クロロvsヒソカ戦の単独説を立証しました
注意!ネタバレ含みます。またこの考察はクロロ対ヒソカ戦の戦闘を読んだ方を対象に書いています。
本文における略称
B…ブラックボイス. C…コンバートハンズ.
G…ギャラリーフェイク. O…オーダースタンプ.
S…サンアンドムーン. 栞…ダブルフェイス.
左…本(スキルハンター)で開いているページ.
共闘説についての考察はこちら
1章. 立証準備
・証拠1:ブラックボイスのアンテナは2本とも使用して失くしている
まず上の会話でわかるのはケータイはクロロが所持している、さらにアンテナは2本とも使用した、ということですね。
共闘説を支持した場合、戦闘中に能力含めケータイの貸し借りをしていた可能性も否定できないため、戦闘中クロロがずっとケータイを所持していたのかはわかりません。
さらに能力自体をシャルナークに返還したかどうかはこの会話だけでは判断が難しいです。
・証拠2:戦闘後に残っている観客達はコピー人形
爆破役の人形によって破壊された天空闘技場のコマがあります。闘技場では救護班が負傷者を運んでいたり、観客が膝から崩れ落ちていたり介抱を受けている姿などが描かれています。
ただこの状況には違和感がありますよね。一階席にはまばらに野次馬がいるのに、2階席の観客は全員避難して1人も野次馬がいません。
もし野次馬なら見晴らしのいい2階にもいるのが自然だし、そもそも救護班は被害が多く出た一階席の観客こそ率先して会場から運び出すべきですよね。
1階と2階の状況が逆でないと不自然だと思います。
このコマからわかるのは、一階席に残っている観客は野次馬ではなく"戦闘で使用されずに残ったコピー人形"だということです。
担架で運ばれるような目立った傷もなく放っておかれて、運営の指示にも従わずその場に立ち尽くしている存在…
1階席にいる群衆がコピー人形であるならばこの状況の辻褄が合います。
数えていませんがざっと100体以上はいると思います。
さらにこの会場に残った人形は、戦闘前に事前準備した、または戦闘中にコルトピが用意した、2パターンの可能性で作られていると思います。
これらの証拠を踏まえた上で単独説・共闘説は成り立つのかを立証していきます。
2章.条件付きのほぼ単独説(マチのサポートあり)は成立する
まずマチの可能性に触れているのは、後述しますがマチがいないと単独説では辻褄が合わない箇所があるためです。
それではこの戦闘を順を追って見ていきましょう。
まずクロロの単独説を立証するにあたって、戦闘終盤、ヒソカに襲いかかった200体のコピーおよび数十体の爆破役の人形を1人でどう用意したのか、という問題があります。
単独説では、証拠2「会場に残ったコピー人形」を戦闘前に事前に準備していて、それらを戦闘中に使用していた、と想定しないと時間的な辻褄は合いません。
そのため事前準備した人形から200体+ 爆破役数十体を戦闘中に使用した、という条件の元、単独説が成り立つかどうかを考える必要があります。
・200体のコピー人形がヒソカに襲いかかるシーン
上のコマをみてわかる通り実況のヘッドホンを奪った手が右手であることから、Oを栞で挟み、能力は1つしか使っていないことがわかります。
このコマからGを使用していないことは明らかで、また栞G左S→栞Oではヒソカの計算では200秒以上かかることになり※1、ヒソカの予想の裏をかくことは難しいでしょう。
・ヒソカの左手爆破のシーン。
上のシーン、能力維持のため栞がOに挟さまれたままだとして、左手はG以外の能力になります。単独説の場合、主に2つの場合の能力を仮定できます。
仮定1,Oによる人形の遠隔操作
仮定2,Bによる人間の音声操作
仮定1ではOを押印した爆破役の人形にケータイを持たせる、もしくはイヤホンを付けさせる、などを行いクロロのケータイから音声で指示を出して遠隔操作した、と解釈するケースです(他のサイトでこのような考察をしている方々のコメントを見て、参考にさせてもらいました)。
仮定2「Bによる人間の音声操作」はヒソカも戦闘中に分析していたように、状況的には自然なケースだと思います。
私は上のシーンは仮定1「Oによる人形の遠隔操作」の単独説を支持しています。
