山で水が無くなり死にかけたことはあるか?
こんにちは、レンです。
今日の話は、「水」に関してです。
日帰り登山であれば、飲料水に関して心配することはないでしょう。京都一周トレイルのような、町が近いトレイルでも自販機が多く設置されている事から、あまり気にしたことはありません。
一方で、南アルプスや、高島トレイルでは水がない問題に頭を悩ませることになります。アルプスには山小屋がありますが、場合によっては山小屋に出会えないことも。
そんな時、貴方は水がなければどうしますか?
今回は、そんな状況を想定したちょっとした話です。
嘘だろ!?水がねぇっ!となった話
人生初のロングトレイルは、京都一周トレイルだった。僅か一泊二日の山行だったが、二日目の北山ルート西側では「水がない」という状況に陥った。
また、高島トレイルを4泊でスルーハイクした際には道を間違えた影響で、水場を通り過ぎてしまい、またしても水を獲得することに失敗した。
水がないとなってしまったのは、自分の責任だ。自分の疲れ度合、発汗量、そして運動量。必要な水分量に対して、僕が持ち運びしていた水分は3L程度であり、どう考えても足りそうにない。一日行動する分には十分な量を確保できているが、二日目、三日目と日を重ねると足りない。
「あれ、底が抜けて先が見えてるんだけど?」
そう思ったのもつかの間、僕のボトルの中身は空になってしまった。さて、地獄の時間がはじまったぞ~~。
水がない時間を過ごす。地獄を歩く
水がない状況で山道を歩くのは、かなり怖い。たった、5kmの道でも、山を歩くときには2時間くらいの時間を必要とする。日本の山では、平均速度が3km程度だからだ。
たったの二時間。でも生命線である水がない状況で歩くその2時間は、非常に怖い。道を間違えたら?もしも自販機が売り切れていたら?駅の営業時間に間に合わなかったら?
そもそも、本当にこの先に水場があるよね?
そんなことを考えつつ、何時になったら町に出るのかと。せめて、綺麗な水場がないモノかと思いながら、テクテクと劇坂を登り、時には平坦な道を永遠と歩き続ける。
まるで修行僧のようだと思いながら、僕は脱水症状が悪化しないようにゆっくりとしたペースで歩いていく。
この経験は、正直あまりしたくない。片頭痛が出始めたら、本格的に休息が必要な証明だ。注意していこう。
水不足に学べ
ロングトレイルのたびに、水不足で頭を悩ませることになった僕。もちろん、何も学ぶことがなかったわけではない。少なくとも、こうして今執筆しているので、どちらのパターンでも、かろうじて無事に過ごすことができた。
が、この経験を生かして、僕は浄水器を購入することにした。高島トレイルでは、すべての水を煮沸消毒したが、冷えるまで時間が必要だったし、ガスの利用量も増えてしまう。特に、水を給水して浄化している時間がもったいないと思ってしまった。
浄水器を購入すれば、様々なシーンで活躍する。とはいえ、残念なことに僕は水場のない山に行くことが多い。浄水器は購入したは良いけど、実際にはお守りのような扱いになっている。また、水不足に悩むことも少なくなった。
訓練がてら、僕は水を大量に持ち運ぶようになった。酷いときは日帰りの登山なのに、5kg強の水を持ち運んでいる。これだけで、ロングトレイル時のU.L.基準を大きく超えるのだから、あほらしい。
ただ、様々な山を歩いていくうちに3L程度の水が、自分には必要であると分かった。これは、一日が10時間活動であるときの話だ。また、南アルプスを歩くときには、さらに別の対策が必要だ。
秋口でも、南アルプスの樹林帯は鬱蒼としていて蒸し暑い。
汗をかかない、体はドライには重要
冬場の運動に限らず、やはり「汗」に対する正しい対策は重要になる。僕の場合も、この例に漏れず汗をかかない事と、即座に乾燥させることを意識した。
運動量が増えれば当然だが、発汗量が増える。発汗量が増えれば、それだけ水が必要になるので、摂取する水分量も同様に増えてしまうのだ。ただ、問題なのは運動量は変えられないという事。
まぁ、荷物を軽くできると違うのだが、僕の場合はそこまで軽量化を意識しない運用をしている。
となると、発汗しないような対策が重要だ。背中や腰パッドのある腰回りは仕方ない。しかし、それ以外の箇所に関してはどうだろうか?
速乾性の高い服装を意識して、正しいベースレイヤーを着用すれば対策はできそうだろうと、僕は考えた。
身体をできるだけドライに保つことは、肌の表面を清潔にするだけではない。もっと重要な、蒸れや不快感から自分の体を守ることができる。
不快感がなく、蒸れがなく、体がフリーな状況で運動できることは、水の節約にもつながる。理想は「汗なし、体はドライに」だ。自分の対策で、どこまでその状況に近づけられるか、それが大事だ。
水がないとなったら、どうする
汗をかかないように冷静に運動をするしかない。最悪の場合、人に土下座して水を分けるように、交渉してください。生命線で、山頂では1L当たり100円から200円で販売されるほど、貴重物資。
でも、命には代えられないので、貴方が死んで誰も登山ができなくなる状況を避ける為に、土下座してください。僕は、水を貰ったことはないですが、アンパンとおにぎりを頂いたことがあります。あの時は、ありがとうございました。
頂く事があれば、与えることもある。北アルプスを歩いている時には、水が購入できなかったと言っていた方に、水を分けたこともある。互いに気持ちよく生きていくには、最低限の協力は必要だ。
そこに、プラスマイナスの感情や損得計算などは必要ない。次回以降、同じようなことを繰り返さないように、注意しておけばいい。
ただ、待っていても誰も来ないような登山道もある。というか、人気の山でなければ、多くの場合そうなる。僕も、数時間待てば誰か来る状況はあっても、2時間以内となると、かなりレアな気がしている。
なので、やはり水が無くなれば慎重に行動するしかない。発汗しないように、ストレスを減らせるように。心が沈み続けないように、注意しながら僕らは、目の前のトレイルを黙々と歩くしかないのだ。