見出し画像

報われなくても気にしない

運用にシフトしていきますよということで、早速10月にひとつイベントを企画しました。

以前紹介した「マーケティングZEN」の著者でもある、コンテンツマーケティングコンサルタント/株式会社クマベイス代表取締役CEOの田中森士さんを招聘して、古くて新しいメールマーケティングのセミナーを開催します。

山口県内では初登壇ということで、とても貴重な機会です。ビジネスで最も重要な「信頼」を獲得するための考え方が身につく内容です。「いまさらメルマガ?」と思われた方にこそ参加してほしい。

お申込み・お問い合わせは、下記のページよりお願いします。

ギブ&テイクの関係にある3つのタイプ

今回のセミナーは、9月1日に発売された田中さんの新著「メールマーケティング 嫌われないメルマガのすべて」の出版を記念して企画しました。「マーケティングZEN」から半年足らず、ものすごいペースでアウトプットされていますね。

田中さんは私にコンテンツマーケティングという世界を教えてくれた方で、運用に舵を切るという指針を与えてくれた重要人物です。

田中さんをはじめ、コンテンツマーケティング界隈の方々に対して感じることは、とにかく惜しみなく与える(アウトプットする)人が多い。オープンマインドなギバーが多くて、とても居心地が良いです。IT業界のオープンソースコミュニティにも通ずるところがあります。

アメリカの心理学者であるアダム・グラントは、「GIVE & TAKE」という著書のなかで、ギブ&テイクの関係にある人間の3つのタイプを示しました。

ギバー(Giver)
人に惜しみなく与える人

テイカー(Taker)
真っ先に自分の利益を優先させる人

マッチャー(Matcher)
損得のバランスを考える人

GIVE&TAKE「与える人」こそ成功する時代(アダム・グラント)

仕事において大半の人は、与えることと受け取ることのバランスを取ろうとするマッチャーではないかと思います。ところが世の中には、まず相手の利益になるように振舞い、自分が受け取る以上に相手に与えようとするギバーという奇特な人種が存在します。

ギバーはなぜ、受け取る以上に与えようとするのでしょうか?

成功するギバーに必要な資質とは?

「情けは人のためならず」という諺があります。人に対して情けを掛けておけば、巡り巡って自分に良い報いが返ってくるという意味の言葉です。ギバーはいわば、これを体現しているタイプだと言えます。

成功するギバーは「他者志向性」をもっていると言われています。自分の損得ではなく、自分が関わる人たちの幸せを考えて行動するというものです。

相手の成功や成長を心の底から望んでいるため、すぐに相手に見返りを求めることはありません。「返せるときに返してくれればいい」というスタンスでいるため、純粋に相手から感謝されます。

他者志向性をもつギバーは、自己利益を捨てて献身的に振舞っているわけではなく、自分にとっても意義があると感じたうえで与えています。ギブすることによって相手を助けるだけではなく、その意義に向かっている自分自身をも助けていると言えます。

自分を犠牲にして人を助けるという行為は、長く続けられるものではありません。見返りなく与え続けて、自分が疲弊してしまったら、それ以上は与えることができなくなってしまいます。

他者利益だけでなく、自己利益への関心も持ち続け、インプットもアウトプットも怠らないように努力をしなければ、他者志向性をもってギブし続けることはできないでしょう。

身近な仕事のなかにあるギバー的要素

私たちの仕事のなかにも、ギバー的な要素は幾つかあります。

例えば、これを書いている第3日曜日は、ファブラボのオープンデーです。オープンデーは普段有償でレンタルしている機材を無料開放しています。機材講習会を受講された方は、無料で機材を活用することができます。

オープンデーは、ファブラボというプロジェクト全体の意義に則って実施されています。ファブラボには、個人による自由なものづくりの可能性を拡げ、「自分たちの使うものを、使う人自身がつくる文化」を醸成することを目指すという大義があり、そのためにオープンデーを実施しているのです。

少なくとも週1日は、無料またはお金ではないやり取りや交換条件・交渉の下で市民に一般公開されていること
ファブラボとしてウェブページをつくり、そこに利用法や所有機材等を公開していること

ファブラボの定義

経済合理性を優先するとしたら、無料で使える日を設けるというのは得策ではないかもしれません。しかし、意義があると感じるのであれば、たとえ無償でも喜んで提供する。それが他者志向性をもつギバーです。

ギバーの道も一歩から

一緒に仕事をする相手を選ぶとしたら、自分の利益ばかりを優先するテイカーよりも、惜しみなく与えてくれるギバーと長くご一緒したい。誰しもそのように考えるのではないでしょうか。

逆もまた然りで、一緒に仕事をしたいと思ってもらいたいのであれば、自ら進んで他者志向性をもつギバーを目指すのが得策でしょう。

もし、あなたが「自分にはギブ出来るものが何もない」と感じているのであれば、今の自分がギブを受けていることに気付いて、それを他の誰かに伝えることから始めてみるのはいかがでしょうか。

例えば、このnoteというサービスは、誰でも無料で使うことができます。それは運営元であるnote株式会社が「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする。」というミッションを掲げて事業を展開しているからです。

また、noteをはじめとするWebサービスの多くは、LinuxやFreeBSDのようなフリーでオープンソースなOSの上で動作しています。他にもPerl・PHP・Pythonなどのプログラミング言語や、FirefoxなどのWebブラウザも、社会を良くしたいという大義を持ったエンジニアたちによってギブされたものです。

このように、私たちの仕事や生活は、見知らぬギバーによる恩恵によって支えられています。そのことに気付き、感謝し、そのギブを十分に活用して、後世に継承していくことです。

そうすることで、あなたはギブの循環に身を置くことができます。上流から受け取ったギブを下流に伝えていく。それがギバーになるための初めの一歩です。ギブを循環させることによって、流れるギブの勢いはだんだんと増えていき、提供できるギブの質と量は自然とあがっていきます。

たとえすぐに見返りがなくても、気にせずどんどんギブしていきましょう。ギブを手元で滞留させているうちは、受け取るギブも与えるギブも、それ以上は大きくならないのです。

では。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?