北欧、生活の中にあるサステナについて考えてみた (スウェーデン)
こんにちは。2021年の睦月は、思うようにご家族や親戚・お友達と集まることもできず「睦び」の月としては物足りない印象でしょうか。それでも、一番大切な人や大切なことがよりはっきりと見えた年初めだったかもしれません。本当に必要なものを取捨選択し、環境に優しく暮らし、持続可能な社会を繋いで行く。今年も、日々の生活から感じることや私たちにできる小さな習慣など北欧スウェーデン情報を「暮らし」の目線でお伝えしたいと思います。
只今、シベリアより寒波到来中のストックホルム。雪が降り続き、明日の朝は−14度と予報が出ていますが、循環するエネルギーで快適に過ごしています。
少し前の話になりますが、1月6日は、クリスマスから数えて13日目の公現祭でした。この前日までにクリスマスの飾りを片付けなければいけないと言い伝えられており、街中のクリスマスツリーが上の写真のような状態になります。生のもみの木を飾る家が多く、自宅では処分できないので、この時期になると街角に道路の標識の様なクリスマスツリーのサインが立ちます。そこへ担いで行くのですが、葉っぱの落ち方が激しく、お父さんが木を担ぎ、お母さんや子供達が箒とちりとりを持って後を付いて行く微笑ましい光景も見かけます。我が家では、私が箒担当で子供の頃見ていたアニメに出てくるレレレのおじさん(?)状態でした。市の清掃センターのサイトにて「いつ・どこ」にこの標識が立つのかが事前チェックできとても安心です。生の木の方が焼却処分やウッドチップとして再利用もできそうですが、何年も繰り返し使えるプラスチック製のツリーの方が環境に優しいという考え方もあります。どちらが環境に優しのでしょうか。みなさんは、どう思われますか?
上の写真は、郵便ポスト、それとも通気口? ここストックホルム市内の再開発エリア(東京でいうと豊洲やお台場といった感じでしょうか?)のマンション群には、各棟にこのような家庭用ゴミ吸引システムが設置されています。電子キーで扉を開けて、中にゴミにを入れると、そのまま吸引されて近くの焼却・熱処理場へ送られます。そこで焼却された熱が街へ還元されセントラルヒーティングなどとして再利用されます。写真左側より「新聞・雑誌用」、「プラスチック容器・包装用」、「可燃物」2箇所となっています。可燃物に生ゴミが含まれていないのが特徴で、生ゴミは各家庭のキッチンに付いているフードディスポーザーで粉砕し排水として流します。生ゴミや濡れたゴミは、焼却にエネルギーを使い過ぎるようです。油は、日本同様流さないので、新聞紙などに含ませて可燃物として処理をしています。このエリアでは、街の中のゴミ箱も全てバキューム式。そのまま処理場へ吸い込まれ熱として再利用されるのはもちろん、回収用トラックからの排気を減らすこともできます。化石燃料の利用を減らしていく試みの一環でもあります。
ここに入らない、ビンや缶、ダンボールや小型電化製品に電池や電球などは、直訳すると「環境部屋」なる別部屋にて分別しています。その棟の住人であれば24時間いつでも入れるので、気がついた時に気楽にリサイクルや分別ができるのがとても便利です。家の中にゴミを溜めておく必要がないので家の中もすっきりです。
王立都市公園に隣接しているので小さな子供のいる家族や犬を飼っている家族がたくさん住んでいて、環境に関心のある世代が中心の地域でもあります。一歩外に出ればバルト海へ繋がる運河と森があって郊外エリアの様にも見えますが、中心街まで約3.5km。都市と自然がとても近く共存しているストックホルム。それを謳歌している現地の人々もとても自然体です。
横浜の赤レンガのような古き良き建物と最新設備の環境に優しいアパートで暮らす。古き良き物と新しい物の融合は、日本のお家芸の様なイメージですが、スウェーデンも最近頑張っています。中心部の建築は保護・規制されているので、高層ビルが建ったりすることはないのですが、市内何箇所かにある再開発エリアでは色々と新しいことにチャレンジしています。10年後には更に魅力的な街になっていることでしょう。
この美しい街と自然を次世代に継なぐためにできること。それは、私たちの毎日の小さな積み重ねではないでしょうか。今年は、そんな事を中心にスウェーデンの様子をお伝えして行きます。今年もどうぞよろしくお願いします!
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