最新トレンドファッションのない時代
「チェック柄、レオパード柄、ダブルジャケット、ダウン、ホットピンク、シャイニー素材、…」
これらはいつの時代のトレンドだと思いますか?
…全て2018年秋冬トレンドです。
ここで、実際にブランドのコレクションを見ていきましょう。
●sacai 2018-19AW
チェック柄のロングダブルジャケット。カラーは鮮やかなブルーにアクセントの赤で統一。襟を立てた着こなしは、自立した女性の象徴とも言えます。
●HYKE 2018-19AW
ここ数年では、有名アウトドアブランドとのコラボアイテムが流行しています。このようなストリート要素があるスタイルは、90年代を思わせますよね。
見てみてどうでしょう。「今年はまたこれが流行っているのか〜」「なんか昔見たことあるな〜」と感じる人がいるのではないでしょうか。
そうです。
ここ数年の最新のトレンドは、過去の流行のリバイバルに過ぎないのです。
ちなみに、最新トレンドの中には「エコファー」といったアイテムもあります。ただし、それは本物の動物の毛皮や皮革を使い人気が高かった一方で、動物保護の観点から問題視されていた「リアルファー」の代替品になるものです。このような環境保護を意識したファッションは、2000年から注目されており、すでに有名ブランドでも採用されています。ゆえに、今になって生まれたトレンドアイテムではありません。
それはそうと、過去のトレンドは若者にとっては新鮮に感じるもの。「今は、ちょこっとレトロが新しい!」…なんてタイトルを10代向けのファッション誌でよく見かけます。その一方、トレンドアイテムを身に付けた子供を見た両親は、「私たちの時代はね…」とつい話し始めてしまうことでしょう。このように、過去のトレンドは現代にも受け入れられることで、世代を超えて共有され、長く愛され続けるのです。
しかし、この状態が続くと次のことが考えられます。
時代背景を映した“新しい流行”は、今後生まれるのか?
これからのファッションは、新しい価値を創造しなくなるのではないか?
そんな風に思っていた時、この本に出会いました。
この本では、1980年〜現在までの人々のファッションに対する気持ちの変化を明確にしています。内容を以下にまとめてみました。
80年代:ファッションで自己表現をする時代。もちろん高額な物でも惜しまない。(ex. デザイナーズ・インポートブランド…)
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90年代:シンプルなデザインを好むようになり(ex. アニエスべー.・ラルフローレン)、着る服より着る“者”に重点をシフトしていった。(ex. ガングロ・細眉・茶髪…)「コスメの時代」
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00年代:ファストファッションの台頭。プチプラで流行の服が買えるようになり、“お洒落はコストをかけない”“皆と被ることは恥ずかしくない”という考えになる人々が急増した。…「ファッションの民主化」(ex. ユニクロ・H&M…)
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10年代:流行の対象は、ファッション→ライフスタイルへ。「モノが溢れる消費社会の果てに行き着いた現代において、改めて問われる本当の豊かさとは目に見えないコト(体験)である」(ex. グランピング・ブックカフェ…)
このように、たった30年間で人々の消費行動は大きく変化しました。筆者も子供の頃、“自分でも買える値段なのにお洒落”なファストファッションに感動を覚えました…。ところが成長するにつれ、周囲の興味はファッションからカフェやタピオカに変化していることを肌で感じるように。このまま時代が進んでしまうと、“お洒落をする価値”は下がる一方です。
では、これからの時代における「メディア」の役割は何でしょう。
それは、
・お洒落の楽しみ方を提案すること
・ありふれた情報の中から、本物のお洒落を提示すること
(再現性の高いもの)
・ライフスタイルと連動したファッションを発信すること
だと考えます。
(それぞれの理由・方法については、いつかの回で書きます。)
ただの素人が何を語っているんだという感じですが、このテーマについて書きたいことが多すぎるので、これからも読んでくれると嬉しいです。もっと勉強します。よろしくお願いします。
続く