っくり。
「お姉―ちゃんを苛めるな!」
僕はお母さんに向かって叫んだ。
お母さんは言う。
「苛めてるんじゃないでしょう!」
お母さんは僕に言った。
「じゃあどうしてお姉ちゃんは泣いてるんだよ」
僕は涙を拭う姉の顔を見て言った。
「今月の電話料金見てびっくりよ」
母親はため息を吐いて言った。
「携帯ゲームの課金。もうやらないんじゃなかったの?ねえ」
母さんは、今月の電話料金の紙を見ながら言った。
「僕が払うよ!」
「え?」
「僕がお姉ちゃんのゲーム代払うよ」
僕は姉を庇う様に姉の顔と母親の顔を交互に見ながら言った。
「お小遣い月に500円のあんたにお姉ちゃんの課金した分がどうやって払えるのよ!」
「だ、だって・・だって」
僕の目からは自然に涙が出て来た。
僕は姉の前で人目も気にせず、大泣きした。
と、頭をクシャクシャと撫でつけられた。
「お前はお姉ちゃんを守ろうとしたんだよな。
それは男として、立派な偉い事だぞ」
その手は父親の手だった。
僕の涙は止まったが、代わりにシャックリが止まらなくなった。
父さんは僕を見て、笑った。
僕も止まらないシャックリを押さえながら笑った。