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2020年10月の自殺者数がここ5年で最も多かった件

▼感染症の大流行と自殺との関係について、何度かメモしてきたが、事態はよくないほうへ、よくないほうへ動いていた。2020年11月10日配信のNHKニュースから。

先月の自殺者 去年より40%増加 女性が大幅増 コロナの影響も〉2020年11月10日 17時57分

先月自殺した人は全国で合わせて2153人で、去年の同じ時期より614人増えたことが分かりました。自殺者は、ことし7月以降4か月連続で増えていて、特に女性が大幅に増加し深刻な状況が続いています。

警察庁によりますと、先月自殺した人は速報値で全国で2153人となっています。

これは去年の同じ時期に比べて614人、率にして39.9%増加しました。〉

▼先月というのは、2020年10月の自殺者のこと。7月、8月、9月、10月と、4か月続けて自殺者が増えている。

とくに10月は、前年の10月と比べて、男性が2割増えたのに対して、女性は8割も増えている。1.8倍だ。

〈男女別では、男性が去年よりも21.3%増えて1302人、女性が82.6%増えて851人となっていて、特に女性の自殺者が大幅に増えています。

都道府県別では、東京都が255人と最も多く、次いで埼玉県が151人、神奈川県が148人、愛知県が126人などとなっています。

去年に比べて増えたのは4か月連続で、1か月間の自殺者数としては、この5年間で最も多くなっています。

国は新型コロナウイルスの影響などについて分析するとともに自殺を防ぐ対策を進めています。〉

▼国はたしかに対策を進めているが、すべてをカバーするのは不可能だ。ライフリンクの清水康之氏が「非常事態」だとコメントしている。

つまり、街の姿は非常事態宣言の時からは大幅に改善したが、それは残念ながら見た目だけの話で、社会の内実は、非常事態のままの人や、さらに悪化している人がかなりたくさんいるということだ。

〈■NPO法人代表「非常事態だ ひとりで悩まず相談を」 

自殺対策に取り組んでいる東京都のNPO法人「ライフリンク」の清水康之代表は「急激な増加で非常事態だと受け止めている。俳優の自殺の報道に加え、新型コロナウイルスの影響が長期化して雇用や生活、人間関係などが悪化したことが背景にあるのではないか」と指摘しています。

そのうえで、「データを詳細に分析して、原因を一つ一つ潰していくことが必要で社会全体で命を守る対策が求められている。悩みのある人は1人で抱え込まずに身近な人などに相談してほしい」と話しています。

また、厚生労働省は「自殺する人が増えた詳しい原因は分からないが、重く受け止めている」としたうえで、「新型コロナウイルスの影響で生活に不安を感じている人が多いと思うので、ひとりで悩みを抱え込まずに身近な人や支援機関、自治体の窓口に相談してほしい」と呼びかけています。
厚生労働省は、相談窓口を検索できるサイトも設けています。

URLは

で、電話のほか、メールやSNS、ファックスなどでも相談を受け付けているということです。

一方、一部の窓口では相談の急増で電話を受けられなかったり、メールやSNSのメッセージにすぐに返信できなかったりするケースも出ています。

このため、厚生労働省は「何度か連絡してもつながらない場合は、ほかの窓口も探して相談先をなんとか見つけてほしい」としています。〉

▼官僚のコメントで「なんとか見つけてほしい」という表現を見るのは珍しい。厚労省の担当者も、文字通り重く受け止めていることのあらわれだと思う。

この「非常事態」ーーほんとうの非常事態、と言うべきかもしれないーーが、すぐに終わることはない。

声が届くのか、目が届くのか、手が届くのか。

身近な人。気になる人。関心の範囲を広げたい。

(2020年11月12日)

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