暮らしの中のHygge(スウェーデン編)
こんにちは。前回投稿時は、寒波の影響で大雪だったストックホルム。今回は、雪もすっかり溶け、春の足音が聞こえてくるポカポカ陽気のストックホルムよりお届けします。バルコニーの窓から差し込む太陽のもと、ほっこりとフィーカを楽しめた1週間でした。
そんな今回のテーマは、デンマーク語のHygge(ヒュッゲ)。言語的に同じグループに属し親戚のようなスウェーデン語。どの様に訳すのか調べてみましたが、実はぴったりくる言葉がありません。強いて言えば、Mysig、TrivsamやHemtrevligと言った居心地の良さ・ほっこり感・幸福や満足感を感じる状況といった言葉で表現されるそうです。英語の辞書にもHyggeとして出てくるので、デンマーク語から世界で使われる言葉へと変化を遂げたようです。
フィーカの時間、家族や友人とゆっくり過ごす週末もHyggeなひと時。Hyggeとサステナがどうやって結びつくのかと思う方もいらっしゃることでしょう。しかし、Hyggeを感じ実践する為には、サステナな生活も欠かせないものになってきていると感じています。
突然ですが、ここでクイズです。「この窓は、何重になっているでしょうか?」。外気温マイナス13度の寒波が来ていたときに撮影した写真なので、外側は凍りついていますね。正解は、「3重」です。
室内側から外側の窓ガラスまで約13センチメール程。手前の2重ガラスは、しっかりと密閉されていて、外の窓ガラスは別の窓枠に収まっています。その二つの窓枠同士もしっかりと密閉されていて間にブラインドが入る構造になっています。「そんな頑丈な!」というご心配は無用です。掃除の際は、この2重窓枠が簡単に外せるので窓磨きなどのお手入れもとっても簡単なんです。
この窓のお陰で、少しの暖房でも室内はとっても快適に過ごすことができます。冬なのに、部屋の中ではTシャツ一枚で過ごしている人もよく見かけます。カーテン等で締め切る習慣のないスウェーデンは、通りから家の中が丸見えなんです!もちろん、向かい合ったアパート同士もよく見えます。窓辺の照明や室内の装飾も見られていることが前提なのかなと思うほど、どの家も工夫を凝らしとても居心地が良さそうです。ついつい覗いてしまうのは私だけ?
日常の買い物やゴミ捨てにも、サステナは活かされています。今や常識となったエコバッグ類。買い物の際にビニール袋を購入することもできますが、現在のレートで一袋90円弱のスウェーデン。やはり、マイバック派やリユーズできる袋を使う人が増えています。ゴミ袋も環境への負担が少ないLLDPEを使用しているものやリサイクル素材のゴミ袋が主流です。写真のバッグたちは、左から順に国営酒類販売専門店Systembolaget(システームボラーゲット)のワインボトルが6本入るエコバッグ。環境負担を少なくする素材でできたゴミ袋。そして、スーパーそれぞれに違うデザインが可愛いエコバッグは、折り畳んでポケットサイズになるので収納も持ち運びもとっても便利です。エコバッグが、すっかり根付いているスウェーデンでの買い物へ出かける際の三種の神器(?)は、財布と鍵とエコバッグですかね。
前回に引き続き、再開発中のこのエリア。元々は、エネルギー会社のガスや石炭関連の建物群だったところが、化石燃料使用ゼロを目指した新しいエリアへと生まれ変わります。写真の奥の方には、既に小学校や専門学校、博物館や劇場などが続々とリニューアルオープン中で、手前のこれから改装が始まるエリアは、アパート、オフィス、店舗施設として生まれ変わります。このエリアのアパートの屋上や壁には、太陽光パネルが設置され自然エネルギー由来の発電を行いながらも屋根には苔類や草花、壁には鳥や虫類が生息できる箱が設置され自然との共存を目指しています。約100年前は、二酸化炭素などを排出していたエリアとは思えない程、サステナを目指した開発が続いています。ご覧の通り、工事してるのかなと思うほど静かな感じですが、それぞれの建物で毎日数人は働いているようです。とってものんびりしているように見えますが、ワークライフバランスを重視して、急ピッチでは仕事や工事を進めないのかもしれませんね。
春の草花が咲き始め、虫たちが動き出した頃に、養蜂箱や鳥箱・虫箱のご紹介もしたいと思っています。また次回もお楽しみに。
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