僕たち/私たちの身につけるもの 001 小原三幸/miim
Ourは衣食住にまつわる情報を提供することを目的に日々活動しています。今回は「衣」に関しての記事である「僕たち/私たちの身につけるもの」。
第1回は天神南駅から徒歩4分,福岡市中央区渡辺通にてヴィンテージ着物レンタルのお店miim(ミーム)を営む小原三幸さんにサービスの内容や,日常の中に着物を取り入れるオススメのシチュエーションなどをOur代表里崎がお伺いしました。
祖母が遺した貴重な着物
里崎(以下,里):まずmiimさんはどのようなサービスを行なっているのか教えてください。
小原(以下,小):着物のレンタルと着付け,ヘアセット,メイク,そして撮影を主なサービスとしています。出張して着付けをしたり,お持ち込みいただいた着物の着付けも行なっています。
里:現在,どんな着物があるんですか?
小:ヴィンテージを中心に集めています。現代では化学繊維を使用した海外製のものが多く出回っていますが,私たちが所有しているものは正絹(しょうけん)といって100%絹を使用した,日本の職人さんが昔ながらの手仕事で仕上げたものがほとんどです。
性別や年齢,シーンに合わせたものをご用意していて,フォーマル,カジュアル,メンズ,レディース,キッズ合わせると200点以上の着物を所有しています。浴衣もご用意していますよ。
里:へー!すごい,たくさんありますね。どうやってこんなにたくさん集めたんですか?そして,この事業をスタートさせたきっかけも教えてください。
小:少し前に亡くなった祖母が100枚以上の着物を遺していました。パートナーとして着付けやヘアメイクを行なっているスタッフも,この道20年でコツコツと集めた着物が100枚以上あったので,2人でこの貴重な着物たちを広くいろいろな方に着ていただきたいなと思い,事業を開始しました。正直に言うと,このたくさんの着物を2人とも家に保管することができないというのがそもそもの始まりです。笑
里:どれもとても綺麗な状態で保管されていますね。この着物をどんな方々に着てほしいですか?
小:インバウンドの方に着物の魅力を知っていただきたいのはもちろんですが,まずは日本人の方で着物を着る習慣がない方に,着物を綺麗に着ることの心地よさや着物そのものの魅力をお伝えしたいなと思います。
購入するとお値段が張る着物も,レンタルだと気軽に利用していただけます。気軽に着物を着る方が増えたらいいなという願いを込めて日々営業しています。
あとは茶道や花道のお稽古でいつもご自分でお持ちの着物を着ていらっしゃる方に,持っていない色や柄の着物にレンタルでチャレンジしていただくこともオススメしています。
里:なるほど。どんなシチュエーションで着物を着てほしいですか?
小:このお店から神社や結婚式場,ホテルが近いので結婚式に出席される際や七五三,お宮参り,初詣,入学式などでご利用していただけると思います。博多座に歌舞伎を見に行く時や,福岡国際センターに大相撲九州場所を見に行く時なんかもオススメです。
また最近では「推し活」として着物を着るお客様もいらっしゃいます。
里:推し活?笑
小:はい。アイドルグループには担当の色があるので,その色の着物を着てイベントやコンサートに行くというものです。他のファンと差別化できて会場で目立つことができますよ。
私も大好きなバンドのTシャツを帯に巻いてライブに行ったことがあります。周りのファンに声をかけていただきました。
里:なるほどー!面白い!
「着物を着る」ってすごくハードルが高いイメージがあったんですけど,もう少し気軽に考えていいんですね。「チョー特別」なときというよりも「ちょっとだけ特別」なときに着物を着ると,いつもの生活に少しだけ差をつけられそうですね。
小:そうなんです。着物を着て柳川の川下りに出かけてみたり,お寿司を食べに行ったり,友達とカフェでお茶をする時に着るのも素敵だと思います。
里:カップルで着物を着てデートなんてすごく良い時間になりそうだなぁ。
小:ぜひぜひ!カップルでもお友達同士でも,着物を着て気軽にお出かけしていただきたいです。
里:今度,家族で着物を着てお出かけしようかな…。
今後の展開予定や目標はありますか?
小:もちろん海外の方にも日本の伝統的な文化に触れてほしいので,英会話教室に通っていますし,中国語も勉強中です。ただ,インバウンドだけに向けた事業にしようとは考えていないので,引き続き国内外問わず皆さんに利用していただける生活に密着したお店にしたいです。
里:日本人が忘れてしまった日本の文化に,もう一度たくさんの方々に触れていただけたら良いですよね。本日はお話を聞かせていただきありがとうございました。それにしても素敵な空間だなぁ。
撮影,編集:里崎貴行
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