女子大生、サウナしきじに行く。
しきじは史上最高のサウナと謳われている。噂はかねがね、兼ねてから気になっていた。気になりすぎていた。
「そうだ、しきじ行こう。」
行ってみたい。と言っているだけではあっという間に人生が終わってしまう。行かなくては。なぜ今かは分からない。しかも、他にやるべきことは溜まっている。でも今行きたいのだ。そう、ご存知現実逃避だ。行くしかない。いつ行こう。今やで。アンパンマン並のそれゆけ!である。
熟練のサウナーも、
サウナビギナーも、
サウナ行きあぐねてる人も、
サウナ全く興味ない人も、
ゆっくりしていってね!
*
ここで私のサウナ経験について語っておこう。
最後にサウナに入ったのは友人と旅行した時以来である。3年以上前である。
以上である。
〜予習前のサウナ知識〜
・サウナ大好き芸人がいる。
・ととのう?らしい。
・しきじはすごいらしい。
無知無知むちうち団である。
先ずは予習をしてから行こう。未知の領域に踏み込むことや、そこに潜むサウナーが怖いわけではない。断じて。全っ然っビビってなんかねーしっ!これは、折角行くなら最大限楽しんでやろうという、そういうやつだしっ!
〜予習後のサウナ知識〜
・サウナとは水風呂。
・天使の羽衣を装備できる(サウナで上がった体温と水風呂の水温が中和されて冷たく感じないようになる)
・合法でぶっキマれる。
オリラジの2人の動画から学び、予習はバッチリだ。いざ参らん。(初心者はしきじ以外のサウナがオススメらしいがそこは気にしないことにする。)
藤森くんが(あっちゃんのアドバイスを受けつつ)言うには、
「サウナとはまだ知られざる天国である。」
「誰しもがコロンブスだ!!」
なれば私もコロンブスになってやろうではないか。
女王の支援はないが、新大陸を発見してやるぜ。
*
駐車場は案外広い。早速入り口に向かう。歴戦の武士みたいな顔した男性客が付近にたむろしている……
目が合ったら「ガンギマリのサウナーが勝負を仕掛けてきた!」などと、バトルに移行したりしないだろうか……じろりと目だけをこちらにやり、私のサウナ戦闘力を測ってくる。そんな気がする。
ふええ、ひよっ子です。こわいよぅ(>_<)はじめて来たんですぅ……早くサウナ戦闘力53万になりたいですぅ……(>_<)
恐る恐る入館する。券売機を使うのさえ慎重になる。すると私が初心者なのを見抜いたのか、店員さんが私を案内してくれる。靴箱の鍵を預けると、着替え用ロッカーの鍵、甚兵衛?とタオル2枚の他にバスタオルが入った袋が渡される。カウンターにある剃刀や歯ブラシも自由に持っていける。
*
どきどきしながら暖簾を潜った。縦長のロッカーが並んでいる。清潔感ありありである。構造上、少し隣の人と距離が近いので、すみません。しながら着替えを済ませ、浴室への扉を開ける。
入ってすぐに不思議な香りに気づく。薬草風呂なるものがあるようだ。
見たところ女子大生はいなそうだった。殆ど皆サウナ友なのか、違うタイミングで来た人同士も知り合いのようで、楽しそうにおしゃべりしている。くっ、アウェイだ。
誰かと来ればよかったかな。ひとまず気にせず温泉を楽しむとする。薬草風呂……いいかおりだぜ……ブクブクのお風呂もいいぜ……
*
いざサウナへ。サウナは2種類ある。薬草の方も気になるが普通の方に。
マットが積んであるけど、この使い方は予習してないぞ。などと思いながら見様見真似でマットを持って突入する。もわ、と蒸気が流れてくる。もしかして、自分の汗が室内の既存のマットに滴らないようにするのか。
先ずは10分を2往復した。まだ水風呂は早い気がする。芯まで温まってない気がする。なんとなく。
次に薬草サウナへ。蒸気が凄すぎて呼吸ができない。口から吸って鼻から吐く。
※タオルを口に当てるべきだったらしい。
暑くなってきた……少し辛い……
辛くなってきたところで、今度は思い切って水風呂へ。温かいシャワーで汗を流してから、神妙な顔つきで肩まで浸かる。
ツメタイ。震えそうなぐらい冷たい!!!
天使の羽衣ってなんやねん。全然わからん!足先まで冷える感じもわからん。道産子だから冷たさに強いんか。いや、そんなことはない。全身寒し!!!
1分経過……
のそり、と水風呂を脱出してベンチに座る。
呆然。意識はあるけど身体はじっとしていたい。目は完全に見開いてる。覚醒や悟りという言葉がぴったりだ。後頭部あたりが真っ白になる感覚。ナンダコレハ。脈打ってるのがやけに大きく聞こえる。心臓ってポンプなんだな、などと考えてしまうくらい聞こえる。全身鳥肌。肩や背中は憑き物が取れたように軽い。ナンダコレハ。いや、ひとりで来てよかった。誰とも話したくない。やだ、こんなのはじめて……
お酒とは違うけど何かに酔ってるみたいだ。後頭部から下にあった悪い物が清められた…?これは落ちましたわ……ポ/ニョ……サウナ……すき……
この感覚をもう一度味わいたくなり、2セット目。サウナに入る。水風呂に浸かる。天使の羽衣は相変わらず分からぬが、身体が冷えていくのを少し心地良く感じることができた。上がる。ベンチに座る。
後頭部が真っ白になる感覚がさっきより薄い。1回目は拍動しすぎて、これ命に別状無いやつ?と心配になったので少し安心した。段々と脳が静かになる。周りのことなど、どうでもよくなる。無敵状態。自分の鼓動だけを聞くマシンと化す。
*
上がった……物凄いヤバイ体験をしてしまったのではなかろうか。
何やら2階がある……?洗面所と休憩所があった。食事処まである。洗面所はブラシもおいてある上、ドライヤーも普通のと、くるくるドライヤーとがあった。神。そしてそして、リクライニングチェアに布団まである。ティライミもびっくりの、いたれりつくせりれりである。
ここでご飯食べたら絶対うまい、そして一眠りしてみたい。
*
こうして私はサウナーデビューを果たした。
新大陸どころではない。天国を見つけた。ここが俺のラフテル。サウナの良さを聖地しきじで体験してしまった。そして完全にハマってしまったガンギマリ女子大生であった。女性諸君も遠慮はいらない。
サウナは、イイ。
合法的にトベすぎて、クリーピーなッツも、びっくりだぜ。
みなさんも行ってみな、飛ぶぞ。
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