僕はおまえが、すきゾ!(7)
僕は優作のアパートの部屋のドアの呼び鈴を連打した。
ピンポンピンポンピンポン!!!
中からは何の音さたも無かったので、僕はドアをドンドンと叩いた。タチの悪い借金取りの如く。すると、部屋の中からドアの鍵が外れる音がした。僕は勢いよく力任せにドアを開けた。
ガシャリ!ドアは少しだけ勢いよく開くだけで、少しの隙間だけ開いた。
ドアには中からチェーンが掛かっていた。
その奥には、鈍い目を光らせ、恐る恐るした眼の優作が、顔を覗かせていた。
「何だ、お前か~~」
優作はドアの外にいるのが、僕だと分かり、
ドッと胸を撫で下ろしているようだった。
優作はTシャツ短パン姿だった。
ドアが一旦、閉まり、再びドアが開いた。
「入れよ」
僕は部屋の中へと誘われ、玄関で靴を脱いで、部屋の中へ入って行った。
「何なんだよ、いきなり」
優作は迷惑そうに言った。
「そんなに迷惑そうな顔するなよ」
僕は優作の肩を抱き、ワハハと笑った。
「暑苦しい!」、優作は僕の腕を振り払った。
僕は先日の彼女の事を、別れ際タイムリミット間近のカップル同士の喧嘩の如くに優作に詰問した。
「お前、この前のあの腐れ女子は誰だよ!あの女と関係を持ったのか?好きなのか!?好きなのか?!」
部屋の壁ににじり寄り、優作に迫る僕。
優作は壁にたじろいだ。
「俺らの童貞同盟はどうなるんだよ!」
僕は蹴り散らかすように、優作に言った。
「何だよ童貞同盟って。気持ち悪ぃ事、言ってんじゃねーよ!」
更に僕は優作とその女の関係を問いただした。
「好きなのか?カップルなのか?!」
優作は、やけに焦り気味に、僕の胸を突き飛ばした。
「ちげーよ、友達だよ友達」
優作はそう言うと、テレビを点けテーブルの前に胡坐を掻いて座った。
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