【CoCシナリオ】ファゲルズァート島奇譚集 後編(シナリオ集)
◆【MAIN SCENARIO:ファゲルズァート島スタンプラリー】◆
【概要】
ファゲルズァート島の最初の街である港町リュレーエの町役場の観光課に務めるザグーマ氏の肝煎の企画であるファゲルズァート島の七つの名所を巡り、スタンプを集めていくスタンプラリーに参加することになった探索者達。
七つの名所を全て巡り、スタンプを集めると島に眠る財宝を手にすることができるというが……。
スタンプラリーの場所が点在しており、スタンプラリーを進めると島をほぼ一周することになります。
島の大凡の地理を知れるため、『ファゲルズァート島奇譚集』のシナリオを周回するのであれば最初にこのシナリオに挑むことを推奨します。
【主な登場人物(ネタバレあり)】
・ザグーマ=ナイツローク
ファゲルズァート島港町リュレーエ町役場の観光課長。
島へやってくる観光客を楽しませるために七つの名所を巡るスタンプラリーを発案した。
その目的は子供の頃に自分が解けなかったファゲルズァート島の財宝の謎、つまりはファゲルズァート王国の秘宝をスタンプラリーの参加者に発見させることである。
ファゲルズァート王家の分家筋の家系。
・ミシェール=デヴァドン
ファゲルズァート島港町リュレーエ町役場に務める女性職員。
人間ではなく旧支配者のイゴーロナクの細胞を元に生み出された人工の神話生物イゴーロナク・スードゥ(イゴーロナク擬き)だが、自分が人間ではないことを隠していない。
ファゲルズァート島七景を発案し、更に七つの名所を巡るスタンプラリーを提案したザグーマの手腕に高く評価しつつも、たった二日で名所の選定から練りに練られた謎解きの用意まで完璧に熟したザグーマを訝しんでいる。
探索者達に「エネミー図鑑」なるものを渡し、図鑑を完成して欲しいというサブクエストを依頼する。
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【NPC】ミシェール=デヴァドン(イゴーロナク・スードゥ)
耐久値:61 魔力量:67
STR:97
CON:491
SIZ:97
DEX:101
INT:127
POW:127
APP:100
ダメージボーナス:+2D5
正気度喪失:3/2D3+5
装甲:無し。
1ラウンドにつき3回行動
戦闘技能
<近接戦闘(格闘):59%>ダメージ2D19+DB。
<噛み付き:89%>2D3の自然回復しないダメージ+自然回復しない5ポイントのINTとPOWの喪失。
<回避:37%>
※その他、<経理>や<考古学>など港町リュレーエの町役場で働く際に必要と思われる技能は一律80%です。
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【シナリオの導入】
ファゲルズァート島でのシナリオは全て開始するための条件、フラグが設定されています。そのフラグを立てることでシナリオを開始することができます。
【MAIN SCENARIO:ファゲルズァート島スタンプラリー】の場合は港町リュレーエの町役場観光課でザグーマに話し掛けることがフラグになっています。
【シナリオの流れ】
①港町リュレーエの町役場を訪問する。
港町リュレーエの町役場初回入庁時のイベントが発生します。【港町リュレーエの町役場初回入庁時のイベント】というそのまんまの名前がつけられたこのイベントを見ることでシナリオを開始することができます。
以下はイベントの内容です。◆【エリア紹介:港町リュレーエ】◆の頁にも同様のイベントについて載せていますので、そちらも併せてご覧ください。
【港町リュレーエの町役場初回入庁時のイベント】
「おおっ、見かけない顔だね! もしかしなくても観光客かい? ザグーマ=ナイツローク、ファゲルズァート島港町リュレーエ町役場の観光課長をしているよ! ところで、この島でやりたいことが決まっていないなら島の七つの名所を巡ってみてはどうかな? 今、名所巡りのスタンプラリーをしていて謎解きをしてスタンプを集めていくと、素敵な賞品が手に入るんだ! 興味があれば観光課の受付に一声掛けてね。スタンプラリーのカードを渡すから!」
そう言い残し、ザグーマは観光課のブースの奥へと消えていきました。
以上のイベントを確認した後、観光課の受付に声を掛けると職員からスタンプラリーのカードをもらうことができます。
また、職員からは謎が書かれた七枚のカードをもらうことができます。
謎解きに順番は設定されていないため、どの順番で解いても問題ありません。
手渡しの描写は口頭のナレーションだけでも問題ないと思いますが、一応ロールプレイの例を一つ載せておきます。
職員「ようこそファゲルズァート島へ。スタンプラリーに挑戦するということでよろしいですね? では、スタンプラリーのカードと謎をお渡しします。謎を解いて、スタンプを集めてみてください」
以下、七つの謎を載せておきます。
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「古きは篝を焚きき。天を衝く塔は行き交ふ船の標となる。その塔の天に近きかたに印隠されたり」
「その温かき水はこうじ癒し、含まるる成分は卵黒く染め上ぐ。大地より噴きいだすその水作り上げし水溜りのいでくるかたに印は隠されたり」
「風をもちて砂積み重なる。月日重ねそは丘陵となりき。その丘の鳴くかたに印は隠されたり」
「国破れ山河あり、城塞敗れ跡のみ残る。五芒の心に印は隠されたり」
「その丘はただの土塊ならず、豪族を祀る王墓なり。王の御霊に礼を尽くししのち、その宝物を拝観せよ」
「最北の地に海の神に祈りを捧げよ。神を祀る祠に印は隠されたり」
「海と山の恵重なりしかた。打ち捨てられし、船に印と碑石隠されたり」
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なお、この謎について<アイデア>を振ってもヒント情報は出ません。聞き込みなどで情報を集めるといいかもしれませんね。
【ブースの外にいる女性職員に話を聞いて情報収集をする場合のイベント】
情報収集をする場合はブースの外にいる女性職員がおすすめだと伝えるなどして誘導してください。
話し掛けた場合はファゲルズァート島港町リュレーエ町役場に務める女性職員のミシェール=デヴァドンとのイベントが発生します。このイベントは【SUB QUEST:エネミー図鑑作成依頼】の開始フラグになっているイベントでもあります。
以下、彼女との出会いイベントの描写と出会のイベント後に得られる七つの謎に関する情報を記しておきます。
◆初めて話し掛けた時
「あら、観光客の方かしら? この島のこと、楽しんでくれていると嬉しいわ。私はミシェール=デヴァドン、観光課の職員よ。あら? もしかして、スタンプラリーに参加されるのかしら? あれってザグーマ課長が一人で考えたのよ。ファゲルズァート島七景を発案して、更に七つの名所を巡るスタンプラリーを提案したのだから確かにとても有能な方だとは思うのだけど、たった二日で名所の選定から練りに練られた謎解きの用意まで完璧に熟したってのは少し信じられないわよね。普段の仕事は正直パッとしないからびっくりしたわ。……って、これはオフレコで頼むわ。あっ、そうだったわ! 肝心なことを忘れていた。もし、この島を巡るのなら、『エネミー図鑑』というものを完成させてもらいたいの。私が趣味で作っているものなんだけど、このファゲルズァート島の生息している生き物とか、面白い人とかそういうのを記録したくてね。ちなみに、向ければ名前やステータス、倒すと色々な情報が記録される優れものだよ。あっ、引き受けてくれるのね! ありがとう! じゃあ、使い方のチュートリアル、始めていきましょうか?」
探索者達はミシェールから青色のスマートフォンのようなもの『エネミー図鑑』を受け取ります。
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・エネミー図鑑
カメラを向けると情報が記録され、敵を倒すとエネミーの詳細な情報が記録される。ファゲルズァート島の全てのエネミーの情報を集めたらミシェールさんに報告だ!
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「それじゃあ、まずは私にそのカメラを向けてみてくれないかしら?」
『エネミー図鑑』のカメラを向けると「イゴーロナク・スードゥ」と表示されます。
詳細は◆『エネミー図鑑』の情報◆をご覧ください。
「あっ、言い忘れていたけど私ってイゴーロナク・スードゥっていう……えっと、よく言われる表現だと神話生物ってものの一種なのよ。旧支配者のイゴーロナクの細胞を元に生み出された人工の神話生物って感じね。まあ、私は普通の人間のつもりだし、公言して困ることでもないから皆様も普通の人間だと思って接してくれると嬉しいわ」
とはいうものの、神話生物という非常識な存在が目の前にいることを知って正気を保つ方が大変です。
<SAN値チェック:3/1D10+1>です。
◆七つの謎について
「私も職員だからあんまりヒントはあげちゃダメなんだけど、島に来たばかりだとどこに行けばいいか分からないわよね。……だから、謎に関係しそうな場所を教えるわ。どの謎の情報が聞きたいか教えてね」
◆ 「古きは篝を焚きき……」の謎について
「灯台を示してそうな謎ね。この島で有名な灯台といえば、コンターチ市にあるコンターチ灯台かしら?」
◆ 「その温かき水はこうじ癒し……」の謎について
「温かい水ということは温泉ね。温泉といえば、温泉街アクアリーティアかしら? あの辺りは著名な温泉街だけど、源泉はどこにあったかしら? どこかの洞窟だって聞いたことがあるけど、行ったことはないのよね」
◆「風をもちて砂積み重なる……」の謎について
「砂が積み上がるということは砂丘かしら? 砂関係で丘と聞くとそこしか思いつかないわね。砂丘はアルミーナ工業特区の近くにあるわ」
◆「国破れ山河あり……」の謎について
「五芒の城砦ね。古の時代に要塞として使われて鉄壁の要塞として名声を轟かせていたゴーヴラス砦跡が丁度五芒星の形をしているわ。場所は……大都市リンプレントの近くにあるわね」
◆「その丘はただの土塊ならず……」の謎について
「豪族を祀る王墓というと、ゼルン丘陵ね。その名の通り、ゼルン市の近くにあるわ」
◆「最北の地に海の神に祈りを捧げよ……」の謎について
「最北の海の神といったら間違いなくレイヴィア岬ね。岬の先にはしっかりと祠もあったわ。昔からこの辺りには海の神レイヴィアサンの伝承があって、海の神を鎮めるために岬に祠が作られたのよ」
◆「海と山の恵重なりしかた……」の謎について
「海と山の恵みが重なる……よく分からないわね。……当たっているかどうかは分からないけど、グローヴ=ヴァイカウント市辺りが怪しいんじゃないかしら? アルダヴ湖という湖があるのだけど、ヴェスピオス山から流れ出した地下水と海水が混ざった汽水湖なのよね。打ち捨てられた船……ということはアレかしら?」
②七つの謎が示す場所に実際に行ってみる。
今回はコンターチ灯台、源泉の洞窟、星砂の砂丘、ゴーヴラス砦跡、ゼルン丘陵、レイヴィア岬、アルダヴ湖の順に巡る形で情報を示します。なお、この順番である回る必要はありません。
【コンターチ灯台】
「古きは篝を焚きき。天を衝く塔は行き交ふ船の標となる。その塔の天に近きかたに印隠されたり」を解読すると、灯台の展望台にスタンプがあることが分かります。
解読が難航している場合は<アイデア>を振るなどして救済措置をしてください。
目的のものが既に分かっている場合は<目星>を振る必要はありませんが、具体的に探すものと場所が分かっていない場合に虱潰しに探すという場合は<目星>にハード成功することで情報を得ることができます。
スタンプが置かれており「18」という数字が刻印されています。
