レンジフードなんて必要ない！？
息子が小学３年生になりました。
楽しみにしていた「理科」がはじまり、知識の幅がぐっと広がりました。
息子から「これ知ってる？」と聞かれる質問、けっこうギリギリです。
さて、工務店のお仕事においても、近年お客様のお問い合わせいただくお客様のレベルが非常に高くなっています。
先日頂いた質問。
「レンジフードって、付けない方がいいって聞きました。どう思います？」
断熱とか、気密とか、耐震とか飛び越えて、局所換気までご相談いただく時代になりましたか。
という事で、今回は、キッチンのレンジフードは必要か？という問いについて考えてみます。
まず、レンジフードを設置しないという事が、法的にOKか？
OKです。基本的に問題ありません。
建築地によって異なることがあるので確認が必要ですが、宇都宮市は全然問題なし。
レンジフードを設置しないという考え方、結構前からあるんです。
２４時間専用の換気扇を使用して計画換気をを行う場合、レンジフードを使用した時の空気の出入りは換気計算に含まれません。
家中の換気は、専用の換気扇がおこなってくれるので、レンジフードを使用して排気することは余分なエネルギーの流出になる訳です。
さらに言うと、排気するという事は、（気密性が担保されていれば）室内が負圧になります。
負圧から戻ろうと給気口から必要以上に外の空気が入ってくることになります。
冬であれば、乾燥、夏であれば、湿気をより室内に流入させることになります。
そのため、より少ないエネルギーで室内環境を一定に保つためには、換気を最低量にする必要がある訳です。
だから、無駄な換気をしたくない、という理由でレンジフードを設置しないという考え方。
加えて、レンジフードはドでかい機器なので、嫌でも目に入ります。
近年ご要望の多い、対面式、アイランド式など、キッチンを中心としたプランニングを行う場合、レンジフードが主役になりがち問題起こります。
ない方がインテリアが栄えますよね。
しっかりとした、気密性と換気計画があれば、室内の空気は２４時間換気で計画的に換気されるのだから、個別で換気する必要はないという訳。
さて、ここまで書いたら、「レンジフード無くても良いじゃん！」と思われる方が増えるのではないでしょうか。
でもねぇ・・・
お料理する人からすると、ちょっと意見がちがうのよ。
レンジフードって、ニオイをとるだけじゃないですよね。
お料理でもっとも気になるのが、「油」。
焼いても、揚げても油が舞うんですよ。
舞った油は重いので、２４時間換気では処理できず、キッチン回りの床に落ちていきます。
誰が拭くの？
換気や空調の効率を最優先に考える方の多くは、旦那さん。（あくまでも私見です。）
まだまだ、お料理する率が高いのが奥さんですよね。
多くの男性が好きな料理は、茶色くて油を使う料理。
餃子とか、生姜焼きとか、お掃除たいへんになったら作る回数減っちゃわない？
毎日するお料理のイメージを現実的にイメージした上で、レンジフードがほんとうに不要かどうか検討しましょうね。
このあたり、設計者が男性か女性かで、何を優先するか変わっちゃいそうですけど。。。
というのも、最近私の自宅では、換気と温度の実験のために、レンジフードとIHクッキングヒーターの連動を切ってみてます。
自動でレンジフードが作動することで起こる無駄な換気を防いで、必要な時だけONにする。
でも、連動になれちゃうと、油モノ調理するときもレンジフードのON忘れます。
床回りの油跳ねがやはり多い印象。
料理を日常的にする私としては、レンジフードは必要な気がするなぁ。
それでも換気のロスが気になるならば、内気循環型という、所謂、空気清浄機方式のレンジフードを使うという方法があります。
もちろん、イニシャルコストが高いこと、数年に一度フィルター交換をするランニングコスト、排気式のように熱を外に排出してくれないので、夏は一時的に熱が残ることなどの、デメリットはありますが、夫婦間のニーズをすり合わせるには丁度いいと思います。
ちなみに、５月の構造見学会の会場は、この内気循環式を設置予定です。
（詳細はコチラから。）
家づくりは、性能にこだわることが超重要。
でも、生活するイメージを忘れてしまうと、それは暮らしの場としては空虚なモノになってしまいます。
バランスを取りながら、快適な暮らしをデザインしましょうね。
hiroyuki
oustam ホームページ http://www.oustam.com/
oustam blog http://oustam.jugem.jp/
oustam facebook https://www.facebook.com/oustam.T.house/
oustam instagram https://www.instagram.com/oustam01/