選ばれるフリーランスになるには?
2024年11月1日にフリーランス法が施行されました。
フリーランスの方が安心して働ける環境の整備を図ることが目的とされているこの法律、普段から適正な取引を心がけている発注事業者側にとっては、何ら影響はありません。
ただ、不本意なトラブルを避けるためにも、新規の方と取引を開始する際には、これまで以上に慎重に評価せざるを得なくなるでしょう。
これからフリーランス選定の基準は厳しくなる
フリーランスに対して1か月以上の業務を委託した場合には、下記の7つの行為が禁止されています。
Web制作の案件で特にありそうなトラブルは②④⑦です。
弊社は、発注側の都合で変更・やり直しが発生した際には、当たり前ですが都度追加見積をお願いしています。
ただ、制作者の技量不足からやり直しが続いたり、途中で巻き取らざるを得なくなったりすることもあります。
そのようなケースでは、報酬額を交渉させていただく場合があります。
これは経験から感じる完全な偏見ですが、できないフリーランスほど自分の権利を主張して、作業時間で対価を請求してきがちです。
プロ意識が欠如したアルバイト感覚の方に仕事を頼んでしまうと、発注側は追加の制作費用を被って泣き寝入りする羽目になります。
そのような事態を回避するために、今後フリーランスの選定基準は厳しくなり、駆け出しフリーランスの新規案件獲得は、一段と難しくなっていくと予想します。
では、駆け出しフリーランスの方は、どのような点を心がければ案件を獲得できるのでしょうか?
オリジナルの実績をポートフォリオに載せる
私が推奨するのは「オリジナルの制作実績をポートフォリオに掲載する」ことに尽きます。
駆け出しの方は実績がないため、スクールで学習した課題を掲載したポートフォリオを送って来られます。
それ自体は悪いことではありませんが、評価には値しません。
「スクール課題だけのポートフォリオで月収〇〇万円を達成」といったTIPSを見かけることがありますが、評価する側の視点からするとスクール課題はアピールポイントになりません。
たとえ課題であることを隠していても、見れば一目でわかります。
特にデザインのみで仕事を獲得したい場合、幾らでもコピーできる課題のデザインデータだけで、あなたのスキルをどうやって汲み取ることができるでしょうか?
案件でなくても良いので、とにかくオリジナルの制作実績を掲載することをお薦めします。自分のポートフォリオサイトひとつでも構いません。
オリジナルの制作実績にこだわるのは、技術力を見たいという点のほかに、もうひとつの理由があります。
手を動かすのが好きかどうか?が最も重要
私は採用時に「手を動かすのが好きか?」という点を最重要視しています。
いま一緒に仕事をしているスタッフは、弊社に入社する前から自主的になにかしら手を動かしていた人たちです。
これは、フリーランスの方に限らず、正社員の採用基準でもあります。
わたしたちのようなクリエイティブを生業にする仕事は、とにかく作ることが好きな人でなければ、長く続けることができません。
手を動かすのが好きな人は、スクールの課題では飽き足らず、言われなくても自分で課題を見つけてオリジナルのWebサイトを作りたくなるものです。
またWebサイトに限らず、イラストでもハンドメイドでもDIYでも、なんでもよいのでオリジナルの制作実績があると強みになります。
要は、作りたい欲があるかどうかが重要なのです。作りたい欲さえあれば、技術は後から自然と付いて来ます。
そうでない人には、このような言われなくても手が動く人たちと、同じ土俵で戦うための工夫が必要になるでしょう。
努力を努力と思わずに取り組める人たちと、やり合う覚悟はありますか?
とにかくたくさん手を動かそう
最近はFigmaでこしらえたデザインを、Canvaで作ったポートフォリオに乗せれば、Webデザイナーが名乗れてしまうイージーな時代です。
名乗るまでは簡単ですが、誰でも扱うことができるテンプレートで留まっていては、他者との違いや強みを相手に伝えることはできません。
だからこそ、オリジナルの制作実績にこだわるべきなのです。
新法の施行によって、フリーランス選定の基準はこれから一層厳しくなっていくでしょう。
弊社も今後は新規取引のハードルを上げていきます。
少なくともオリジナルの制作実績を掲載したポートフォリオができてから、面談をお申込みください。お互いの幸せのために。
では。