なぜなら下の、シャルナークがBで誰かを操作しているコマでは、ケータイは操作されている人物の主観視点の様な画面を写しているのに対して、クロロが操作していた時のケータイ画面には何も写っていないためです。
(↑操作している対象者の主観映像が映っていて、6のボタンの文字を何度も打ち込んでいる)
しかし仮定1「Oによる人形の遠隔操作」だとした場合、証拠1「アンテナを2本とも使用する」はどこで達成されたのでしょうか。
これはおそらく下のコマだと思います。
この爆煙は、頭部と胴体が切り離された人形に刻印を合わせるとどうなるか、言い換えれば、ヒソカが手に持つコピー人形の頭部爆破が可能かどうか、の実験をしたためにあがったものだと私は考えています。
おそらくヒソカが偽クロロを追いかけている最中に爆破させたのでしょう※2。
クロロは月の刻印を押した観客に一本余ったアンテナを刺して操作、中央に向かわせ爆破させる事でSの効果や範囲を確かめたのではないでしょうか。
これなら証拠1「アンテナは2本とも使用する」は達成されて、さらに戦闘の流れ的にも辻褄が合うため、ヒソカの左手爆破を仮定1「Oによる人形の遠隔操作」としても問題ないと考えました。
また証拠1が仮定2「Bによる人間の音声操作」で達成された場合、上のコマの爆煙はマチが念糸で操作した人形および人間を爆破させて起こしたことになります。
なぜなら単独説の場合、クロロが偽クロロを作った時、スキルハンターは栞C左Bの状態であり、クロロはマチ以外で人形および人間を操作する術を有していないためです(後に残りのアンテナを使うため)。
単独説を"ほぼ"としたのは、この可能性も踏まえてマチのサポートを説の立証に含めたためです。
確かなのは仮定1,2いずれかのルートを辿らなければ証拠1「アンテナは2本とも使用する」は達成されないことです。
恐らく単独説ではどちらかの能力は確実に使用しているといえます。
まとめ
以上のことから200体+爆破役数十体の人形を試合前に事前に準備して使用した、という条件と、マチのサポートを含めれば単独説を成立させることは可能だと考えました。
おそらくヒソカの言っていた「相手十分の条件」はこの勝ち筋を指していたと思われます。次にこの説以外の、共闘説について考えていきます。
3章.共闘説については考察する必要なし
共闘説を立証するにあたって、大きな壁となるのは旅団メンバー個々の能力の解釈です。
2章の単独説の立証では、栞の制約は無いものとして扱いました。
仮に制約を考慮するとしても、クロロが旅団達にいつどこで、どうやって戦闘中に能力を返したのか、その特定が困難なため立証に含める事ができません。
そもそも単独説の立証ですら、仮定1のようにOは音声による人形の遠隔操作が可能※3、と解釈を拡大しました。
共闘説を支持する場合、その根拠として、クロロ以外にもシャルナーク、コルトピの能力を解釈し、場合によっては想像して今回の戦闘の辻褄を合わせなければなりません。
おそらくこの拡大解釈のアプローチでは答えが出ることはないと考えています。
ここからは共闘説を立証するために3人の能力の解釈をどのように拡大しなければならないか、そのために答えなければならない疑問について書いていきます。
・クロロ
まず盗んだ能力の返還条件が、スキルハンター自体に備わっているのか、栞の制約によるものなのか、というそもそも論的な問題に対して解釈しなければいけません。
状況的にクロロは能力を返す方法があるから借りたとも取れますが、ヒソカとの戦闘以前から、もっといえばダブルフェイスの能力を獲得する前から、能力の貸し借りを行っていた可能性も否定できません(クロロが旅団員に制約を明かさなかったなど)。そのため返還条件は本と栞どちらの制約なのか、の答えはこの戦闘からは得られません。
次にクロロが能力を借りる際、前の持ち主が能力を継続して使用していた場合、借りた後も能力は継続されるのか、それともリセットされるのか、という問題もあります。
例えば、証拠2「会場に残ったコピー人形」は戦闘前コルトピが作ったと想定した場合、能力を借りたら人形は消えるのか残るのか、の解釈も必要になります(Sを使用していれば回避できる疑問ですが、クロロが試合前に抜け出して人形に刻印をしていたのかはわかりません)。