スタンプを押していれば何回でもスタンプの内容を確認できますが、スタンプを押していない場合に数字を確認する場合は<アイデア>に成功する必要があります。
その他、コンターチ灯台周辺の情報については◆【エリア紹介:コンターチ市】◆をご覧ください。
【源泉の洞窟】
「その温かき水はこうじ癒し、含まるる成分は卵黒く染め上ぐ。大地より噴きいだすその水作り上げし水溜りのいでくるかたに印は隠されたり」を解読すると、源泉の洞窟の最奥部にスタンプがあることが分かります。
解読が難航している場合は<アイデア>を振るなどして救済措置をしてください。
目的のものが既に分かっている場合は<目星>を振る必要はありませんが、具体的に探すものと場所が分かっていない場合に虱潰しに探すという場合は<目星>にハード成功することで情報を得ることができます。
スタンプが置かれており「5」という数字が刻印されています。
スタンプを押していれば何回でもスタンプの内容を確認できますが、スタンプを押していない場合に数字を確認する場合は<アイデア>に成功する必要があります。
その他、源泉の洞窟の情報については◆【エリア紹介:温泉街アクアリーティア】◆をご覧ください。
【星砂の砂丘】
「風をもちて砂積み重なる。月日重ねそは丘陵となりき。その丘の鳴くかたに印は隠されたり」を解読すると砂丘の鳴き砂を示していることが分かります。
該当するエリアは砂丘エリア③です。
このエリアに入ったタイミングで<アイデア>と<聞き耳>をしてください。既に謎が解けている場合は<アイデア>は免除されます。
単純に<聞き耳>に成功した場合は何も分かりませんが、<アイデア>に成功している場合か謎が解けている場合は「踏んだら音がする」ことが分かります。<聞き耳>がクリティカルした場合も開示して構いません。
「踏んだら音がする」ことから謎が鳴き砂を示していることに気づく、或いはこの場所を更に調べたいという宣言があれば<目星>を振ってもらってください。成功した場合は砂丘の一角に台のようなものが置かれていることが分かります。
台にはスタンプが置かれており「7」という数字が刻印されています。
スタンプを押していれば何回でもスタンプの内容を確認できますが、スタンプを押していない場合に数字を確認する場合は<アイデア>に成功する必要があります。
その他、源泉の洞窟の情報については◆【エリア紹介:アルミーナ工業特区】◆をご覧ください。
【ゴーヴラス砦跡】
「国破れ山河あり、城塞敗れ跡のみ残る。五芒の心に印は隠されたり」を解読すると五芒星型の砦の中心を示していることが分かります。
該当するエリアはゴーヴラス砦跡中央エリアです。
解読が難航している場合は<アイデア>を振るなどして救済措置をしてください。
目的のものが既に分かっている場合は<目星>を振る必要はありませんが、具体的に探すものと場所が分かっていない場合に虱潰しに探すという場合は<目星>にハード成功することで情報を得ることができます。
スタンプが置かれており「1」という数字が刻印されています。
スタンプを押していれば何回でもスタンプの内容を確認できますが、スタンプを押していない場合に数字を確認する場合は<アイデア>に成功する必要があります。
その他、ゴーヴラス砦跡の情報については◆【エリア紹介:大都市リンプレント】◆をご覧ください。
【ゼルン丘陵】
「その丘はただの土塊ならず、豪族を祀る王墓なり。王の御霊に礼を尽くししのち、その宝物を拝観せよ」を解読するとゼルン丘陵の宝物殿を示していることが分かります。
解読が難航している場合は<アイデア>を振るなどして救済措置をしてください。
ゼルン丘陵の宝物殿は小さな博物館のような場所になっており、見学者は順路に沿って副葬品や説明文を読んでいくことになります。
見学料は無料。順路に沿って最後まで行くと、土産物スペースの一角に台が置かれています。技能を振る必要はありません。
スタンプには「12」という数字が刻印されています。
スタンプを押していれば何回でもスタンプの内容を確認できますが、スタンプを押していない場合に数字を確認する場合は<アイデア>に成功する必要があります。
その他、ゼルン丘陵の情報については◆【エリア紹介:ゼルン市】◆をご覧ください。
【レイヴィア岬】
「最北の地に海の神に祈りを捧げよ。神を祀る祠に印は隠されたり」を解読するとレイヴィア岬の祠を示していることが分かります。
解読が難航している場合は<アイデア>を振るなどして救済措置をしてください。
レイヴィア岬の祠に向かうと、祠の近くに台が置かれており、その台にはスタンプが用意されていることに技能を振らなくても気づくことができます。
本来であれば、スタンプを押して終了ですが、レイヴィア岬の祠にいた先客のトレジャーハンター達とのイベントが発生します、
トレジャーハンターの撃破後にスタンプを押すことが可能です。スタンプには「9」という数字が刻印されています。
スタンプを押していれば何回でもスタンプの内容を確認できますが、スタンプを押していない場合に数字を確認する場合は<アイデア>に成功する必要があります。
その他、レイヴィア岬の情報については◆【エリア紹介:ゼルン市】◆をご覧ください。
以下、イベントの描写を載せておきます。
【レイヴィア岬でのトレジャーハンターとの遭遇イベント】
レイヴィア岬の祠に辿り着いた探索者達は祠の近くにスタンプを発見します。
ですが、探索者達の行手を遮るように武装をしたトレジャーハンターが二人現れました。
「観光気分でトレジャーハントとはな。随分と甘いことを考えているみたいだなぁ、お前ら。お前らみたいなトレジャーハンターの仕事を舐めている奴らを見ると虫唾が走るんだよ」
「ただ、残念だったな。俺達と出会ってしまったのが運の尽き。だが、安心しろ! お前らは俺達の本当のトレジャーハンティングの礎になれるんだからよ!」
「俺達の狙っている王家のお宝は残念ながら海の底だ。おまけに深きものなんて言われているタチの悪いサファギン共がうじゃうじゃいやがる。アイツらは獰猛でサメみたいな奴らだ。狡猾で弱った奴を狙う。しかし、だからこそ分かりやすい」
「俺達が狙われないようにデコイが必要ってことだ。血を流した活きのいい囮がなッ!!」
「ってことで! 死なない程度に痛めつけて魚の餌にしてやるぜ! 覚悟しな!!」
このイベント後、トレジャーハンター×2との戦闘が発生します。詳細は◆『エネミー図鑑』の情報◆をご覧ください。
【アルダヴ湖】
「海と山の恵重なりしかた。打ち捨てられし、船に印と碑石隠されたり」を解読するとアルダヴ湖の捨てられた船を示していることが分かります。
解読が難航している場合は<アイデア>を振るなどして救済措置をしてください。
目的のものが既に分かっている場合は<目星>を振る必要はありませんが、具体的に探すものと場所が分かっていない場合に虱潰しに探すという場合は<目星>にハード成功することで情報を得ることができます。
スタンプには「1」という数字が刻印されています。
スタンプを押していれば何回でもスタンプの内容を確認できますが、スタンプを押していない場合に数字を確認する場合は<アイデア>に成功する必要があります。
また、近くに設置された碑石には以下の文が書かれています。
「古羅馬の将軍の名の下に、暗号文に潜む裏切者を滅せよ。さすれば、不在の玉座につきづきしき者帰らむ」
その他、アルダヴ湖の情報については◆【エリア紹介:グローヴ=ヴァイカウント市】◆をご覧ください。
③手に入れた情報を元に推理してみる。
スタンプの数字は「18」、「5」、「7」、「1」、「12」、「9」、「1」です。数字のままでは意味が分からないため変換をする必要があります。
変換方法を閃くには<アイデア>に成功する必要がありますが、リアルINTで解読方法を見つけても大丈夫です。
<アイデア>に成功すると、数字をアルファベットに変更するという方法を思い付きます。
「18」、「5」、「7」、「1」、「12」、「9」、「1」→「E」、「R」、「T」、「N」、「Y」、「V」、「N」
「ERTNYVN」という文字列が浮かび上がりますが、該当する英単語はありません。
そこで、石碑の暗号「古羅馬の将軍の名の下に、暗号文に潜む裏切者を滅せよ。さすれば、不在の玉座につきづきしき者帰らむ」を解読する必要があります。
解読が難航している場合は<アイデア>を振るなどして救済措置をしてください。
解読に成功すると「七つの数字から導かれる七文字がシーザー暗号になっており、シーザー暗号のルールに則って文字を戻すと答えが分かる」ことが分かります。
ここからは虱潰しに答えとなる英単語を探していくことになりますが、ここで<アイデア>を振って成功すれば、「13文字戻すと答えが現れる」と分かっていいでしょう。
「ERTNYVN」 を変換すると「REGALIA」になり、レガリア島を示していることが分かります。
③′そのままレガリア島に向かわずに寄り道をしてみる。
謎が解けたところでレガリア島に渡る方法を探す場合は、リュレーエ港に向かい、船を出してもらうのが最短ルートです。
しかし、ここであえてリュレーエの町役場に向かうという選択肢もあります。
探索者達が謎を解いた後に町リュレーエの町役場に戻ると、謎を解く前とは少し状況が変わっています。
・ザグーマが不在
職員にザグーマについて話を聞くと、少し前に仕事を早退したことが分かります。謎を解いてから数日が経過している場合は無断欠勤が続いていることが分かります。
・ミシェール=デヴァドンのイベントが追加
謎を解き終えるとミシェール=デヴァドンとのイベントが追加されます。なお、このイベントはミシェールとの初遭遇イベントを終えていることが発生条件となります。
【謎解き後のミシェール=デヴァドンのイベント】
「謎解きが終わったの!? ……なるほど、謎はレガリア島を示していたのね。スタンプラリー達成のお祝いをしたいところなのだけど、ザグーマさんは不在なの。彼が景品の管理をしているみたいだし、今は何も渡せないわ。とりあえず、レガリア島に行ってみたらどうかしら? リュレーエ港から船で行くことができるわ。……しかし、結局、この謎ってザグーマさんが本当に作ったものなのかしら? レガリア島はかつてファゲルズァート島が大陸だった時代に王宮があった場所みたいだし……怪しいわね。島に行く前にもう少し謎を解いてみるのはどうかしら? 歴史的なことを調べるのであれば、考古学者のゼームズ・ウェーバード博士の資料があるウェーバード博物館かバブイル図書館に行ってみるのはどうかしら? 両方とも大都市リンプレントにあるわ」
ミシェールに提案されたウェーバード博物館かバブイル図書館で探索すると『ファゲルズァート島の古地図』を入手することができます。
ウェーバード博物館の場合は2Fの大展示室②、バブイル図書館の場合は1Fにあります。詳細は◆エリア紹介:大都市リンプレント◆をご覧ください。
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・ファゲルズァート島の古地図
ファゲルズァート島を描いた古地図。
ただし、コンターチ灯台の近くに「18」、源泉の洞窟の近くに「5」、星砂の砂丘の近くに「7」、ゴーヴラス砦跡の近くに「1」、ゼルン丘陵の近くに「12」、レイヴィア岬の近くに「9」、アルダヴ湖の近くに「1」と書かれています。
また、レガリア島のあるべき場所には王冠が描かれています。
この地図について調べる場合、<目星>を振ることができます。成功すれば、王冠の中心に描かれたエメラルドの中に細筆でこのようなことが書かれていることを発見することができるでしょう。
「The succession to the throne is watched over by fairies.
Fairies live in the forest and are enshrined in small shrines there.
