーズの持つディティールや楽しみ方など書いていきたいと思います。

ここまで読んでくださってありがとうございました。


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