冷却塔とレジオネラ菌
空調用冷却水系の水温は一般的に10℃~40℃です。
一方、レジオネラ属菌の生育に最適な温度は
36℃前後(増殖可能温度は25~43℃)で、
5月~9月頃にかけては、冷却水の水温が
レジオネラ属菌の繁殖に最適な温度に近づきます。
また、レジオネラ属菌はアメーバに寄生して増殖することが知られており、
冷却塔本体や配管壁面にスライムが発生した環境は、
レジオネラ属菌の増殖を助長していると考えられています。
レジオネラ属菌による細菌感染症
レジオネラ症の主な病型としては、
重症のレジオネラ肺炎と軽症のポンティアック熱が知られています。
レジオネラ肺炎は、全身倦怠感、頭痛、食欲不振、
筋肉痛などの症状に始まり、咳や38℃以上の高熱、寒気、胸痛、
呼吸困難が見られるようになります。
まれですが、心筋炎などの肺以外の症状が起こることもあります。