(王位継承は妖精に見守られて行われる。
妖精は森に住み、森の小さな祠に祀られている)」
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④レガリア島に向かう。
リュレーエ港に向かい、ロールプレイで窓口にレガリア島に向かいたいことを伝えます。
「レガリア島までですね。離島までの船を手配しますのでしばしお待ちください」
数分の後、レガリア島と行き来を引き受けてくれる船頭を紹介してもらえます。次回以降はリュレーエ港で受付に伝えるだけでレガリア島までの移動が完了します。
レガリア島につくと、砂浜のところで降ろされます。探索を進めてください。
なお、地下への階段は小さな王の森の中にあります。
小さな王の森は比較的狭い森の筈ですが、中はかなり迷いやすくなっています。
森は全部で五つのエリアに分かれており、次のエリアに進むためには<ナビゲート>に成功する必要があります。<ナビゲート>に失敗した場合はそのエリアをぐるぐると回り続けることになります。
五つ目のエリアには小さな祠があります。既に場所を特定している場合は必要ありませんが、何も情報がない段階で地下への隠し通路を探す場合は各区画に<目星>か<考古学>を振って調査しなければなりません。
その場合は二回連続で成功しなければ情報は出ません。<目星>を二回か、<考古学>を二回、或いは<目星>と<考古学>を一回ずつのいずれかを選択することができます。
この祠には地下への階段があり、海底遺跡に繋がっています。
なこ、祠の地下への階段を降りる前に<聞き耳>を振ってください。成功した場合は、見えない何かが近くを通り過ぎていった気配を感じ取ることができます。
その他、レガリア島の情報については◆【エリア紹介:レガリア島】◆をご覧ください。
⑤海底遺跡を探索する。
海底遺跡
海底遺跡はエリアA、エリアB、エリアC、エリアD、エリアE、エリアFの六つのエリアで構成されています。
エリアAから侵入し、エリアFに辿り着くことができればシナリオが進展してイベントが発生します。
エリアFはどうやら玉座の間のようです。元は絢爛豪華な部屋だったようですが、時間の経過と共に風化して現在は色褪せています。
海底にある筈ですが、他のエリアと同様に空気があります。
玉座の間には既に先客がいます。探索者が玉座の間に近づけば、それがザグーマ=ナイツロークであることが分かります。
【海底遺跡でのザグーマ=ナイツロークとの遭遇イベントの描写】
そこにいたのは紛れもなく、リュレーエ港の観光課長であるザグーマ=ナイツロークだった。
ザグーマは探索者達の存在を気づくと、嘲りや蔑みが籠った眼差しを向ける。
「ああ、君達か。君達のおかげで長年解けなかった謎を解くことができた。君達には感謝しても仕切れないが……正直、もう用済みなんだよ、君達は。下賎な下々民の貴様らに改めて名乗ろう! 我はザグーマ=ナイツローク、かつてファゲルズァート大陸を支配したファゲルズァート王家の分家筋、ファゲルズァート王家の血を受け継ぐ最後の血の継承者だ。ファゲルズァート王家はファゲルズァート大陸と共に沈み、ようやく我らが天下を取れる時代がやってきたというのに、あの愚かしい先祖共はあろうことかその立場を捨てて平民となった。許し難きことだ! 世が世なら王として民草を支配できたというのに!! 貴様達、喜ぶがいい! 我が新たな王として戴冠する瞬間を目撃することができるのだ。そして、喜びに焦がれたまま散れッ!」
イベント終了後にザグーマ=ナイツロークとの戦闘が開始されます。
詳細は◆『エネミー図鑑』の情報◆をご覧ください。
ザグーマを倒した後、『月光を彷彿とさせる銀色に輝く王冠』をドロップします。
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・『月光を彷彿とさせる銀色に輝く王冠』
ファゲルズァート島の国宝クラスの品物。ファゲルズァート王家のレガリア。
ファゲルズァート王家の血を引く人間が装備すると自身の耐久値を1,000まで上昇させることができる。ファゲルズァート王家の血を引かない人にとっては無用の長物。
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ザグーマは【MAIN SCENARIO:ファゲルズァート島スタンプラリー】のラスボスですが、彼を倒してもシナリオはもう少し続きます。
⑥レガリア島からの帰還
ザグーマを撃破して砂浜に戻った探索者はファゲルズァート島の本土に戻ることになります。
その際、船頭に『月光を彷彿とさせる銀色に輝く王冠』を見せると以下のイベントが発生します。
「そ、それがファゲルズァート島の王家のレガリア!? 神々しくて直視できん! その品はファゲルズァート島の宝じゃ。ファゲルズァート島に譲って頂けると島民としては嬉しい限りじゃが、どうするべきかは宝を見つけたお主達が決めることじゃな。スタンプラリーを主催していた港町リュレーエか、王家の品々を管理しているゼルン丘陵か、もし譲る気があるのであればどちらかに交渉を持ちかけるのがいいだろう。勿論、どちらもお主達が納得できるだけの対価を支払ってくれるだろう」
このイベント後にファゲルズァート島に帰還したところでシナリオは終了を迎えますが、その後、『月光を彷彿とさせる銀色に輝く王冠』をどう扱うかで三つのルートに分岐します。
⑥′ 『月光を彷彿とさせる銀色に輝く王冠』を売却しない。
探索者の手元に『月光を彷彿とさせる銀色に輝く王冠』が残ります。探索者が使用可能なアイテムでもないため、メリットがないルートだと言えるでしょう。
⑥′′ゼルン丘陵の宝物殿に持っていく。
探索者がゼルン丘陵の宝物殿に『月光を彷彿とさせる銀色に輝く王冠』を持っていくと、宝物殿の責任者から「是非、ファゲルズァート島の国宝を寄贈して欲しい」と言われます。
寄贈する場合は、お礼として1,000,000,000円相当のお金と『早業バッジ』×1をもらうことができます。なお、こちらでは六版の<値切り>のような使い方での<言いくるめ>使用による値段の吊り上げはできません。
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・早業バッジ
装備しているともう一度行動できるようになるバッジ。一ターン中の自身の行動回数に+1する。
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⑥′′′港町リュレーエの町役場に行く。
港町リュレーエの町役場では連絡が取れなくなったザグーマの捜索が進められているらしく、町役場全体が騒がしくなっています。
受付に話をしに行く場合は、「ミシェールさんが責任者をしているので、何か知っている場合はミシェールさんにお伝えください」と誘導されます。
ミシェールにレガリア島で起こった事件について話すと以下のイベントが発生します。
【レガリア島事件後のミシェールとのイベント】
「なるほど……事情は分かったわ。まさか、課長がそんなことを考えていたなんて。とにかく本当に無事で良かったわ。そして、一島民として皆様に感謝申し上げるわ。彼の野望を打ち砕けなければ今頃、この島は大変なことになっていたでしょう。迷惑料込みでお礼をお渡しするわ。受け取って頂けないかしら?」
その後、ミシェールから30,000,000 円相当の迷惑料兼お礼を支払ってもらえます。
「しかし、まさかレガリア島にそんなものが残っていたなんてびっくりね。観光地化すればリュレーエの財政も潤うと思うわ。ザグーマ観光課長の一件でしばらくは大変だと思うけど、それが終わったらプロジェクトを進められるように関係各所に働きかけをしておこうかしら? って、ビジネスの話はここまで。また、何か困ったことがあったら遠慮なく言ってね。力になるわ」
上記のイベントはゼルン丘陵の宝物殿に『月光を彷彿とさせる銀色に輝く王冠』を売却していた場合も発生します。
このイベント後、まだ『月光を彷彿とさせる銀色に輝く王冠』を売却していない場合はミシェールに『月光を彷彿とさせる銀色に輝く王冠』のことを伝えて交渉することができます。
【『月光を彷彿とさせる銀色に輝く王冠』の売却イベント】
「『月光を彷彿とさせる銀色に輝く王冠』ね……レガリア島観光地化計画の目玉になりそうだし、もし売るつもりならリュレーエで買い取らせてもらうわ」
ミシェールは500,000,000円相当での購入を提案します。
値段を釣り上げたい場合は六版の<値切り>のような使い方での<言いくるめ>使用によって値段を吊り上げることができます。
<言いくるめ>は三回まで使用可能です。一回成功で800,000,000円相当、二回成功で1,100,000,000円相当、三回成功で1,600,000,000円相当となります。
交渉が成立すると交渉した金額と『力業バッジ』×1をもらうことができます。
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・力業バッジ
装備していると与えるダメージが二倍になる。
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⑥が終わったところで【MAIN SCENARIO:ファゲルズァート島スタンプラリー】はクリアとなります。エンディングはありませんので、他のクエストをこなすか、島から脱出するか、話し合って決めてください。なお、ここでシナリオをクリアしても、即座にセッションを終了することはできません。
◆ 【MAIN SCENARIO:コーヒー牛乳の謎を追え!】◆
【概要】
一部の銭湯を中心に爆発的な広がりを見せる、ミノタウロス印のコーヒー牛乳。
一杯飲めば疲れも吹き飛び、心も軽やかになり、生きる活力が湧いてくる魔法のコーヒー牛乳がファゲルズァート島のクレータ高原にあるミノタウロス牧場で飼育されているという噂を探索者達は温泉街アクアリーティアで耳にする。
興味を持った探索者達はミノタウロス牧場に赴き、特別な牛が育てられていることを知った。
中世時代に出現した『滅鬼積鬼』の血を引く特別な牛ミノタウロスを巡る牧場とミノタウロスを狙う謎の宇宙人達の攻防に探索者達は巻き込まれていく。
短編集のシナリオの中でフラグが一、二を争うレベルで分かりにくいですが、同時に『ファゲルズァート島奇譚集』の根幹部分に触れているシナリオでもあります。
なお、この章ではシナリオに直接関係しない火口遺跡についても取り扱います。
【主な登場人物(ネタバレあり)】
・アニェッロ=カティノス
イタリアの農村出身で、分子生物学者。
旅行先で偶然、神獣の一体である『滅鬼積鬼』の死体を発見し、その遺伝子を元に作り出した牛とホルスタインを掛け合わせることで特別な牛ミノタウロスを完成させた。
当初はイタリアの農村で牧場経営をしていたが、牛が謎の飛行物体によってアブダクションされる事態に悩まされていた。
そんな中で緋夏樹旅行株式会社から自然豊かで安全なファゲルズァート島の高原での牧場経営を提案され、謎の飛行物体に悩まされることなく更に質の良い牛乳を追求できるのではないかと考えて移住を決意し、探索者達よりも一便前の飛行機でファゲルズァート島にやってきた。
実はファゲルズァート島にやってきたのは探索者達よりも一便前だが、何故か牧場の存在を知られている。
高原には最初から牧場があったため、街の人達が知るのは先代の牧場主かと思われた……が、そう考えるとどう考えても辻褄が合わないことが出てくる。
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【NPC】アニェッロ=カティノス
耐久値:12 魔力量:15
STR:40
CON:45
SIZ:75
DEX:50
INT:80
POW:75
APP:65
正気度:75
ダメージボーナス:±0
1ラウンドにつき1回行動
技能
<科学(生物学):99%>
<母国語(イタリア語):100%>
<外国語(英語):70%>
<外国語(日本語):20%>
<回避:30%>
※その他の技能は初期値です。
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・グリジオ人
謎の飛行物体に乗ってくる宇宙人のグレイに似た宇宙人。ミノタウロスを執拗にアブダクションしようとする。
その正体は現在はグリジオ人基地と呼称されている魔導研究所で生み出された人工の宇宙人風生物。
【シナリオの導入】
ファゲルズァート島でのシナリオは全て開始するための条件、フラグが設定されています。そのフラグを立てることでシナリオを開始することができます。
