加計学園問題 2017.7.18
▼〈自民 安倍首相出席の予算委閉会中審査に応じる考え〉(2017年7月13日 19時11分 NHK)
〈自民党の竹下国会対策委員長は、13日夕方、記者団に対し、学校法人「加計学園」の獣医学部新設をめぐって、民進党が求めている、安倍総理大臣も出席した予算委員会の閉会中審査の開催に応じる考えを明らかにしました。〉
※5月中旬に朝日新聞がスクープした加計学園問題は、2カ月経って、ようやく安倍晋三総理大臣が国会の場で本格的な質疑に応じる段取りとなった。誠実な対応を避け続けた安倍政権の態度は、7月2日に投票が行われた東京都議選での自民党の大敗につながった。マスメディア各社の世論調査をみると、支持率の低下はまだ続いているようだ。安倍総理は国民から「人として不誠実だ」と思われ始めている。
最近、「忖度(そんたく)」という日本語の豊かな意味合いについて思索を深めさせてくれるニュースが多い。もうしばらくこの状況が続きそうだ。
※加計学園問題の本質について、筆者がこれまで読んだ新聞記事のなかで正鵠を得ていると思ったのは、2017年5月19日付「秋田魁新報」のコラム「北斗星」だ。
〈(前略)▼愛媛県今治市への私大獣医学部新設計画は、森友学園に続く「忖度(そんたく)問題」第2幕の様相を見せている。大学の経営者と安倍晋三首相が親しい間柄で、国家戦略特区の対象事業として特例的に新設が認められた背後に首相の意向があったのでは、と疑われている▼首相は以前「私と付き合いがあったら国家戦略特区に指定されないということになるのか。これはおかしな話になる」と国会で答弁しているが、親しい友人となれば、双方にその気がなくても疑われるのはやむを得ない。歓迎して建設用地を無償提供した今治市にとっても迷惑な話だろう▼むしろ「私が首相であるうちはやめた方がいい」と助言するのが親心であり真の友情ではなかったか。〉
このコラム末尾の〈「私が首相であるうちはやめた方がいい」と助言するのが親心であり真の友情ではなかったか〉という一文に、筆者はその通りだと思った。「国家戦略特区」の手続き論の是非とは関係なく、国民は加計問題についてさまざまな「忖度」を重ねる。その感情は「法的手続き」の「正当性」や「合法性」などで制することはできない。国民感情という、ある一線を境に制することができなくなる代物を、安倍総理は「自分には制することができる」と思い込んでいたのだろうか。もしもそうだとしたら、安倍総理は国民感情を忖度できていなかったのかもしれない。