退屈旗本男。
「ピロリんカッターって知ってる?」
僕は姉にそう質問した。
「えーと・・・、知らない」
姉は考えたが、答えが見つからず、そう答えた。
「そうだよねー、それ、僕が今考えついた言葉だもん」
そう僕が姉に言うと、姉は額の汗を拭くようなジェスチャーをしながら、口笛をピューと吹き、言った。
「危っない。思わず騙されるところだった」
「良かったね」
僕は笑って言った。
すると姉は尚もその話題に食いつき気味で言った。
「だってそれ、あんたが考えたんでしょ?知ってるなんて言ったら、あんた心の中で爆笑してたでしょう」
「バレた?」
僕はケケケと笑って言った。
「お母さんに聞いてみなよ」
「え?どうして?」
「お母さんだったら、見栄っ張りだから、きっと知ってるって言うよ」
「そうかなー」
「そうよ。お母さん、負けず嫌いだから絶対よ。あんたなら特にね」
「そうだね、今度やってみる」
「楽しみが増えて良かったね」
姉は意地悪そうに微笑んだ。
「悪い女だなー」
「別にー」
姉はケロリと言い放った。