【MAIN SCENARIO:コーヒー牛乳の謎を追え!】の場合は温泉街アクアリーティアの温泉(店の種類は問わない)でコーヒー牛乳に興味を持って情報収集することがフラグになっています。
ミノタウロス牧場のあるクレータ高原はシナリオ開始時点では探索場所に指定できませんが、温泉街アクアリーティアで牧場の所在地情報を得ると探索場所に指定できるようになります(具体的には路線バスで移動できる駅が一つ追加されます)。
【シナリオの流れ】
①コーヒー牛乳の存在を知り、調査に乗り出す。
シナリオ開始のためにはコーヒー牛乳の存在を知らなければなりません。
まずは、温泉街アクアリーティアに赴いてコーヒー牛乳を味わい、興味を持つところからシナリオは始まります。
コーヒー牛乳は温泉街の各宿の浴場の脱衣場の自販機や番台で購入することができます。購入後に、コーヒー牛乳について温泉街で聞き込みをすれば、「クレータ高原のミノタウロス牧場で作られている」ことが分かります。
この情報を入手しておかなければ、路線バスの駅にクレーター高原が追加されないため、必ず聞き込みをしておきましょう。
なお、月輪の宿屋の檜の露天湯にいるクトゥグアでも同様のフラグを立てることができます。クトゥグアとの邂逅及び彼女から情報を得ることは強力なNPCであるアザトースを味方にするためのフラグにもなっているので、クトゥグアに会っておくといいでしょう。
その他、温泉街アクアリーティア周辺の情報については◆【エリア紹介:温泉街アクアリーティア】◆をご覧ください。
②クレーター高原を訪問する。
バスに乗り、追加されたクレーター高原のバス停で降ります。
クレーター高原のバス停から歩いて数分でミノタウロス牧場の牧場に到着することができます。
エリアは牧場、牛舎、牧場主の家、牧場の店の四つに分かれています。
詳細は◆【エリア紹介:クレーター高原】◆をご覧ください。
探索者が牧場に入った瞬間にイベントが発生します。
【イベント:牧場アブダクション その一】
探索者が牧場に入ると、牛達がゆっくりと草を喰むのどかな牧場の空気を切り裂くように突如として無数の銀色に輝く円盤がやってくる光景を目撃します。
円盤は光を照射して牛を捕まえ、連れ去ろうします。二、三体ほどの牛が光に包まれて抵抗虚しく円盤の中に連れ去られてしまいました。
その光景を目撃した探索者達は<SAN値チェック:0/1D4>です。
明らかにUFOと思われる飛行物体からステレオタイプの宇宙人と思われる者達が二体降り立ちました。
大きく灰色の肌に、巨大な頭部と大きな黒い目、退化した鼻と口が特徴的なステレオタイプの宇宙人、グレイ人を彷彿とさせる宇宙人は、銃の形をした何かを探索者達の方へ向けます。
ここで、グリジオ人との遭遇による正気度ロール、<SAN値チェック:1/1D6>が発生します。
UFOはグリジオ人二体を下ろすと去っていきます。その後、グリジオ人×2、ミノタウロス×8、探索者達による三つ巴の戦いが開戦します。
【第一次三つ巴戦のルールについて】
クレーター高原での戦闘は必ず探索者、ミノタウロス、グリジオ人による三つ巴戦闘になります。
今回の戦いではミノタウロスはグリジオ人だけでなく探索者達にも警戒しているため、探索者が攻撃対象に選ばれる可能性も高い状態です。
なお、基本的には戦闘して勝利しなければ情報が記録されない『エネミー図鑑』ですが、ミノタウロスと交戦する必要はありません。
ですが、戦いたい場合はクレーター高原での三つ巴戦しかチャンスがないため、戦っても構いません。
なお、ミノタウロスを撃破しても特に支障はありません。
③ミノタウロス牧場の主人から事情を聞く。
第一次三つ巴戦の終了後、牧場主であるアニェッロ=カティノスがやってきます。
アニェッロはグリジオ人を倒してくれたことへの感謝を述べるとともに置かれている状況を教えてくれます。
なお、アニェッロの母国語はイタリア語ですが、言語は探索者達に合わせてくれます。
「突然のことで驚かれたと思います。まずは、助けてくださりありがとうございました。私はアニェッロ=カティノスと申します。イタリアで分子生物学者をしていましたが、数年前にこのミノタウロスという特別な牛を生み出して以来、牧場主として働いています。以前は故郷イタリアの農村でミノタウロスを育てていましたが、あの宇宙人達がミノタウロスを攫い始めてしまいまして……困っていたところを夏蜜さんという方から提案を受けてこの島に来たのですが、あの宇宙人達の襲撃は減るどころか増すばかりでして……もし、よろしければ私の力になってくれませんか? どうやら、あの宇宙人達は山の方からやってきているみたいなのですが、私達だけでは牧場を守りながら宇宙人の調査をするのは難しく……勿論、相応のお礼はされて頂きますし、滞在期間中の食住も提供させて頂きます」
アニェッロの提案に応じた場合、牧場主の家の利用が可能になります。
なお、ここで応じない場合はシナリオが進展しませんが、牧場主の家を除く施設利用は可能です。
④ヴェスピオス山を目指す。
探索者はここからヴェスピオス山を目指すことになります。
クレーター高原は大樹海の北区画と通じているので、大樹海を経由してヴェスピオス山を目指しましょう。
推奨コースはN-8を出発してN-25、N-36、N-47、N-52と進んでいくルートです。このルートではN-8での拾ったよ小僧のイベントもこなすことができます。
詳細は◆【エリア紹介:大樹海】◆をご覧ください。
ヴェスピオス山に到着したら、ヴェスピオス山登山道を道なりに進んで頂上を目指します。
詳細は◆【エリア紹介:ヴェスピオス山】◆をご覧ください。
山頂に到着すると、グリジオ人基地を発見することができます。なお、クレーター高原でのイベントをこなしていない場合は、十億体を超えるグリジオ人が基地前に待機しています。正攻法での侵入はおろか、あらゆる技能を使っても施設内に侵入することはできません。
このグリジオ人達はイベントをこなした状態です来た場合、姿を消しています。
ミノタウロス牧場で準備を進めるという場合もあると思いますが、ミノタウロス牧場滞在中は朝、昼の二回、グリジオ人達の襲撃が発生します。
【第二次以降の三つ巴戦のルールについて】
クレーター高原での戦闘は必ず探索者、ミノタウロス、グリジオ人による三つ巴戦闘になります。
ミノタウロス達は探索者達を信頼しているためグリジオ人のみを攻撃対象に選びます。
襲撃を仕掛けてくるのはグリジオ人とグリジオUFOでグリジオ人は1D8体、グリジオUFOは1D3体出現します。
なお、襲撃を退けると毎回アニェッロからお礼として100ユーロをもらえます。
⑥グリジオ人基地を攻略する。
探索者達はグリジオ人基地に突入し、探索を進めていきます。
施設の情報及び、シンボルエンカウントについてはグリジオ人基地の項目にほとんど書いてあるため、詳細は◆【エリア紹介:ヴェスピオス山】◆をご覧ください。
基本的にはセキュリティクラスのカードキーを集めつつ、施設の奥を目指すことになります。
この項目では 【MAIN SCENARIO:コーヒー牛乳の謎を追え!】のラスボス戦の舞台となる【18】の描写と部屋の情報を記しておきます。
【グリジオ人基地エリア18突入時の描写】
そこは、基地内でも一際大きい部屋のようだった。
探索者達は様々な精密機器が並んだこの部屋を目の当たりにして、グリジオ人基地において重要の場所なのだろうと察するだろう。
その部屋の一角には鎖に縛り付けられた何者かの姿があった。
頭部が無く手のひらに濡れた口があり、白熱して膨れあがったぶよぶよとした体をした裸の人間に似た姿の旧支配者を目の当たりにした探索者達は<SAN値チェック:1/1D10+1>です。
探索者達の視線がイゴーロナクに注がれている中、機器を操作していたグリジオ人が立ち上がる。
それは、これまで戦ってきたグリジオ人とは明らかに異なる風格を持っていた。
グリジオ・マスターの姿を目撃した探索者達は<SAN値チェック:0/1D6>です。
グリジオ・マスターはイゴーロナクの鎖を解き、イゴーロナクと共に探索者達に襲い掛かってきます。
イゴーロナクとグリジオ・マスターを撃破すると部屋の探索が可能になります。
部屋に並んでいる様々な機器に対して<機械修理>を振って成功すると、「グリジオ人と呼ばれる架空の宇宙人を生成するプラント」であることが判明します。なお、この機械を破壊してもグリジオ人系の敵との遭遇率が低下することはありません。
また、グリジオ人の生産も止まっているようです。
グリジオ・マスターを撃破すると、ミノタウロス牧場への襲撃が収まります。
脱出方法は来た道を戻るか、【19】の部屋で『透視スコープ』を使ってワープホールを見つけ、ワープホール経由で戻るかの二択です。どちらのルートでもシナリオクリアはできます。
ただ、グリジオ人基地には探索していない箇所があるため、探索を進めることを推奨します。
⑥′火口遺跡を目指す。
【19】の部屋で『透視スコープ』を見つけ、ワープホールを経由しながら更に先を目指すと、【21】で扉を発見することができます。
この扉は今までに獲得したセキュリティクラスのカードキーではないため、『セキュリティクラス4のカードキー』が必要となります。
『セキュリティクラス4のカードキー』を探すために探索者達はもう一度施設全体を探索することになるでしょう。ちなみに『セキュリティクラス4のカードキー』は【1】の部屋に隠されています。
『セキュリティクラス4のカードキー』を使って鍵を開けると火口遺跡に出ます。
必要な情報は全て火口遺跡の項目にほとんど書いてあるため、詳細は◆【エリア紹介:ヴェスピオス山】◆をご覧ください。
ここでは、火口遺跡のエリア15 突入時の描写と部屋の情報を記しておきます。
【火口遺跡のエリア15 突入時の描写】
その場所は、マグマの熱気に包まれた火口遺跡の中の最深部のようだった。
部屋の奥には巨大な機械が見える。機械は既に機能を停止しており、僅かな駆動音も立てていない。
しかし、この場所でナニカが行われていたのは確かだろう。探索者達はグリジオ基地を探索してもついぞ発見できなかったグリジオ人達の目的を調査するために機械に近づこうとして……突如現れた巨大なナニカに阻まれる。
そこには無形の塊が粘液と蒸気の中で横たわっていた。
頭もなく、器官や手足もない肉塊はジクジクとしたその側面からゆっくりとした波状運動によってアメーバのようなものを吐き出し、またそれを捕らえては食らっている。
ウボ=サスラの姿を目撃した探索者達は<SAN値チェック:1D8/5D10>です。
その後、ウボ=サスラとの戦闘が開始されます。ウボ=サスラを撃破することで、部屋を探索することが可能になります。
どうやら研究室として使われている部屋のようで、部屋の奥に巨大な機械が見えます。また、機械の近くに研究机を発見することができます。
謎の機械に対して<機械修理>の技能を振って成功しても高度過ぎる技術が使われているため具体的に何を目的とした機械なのか判明しません。
研究机を探索する場合は、メモと資料、『叡智の螺旋の鍵』を見つけることができます。
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・資料
あまりにも高度な技術が使われている機械の図面。理解できないため、当然正気度ロールも発生しない。
辛うじて、この機械がミノタウロス牛からエネルギーを取り出して結晶化する機械であることが読み取れる。
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・謎のメモ④
実験の期間は三十一日間とした。化学反応を発生させるための外部の人間も目処が立った。
現実改変能力は偉大だ。違和感を感じさせずに自然と人を集めることができた。
とはいえ、実験の成功・失敗の有無にも関係なく厄介な連中が嗅ぎつけてくる可能性が高いため、この島は実験期間の終了後に消滅させることにしよう。
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・叡智の螺旋の鍵
創造神フェルマダの化身の光輪を模した鍵。果たしてどこの鍵なのだろうか?
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謎のメモ④を読んだ探索者は<アイデア>を振ってください。成功した場合、「三十一日間」という期間に引っ掛かりを覚えた探索者達は「あれ? 緋夏樹夏蜜と緋夏樹旅行株式会社って滅茶苦茶怪しくね?」と閃きます。
また、機械を詳しく調べる場合、『光金の欠片』を入手することができます。
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・『光金の欠片』
