瓦屋根の種類をご紹介!メンテナンス時期や方法とは?
こんにちは、あつしです。
一昔前まで、屋根と言えば瓦でした。
ですが、瓦の普及率は下がっており、市場から75%減と言われてます。
その背景には、住宅を購入する人の所得が下がり、屋根にお金をかけられない人が増えてきたことがあります。
瓦屋根の施工には、熟練された技術が必要なので、どうしても時間やコストがかかってしまうからです。
また、1995年の阪神淡路大震災で、倒壊した瓦屋根の映像が流れ
"瓦は地震に弱い"というイメージがついてしまったこともあります。
今回は、瓦屋根の種類と特徴や耐用年数とメンテナンス方法もお伝えしたいと思います。
ぜひ、最後までご覧ください!
粘土瓦
粘土瓦は、高温で焼きあげて作られています。
昔ながらの日本瓦(和瓦)には、おもむきがありますよね。
和瓦は、J型瓦とも呼ばれ、陶器瓦、いぶし瓦、素焼き瓦があります。
※ちなみにJはジャパニーズのことです
陶器瓦は、"釉薬瓦"ともいい、ガラス質の釉薬が塗られています。
いぶし瓦と素焼き瓦は、"無釉薬瓦"と呼ばれ、釉薬が塗られていません。
最近は、洋風の家が増えてきたこともあって、和瓦屋根が減ってきています。
ですが、洋風の家にも合う瓦はあるんです。
代表的なものに、F型瓦(平瓦)、S型瓦があります。
※Fはフランス、Sはスペインに由来しています
最近の新築住宅は、F型瓦が主流です。
・デザインがシンプルで、和洋どちらでも合うの
・フラットなので、太陽光パネルをのせやすい
・一坪あたりの瓦の枚数が少なくて済む
などの理由からです。
粘土瓦は、耐用年数が高いのが特徴です。
初期費用はかかりますが、長い目で見るとコストがかかりません。
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陶器瓦⇒50年~60年
いぶし瓦⇒30年~60年
素焼き瓦⇒40年~50年
洋瓦⇒40年~50年
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こんなに長持ちするんですね!
ですが、瓦の耐用年数と屋根全体の耐用年数は同じではありません。
瓦の耐用年数は高くても、”漆喰”や”ルーフィング”が痛むことがあるので、定期的にメンテナンスをしあければなりません。
漆喰は10年、ルーフィングは20年に一度が目安です。
また、瓦自体がズレたり、割れたりすることもあるので、その都度メンテナンスが必要です。
また、最近はM型瓦と呼ばれる、軽量瓦も出てきています。
空気層が厚く、断熱性を高めたり、屋根の寿命を長くする形です。
デザインは洋風ですが、おすすめの瓦です。
セメント瓦・コンクリート瓦
セメント瓦とコンクリート瓦は、セメントに水や砂を混ぜて作られています。
セメント瓦は、粘土瓦よりもコストが安く、製造しやすいため、住宅不足だった高度経済成長期に多く普及しました。
ですが、陶器瓦よりも耐久性が低く、塗装などのメンテナンスも必要なので、現在はほとんど使われていません。
粘土瓦と違って、耐用年数は20年~40年です。
セメントに塗装されているものや、顔料を混ぜ込んで作られているものがあります。
また、10年~20年を目安に塗装のメンテナンスが必要です。
コンクリート瓦の一種には、モニエル瓦(乾式コンクリート瓦)と呼ばれるものがあり、日本でも一時期流行しました。
モニエル瓦は、ヨーロッパで普及している洋風の輸入瓦です。
ですが、2010年に日本でモニエル瓦は販売されなくなり、現在は生産されていません。
モニエル瓦も10年~15年で塗装が必要です。
ですが、一般的なセメント瓦と塗装方法が異なるので、メンテナンスを依頼する時には要注意!
モニエル瓦の表面には、着色剤が厚めに塗られていて、防水性に優れています。(スラリー層)
このスラリー層は、塗装がのりにくい特性があるため、塗装する前にスラリー層を取りのぞかなければなりません。
もしくは、スラリー層がある屋根専用のシーラー(下塗り剤)を使います。
まとめ
今回のまとめは、このようになります。
【瓦の種類】
■粘土瓦
●和瓦(J型瓦)
・陶器瓦(釉薬瓦)
・いぶし瓦・素焼き瓦(無釉薬瓦)
●洋瓦
・F型瓦
・S型瓦
・M型瓦(軽量瓦)
■セメント瓦
■コンクリート瓦
・モニエル瓦(洋瓦)
【瓦の耐用年数】
粘土瓦⇒30年~60年
セメント・コンクリート瓦⇒30年~40年
【瓦のメンテナンス時期】
瓦のズレ、割れ⇒その都度
漆喰⇒10年
ルーフィング⇒20年
セメント・コンクリート瓦の塗装⇒10年~20年
最近は、軽量な金属屋根も登場し、瓦屋根は少なくなってきているのが現状です。
たしかに、瓦は重く耐震性が低いと言われていますが、瓦の軽量化も進んでいるので、必ずしもそうとは言えません。
瓦は、耐火性や断熱性が高く、耐久性にも優れています。
また、他の屋根材にはない重圧感や高級感も瓦の魅力ですよね!
瓦のよさを、もう一度見直してみませんか?
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!