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山歩き、暇じゃないの?いやいや、意外と忙しいよ?

こんにちは、レンです。

登山中、この人は何をしているのだろう?
こんな生きづらいと叫んでいる奴が、普通に登山などできるのか?
というか、この人迷子にならないの?

多分、僕のエッセイを読んでいる人や考えていることを読んでいらっしゃる方は、そう思うと思います。
そして、僕自身もそう思います。

今回は、僕が登山中に考えている事ややってることなどを、紹介していこうと思います。
登山をしてみたい、ハイキングをしたいと思っている方の参考になれば幸いです。


暇かと言われると忙しいと言いたい

登山中に何をしているのだろうか。
僕は、ずっと考え事をしていると答えたい。

具体的には、「自分自身の事」と「今感じている自然」です。面白いことに、歩いている間はそこまで、「暇だなぁ」と思うことはありません。
これは、それだけ僕の中に疑問があって、発見があるという証拠かもしれない。

そう思うと、山と自分だけの世界に浸るもの悪くない。一見すると無駄なように見えて、実は重要な時間となっているようだ。

それに、登山中に意識しなければならない事が多いです。例えば、天気の事、自分の足の事、自分の手先の汚れ、疲労感、肩の調子、歩行距離、獲得標高、エネルギーの消費量など。

意識しなければならないことが多い。それらすべてを、考えながら歩いています。暇だなと感じることは、意外と少ないんですね。

エネルギー管理が大事

昔、アルプス縦走をしていた時の事です。カロリー管理を怠り、一時的にエネルギー不足になりました。ハンガーノックと呼ばれる状況で、登山用語では、シャリバテと言います。(由来は、シャリ(お米)が不足している。=エネルギー不足らしいです?)

一度経験するとわかりますが、山の中でうつ病に近い状態になります。実際には体が動くのですが、重たくて全身に鉛をつけているような感覚です。それに、感情も乱降下して底辺で固定されてしまいます。
本能的に、歩くことを辞めたらだめだと分かる。だから進むのですが、それはとても辛いことです。

エネルギー管理を考えながら歩くという事は、一種自分の命をつなぐ行為です。不思議なことに、家で暇に殺されている時は、自ら何も食べずに寝込むことを選びます。

でも、山の上で実際にそのような環境になると、進むことを選ぶ。どれだけ世界に絶望して、諦めて、嫌になって逃げだして。それでも僕は、やはり進むことを選ぶらしい。

故に、歩き続ける為に「エネルギー管理」が重要だ。歩き続け、考え続け、アクティビティを堪能するために。最後まで遊び尽くすために、エネルギーが大事だった。

自然を肌で感じて歩く

風が容赦なく、冷え切った体を更に冷やしていく。夏だというのに、山頂の温度は15度を切っている。まったく、ここまで来るのに、どれほどの汗をかいたと思っているのだろうか。

燦々と煌めく太陽が容赦なく肌を焼き付けるというのに、僕の体は一向に温まる気配がなかった。道中、何度も温度調整を行ったが、やはり体調管理を完璧にこなすことは難しいようだ。

容赦なく荒く肌を撫でる風は、僕から体温を奪い去る。でも、汗で少しだけべたついた肌は、その風で少しだけサラッとしていく。風を感じながら、山頂の景色を堪能する。

髪の毛が揺れ、攫われ、気が付いた時には服がバタつき始める。バサバサと煩わしさを感じるそれを、尻に敷くことで抑え込む。ゴーっと音を立てているバーナーに、今か今かと料理の完成を待ちながら、肌で自然の機敏を感じる。

「もうすぐ、暖かくなりそうだな」

太陽が出ているとはいえ、風が出ていると寒い。気温が徐々に上がっているが、やはり13時くらいが一番暖かい。何となく、山頂で休憩しているうちに、僅かな気温変化が肌で感じられるようになる。

一人で山頂ご飯を終えて、時間を確認して歩きだす。
今度は、一気に高度が下がるから熱い。その暑さを紛らわすように、隙間風が差し込み、僕に休憩を促す。

時おり、木々ですら僕に休憩をしろと騒ぎだす。都合の良い石を置いたり、時には興味深い形の気を用意したり。
そうして、自然と対話しながら歩いていく。

迷子になったら止まれ

山で迷子になったら、緊急事態です。速攻で停止し、まずは現状確認をしましょう。近くにピンク色、または黄色いテープがないだろうか?

テープもなく、木に印もついていなければ、貴方は確実に迷子です。まずは大きくため息をついて、次に現実を呪い、最後に呪詛を吐き出してしまう。
吐き出した呪詛が一通り山に木霊して、ようやく僕らの心はリセットされる。

「はぁ、地図は?」

吐き出した呪詛を取り払うように、バサッと地図を広げてしまう。無駄に行動するのを避ける為に、ドカッと座り込んでもよいだろう。場合によるが、地図を広げる為にザックを下すのならば、そのまま座り込んでしまえばよい。

「このルートをここまで来たから、きっとここらへんで。時速は大体3.5km程度だから~」

確認するように呟きながら、一個一個のルートを確認していく。徐々に自分がどこで道を間違えたのか、次はどちらに進まなければならないのか、明確になっていきます。

最終的に、自分が今どこら辺にいるのか。どう行動すれば、道に戻れるのか、ある程度の目算がたちます。それでもどうしようもない場合は、来た道が100%わかるのであれば、戻る。分からない場合は、一つピークに登ってしまうのが吉です。

迷った場合は、下山するのではなく登頂する。そうすれば、どこの山の山頂にいるのか、何の山に間違えて登ったのかが分かります。
下山すると未知の領域が馬鹿みたいに多いですが、山頂側はそんなに大きな範囲がありません。

登頂している時に、登山道を見つけられることもあります。間違えても、川を下ったり沢を探して移動するのは辞めましょう。沢を下るというのは、最悪のパターンになることがあります。

山頂、少なくとも尾根を目指して移動すれば、迷子になりやすい僕でも、ちゃんと目的の山までたどり着けますよ。

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レン_歩くエッセイスト
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