僕たち/私たちの音楽 001 クワイエット・コーナーより
音楽は,僕たちの生活に彩りや安らぎを与えてくれます。
シリーズ「僕たち/私たちの音楽」第1回はOurの里崎が書籍「クワイエット・コーナー」をもとに日常の中で聴いている音楽をご紹介します。
クワイエット・コーナーについて
クワイエット・コーナーはHMV渋谷店のバイヤーを歴任後,本部にてジャズ/ワールドミュージックの統括担当(発刊当時)をする山本勇樹氏が監修した書籍。現在「クワイエット・コーナー 心を静める音楽集」「クワイエット・コーナー2 日常に寄り添う音楽集」の2冊が刊行され,十数人の執筆者により古今東西様々なジャンルの楽曲が紹介されています。
僕がこの書籍を知ったのは,音楽好きの友人の薦めから。彼が持っていた本書を借りて,載っている楽曲をApple Musicで検索していくつか聴いてみると,どれも本当に良い物ばかり。後日さっそく書店に向かい,2冊まとめて購入しました。
「クワイエット・コーナー 心を静める音楽集」の挿絵はアーティストの三宅瑠人さんが担当しており,僕と僕の妻は彼の第ファンです。僕たちが経営するカフェFilles et Garçonsのロゴやイラストを描いていただきました。
購入後に彼が挿絵を描いていることを知り,ますます本書を好きになりました。
今回は2冊より,僕が特に気に入った3枚のアルバムをご紹介します。
Just Another Diamond Day/Vashti Bunyan(1970)
ヴァシュティ・バニヤンはイングランド出身のシンガーソングライター。
このアルバムはデビューアルバムですが,発売当時はほとんど売れず彼女は音楽活動をストップしてしまいます。しかし30年の時間をかけてゆっくりとカルト的なファンを獲得し,2005年のセカンドアルバム,2014年のサードアルバム発売へとつながっていきます。
収録されている楽曲は,少ない音数による楽器の演奏に彼女のウィスパーボイスが乗り,とても耳に優しいものばかり。どこか牧歌的な曲たちはゆっくりと時間が流れる田舎の風景を想像させてくれます。
晴れ雨,昼夜問わず,ゆっくりと時間を過ごしたい時におすすめなアルバムです。
A Plane Over Woods/The Vernon Spring(2021)
ロンドンのオルタナソウルトリオHejiraの一員であるサム・べステのソロプロジェクト。彼は弱冠17歳にしてエイミー・ワインハウスのワールドツアーにピアニストとして参加した実績を持ち,様々なアーティストへの作曲やプロデュースを行なっています。
本アルバムは彼が父を亡くした2019年に制作を開始し,2020年コロナ禍,ロックダウン中に完成した作品。
少しくもりのかかったピアノを中心に,控えめな電子音やコーラスが入った独特な雰囲気が心地よく響きます。
1人でぼんやりしたいときにおすすめの一枚です。僕は夜に心を静めたい時にこのアルバムをよく聴きます。僕のサブスクリプションサービスの再生ランキングでも,かなり上位に位置する作品です。
Departing from Crowds/Bruno Merz(2009)
ニュージーランドのシンガーソングライター,ブルーノ・マーツのデビューアルバム。音楽教師でありチェロ奏者でもある父の影響で,幼い頃からクラシック音楽に慣れ親しんだ彼が生み出すメロディはとてもシンプルでありながらも心を惹きつけられます。
とにかく声とメロディが良い。1曲目の「Lele’s Song」からすぐに魅了されて聴き進めることができると思います。晴れた日の明るい部屋や,爽やかな青空の下で聴きたい1枚です。
以上,今回はクワイエット・コーナー 心を静める音楽集」「クワイエット・コーナー2 日常に寄り添う音楽集」の2冊から3枚のアルバムをおすすめしました。
本書はまだまだたくさんの楽曲を紹介していますので,ぜひ書店で手に取っていただければ幸いです。
音楽は生活に切り離せないもの。今後このシリーズでは,ゲストにも登場していただき様々な楽曲や音楽シーンをご紹介していく予定です。
編集・撮影:里崎貴行
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