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転んでもただで起きず。

おとといの話だが、朝出勤したら、私より普段は1時間以上早いスケジュールのスタッフのひとりの姿が見えなかった。その彼は通常遅刻したり、体調が悪くて休む時はきちんと連絡してくる人なので、どうしたのだろうと思っていた。そこからまた小1時間がたった。彼の姿がまだ見えなくて彼のマネージャーと相談、彼の携帯にテキストをし、電話もしてみた。携帯の電源は入ってないようで、すぐにボイスメッセージになる。テキストも読んでくれているかどうかもわからない。彼はひとり暮らしなので、家族に電話をする
とかもできないし、いったいどうしたのか・・・と気持ちがざわざわ・・・だが、どうしようもない。仕事をしながら数時間がたち、お昼すぎぐらいに彼のマネージャーが息を切らして私のところへ駈け込んできた。

そして、彼女の受け取った携帯のテキストを見せてくれた。メッセージの送り主は、今日朝から来てない彼からだった。

「大丈夫です。今朝は連絡をせずにすみません。連絡をしたかったけど、 携帯持っていなかった状態で、やっと今自分の携帯が戻ってきてテキストしてます。」

ここで、メッセージ終わっていた。とりあえず、彼が無事だったのがわかったのは良かった。で、携帯持っていなかった?自分の携帯が戻って来た? どういうこっちゃ?彼のマネージャーはすぐに彼に返信し、

「よく事情は飲み込めないけれど、とりあえずは無事でよかった。携帯をなくしたの?今はどこにいるの?話せるのなら電話ちょうだい。」

とテキストしたところ、数分後に

「今すぐには話せないけど、話せるようになったらすぐに電話します。」

と返信が来た。そして3時ぐらいにマネージャーの携帯が鳴った。電話は 彼からだった。

        「事情があって、留置場にいる。」

           は?留置場?😲😱

彼と一緒に働いてすでに2年以上。温厚で、決して極悪非道なことをするような人じゃない。い、いったいどうして❓❓❓

「仕事に向かおうと思い、地下鉄に乗るときに、たまたま中から出てくる人がドアをあけたので、でカードを通さず中に入った。入った途端、ポリスに止められた。」

    

    ニューヨークの地下鉄に乗るには、このカードが必要。

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【カード代が1ドルかかり、このカードにお金をチャージして乗るたびに改札口でカードをスワイプさせるシステムなのだ。で、1回の乗車料金が$2.75。ひと駅でも、何十駅でも同じ料金。】

もおーーーーっ、あほ。2ドル75セントをケチったからこうなったのか?で、でも、出来心だったに違いないこの無賃乗車で留置場へ入れられるのか?それって、無慈悲じゃない・・・・😨😩

「今は留置場から電話をかけている。今から取り調べがあるからまたあとでかける。」

と言って、電話は切れたのだが、その日は彼からの連絡はなかった・・・。


そして昨日。朝出勤すると、いつもの彼がいつものようにいた!

あああーーーーよかった!😭😭😭

と、ハグ。マネージャーと2人で早速話を聞いてみると、前述のように、 ドアがあいたのを見た瞬間、カードを通さずに出来心ですっと中に入ってしまった。真横で、それをポリスが2人見ていたらしい。
(ニューヨークの地下鉄では、セキュリティーの為また無賃乗車をする輩を捕まえるために大きな駅では結構な人数のポリスがいる)

      真横でポリスがいたって、見えへんかったんかい。

と突っ込みをいれたくなったが、そういう問題ではない。で、すぐにカードを通さなかったことを咎められ、その時にID提示をもとめられたので免許証を見せた。そしたら、ポリスの一人がそのIDを持ってどこかに消え、しばらくたってやっと戻って来た時に、貴方は他の犯罪で起訴されていたのだが出廷をしなかった。なので今このまま警察署にくる必要がある、と言われたらしい。彼の頭の中は?????、もちろん心あたりもなく、起訴って何の?と聞いたところ、とりあえず署に来てから詳細を説明するからと連行されたということなのだ。

で、警察署に行くとすぐに所持品を取り上げられ(なので連絡ができなかったらしい) セル - いわゆる留置場にいれられてしまったという訳だったらしい。😱 彼曰く、それは異次元の体験だったらしい。一体なんの匂いかわからないが、臭すぎて頭痛になるような環境で、多分シャワーに数か月ぐらい入ってないだろうという人や、目が完全にいっているような人もいて、自分が留置場の中で安全でいられるよう守りの体制を保ちながら、何時間も入っていたそうだ。その間に食事が出たらしいが、本当にこんな食事を出しているんだ・・・・とびっくりするような食事だったらしく、食べるとおそらく具合が悪くなるだろうという感じのものだったらしい。そこでかなりの時間を過ごした後、やっと取り調べの時間ということでセルから出ることができたときは、本当にほっとしたらしい。彼は

自分は夜よく夢を見て、それが悪夢のことがあるんだけど、今までみた悪夢の中で一番えぐかった。それも夢ではなくて、現実で・・。

といっていた。😩で、結局彼がなんで連行されたかというと・・・。それは、何年も前に、レンタカーを借りた時に、路上駐車をしたところ駐車禁止の罰金を切られたが、それを払うのを忘れてしまっていたらしい。それが、ポリスが彼の免許証をチェックした時、未払いだったのがわかったというのだ。(どうして、出廷していなかったと言われたかというと、駐車禁止のチケットでも同意できない場合は異議を申し立てるということで、法廷へ行けるシステムになっている。彼は、異議を申し立てるとしておきながら当日法廷へ出廷せず、そのまま罰金も払わなかったということだった・・・)
そして、警察署に出る前に罰金をきちんと払いに行くようにと言われたということで、今日早退して払いに行ってくるという。罰金は、$150ぐらいだったが、未払いのペナルティーがかかるので、いくらになるかわからないらしい。

お天道様、彼は気持ちを改めましたので罰金のペナルティーはほんの少しだけにしといてください。お願いしますだ・・・。

と、祈りながらおかんは彼を送り出した・・・・。

で、今朝。彼におそるおそる、罰金はいくらだったか聞くと、窓口で交渉して、$100にしてもらったそうだ!やるウ!って、法廷では交渉可能だけど(おかんも、カナダで何度か交通違反で法廷に行ったことがあって、そこで裁判官と交渉して罰金を安くしてもらった経験がある。)、支払いの窓口
で交渉できるって流石、アメリカ。😲 しかも、その$100を4回の分割払いにしてもらったというのだ!すごいわ、彼。転んでもただでは起きぬって、まさにこのことなのね!そして、

      お天道様、おかんの願いを聞いてくれてありがとう!

と仕事の帰り、薄暗くなったマンハッタンの空を見上げながらつぶやいた おかんであった・・・・。

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写真はブライアントパークにあるニューヨーク最大(だと思う)の図書館。 ライオンが本を読んでる💙💙💙



ニューヨークあるある・33

今朝の地下鉄で、咳をしている人はマスクをつけましょうというアナウンスがあったそうだ。

Have a nice day!

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