異界に住まう創造神フェルマダの力の結晶。<絶望のオーラ>や<神威のオーラ>を無効化することができる。残念ながら、今は創造神に会うことができないようだ。
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⑦牧場に帰還する。
牧場に戻るとイベントが発生します。
探索者達の方にアニェッロが駆け寄ってきます。
【イベント:グリジオ人撃破後】
「もしかして、奴らの本拠地を壊滅させてくれたのか!? あれ以来襲撃がぴたりと止んだんだよ! 助かった!」
その後、アニェッロからお礼として6,132ユーロと『コーヒー牛乳フリークバッジ』×1をもらうことができます。
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・コーヒー牛乳フリークバッジ
装備していると所持しているコーヒー牛乳の数×10、クレータ高原の幻のコーヒー牛乳×100、現在耐久値が増加する。
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「ああ、それと、牧場の店でサービスさせてもらいますね。それと、うちに泊まりに来てくれたら引き続き宿泊は無料にするから、今後も沢山お礼をさせてください」
【MAIN SCENARIO:コーヒー牛乳の謎を追え!】をクリア後は牧場のお店の値段が半額になります。
⑦が終わったところで【MAIN SCENARIO:コーヒー牛乳の謎を追え!】はクリアとなります。エンディングはありませんので、他のクエストをこなすか、島から脱出するか、話し合って決めてください。なお、ここでシナリオをクリアしても、即座にセッションを終了することはできません。
◆ 【MAIN SCENARIO:呪われし館の殺人事件】◆
【概要】
港町リュレーエの街中で探索者達はキャスケット帽にトレンチコートといういかにも探偵という姿の少女と出会う。
探偵風の少女曰く、彼女は世界的な探偵である護堂晴充の弟子である氷岡玲奈で、元々はこの島にある呪われた館と呼ばれる屋敷の調査のためにやってきたものの、護堂のライバルである大泥棒盗道燦星がウェーバード博物館の秘宝『金剛の涙』を盗むという予告状が届き、そちらに興味を持ってしまい一人で呪われた館に向かい事件解決をするよう言われて港町リュレーエに放置されてしまった。
彼女の境遇を見かねた探索者達はヴェスピオス山の樹海深くにある呪いの館に向かうことになる。
地殻変動によって生じた崖に架けられた吊り橋を渡ると、そこには呪いの館に興味を持ったという五人の先客達がいた。
誰もいない館で探索者達と玲奈、五人の先客達は一夜を過ごすが、その夜に事件が発生してしまう。
更に夜に落雷が発生して吊り橋が燃えてしまった。
館に残された探索者達は玲奈達と共に事件の解決、そして館の呪いの謎を解くことになる。
【主な登場人物(ネタバレあり)】
・氷岡玲奈
世界的な探偵である護堂晴充の弟子。昔見た探偵アニメの影響で探偵を志望するようになった。
探偵小説についても知識が豊富で、アガサ・クリスティの長編推理小説『そして誰もいなくなった』についても詳しい。
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【NPC】氷岡玲奈
耐久値:13 魔力量:13
STR:55
CON:70
SIZ:60
DEX:55
INT:60
POW:65
APP:65
正気度:65
ダメージボーナス:±0
1ラウンドにつき1回行動
技能
<近接戦闘(格闘):40%>
<推理:50%>推理に特化した技能。事件に関連する情報調査や推理の組み立てに長ける。この技能に成功した場合、事件解決に繋がるヒントを閃くことや、手に入れた情報から犯人を導くことができる。
<信用:60%>
<説得:50%>
<言いくるめ:50%>
<法律:30%>
<科学(法医学):70%>
<変装:40%>
<回避:60%>
<図書館:70%>
<目星:60%>
<聞き耳:60%>
<母国語(日本語):80%>
<外国語(英語):60%>
<外国語(フランス語):60%>
※その他の技能は初期値です。
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・九条菜月
財閥九条家のご令嬢。怖いものみたさに執事と共に呪いの館にやってきた。
庶民を見下す典型的なお嬢様のような性格。
高校時代にお嬢様学校でグループを形成し、気に入らない下級生の女子生徒に執拗にイジメを行い、自殺に追いやった。
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【NPC】九条菜月
耐久値:12 魔力量:12
STR:40
CON:60
SIZ:60
DEX:50
INT:50
POW:60
APP:100
正気度:60
ダメージボーナス:±0
1ラウンドにつき1回行動
技能
<魅惑:50%>
<回避:20%>
<母国語(日本語):70%>
※その他の技能は初期値です。
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・土方獅童
財閥九条家の執事。九条菜月に振り回されている。
過去にとある子爵家に仕えていたが、ギャンブルで作った借金のために子爵家の金に手をつけ、それを知った子爵に警察に突き出されそうになったところを殺害したという過去がある。
その事実を九条家の当主に知られ、使用人として飼い殺しにされている。
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【NPC】土方獅童
耐久値:17 魔力量:12
STR:80
CON:70
SIZ:95
DEX:70
INT:70
POW:60
APP:50
正気度:60
ダメージボーナス:+1D6
1ラウンドにつき1回行動
技能
<威圧:50%>
<運転(自動車):80%>
<心理学:20%>
<跳躍:40%>
<文書偽造:70%>
<母国語(日本語):60%>
※その他の技能は初期値です。
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・アドルフ・バルシュミーデ
ドイツ出身で新日家。オカルト雑誌の記者で、呪いの館の調査のためにやってきた。
元はゴシップ記事の執筆者で、ある政治家一家の周囲を嗅ぎ回って執拗に取材をして、心が病ませて政治家の妻と娘を自殺に追い込んだ。
-----------------------------------------------
【NPC】アドルフ・バルシュミーデ
耐久値:14 魔力量:18
STR:60
CON:60
SIZ:80
DEX:60
INT:90
POW:90
APP:55
正気度:90
ダメージボーナス:+1D4
1ラウンドにつき1回行動
技能
<芸術(写真術):80%>
<記事のネタを見つける記者の嗅覚:90%>
<ゴシップ記事で精神攻撃する:80%>
<ゴシップ記事で社会的に破滅させる:80%>
<製作(ゴシップ記事):100%>
<製作(オカルト記事):50%>
<母国語(ドイツ語):80%>
<外国語(英語):30%>
<外国語(日本語):20%>
※その他の技能は初期値です。
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・羽馬一郎
一世を風靡するアイドル騎手。彼のおかげで日本競馬界が空前絶後の盛り上がりを見せているが、その裏では競馬を利用した八百長を行っていた。
その事実を記者の一人に知られると繋がっていた暴力団組員を使って記者を殺害し、その罪を隠蔽した。
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【NPC】羽馬一郎
耐久値:16 魔力量:12
STR:80
CON:70
SIZ:90
DEX:90
INT:80
POW:60
APP:85
正気度:60
ダメージボーナス:+1D6
1ラウンドにつき1回行動
技能
<乗馬:60%>
<威圧:50%>
<言いくるめ:30%>
<信用:80%>
<魅惑:40%>
<母国語(日本語):60%>
※その他の技能は初期値です。
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・ローレンス・ジェーン・ワトスン
ステイツの著名な判事。
極めて厳格な裁判官で正義感に溢れる人物である一方、彼の担当した事件は有罪判決に溢れており、一部では「首吊り判事」と呼ばれている。
本人曰く、「一切の主観を捨てて客観的な証拠を積み重ねていった結果、有罪になる場合が多いとのこと。また、何故か死刑が相応の事件ばかり担当することになる」とのこと。
どこからともなく五人の罪が読み上げられた翌日、頭を潰された死体として発見された。第一の犠牲者。
※実は屋敷に罪人を集めた張本人。幼少期から生き物が死ぬのを見たり殺したりして喜ぶ嗜虐趣味とそれとは対極にある罪のない人や動物を苦しめ殺したりすることを断じて我慢できない強い正義感を持ち合わせていた。それら全てをほぼ満足させてくれる司法職に就き、手掛けた事件は全て、感情に動かされず証拠のみに則って公正に裁いていた。しかし近年、自分をコントロールする力が弱くなり、自分で人を殺したくなってしまう。それもただ殺すのではなく、稀有で不可能と思えるような殺人をしたいと考えるようになってしまった。一方で、生来の正義感が罪もない人を苦しませてはならないと邪魔をした。そんな中で他の四人の罪を知り、司法で裁けない四人を殺害して断罪を行おうと目論んだ。……要するに『そして誰もいなくなった』のローレンスと同じような人物だが、自身が殺しに手を染める前に屋敷の呪いによって殺されてしまった。
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【NPC】ローレンス・ジェーン・ワトスン
耐久値:11 魔力量:8
STR:50
CON:50
SIZ:60
DEX:40
INT:100
POW:80
APP:50
正気度:0
ダメージボーナス:±0
1ラウンドにつき1回行動
技能
<射撃(拳銃):100%>
<法律:100%>
<信用:90%>
<図書館:90%>
<外国語(英語):100%>
<外国語(日本語):50%>
※その他の技能は初期値です。
-----------------------------------------------
・マエストロ=デイヴィ・エイハブ
呪われし館の主人。元は人間だが、魔術を使って吸血鬼となった。
若くして父母を亡くして屋敷と莫大な財を受け継ぐ。偏屈な人物であまり人付き合いをしていなかった。
家族と思い出を大切にしており、いつまでも屋敷を守るべく財を投じて魔術により吸血鬼になる。
その後、マエストロが姿を消したため屋敷は他人の手に渡ることになったが、その度にマエストロが殺害して館は呪われた館として恐れられるようになった。
【シナリオの導入】
港町リュレーエの市場で探偵風の格好をした氷岡玲奈に話し掛けて頼みを聞くことがフラグになっています。
呪われた館のある大樹海はシナリオ開始時点では探索場所に指定できませんが、玲奈から所在地情報を得ると探索場所に指定できるようになります(具体的には路線バスで移動できる駅が一つ追加されます)。
【シナリオの流れ】
①港町リュレーエの市場に行く。
ここでは、まず港町リュレーエ市場に入った時の描写の一例を示します。
【港町リュレーエ市場の描写の一例】
港町リュレーエの市場は、様々なお店が乱立して活気に満ち溢れているようです。その中に、明らかに現地民でも観光客でも無さそうな服装の少女を見つけます。
茶色のキャスケット帽に、同色のケープコート、その下に薄緑色のワンピースを着た可愛らしい雰囲気の少女は少し挙動不審で何やら困惑しながら周囲を見回しています。
背中には大きなリュックサックを背負い、手には虫眼鏡を持っている姿から、彼女が探偵かそれに類する仕事についていることに探索者は気づくでしょう。
探索者は何やら困っている様子の少女に話しかけてもいいですし、話しかけなくても構いません。
探偵風の少女に話しかけた場合、イベントが発生します。
【イベント:探偵助手の少女との出会い】
探偵風の少女(???)「あっ、あの!! 挙動不審でしたよね? す、すみません。私は氷岡玲奈と申します。探偵の護堂晴充の弟子をしています」
ここで探偵・護堂晴充を知っているか特殊なアイデアロールを行います。
護堂晴充は有名な探偵なので、<アイデア>に+30%して振ってください。
成功した場合、「護堂晴充が世界的に有名な名探偵であること」と、「伝説の怪盗、盗道一聖の孫に当たる大泥棒、盗道燦星とライバル関係にあること」が分かります。