・コルトピ
24時間経たなければコピーは消せないのか、それともその前に解除することが可能なのか、という問題があります。
この解釈が定まれば共闘説の立証は大きく前進しますが、コルトピのみが共闘していた場合、シャルナークがあの場にいる必然性はいよいよなくなってしまうため、それに対する解釈も必要になります。
・シャルナーク
おそらく彼がクロロvsヒソカ戦を複雑にしている原因の最もたるものと考えています。
なぜなら単独説共闘説ともにシャルナークの能力を拡大解釈しなければならないためです。
単独説ならば仮定2のように、シャルナークの携帯は音声による人間の操作も可能とみなさなければなりません。
また共闘説なら別機もしくはコルトピが複製した携帯を使用していた可能性を考えなければなりません(オリジナルはクロロが持っているため)。
共闘説の解釈をさらに広げて、クロロはシャルナークから能力を借りておらず、ただブラフをかけていただけと解釈することもできます。
また戦闘中に能力を返した際の二重操作の手間や、そもそも別の(同機種の予備を含む)ケータイで操作が可能なら、なぜシャルナークはクロロにオリジナルを渡したのか、などの疑問も生じます。
仮にシャルナークがコルトピの能力で作ったコピー機種を使用していたとしても、コルトピがクロロに能力を貸した時、コピーしたケータイはそのまま残るのか、それとも消えるかという上記のクロロの解釈問題に及んでいきます。
ここまで読んでくださった方ならばもう察していると思います。私が何を言いたいのかを…(クロロ風)
"共闘説" は 何度考察しても 答えが出ない…!
結論
現時点の情報で共闘説を成立させることは不可能である、というのが私の結論です。
条件付きの単独説は予備的な考察に過ぎず、明らかにしたかったのはこの共闘説を支持した場合の、考察をすることの限界についてです。
クロロvsヒソカ戦に答えを出すことの無意味さはおそらく本稿で示せたと思っています。
補足
※1…クロロががんばって200体のコピー人形を作ってこの条件を回避したとしても、単独説が強化されるだけなので問題ありません。
ただし、さらにめっちゃがんばって証拠2も含めた300体以上の人形を戦闘中に作っていた場合、時間的な辻褄はいよいよ合わなくなります。
単独説の場合、証拠2で上げたコマの状況を成り立たせるためには"コピー人形は事前に準備していた"という条件が必須になると思います。
※2…なぜあの場面で爆破実験をしたのかというと、おそらく人形の頭部破壊はクロロのアドリブだったからだと思います。
ヒソカが頭部を使った事でこの方法を思いついて、実行できるかどうかを相手に悟られないために、あの場面で試したのではないでしょうか。
ヒソカは偽クロロ追走中な上ミスリードにも気づいておらず、爆弾人形もまだ現れていない。
その後も消えたクロロを探すため爆煙どころではない、など状況整理で手一杯のあの場面だからこそ、クロロは実験結果を確かめられると踏んだのでしょう。
※3…ただし仮定1「Oによる人形の遠隔操作」の場合、拡大解釈の必要性はさほど高くないと思います。
コピー人形は場内アナウンス用マイクで指示されていたので、その描写を根拠とすればOによる音声指示はクロロの肉声以外でも可能である事ははっきりしています。
そのため、ケータイの通話越しでも指示を出せる、と想定しても不自然ではないと考えて、仮定1を支持しました。
むしろ厄介なのは、仮定1の妥当性が両説関係なく成立してしまう点です。
クロロがケータイをいじるシーンにシャルナークが介入していないとすると、おそらく戦闘中にケータイを持っていなかった彼が出来ることはどれほどあるんでしょうか。
シャルナークがあそこにいた意味を考察するほど旅団メンバー各々の拡大解釈問題が浮上し、解釈を繰り返すたび余計辻褄が合わなくなっていくという悪循環に陥りかねません。
けれども裏を返すと、シャルナークがあそこにいた意味がわかれば、共闘説だけでなくクロロの制約や戦闘時の立ち回りについても一気に解決に向かう可能性はありそうです。