ローズマリーは枯れない
もう8月が終わろうとしていることが信じられない。
この3カ月くらい、本当にあっという間だった。
5月が、つい先週のように感じる。
写真フォルダを定期的に整理して、写真が増えすぎないようにしているけど、3スクロールくらいで5月の、あの瞬間が、あの感情が蘇ってくる。
時間の流れが加速している。
私はまだ、26歳でいたいよ。
あと3カ月もない。
大人になりたくないよ。
なんていう焦りを感じながら、それでものんびりと、ソファでぐーたらしてしまう、日曜の午前。
最近、頭の中がごちゃごちゃしている。
昨日、ひとりで、花火を見ていたとき、「綺麗だ」以外の色んな感情が降って湧いて、大忙しだった。
自分の生き方は正しいのか、その正しさを測るのは他でもない自分なのに、いまいち思考や言動に自信が持てなくなる。
薬味を使う人が好きで。
昔、そうめんだか蕎麦だかを茹でて、薬味として、しょうがのすりおろし、みょうが、小口ネギ、わさび、大葉、たくさん用意したことがある。
一緒に食べたのが誰だったか、はっきりとは思い出せないけど、その人は薬味を何も使わない人だった。
せっかく用意したのに、と思いながら、全て自分で使ったことだけ、ツンとする記憶として残っている。
料理は自己満足だ。
自分の作りたいものを、作るだけ。
それは今も昔も変わっていない。
けど、その用意した薬味を全く使われなかったとき、これまで食卓に豊富な薬味を用意してくれていたおばあちゃんの顔が浮かんだ。
薬味を使う人を、好きになろうと思った。
おばあちゃんと言えば、自分の上司は、結構なおばあちゃんで、そしておばあちゃんらしすぎるほどに愉快な人だ。
死ぬまでに食べられるご飯の回数がもう限られているから、毎食、自分の納得したものだけを食べたいと言っている。
そんな上司のお昼はいつもいつも美味しそうなお弁当で。
そういう生き方を、したいと思った。
おばあちゃんになったら、というよりも、今から、食べることを大切にしたい。
私だって、残りの人生で食べられるご飯の回数は決まっているんだもんね。
最近嬉しかったこと。
ベランダで、色んな植物を育てているけど、最近、稲に穂が出た。
(バケツで)お米を育てようと思ったのは、彼氏が、実家でお米をつくっているから、というのが一つのきっかけで。
芽出し、土づくり、植え替え、水管理、手順通りに、そしてたっぷりと愛情を注いで、楽しく米をつくっている。
茶碗1杯分くらいは収穫できるのかな。
おにぎり、つくれたらいいな。
私は泣くことが嫌い。
涙を流すと、水分を消耗するだけじゃなくて、心の大事な部分がおろし金でぐじゅぐじゅにされてしまう感じがする。
彼氏が、自分のそばから離れていってしまったら、私はどうやって生きていけばいいんだろう。
喧嘩している時に出る涙は、ほとんどそういう想像から派生して出てくる。
相手がいないと倒れてしまうような依存関係ではなく、相手を支え支えられるような相互に自立的な関係をつくりたい。
なのに思うようにいかない。
そんな葛藤を、ここのところ繰り返している。
ようやく、チャイをつくったんだ。
6月から目標に掲げていたっけ。腰が3トンより重かったね。
いざつくり始めてみると楽しくて、そして何より美味しかった。
まずスティックシナモンを割る。このシナモン、一体いつ何のために買ったのかまったく思い出せないけど。
カルダモンと一緒に鍋にいれて。
生姜を叩き割って。
牛乳と、茶葉。
お砂糖もたっぷり。
家にあるものだけでつくれたのがうれしかった。
嘘っていうのは、あとから効く毒だと思うの。
私のお母さんは、嘘が大嫌いで、「絶対に私(母親)にだけは嘘をつかないで」って、小さい頃から言われてきた。
でも私は、相手を守るための、傷つけないための嘘なら、それなりについてもいいと思っている。
もちろん、噓をついたという事実は相手に絶対にバレてはいけない。それは大前提として。
先日、彼氏に、本当にしょうもないことで問い詰めたとき、咄嗟に嘘をつかれて。
その嘘がこれまた下手くそで。
かわいいよね。でも、。
正直に言ったら、怒るじゃん。だから噓つくしかなかった。って言われたの。
私に怒られたくないからって、平気で嘘をつける人間なんだなって、思ってしまったの。
彼氏は、とてもとても信用できる人で、そこが本当に好きだった。
(私は自分自信を信用できない人だと思っているから尚更ね)
料理をつくったとき、美味しいって言われて、本当に美味しいのかな、気を遣われてないかな、とか、心配する必要がないの。
朝支度をしていて、前髪変じゃない?って聞いて、可愛いよって言われて、本当に変じゃないのかな、とか心配する必要もないの。
噓をつかない人、正直な人、っていうのはその人の言葉を深読みする必要がないから、楽で、疑わずに済むの。だけど。
昨日の夜も、ちょっとした衝突があってね、今朝歩み寄ろうとした。
そしたら、「私に怒られたくないから、こう言ってるんじゃないか」って、疑ってしまうようになっている自分に気付いてしまって。
じわじわと。毒が効いている。
完全100%で信じられたちょっと前の関係が、すごくまぶしくて。
黒い色って、薄めても薄めても、ずっとずっと残り続けるから。
明日はちゃんと笑えるかな。
まだ少し怖い。
ベランダのローズマリーは、ずっと枯れないね。