失敗した場合は<コンピュータ>に成功することで上記の情報が入手可能です。
玲奈「私は護堂先生と一緒に依頼を受けて大樹海の中にある呪いの館を調査することになっていたのですが……先生は島に着くや否や、盗道燦星がリンプレントにあるウェーバード博物館が所蔵する『金剛の涙』と呼ばれる宝石を盗むと予告したと耳にしてしまいまして、依頼のことは私に任せて大都市リンプレントまで一人で行ってしまわれたのです。……の、呪われているっていう噂の館に一人でいくのが怖くて怖くて……助けて頂けませんか?」
ここで玲奈の求めに応じた場合、玲奈が仲間に加わります。断った場合も再び話しかけることで依頼を受けることが可能です。
なお、玲奈を仲間にしたまま本シナリオを放置して探索を進めることもできますが、その場合は玲奈から「早く大樹海の館に行きましょうよ!」としつこく催促されます。
流石に玲奈が全ルートでしそうな反応を纏めることは厳しいので、 【MAIN SCENARIO:呪われし館の殺人事件】での描写を参考にそれっぽくロールプレイしてください。
なお、この時、東側大樹海のバス停の場所を教えてもらうことができます。
②呪いの館に向かう。
大樹海を経由して呪いの館に向かいます。玲奈から教えてもらえる大樹海駅を使うのが最短経路です。
大樹海を探索して、東側大樹海のE-16に向かってください。入ると自動でイベントが発生します。
【イベント:呪いの館前①】
草木が生い茂る大樹海――見渡すばかり木々ばかりの森の中に急に拓けた場所が現れます。
目の前には大きな谷があり、吊り橋が一つだけ通されているようです。反対側には少し古そうな大きな屋敷が見えます。
玲奈「あっ、あれが……呪いの館ですか?」
???「おう? 嬢ちゃん達も肝試しか? それとも、俺と同じように仕事か?」
吊り橋を渡ろうとしていた男が探索者達や玲奈の存在に気づいて戻ってきました。
禿頭の男は西洋人らしい顔立ちで青い瞳を分厚いサングラスで隠しています。
リュックサックを背負っただけの軽装で、首からはカメラを下げているようです。
???「もしかしてジャパニーズか? 俺は日本が好きで、何回も行ったことがあるぜ。名乗るのが遅れたが、アドルフ・バルシュミーデだ。今はオカルト雑誌で記者をしている。観光に来ていたら呪いの館の噂を聞いたんで、仕事をしに来たって訳さ。ほら、行くならさっさと行こうぜ!」
玲奈「ううっ……こういう吊り橋って苦手だけど、勇気出さないと! みなさん、行きましょう!」
その後、探索者達は玲奈とアドルフを追って呪いの館に向かうことになります。
呪いの館エリアに到着すると、探索者達はアドルフに続いて玲奈と共に屋敷に入ります。
なお、鍵は空いていたようです。
エントランスに入ったところで再びイベントが発生します。
【イベント:呪いの館エントランスにて】
館に入ったところで新たに探索者達は四人の男女と会うことになります。
一人目は黒髪姫カットの東洋人の少女で、高級そうなワンピースを着ています。身につけているアクセサリーや宝飾品も全て高級品のようです。
そんな典型的な現代のお嬢様のような少女の左後ろに待機するように立っていたのが執事服を纏った東洋人の男でした。
少女達と反対の方に視線を向けると、真っ白なスーツを着た高身長のイケメンと、いかにも真面目そうな西洋人の老人でした。
???(お嬢様風)「あら? 折角、この呪われた館がどれほど恐ろしいものなのか私が調査して嘘偽りしかないことを証明しようと思っていましたのに、こんなにぞろぞろと……それもほとんど庶民の方ばかり。いいかしら? 私と貴方達は本来、住む世界が違うのよ! この九条財閥の令嬢であるこの私、九条菜月とは! ああ、羽馬様はいいのですわよ! お目にかかれて光栄ですわ!」
???(執事風の男)「お嬢様、流石にそのようなことをおっしゃるのは……」
菜月「あら? 土方獅童、私に口答えするというの? いつからそんな大層な身分になったのかしら?」
???(羽馬と呼ばれたスーツ姿の男)「まあまあ、お嬢さん。僕に免じて許してあげてくれないかな? 初めまして、僕は羽馬一郎、日本で騎手をしているよ。今は休暇中なんだけど、招待状をもらってこの島に来たんだ。……ところで、ちょっとは名前が知られていると思うんだけど、特にそこの可愛い探偵風のお嬢さんは知っていたりするのかな?」
ここで羽馬一郎を知っているか特殊なアイデアロールを行います。
羽馬一郎は一世を風靡するアイドル騎手なので、<アイデア>に+20%して振ってください。
成功した場合は「一世を風靡するアイドル騎手で彼のおかげで日本競馬界が空前絶後の盛り上がりを見せている」ことを探索者達は知っていていいでしょう。クリティカルした場合は「その裏で競馬を利用した八百長を行っているという噂がある」ことを思い出します。
失敗した場合は<コンピュータ>に成功することで上記の情報が入手可能です。
なお、玲奈の<アイデア>は自動失敗です。
玲奈「す、すみません……私、競馬には興味がなくて」
一郎「ああ、未成年だからかな? 僕の名前を知らない人がいる……まだまだということだね」
菜月「羽馬様、そんな庶民の相手より、私とお話ししませんか? その方が羽馬様にとっても有意義だと思いますわよ。獅童、ほら、貴方は食事の準備でもしていなさい」
菜月と一郎はそのまま階段を上がって上の階に消えていきます。
獅童も「お嬢様が申し訳ございません」と言って【2厨房】の方へと消えていきました。
アドルフ「騒がしい奴らだったな……じゃ、俺もちょっくら探検してくるぜ。泊まれそうな部屋見つけておきたいしなぁ」
アドルフも二人の後を追うように上の階に消えていきました。
???(真面目そうな老人)「挨拶が遅れたな。私はローレンス・ジェーン・ワトスン、ステイツで判事……君達の国で言うところの裁判官をしていた。どうやら彼らも私と同じように招待状を受け取ってこの屋敷に来たようだ」
玲奈「招待状、ですか?」
ローレンス「ああ、いずれも差出人の名前はなく、緋夏樹旅行代理店のチケットが手紙に同封されていたようだな。では、私はこれにて失礼する。……私達は招待されたが、ここは呪いの館と呼ばれているような場所だ。あまりこのような場所に好奇心で居ない方がいいと思うぞ」
玲奈「わ、私だって怖いですよ! でも、探偵の護堂先生が館の調査を引き受けたのに、先生は他のことに夢中で……依頼を放置する訳にもいかないですし、仕方ないんです!!」
ローレンス「そうか……お嬢さんにも色々とあるのだな。……これも致し方のないことか」
そう言い残してローレンスは去っていきます。
③自由に屋敷を探索せよ。
ここからは屋敷を自由に探索することができます。
なお、一つの部屋を探索するのにかかる時間は十五分、階の違う部屋を探索するのにかかる時間は二十分とします。
探索可能な時間は六十分で、探索終了と同時に食事の時刻になるため、探索者達は獅童に呼ばれて【1晩餐室】に向かうことになります。
なお、今回の探索では玲奈は同行せず、三階の【32客室6】で荷解きをしています。玲奈を同行させたい場合は【32客室6】で玲奈と合流してから探索を進めてください。
この探索終了後、探索者がいつのタイミングで屋敷に到着した場合でも自動的に時間が午後六時、十八時となります。
※ 【1晩餐室】のガラスケースの人形は、この段階では五体しかいません。また、机を調べてもラジカセを発見することはできません。
④呪いの館一日目、夜
【1晩餐室】に集まり、獅童が用意した夕食を食べることになります。
【イベント:晩餐室にて】
獅童「そういえば、屋敷には既に食材が用意されていたのですが、どなたが用意したのですか?」
一郎「僕ではないよ」
アドルフ「俺でもないな」
ローレンス「私でもない」
玲奈「こ、怖いこと言わないでくださいよ!」
その後、探索者達も揃って食事をはじめようとするのですが、唐突に部屋の電気がバシッと消えてしまいます。
ここで全員、<聞き耳>を振ってください。ハード成功で「カチッ」という小さな音が聞こえたという情報を得られます。
???『淑女ならびに紳士の皆さん、お静かに。貴方方は次に述べる罪状で告発されている。九条菜月、貴女は高校時代に学校でグループを形成し、気に入らない下級生の女子生徒に執拗にイジメを行い、自殺に追いやったのは貴女だ』
菜月「はぁ? なんのことよ!! 自殺に私達は関係ないでしょ! あんなの勝手に死んだだけじゃない!! それに、ほら、手を汚したんじゃなくてちょっとほら虐めただけっていうか? 全部あいつが悪いに決まっているんでしょ! それなのに、死んでも私に迷惑かけて、本当に腹が立つわ!」
???『土方獅童、子爵家に仕えていた時に、ギャンブルで作った借金のために子爵家の金に手をつけ、それを知った子爵に警察に突き出されそうになったところを殺害したのは貴方だ』
菜月「はぁ!? まさか、獅童! 貴方殺人者だったの!?」
獅童「ち、違う! おい、どこのどいつか知らねぇがふざけんなよ!!」
???『アドルフ・バルシュミーデ、ゴシップ記者時代にある政治家一家の周囲を嗅ぎ回って執拗に取材をして、心が病ませて政治家の妻と娘を自殺に追い込んだのは貴方だ』
アドルフ「えぇ、私は以前ゴシップのライターをしていましたとも。ですが、政治家とその周辺を監視して、正しいメディアとして読者の皆様に情報を発信する、それが我々ジャーナリストの役目なのですよ。まあ、近年はSNSなどという玉石混交のメディア擬きのせいで偽情報が拡散され、挙句メディアへのネガティブキャンペーンなんてものもされていますから商売上がったりなんですけどね。おかげで私もオカルト方面に転職せざるを得ませんでしたから」
ローレンス「……メディアが必ずしも正義だとは言えないだろう。偏向報道、でっちあげ、切り取り……君達ブン屋も罪がないとは言えないだろう? それに、執拗な取材の果てで人死が出て、それで罪を犯していないと言えるのか?」
アドルフ「それこそ、さっきのお嬢さんみたいに無関係な話ですよ。自殺との因果関係を示す証拠をご用意くださいな。そういうの得意でしょ、法律畑の判事さん。というか、アンタの方が人殺しているだろ? 『首吊り判事』殿」
???『ローレンス・ジェーン・ワトスン、罪のない多くの被疑者に死刑を宣告して、冤罪の者達を殺してきたのは貴方だ』
アドルフ「だってよ……やっぱりアンタ」
ローレンス「私は一切の主観を捨てて客観的な証拠を積み重ねていった。その結果、有罪になる場合が多かっただけだ。それと、何故か死刑が相応の事件ばかり担当することになった。まあ、極悪人達ばかりを引き寄せた私はある意味で死神かもしれないな」
???『羽馬一郎、競馬を利用した八百長を行い、その事実を記者の一人に知られると繋がっていた暴力団組員を使って記者を殺害し、その罪を隠蔽したのは貴方だ』
一郎「この私が暴力団と繋がって八百長? 一体どこに証拠が? というか、さっきからなんです! こそこそしていないで出てきなさい!!」
???『裁きの座の被告人達、貴方達に申し開きはできるか?』
ここで音は止みます。
菜月「本当に最悪な気分だわ! ねぇ、そこの庶民! 貴方、探偵なんでしょ! とっとと事件を解決なさい! 私は部屋に帰って寝るわ!」
獅童「お、お待ちくださいお嬢様!!」
菜月と獅童は部屋を去っていきます。
アドルフ「なんか面白いことになってきたな! 呪われている館で、罪を裁くってか! こいつは面白い! 帰ったら記事にして出版してやるぜ! じゃ、嬢ちゃん達! 事件解決は頼んだ! 俺はこの館の呪いの方を調べないといけないからな!」
一郎「では、私もこれで。……しかし良かったですね。貴方達が名前を呼ばれなかったということは、殺されずに済みそうということなのでしょう? ああ、羨ましいことこの上ない!」
ローレンス「私も失礼するよ。少々眠くてね……少し先に横にならせてもらおう」
④′晩餐室を探索しよう。
この日の夜の探索は晩餐室限定となります。
【1晩餐室】の詳細は◆【エリア紹介:呪いの館】◆をご覧ください。
探索後は三階に移動して、客室の空き部屋から好きな部屋を選び、就寝となります。なお、二日目以降の就寝とは違って強制睡眠です。
また、先ほどのイベントを思い出して<アイデア>を振ることができます。成功した場合は「あれ? この展開に似た推理小説があったような」とデジャブを感じます。クリティカル成功した場合はそれがアガサ・クリスティの長編小説『そして誰もいなくなった』であることが分かります。
まあ、このタイミングで玲奈から話を聞くことも可能です。
