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キジムナー

ジャリ!ーー、口の中で砂を噛む音がした。
僕の中に棲むキジムナーが僕を悪く見せよう、悪く見せようとする。それはキジムナーのせいなのだろうか?それとも僕の犯してきた悪行の全てが原因なのだろうか。
ジャリ・・ジャリ・・。
僕は今、無人島の離れ小島に1人、立っている。いや、砂浜に寝転がって寝そべっている。
口の中はごわごわとしている。僕は彼らを怖がっている。彼らも僕を遠巻きに距離を取りながら、僕の一挙一動を監視している。
自意識過剰なのだろうか。誰も僕の事など、それ程考えてもいないのだろうか。実際のところ、それが正解なのかも知れない。誰も僕の事なんか、気にもしてない、気にも掛けていない、知らない、分からない・・・etcetc。
それも寂しい。やっぱり僕は一人ではいられない。それは誰もが思う事なのだろうね。だからぼくは今日もスマホを手に取る。
人と繋がっていたいから。
スマホを打って繋がる事の意味を最近おぼえた。スマホだってリアルな繋がり以上に親しみを覚えるのだ。綺麗な文章など書けやしない。ぼくは僕の文章で相手の懐に入る事を画策する。僕はキジムナーなのだ。キジムナーは字が書けない。キジムナーは字が読めない。
だから、キジムナーは嫌われる。キジムナーに、もし人とのコミュニケーションがもっと上手に取れていたらば、キジムナーは人間ともっと仲良くなれたろう。
ぼくはキジムナー。
もっと文章が巧くなりたいキジムナー。
キジムナー・・・・。

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