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そろそろ制作会社がなくなります

怖いことが起きています。

以前の投稿で、東京・大阪・名古屋といった都市圏の同業者からの営業メールが増えてきたと書きました。

今年に入って、いよいよその頻度が増しているのです。

ポートフォリオを拝見しても、社歴も実績も弊社より格上の企業ばかりで、主要取引先に大手企業の名前がずらり…といった制作会社です。

いったいなにが起きているのでしょうか?

自社の認知拡大とポジティブに捉えてみる

2024年最初の投稿で、認知の獲得なくして事業の成長はないと書きました。

これまで接点がなかった企業から連絡が来るようになったというのは、自社の認知が拡大したとポジティブに捉えることもできます。

わたしたちのような小規模事業者は、高額な営業コストをかけることができないので、お金をかけずに自前でできる施策をコツコツと試していくしかありません。

自分のnoteを振り返ってみると、2023年ぐらいからぼちぼちと、知ってもらうための施策を試していたようです。

それらの取り組みが、今になって少しずつ目に見える成果として現れてきているようです。

営業メールばかりなのが残念ですが、知ってもらえるだけありがたいです。

制作会社の案件が減っているという捉え方も

いっぽうで、繰り返し唱えている下記の仮説も気になるところです。

  • 関東圏の制作単価が下がっている

  • 関東圏のクリエイターが飽和している

  • 地方への外注が増えている

  • Web案件の内製化が進んでいる

ある大手のお客様によると、人手不足によってかつて対応できていた案件が処理できなくなり、事業撤退や営業所の統廃合が進んでいるそうです。

人口減少とともに、ノーコードと生成AIを活用した業務効率化・省力化は、今後あらゆる業種で進んでいくと思われます。

その過程で、これまでだったら制作会社に外注して作っていたWebサイトや動画なども、徐々に内製化が進んでいくでしょう。

すべてのクリエイティブが内製化されるとは考えにくいですが、費用対効果が高いほうへシフトしていくのは当然のことです。

都市圏の同業者は、これまで通りに案件が獲得できなくなってきつつあり、わたしたちのような地方の企業に、営業メールを送ってくるようになったのではないかと考えています。

作る能力そのものに競争優位性がなくなった

Webサイトや動画だけでなく、プログラムもまたノーコードと生成AIによって内製化が進んでいます。

近年、kintoneなどのノーコードツールを使って、自社専用の業務システムを内製化される事業者は珍しくありません。

また、生成AIを活用してコードが書けるようになり、初心者でもコツさえ掴めば半日でプログラムが作れてしまいます。

筆者は昨年末から初心者AIハッカソンというものをなんどか開催している。
完全な初心者を集めてプログラミングとして自分の考えを表現してもらうというイベントだ。

半日ほど勉強するだけで、自分の考えをプログラミングできるようになる。
もちろん、「もっと」と上を見ればキリがないが、最低限の入り口には立てる。

ホワイトカラーの仕事は全てハッカソン型へ移行する(WirelessWire News)

もはやあらゆるデジタルクリエイティブは民主化されており、作る能力そのものに競争優位性がなくなっているのです。

そのことを知っている人と知らない人の間に差があるだけで、知ってしまえば能力はほぼ横並びというのが現状なのです。

いま、本職のプログラマーであっても、AIの支援なしにプログラムを書くことはほとんどなくなってきている。よほど特殊な環境でなければ、AIの支援を得られないコーディングは考えられない。ほんの一年前まで、そんなことは夢物語に近かった。

これは相対的にプログラミング経験の差を帳消しにしてしまう可能性がある。プログラミング能力をひとつの武器として磨いてきた筆者にとっては残念なことだが、大多数の「普通の人々」にとっては福音だろう。

ホワイトカラーの仕事は全てハッカソン型へ移行する(WirelessWire News)

それでも、作る仕事を生業にしていくには?

クリエイションで差がつかなくなった時代において、制作会社はどのような生存戦略を取ればよいのでしょうか?

弊社は制作から運用へと軸足をシフトして、ここ2年ほどWebサイトの運用サポートやマーケティングの提案を増やしています。

あるいは、コンサルティング教育事業に力を入れている制作会社も増えてきています。

いずれにしても「〇〇が作れます」だけでは、何の競争優位性もなくなりました。制作会社は課題解決の手段のひとつとしてクリエイティブを活用するという視座が必要になるでしょう。

今後ご連絡をいただく際には、ぜひ弊社の課題を解決してくださるような提案をお待ちしております。

では。

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