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【分譲住宅を見学してきた方との話】

猛暑モードから一気に窓を開けるのが気持ちいい空気に変わりましたね。

1年の中で冷房も暖房も使わなくてもいい季節は本当に貴重になったので、うれしいですね。


さて、先日ご相談者さんと、不動産業者の建売住宅の話になりました。

住宅取得にあたり、とても良い立地だったので、地域の不動産業者が販売している建売住宅を見学したそうです。

その時「これならマンションの方がいいかも・・」と思ったそうです。

というのも、その建売は東側道路の南北に長い敷地を3区画に切ったもの。

南側の区画と距離が近く、1階リビングは日が入らない状態だったそうです。

「それでも頑なにリビングは1階?これで売れるのか?」とも思ったとのこと。


ということで、今日は不動産業者の建売住宅について。

上の話を聞いて、通り道だったこともあり、現地を見てみました。

お話通り、南北がかなり窮屈な区画割でした。

市街地というほど密集地ではないのですが、なかなか土地が出てこない地域、これ、すぐ売れますよ。

住宅にも重きを置きたかった、この相談者さんとは、価値観が合わなかった訳です。


不動産業者さんの価値基準は、やはり土地です。

あたり前ですよね。

要望の多い立地に少し大きめの土地であれば、区画が手狭になっても2つに分けて販売した方が利益が出ます。

そこに安い建売が建てられれば、建物の利益も得られます。

だから、建物は「安い」ことが重要です。

住み心地とか、見た目とか、暮らし方とか、そういったものにコストをかける必要はありません。

とにかくベーシックな家。

それが重要です。


ただ、建売でも数を手掛けている不動産業者さんであれば、もう少しコストをかけてでも家に価値を持たせたでしょう。

分譲戸建を年間150棟以上供給している事業者には、住宅トップランナー基準という省エネ基準適合義務がありますし、販売促進のためデザインに力を入れるケースもあります。

外皮性能にこだわった分譲も稀にありますが、その場合、工務店などの家に価値基準を置いている業者さんがプロデュースしていことがほとんどです。


以前から、住宅選びにおいて、「その建築会社が得意としている分野は何か?」を知り、ご自身の価値と照らし合わせることが大事とお話していますが、この場合も全く同じです。

不動産業者が最も得意としている分野は、土地です。

今回、相談者さんが教えてくれた分譲住宅はそれが最も顕著に出ていた例でした。

HEAT20とか、気密測定とか、調べてしまっているこの方には、とてもピンとくる事例だったようです。


とは言え、先の分譲住宅、すぐに売れてしまいました。

そう、土地が最優先事項の方にとっては、買いの立地。

ちょっと暗いリビングでも、毎日の通勤がらくちんだからOKです。

人それぞれ、価値観が違うからこそ多様性が生まれる。

価値観ってとっても大事。

あなたが住まいに求める最も大事なことって何でしょう。


hiroyuki

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