「逆に」な質問もらったので回答するよ。
家づくりって、本当にたくさんの選択肢がありますよね。
家づくりと一口に言っても、注文住宅、建売、中古住宅、リノベ、マンション、果ては家=暮らしと考えれば、賃貸を選択することも選択肢の一つ。
注文住宅といっても、工務店、設計事務所、ハウスメーカー、大手ビルダーなど多岐にわたります。
先日、相談者さんと話をしている中で、
「逆に、工務店が考える良い設計事務所って何でしょう?」
という質問がありました。
「逆に」な質問ってアガりますよね。
ということで、工務店からみた良い設計事務所を独断と偏見でお答えします。
念のため、書いておきますがオースタムも申請等を自社内完結するために、オースタム一級建築士事務所として設計事務所登録はしてたりしますが、あくまでも工務店としての立場で考えてみたいと思います。
設計事務所の良しあし、デザインやアイデア、こだわり所、独特の作風など、色々なポイントから見ることができるかもしれませんが、正直このあたりは好みよるところが大きいです。
好きか、嫌いか。
共感できるかどうか。
なので、工務店という立場から見ると、それよりもっと重要なポイントがあります。
それは・・・
施工を頼む建築会社がある程度決まっているか!
そうです。
設計事務所は、設計と施工管理を生業としているため、当たり前ですが施工については、協力業者が行います。
そのため、クライアントの要望でプラン作って、見積作って、「この金額でやれる人いるー!?」って、建築会社に相談します。
常に施工を依頼し続けている建築会社がある設計事務所と
新たなプロジェクトの度に施工会社を探さなきゃいけない設計事務所があります。
もちろん、全国を又にかける設計事務所さんの場合は、全地域に施工業者のつながりを持つのは難しいですが、地元を中心に活動しているのであれば、その差はとても大きいように感じます。
以前から、ブログでも伝えているように、住宅建築は設計だけでは良いものになりませんし、施工だけでも不十分。
両方が合わさった際に、良い建物となりますよね。
施工を依頼し続けられる建築会社がある設計事務所さんの場合、彼らの設計やコンセプトを理解して、パートナーとして住宅に取り組む姿勢が見えますよね。
では、逆に施工業者がコロコロ変わる設計事務所の場合、施工の際にその信頼関係が結べなかった可能性があります。
この原因として、よくあるパターンが、
・描いてきた詳細図が現実的でなく、現場に納まりを押し付ける。
・変更があった場合の対応が遅く現場が止まる。
・現場で見て「イメージが違う」と言ってやり直し。
・上記などで施工コストが上がっても負担してくれない。
この4つは、めちゃくちゃよく聞くパターン。
これが重なってくると、「次は受けない(怒)」という施工会社側の判断になりやすいです。
また、そもそも施工者を選ぶ際にコンペ形式で選ぶのだけれど、見積金額が合わなくて、とにかく四方八方に見積流しまくる所もありますよね。
たまに、誰?っていうのがきたり。
なんてことも、今のご時世ありますよね。
クライアントさんにできるだけ安く住まいを提供したいのは、皆同じ、でもそれで職人が食っていけなくては、元も子もありません。
だからこそ、常にパートナーがいる設計事務所さんは、プラン、施工、発注金額含め、互いにバランスが取れいるからこそ、ちゃんとしたクオリティが発揮できるんですよね。
これは、工務店と協力業者の関係も同じです。
まぁ、あくまでも私が知る一般事例の場合の話です。
前述したとおり、超有名建築士さんの場合、各地でも手を挙げる施工者さんも多いでしょう。
その方の建築を手掛けること自体が広告となりえるので、それを考えれば、「採算を度外視してでも1棟やりたい」って考えてもおかしくないかも。
あとは、施工レベルが合うかだけですけどね。
長々と書きましたが、設計者としてちゃんと施工業者をリスペクトしているかっていうのは、相手に伝わるもの。
設計が上、施工が下なんてのは、もう昔の価値観なんですよ。
それに気づいていない設計事務所さんは、なかなかパートナーができないって話。
「施工する建築会社の候補はどこですか?」
って聞いてみるもの面白いんじゃないでしょうか。
hirooyuki