精神的自立。
「あんたになんか、誰も期待してないわ」
気の強い母の口癖にもなっている言葉だ。
統合失調症の僕は、過度な期待が掛かると、そのストレスで何も出来なくなってしまうから故の厳しい文言なのだろうと思う。
母の僕を見る目はいつも厳しい。
しかし、その言動とは裏腹に、炊事洗濯掃除、薬の管理から就労支援施設への車での送り迎え迄、両親がやってくれている。
感謝しかない。
そうやって恵まれた環境の中で、もう70を過ぎた両親の事を考える。
腰が痛いとか、血圧が高いとか言いながらも、
両親は未だに健在である。
今、僕に必要なのは親に甘えない精神的自立だ。
薬の効用を自分で把握し、管理を出来なくてはいけない。
就労支援施設には、30分掛けて自転車で行かなくてはいけない。
洗濯物も取り込んで畳むぐらいの事はやらなければいけない。
炊事もほんとは交代制でやらなければいけない。
そして一番大切なのは、両親への感謝の言葉だ。
両親が僕にやってくれている事は、当たり前の事ではない。
常に感謝しなければいけない。