玲奈「今回の事件なんですけど……アガサ・クリステ先生の推理小説にそっくりなんです。十人の小さな兵隊さんに準えられて一人ずつ湖東に集められた人達が殺されていくのですが……その事件の状況にそっくりで。まだ証拠はないので決めつけはできないですが、犯人は……ローレンス判事じゃないかと疑っています。名前も一緒ですし……流石に偶然って切り捨てるのは……」
この推理はローレンスが死んでいないこの日にしか聞けないセリフです。それ以外の日だと以下の台詞に変化します。
玲奈「私、ローレンスさんを疑っていたのですが……彼が違うとなると一体誰が犯人なんでしょう? みんな怪しく見えてきます! それに、呪いの可能性もあるんですよね……えぇ、私は嘘だと思っていますよ! ちゃんと犯人はこの中に居る筈です! 探偵見習いとして見つけないと!!」
⑤二日目、ローレンス死す。
朝になると同時にイベントが発生します。
【イベント:第一の犠牲者ローレンス】
探索者達は部屋の外から聞こえてきた男の声で目を覚まします。部屋の外に出ると、ローレンスの部屋の扉を開けた獅童が真っ青な顔で立っていました。
彼の声に反応したのか、玲奈、菜月、アドルフ、一郎が部屋から飛び出してきます。
探索者達が部屋の中を見ると、そこには頭を潰されたローレンスだったモノの死体が横たわっていました。
知人の凄惨な死を目撃した探索者は<SAN値チェック:1/1D4+1>です。
菜月「あ……朝から嫌なものを見たわ。食欲が失せちゃったじゃない」
アドルフ「俺は正義感があるローレンスがやっているんじゃないかと睨んでいたが……こうなってくると全員疑わしくなってくるな」
一郎「こうなってくると屋敷を出たくなるね。外を見てくるよ」
アドルフ「じゃ、後は任せたぜ探偵さん。獅童さん、申し訳ないが食事は少し待ってからもらいに行くぜ」
獅童「承知しました」
このイベント終了後に自由探索が可能になります。
できるのは屋敷の探索と聞き取り調査の二つです。
屋敷を探索する場合は呪いの館のほぼ全域を調査することができます。
例外として、現在生存しているNPCの部屋は調査対象に選べません。玲奈、菜月、獅童、アドルフ、一郎の部屋は基本的に死亡時に調査が可能になります。なお、玲奈の部屋については交渉技能を振って成功すれば探索箇所に加えることが可能です。
菜月、獅童、アドルフ、一郎の部屋に行くことで個別に話を聞くことができます。詳細は【聞き取り調査】の項目をご覧ください。なお、当然ながら聞き取りは生者のみに有効で死者に話を聞くことはできません。
この段階で屋敷の外に出る場合、イベントが発生します。
外に出ずに探索を続けた場合は、別のイベントが発生します。
それぞれ詳細はそれぞれのイベントの項目をご覧ください。
一つの部屋を探索するのにかかる時間は十五分、階の違う部屋を探索するのにかかる時間は二十分、聞き込みをする場合は一人につき十分経過として判定します。
イベントは五分経過としてカウントします。
食事は獅童生存時は三食用意してくれます。食事をとることで耐久値を1D3回復することができます。
獅童死亡後は代わりに玲奈が食事を作ってくれます。【2調理室】で探索者が作ることも可能です。
食事を一日抜く程度では何もありませんが、数日抜いた場合は絶食状態になり、全ての技能に-50%の補正、更に一歩歩くことに耐久値と正気度に1ダメージを受けるようになります。
【イベント:呪いの館前②】
一郎「橋が……落ちている……」
探索者達がその声を聞きつけて外に出ると、昨日まではしっかりとあった吊り橋が落ちていました。
一郎「ははは……帰れなくなるとはね。他に脱出できる場所がないか、望み薄だけど探ってみようかな? 君達は推理を頑張ってくれ。……まあ、脱出路を見つけられなければみんな死んじゃうんだけどね」
一郎はそう言い残して館の中に帰っていきました。
【イベント:二日目探索中、外に行かなかった場合】
一郎「君達に残念なお知らせがある。吊り橋が落とされていた。どうやら、僕達はここに閉じ込められたみたいだ。他に脱出できる場所がないか、望み薄だけど探ってみようかな? 君達は推理を頑張ってくれ。……まあ、脱出路を見つけられなければみんな死んじゃうんだけどね」
一郎はそう言い残して館の奥へと消えてしまいました。
【聞き取り調査】
二日目からNPCに聴取が可能になります。ここには、それぞれのNPCから聞き取れる情報を書いておきます。それ以外の情報については設定していないので、KPの判断で追加するなり、「それについては情報が出ない」として頂いたり自由にしてください。
●九条菜月
・「屋敷には何番目にやってきたのか?」
「屋敷には獅童と一緒に来たわ。順番はアドルフっていう胡散臭い記者の一つ前ね。……ほら、答えてあげたんだからとっとと事件解決しなさいよ! いつまで屋敷に留まらせる気なの!?」
・「あの証言は事実なのか?」
「はっ? まさか信じているの? まあ、仮にあれが事実だったとしてもあたしが殺した訳じゃないわ。あいつが勝手に死んだのよ。私が手を下した訳じゃないわ! ああ、迷惑。ってか、そんなことより貴方達! 事件解決しなさいよ!」
●土方獅童
・「屋敷には何番目にやってきたのか?」
「屋敷にはお嬢様と一緒に来ました。私の一つ前は確かローレンス殿でしたね」
・「あの証言は事実なのか?」
「お答えしかねます」
●アドルフ・バルシュミーデ
・「屋敷には何番目にやってきたのか?」
「見ていただろ! 君達の一つ前だ。吊り橋の前にいただろう? まあ、館の扉が閉まっていたし、他に証明してくれる人はいないんだけどな。寧ろ、君達に俺が無実だって証言してもらいたいものだよ!」
・「あの証言は事実なのか?」
「まあ、嘘は言ってないんだろうが……そんなこと、他のメディアだってやっているだろう? なんで俺だけ吊し上げられなきゃいけないんだ?」
・「館について情報が欲しい」
「呪われた館の最後の持ち主はマエストロ=デイヴィ・エイハブって奴だそうだ。随分昔だからとっくの昔に死んでいるだろうけどな。若い時に家族が相次いで死亡して遺産として館と財産を継承したらしい。魔術なんていう非現実的なことを真剣に研究していたような、頭のネジが外れた奴だったみたいだぜ。そいつは昔から人付き合いが苦手で使用人達もそいつの代でみんな辞めちまったって話だ。死体は確認されていないが、死亡したと判断されて屋敷は別の人間に手渡されることになったが、それから屋敷の持ち主となった奴は次々と不審な死を遂げた。まあ、だから呪われた館、呪いの館とか呼ばれているんだろうな。……まあ、その呪いってのも疑わしい話だと思っているんだけどな。俺は不動産屋あたりが一枚噛んでいると思っているぜ。呪いも魔術も、そんなの現実にある訳ないだろう? そういうのは大体トリックがあるってのがオカルト記事を書いてきた記者としての実感だ」
●羽馬一郎
・「屋敷には何番目にやってきたのか?」
「屋敷には最初に来た……が僕が犯人ではないぞ! 最初に来たからと言って犯人だと決めつけるんじゃない! そもそも鍵は空いていたんだ。そういえば、僕が屋敷に入った時に何やら物音が聞こえたっけ?」
・「脱出経路は見つかったのか?」
「あれから一通り探したが、中庭から逃げるのは無理そうだな。断崖絶壁を超えていくのは難しい。かといって、崖下に降りるのも危険だ。……吊り橋の復旧も難しそうだし、隠し通路の一つでもあればいいんだけどね。もし見つけたら教えてくれると嬉しいな」
・「あの証言は事実なのか?」
「疑うのであれば証拠を持ってきてもらいたいものだよ。というか、そんな調査よりもまずはこの状況をどうにかするのが先決じゃないか。このままだと原因も分からないままみんな殺されてしまうぞ! 君達が名前を呼ばれなかったからと言って殺されないとは限らないんだからた!」
【二日目以降の死亡について】
ローレンスはシナリオの性質上、確定で死亡しますが、それ以外のNPCについては死亡が確定している訳ではありません。
呪いの館で事件を起こしている犯人を無力化するまでは一夜ごとに死者が増えていきます。
殺される順番は獅童→アドルフ→一郎→菜月で、固定されており、四人の死後は玲奈が、玲奈の次は探索者の中から確定で誰かが殺されます。なお、この真夜中の殺人に抗う術はなく、ターゲットになった対象は問答無用で殺害されてキャラロストとなります。生還のためにはできる限り早く元凶を見つける必要があります。
なお、菜月、獅童、アドルフ、一郎については殺されても何もありませんが、玲奈が殺害されてしまった場合はシナリオクリア時点でのクリア報酬が減ってしまいます。お気をつけください。
【イベント:第二の犠牲者獅童】
探索者達が部屋の外に出ると、獅童の部屋が半開きになっていました。
しばらくすると玲奈、菜月、アドルフ、一郎が獅童の部屋にやってきました。
探索者達が部屋の中を見ると、そこには頭を潰された獅童だったモノの死体が横たわっていました。
知人の凄惨な死を目撃した探索者は<SAN値チェック:1/1D4+1>です。
菜月「少なくとも犯人は獅童では無かったということね。……で、犯人は一体誰なのよ!? そこのジャーナリスト? それとも羽馬様? いえ、そんな筈ないわよね。……もしかして、探偵の貴方が実はやっているんじゃない? 名前も呼ばれていなかったみたいだし」
玲奈「わ、私は違いますよ!! 犯人じゃありません!!」
菜月「じゃあ、残りのあんた達かしら? 無実を証明したいならとっとと事件を解決しなさい! それと、飯炊き係が死んだからお前達が飯を作るのよ!! いいわね!!」
そう言い残して菜月が部屋に戻ってしまいました。
一郎「やれやれ……困ったお嬢様だ。私も失礼するよ。脱出できる場所がないか調べてくるとしよう」
アドルフ「んじゃ、俺も失礼するぜ。犯人探しは任せて俺は館をもう少し調べるとするよ!」
このイベント終了後に自由探索が可能になります。
【イベント:第三の犠牲者アドルフ】
探索者達が部屋の外に出ると、アドルフの部屋が半開きになっていました。
しばらくすると玲奈、菜月、一郎が獅童の部屋にやってきました。
探索者達が部屋の中を見ると、そこには頭を潰された獅童だったモノの死体が横たわっていました。
知人の凄惨な死を目撃した探索者は<SAN値チェック:1/1D4+1>です。
菜月「まずいわね……獅童に続いてアドルフまで……」
一郎「脱出経路は未だに見つかっていない。……事件の解決を急がないとそろそろ危険そうだ。……一応聞くけど、君達の中に犯人はいないんだよね? もう満足しただろう? これ以上罪を重ねずに名乗り出て欲しいものだよ」
菜月と一郎はその後、探索者達と玲奈に「速やかに事件を解決するように」と念押しして部屋に戻りました。
このイベント終了後に自由探索が可能になります。
【イベント:第四の犠牲者一郎】
探索者達が部屋の外に出ると、一郎の部屋が半開きになっていました。
しばらくすると玲奈、菜月が一郎の部屋にやってきました。
探索者達が部屋の中を見ると、そこには頭を潰された獅童だったモノの死体が横たわっていました。
知人の凄惨な死を目撃した探索者は<SAN値チェック:1/1D4+1>です。
菜月「嘘でしょ! 羽馬様までッ! あんた達が犯人なんでしょ!! 私が犯人じゃないんだからそれしか考えられない!! もう誰も信じられないわ! 部屋に誰も来ないで頂戴!!」
菜月はそう言い残して部屋に篭ってしまいました。
これ以降、菜月から【聞き取り調査】を行うことができるようになります。
このイベント終了後に自由探索が可能になります。
【イベント:第五の犠牲者菜月】
探索者達が部屋の外に出ると、菜月の部屋が半開きになっていました。
しばらくすると玲奈が菜月の部屋にやってきました。
探索者達が部屋の中を見ると、そこには頭を潰された獅童だったモノの死体が横たわっていました。
知人の凄惨な死を目撃した探索者は<SAN値チェック:1/1D4+1>です。
菜月「……これで名前を呼ばれてしまった人達は全員死んでしまいましたね。まだ、この殺人は続くのでしょうか? ――みなさん、調査を続けましょう! 事件を解決して屋敷を脱出しないと危険です!!」
このイベント終了後に自由探索が可能になります。
【イベント:第六の犠牲者玲奈】
探索者達が部屋の外に出ると、玲奈の部屋が半開きになっていました。
探索者達が部屋の中を見ると、そこには頭を潰された玲奈だったモノの死体が横たわっていました。
知人の凄惨な死を目撃した探索者は<SAN値チェック:1/1D4+1>です。
このイベント終了後に自由探索が可能になります。
【イベント:第七の犠牲者〇〇】
探索者達が部屋の外に出ると、探索者の〇〇の部屋が半開きになっていました。
探索者達が部屋の中を見ると、そこには頭を潰された〇〇だったモノの死体が横たわっていました。
知人の凄惨な死を目撃した探索者は<SAN値チェック:1/1D4+1>です。
このイベント終了後に自由探索が可能になります。
⑥呪いの館を探索せよ!
