【五輪関係車両事故多発】のニュースを受けて都内ハイヤー会社が思う事
こんにちは。東京オリンピックも閉会式を迎えましたね。皆さんはどの競技をご覧になりましたか?私は今回新採用された種目を多く見ていた気がします。こんなスポーツがあるんだ、若い世代が躍動しているんだとすごく刺激を貰いました!私もまだまだ若者なので、負けないように!(?)頑張ろうと思います!
さて、連日メダルラッシュのニュースが舞い込む裏で、都内のハイヤー会社としては見逃せないニュースも報道されました。それがこちら。
五輪関係車両の事故のニュースです。大きく報道されているのは首都高湾岸線での当て逃げですが、オリンピック開催期間中に何件も事故があったようですね…
事故について擁護するつもりはありません。実際私も都内を走る中で、「わっ、この関係車両危ない!」と思ったことは何度もありました。しかし、同時に知っていただきたいのは
東京の道はとにかく複雑に、事故が起きやすいつくりになっている
という事です。今日はそれを実際の例に出しながらお話したいと思います。初めに首都高を例に出し、その後一般道へと話を移します。
1.首都高は狭く路肩が少ない
東京以外の方が想像する高速道路はこれだと思います。
しかし、首都高の実際の写真はこちらです。
「え、一般道?」って思いますよね笑。これが首都高なんです。道路の幅も広くないですし、何より路肩がほぼありません。一定間隔あけて非常時の避難エリアがあるものの、何かあった時に止まることが出来ません。
2.ぐねぐねと曲がる走行車線
首都高は90%以上が地下トンネル・陸橋で構成されています。1964年のオリンピックの交通網確保のために作られたのが始まりであるため、「土地のない東京にどのようにしたら高速道路が通せるのか」という考えの下作られているからです。そのため、首都高にまっすぐな車線はほぼないのです。
常にグネグネと曲がっていますから、初めて走行する方はその走りにくさに驚くことでしょう。また、少しでもハンドルやブレーキ操作を間違えばコースアウトしてしまう危険性があるのです。
そもそも首都高は「高速」と名乗っていますが、「高速自動車国道」ではなく「自動車専用道路」なのです。ですから、基本的に制限速度は60km/hに設定されていますし、場所によっては40km/hの場所もあります。一般の高速道路の様に「飛ばす」ことができる道路ではないですね。
3.初見殺しのJCTの数々
こちらは江戸橋JCTの様子。
初めてこれを目の当たりにした時、一回で読み取り切れる情報量ではないですよね。こんなジャンクションが連続してあるのが首都高です。また、、、時に普通の高速道路ではありえない光景が広がります。
JCTに信号があるのです。…交通整理のために。
有名なのが箱崎JCT。こちら一般道から見ても圧巻の光景が広がっているのですが…
何よりも中が複雑です。信号に従い走行しなければならない、一時停止をしなければならない。箱崎出口は一度通過しただけでは降りられていない…
ご存じの方は「そうそう…」と文章を読んでお思いかもしれませんが、分からない方は「え…?」となりますよね。間違えて意図しない方向へ進んでしまった時、パニックになり注意力がそれてしまうと、事故が起こる確率がグンと高くなってしまうのです。
4.とにかく短い合流車線
恐らく一番短いのはこの「土橋入口」でしょう。ビデオクリップの最初の30秒だけ見ていただければ分かるかと思います。知っていても毎回その短さに驚かされます。このように首都高に侵入してから合流するまでが大変短いインターチェンジがいくつもあるのが首都高です。
右車線合流も多くの箇所であります。
首都高目黒線から都心環状線へ行く一ノ橋JCT、こちらは「右合流&合流車線短い」のダブルパンチです。十分にスピードを落としミラーと目視を何度もして慎重に譲り合いながら合流することが求められます。
いかがでしょうか。「高速道路」でこの状態です。
それでは、一般道はどうなっているのでしょう。
5. 陸橋・アンダーパスのオンパレード
幹線道路と呼ばれる2~3車線ある道路によくある光景です。アンダーパスに乗るとその分信号が少ないので早く進行方向へ進むことが出来ます。しかし、自分が右左折したいとき、然るべきポイントで側道へ入らなければワープしてしまうのです。
今日ナビの性能も上がってきているため側道へ入るタイミングを教えてくれることも多いです。しかしポイントによっては連続して側道があるので、自分がどの側道に入ればいいかわからず躊躇しているうちに通り過ぎてしまうことも多々あります。
6. 一本間違えると狭路へ突入
「あ、やばい間違えた!!」と思って一本外して横道に入ると、そこはとんでもない細道に通じる道だった…
…なんてことが茶飯事です。江戸から都として栄えた東京。再開発によって走りやすい場所もありますが、多くが昔からの区画をそのまま使っているため入り組んだ道が大変多いのが特徴です。
地元の方も、「この辺りはこのルートでしか入ってこれない」なんていうルートを持っていたりします。
7. 死角から歩行者や自転車がでてくる
周知のとおり、東京は1300万人が暮らす大都市。通勤通学の時間帯・夕方等、人通りの多い時間帯に確認を怠ると直ぐ事故に遭います。競技会場の周辺は関係者も多かったでしょうから、死角から人が出てきて危ない目に遭った、なんていうボランティアドライバーも居たのかもしれませんね。
こうした複雑性から、弊社の新入社員も入社研修は大変苦労します。私自身この仕事を機に上京してきた身ですので、初めて東京の道を走った時には「こんなの本当に運転できるのか」と何度も思いました。研修時よく言われたのは
「とにかく下調べ、不安なら周りの人に相談してください。」
の言葉でした。道を知らない人ほど調べないと走れないのが東京の道路です。
おわりに
今回のオリンピックは地方から来たボランティアも多く参加していたと言います。地方の感覚で運転していたとすると、自転車や歩行者に気づけず事故になったり、道を間違えてリカバリーを考えているうちに接触・狭路に迷い込んでしまったという事例が多発していたのかなと想像が出来ました。
この後もパラリンピックと大きな行事は続きます。これ以上事故が起こらないことを祈りつつ、私たちハイヤードライバーも日々安全運転が出来るよう体調管理や道の調べを徹底し業務にあたろうと思います。
アウテック 二本松
前回の記事はこちら!新国立競技場について特集していますよ👀
4500件以上の帰国者送迎を元に更新中の空港検疫情報です✈