この項目では呪いの館を攻略する最短ルートをご紹介します。
その他の館の部屋の情報については◆【エリア紹介:呪いの館】◆をご覧ください。
まずは、【10管理室】を探索して、壁に打ち付けられた釘に掛かっている『屋敷の鍵』を回収します。
次に二階にある【26主人私室】に移動し、机に<目星>を振って調べて『小さな鍵』を入手します。
次に【6書斎】にいき、机を調べて鍵の掛かっている机に『小さな鍵』を入手します。
「屋敷の全体図と、地下への階段の場所」や「地下道を通って崖下を経由し、崖向こうの森に出ることができる」という情報を入手したら、地下に行くために床に<目星>を振ります。
地下への入り口を発見したら、階段を降りて地下一階に移動し、【43倉庫】で<目星>を振って『魔法の鍵』を入手します。
戦闘に備えて【42秘密書架】を探索しておくのも良いでしょう。
準備ができたら【44大部屋】に入りましょう。【44大部屋】に入るとイベントが発生します。
⑦マエストロとの邂逅。
【44大部屋】に入った瞬間にイベントが発生します。
【マエストロ=デイヴィ・エイハブとの遭遇イベントの描写】
その部屋は他の部屋よりも広い部屋でしたが、家具なども置かれていないようです。
殺風景な印象を探索者達は受けることになるでしょう。
部屋にいたのは、黒いマントを纏った男でした。身体は骨と皮だけの萎びた状態になっており、顔もげっそりと痩せこけています。
背中からは蝙蝠のような翼を生やし、まるでお伽話に語られる吸血鬼のような姿です。
???「我はマエストロ……この館の主人だ。この私の! 大切な館に! 思い出の詰まった館にッ!! 土足で踏み入ったことを! 後悔させてやる!!」
マエストロは探索者達に怒りを露わにして襲い掛かってきます。戦闘開始です。
詳細は◆『エネミー図鑑』の情報◆をご覧ください。
戦闘終了後、マエストロは黒いモヤとなって四散します。
マエストロは【MAIN SCENARIO:呪われし館の殺人事件】のラスボスですが、彼を倒してもシナリオはもう少し続きます。
戦闘後に部屋を探索する場合、地下への階段があることを知っている場合は<目星>の成功だけで発見することができますが、何も情報がない場合は部屋で<目星>か<聞き耳>を振ってクリティカルする必要があります。
地下への階段は床下に隠されており、<目星>ならば床板の埃が階段の隠されている一部分だけ少ないことに、<聞き耳>であれば歩いた時の足跡の僅かな違いで発見できたという判定になります。
地下への階段は螺旋を描きながら更に下へと続いており、最下層には直線上の廊下が伸びています。外からの明かりを頼りに廊下を進むと扉があり、扉を開けると谷の下に出ます。反対側にも同じ扉があるので反対側の扉を開けて更に進み、螺旋階段を上がっていくと小さな小屋に出ます。小屋を出ると屋敷の反対側の森の中に出ます。小屋に対して<クトゥルフ神話>を振って成功するか<オカルト>を振ってハード成功すると、小屋には認識妨害の魔術が掛けられていたことが分かります。小屋を一度発見した者には効果がないため、再び呪いの館に向かいたい場合はこの小屋を経由していくことができます。
なお、小屋も呪いの館と同じく東側大樹海のE-16にあります。
呪いの館に出るとこのシナリオのエンディングに突入します。
エンディングは生存者によって分岐するようです。
なお、このエンディングが終わったところで【MAIN SCENARIO:呪われし館の殺人事件】はクリアとなります。
しかし、本シナリオそのものの終了とはならないため他のクエストをこなすか、島から脱出するか、話し合って決めてください。なお、ここでシナリオをクリアしても、即座にセッションを終了することはできません。
⑧玲奈、獅童、アドルフ、一郎、菜月が全員生存
地下道を抜け、谷を越えて階段を上り……探索者達は遂に森の小屋に辿り着きました。
どうやら、ここは呪いの館の中ではないようです。ようやく呪いの館の外に出られたことに探索者達は安堵することでしょう。
菜月「はぁはぁ、待ちなさいよ! あんた達! 外に出れたんなら一言声くらい掛けなさい!」
後ろを振り返ると菜月、獅童、アドルフ、一郎の四人の姿がありました。どうやら地下での物音を聞きつけてここまで追いかけてきたようです。
菜月「外だわ! 行くわよ! 獅童」
獅童「菜月お嬢様、お礼は言わなくてよろしいのでしょうか?」
菜月「あいつらは当然のことをしただけよ! お礼を言うような必要はないわ! 行くわよ! 獅童!」
獅童「……承知しました。玲奈様、皆様、事件を解決してくださりありがとうございました」
菜月の後を追って獅童も森の中へと消えていきました。
アドルフ「結局地下には何も無かったなぁ。一体あれはなんだったんだ? まあ、いいか? それじゃあ、俺も失礼するぜ! お嬢ちゃん達ありがとうな! なんか面白いネタがあったらまた会ったときに是非提供してくれよな! それじゃあな!」
一郎「今回は助けてくださりありがとうございます。……ですが、あの音声の方については是非とも口を噤んでいただけると助かります」
アドルフと一郎も去っていき、小屋には探索者と玲奈だけが残されることになった。
玲奈「本当にありがとうございます! 皆様のお力がなければ事件が解決できず……きっと殺されていたことでしょう。本当は何かお礼をするべきなのでしょうが……あんまり持ち合わせがなくて……もし良かったらこちらを受け取って頂けないでしょうか? ファゲルズァート島のお土産屋さんで買ったものなのですが……」
探索者達は玲奈から『ダブルドロップバッチ』を手渡されます。
-----------------------------------------------
・『ダブルドロップバッチ』
装備していると倒した相手がドロップアイテムを落とした時に同じアイテムをもう一つ入手することができる。
-----------------------------------------------
玲奈は探索者達にお礼を言うと森の中に消えていきました。
⑧′玲奈、アドルフ、一郎、菜月が生存
地下道を抜け、谷を越えて階段を上り……探索者達は遂に森の小屋に辿り着きました。
どうやら、ここは呪いの館の中ではないようです。ようやく呪いの館の外に出られたことに探索者達は安堵することでしょう。
菜月「はぁはぁ、待ちなさいよ! あんた達! 外に出れたんなら一言声くらい掛けなさい!」
後ろを振り返ると菜月、アドルフ、一郎の三人の姿がありました。どうやら地下での物音を聞きつけてここまで追いかけてきたようです。
菜月「外だわ! 行くわよ! 獅童……っていなかったわね。まあいいわ。お父様に頼んで代わりの使用人をつけてもらいましょう!」
菜月は探索者達にお礼も言わずに森の奥へと消えていきました。
アドルフ「結局地下には何も無かったなぁ。一体あれはなんだったんだ? まあ、いいか? それじゃあ、俺も失礼するぜ! お嬢ちゃん達ありがとうな! なんか面白いネタがあったらまた会ったときに是非提供してくれよな! それじゃあな!」
一郎「今回は助けてくださりありがとうございます。……ですが、あの音声の方については是非とも口を噤んでいただけると助かります」
アドルフと一郎も去っていき、小屋には探索者と玲奈だけが残されることになった。
玲奈「本当にありがとうございます! 皆様のお力がなければ事件が解決できず……きっと殺されていたことでしょう。本当は何かお礼をするべきなのでしょうが……あんまり持ち合わせがなくて……もし良かったらこちらを受け取って頂けないでしょうか? ファゲルズァート島のお土産屋さんで買ったものなのですが……」
探索者達は玲奈から『ダブルドロップバッチ』を手渡されます。
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・『ダブルドロップバッチ』
装備していると倒した相手がドロップアイテムを落とした時に同じアイテムをもう一つ入手することができる。
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玲奈は探索者達にお礼を言うと森の中に消えていきました。
⑧′′玲奈、一郎、菜月が生存
地下道を抜け、谷を越えて階段を上り……探索者達は遂に森の小屋に辿り着きました。
どうやら、ここは呪いの館の中ではないようです。ようやく呪いの館の外に出られたことに探索者達は安堵することでしょう。
菜月「はぁはぁ、待ちなさいよ! あんた達! 外に出れたんなら一言声くらい掛けなさい!」
後ろを振り返ると菜月、一郎の二人の姿がありました。どうやら地下での物音を聞きつけてここまで追いかけてきたようです。
菜月「外だわ! 行くわよ! 獅童……っていなかったわね。まあいいわ。お父様に頼んで代わりの使用人をつけてもらいましょう!」
菜月は探索者達にお礼も言わずに森の奥へと消えていきました。
一郎「今回は助けてくださりありがとうございます。……ですが、あの音声の方については是非とも口を噤んでいただけると助かります」
一郎も去っていき、小屋には探索者と玲奈だけが残されることになった。
玲奈「本当にありがとうございます! 皆様のお力がなければ事件が解決できず……きっと殺されていたことでしょう。本当は何かお礼をするべきなのでしょうが……あんまり持ち合わせがなくて……もし良かったらこちらを受け取って頂けないでしょうか? ファゲルズァート島のお土産屋さんで買ったものなのですが……」
探索者達は玲奈から『ダブルドロップバッチ』を手渡されます。
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・『ダブルドロップバッチ』
装備していると倒した相手がドロップアイテムを落とした時に同じアイテムをもう一つ入手することができる。
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玲奈は探索者達にお礼を言うと森の中に消えていきました。
⑧′′′玲奈、菜月が生存
地下道を抜け、谷を越えて階段を上り……探索者達は遂に森の小屋に辿り着きました。
どうやら、ここは呪いの館の中ではないようです。ようやく呪いの館の外に出られたことに探索者達は安堵することでしょう。
菜月「はぁはぁ、待ちなさいよ! あんた達! 外に出れたんなら一言声くらい掛けなさい!」
後ろを振り返ると菜月の姿がありました。どうやら地下での物音を聞きつけてここまで追いかけてきたようです。
菜月「外だわ! 行くわよ! 獅童……っていなかったわね。まあいいわ。お父様に頼んで代わりの使用人をつけてもらいましょう!」
菜月は探索者達にお礼も言わずに森の奥へと消えていきました。
玲奈「本当にありがとうございます! 皆様のお力がなければ事件が解決できず……きっと殺されていたことでしょう。本当は何かお礼をするべきなのでしょうが……あんまり持ち合わせがなくて……もし良かったらこちらを受け取って頂けないでしょうか? ファゲルズァート島のお土産屋さんで買ったものなのですが……」
探索者達は玲奈から『ダブルドロップバッチ』を手渡されます。
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・『ダブルドロップバッチ』
装備していると倒した相手がドロップアイテムを落とした時に同じアイテムをもう一つ入手することができる。
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玲奈は探索者達にお礼を言うと森の中に消えていきました。
⑧′′′′ 玲奈が生存
地下道を抜け、谷を越えて階段を上り……探索者達は遂に森の小屋に辿り着きました。
どうやら、ここは呪いの館の中ではないようです。ようやく呪いの館の外に出られたことに探索者達は安堵することでしょう。
玲奈「本当にありがとうございます! 皆様のお力がなければ事件が解決できず……きっと殺されていたことでしょう。本当は何かお礼をするべきなのでしょうが……あんまり持ち合わせがなくて……もし良かったらこちらを受け取って頂けないでしょうか? ファゲルズァート島のお土産屋さんで買ったものなのですが……」
探索者達は玲奈から『ダブルドロップバッチ』を手渡されます。
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・『ダブルドロップバッチ』
装備していると倒した相手がドロップアイテムを落とした時に同じアイテムをもう一つ入手することができる。
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玲奈は探索者達にお礼を言うと森の中に消えていきました。
⑧′′′′′ 玲奈、獅童、アドルフ、一郎、菜月が全員死亡
地下道を抜け、谷を越えて階段を上り……探索者達は遂に森の小屋に辿り着きました。
どうやら、ここは呪いの館の中ではないようです。ようやく呪いの館の外に出られたことに探索者達は安堵することでしょう。
しかし、館で数日を共に過ごした玲奈はもういません。
ローレンスだけでなく、獅童、アドルフ、一郎、菜月――みんな死んでしまいました。
もう少し早くマエストロに辿り着ければ救える命があったかもしれない。そんな罪悪感を感じながら探索者達は森の中へと消えていくのでした。
◆ 【MAIN SCENARIO:美人の島の魔法の鏡】◆
【概要】
ファゲルズァート島の女性達は皆美しく、特に肌は色白で潤いに溢れているという。
そんなファゲルズァート島の美肌に目をつけた化粧品会社ELIXIR ROUGEは調査員を派遣し、その秘密がロクザと呼ばれる固有種の実にあることを突き止める。
化粧品会社ELIXIR ROUGEの調査員は報告後にロクザの実の一大生産地である美白村に向かい失踪を遂げてしまった。
失踪した調査員の捜索のために港町リュレーエにやってきた化粧品会社ELIXIR ROUGEの調査団と遭遇した探索者達は食べると美しくなれるロクザの実に興味を持ち、美白村に向かうことになる。
【主な登場人物(ネタバレあり)】
・早乙女紅緒
化粧品会社ELIXIR ROUGEの社長。その美貌から世界的なモデルとしても知られる。
元々はお世辞にも美しいとは言えない容姿で、名前負けした見た目などが理由で虐めに遭っていた。そのため、美に対して病的なほど執着している。
「ショゴスの完全なる従属」と呼ばれる魔術を習得し、その力で神話生物のショゴスを従属させ、彼らを研究してその研究成果を取り入れることで美しい容姿を獲得したがトップモデルになっても美への執着が捨てきれずにいる。
複数のショゴス・ロードを人間に擬態させて護衛として連れている。
・ミロワール
美白村の鏡に封印されていた悪霊。紅緒がロクザの原初の樹に近づいた際に彼女の美への執着の感情に当てられて復活する。
顔は焼け爛れ、黒い眼窩の中に青白い輝きが灯っているという悍ましい姿をしている。
相手の美しさ(APP)を吸収する能力を持ち、APPを全て吸い取ることで相手を呪い殺すことができる。
その正体は地殻変動が起きる前、つまりかつてファゲルズァート島がファゲルズァート大陸だった時代に現在のファゲルズァート島にあたる地域を治めていた領主の娘。
元々は美しく心優しい少女だったが、その美貌を通っていた学園の生徒に疎まれて顔を焼かれて殺された。
その後、美しさに執着して悪霊と化して美しい者達を狙って殺人を繰り返していたが困ったファゲルズァート島の有力者が海外から優秀な術師を呼び寄せ、その術師によって鏡に封印された。
本名はミロワール=アルヴレイズ。
・美白村の村長
シナリオ中には明かされていないが、本名はレーテ・コギト・エルゴ=スム。
アルヴレイズ領の農家の生まれ。ミロワールとは同い年で幼い頃にはよく遊んでいた。
アルヴレイズ伯爵に後を託され、美白村を守ってきた人物。
百歳を超えているが、見た目は二十代の頃から変わらない美魔女。
黒いドレスを着た銀髪碧眼の年齢不詳の女性と描写される。
その精神力も戦闘力も桁違いで、ショゴス・ロードを一瞬にして石化させ、その石像を杖一つで粉砕できるほど。
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【NPC】レーテ・コギト・エルゴ=スム、美白村村長
耐久値:1000 魔力量:9999
STR:9999
CON:9999
SIZ:70
DEX:9999
INT:80
POW:9999
APP:300
正気度:1000(途轍もない精神力をしており、フェルマダとの遭遇以外で正気度は減らない)
ダメージボーナス:+500
1ラウンドにつき3回行動
技能
<石化の魔術:automatic success>狙いを定めた複数の対象を石化させる。抗う術は存在しない。
<近接戦闘(杖):automatic success>ダメージ1D100+DB。杖による破壊的な一撃。
<母国語(ファゲルズァート語):100%>
<外国語(全ての言語:80%>
※その他の技能は50%で判定します。
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【シナリオの導入】
港町リュレーエのリュレーエ港についたタイミングでイベントが発生し、化粧品会社ELIXIR ROUGEの調査員二人が早乙女紅緒に怒られている光景を目にします。その際に「ロクザと呼ばれる固有種の実が美白村にある」という情報を<聞き耳>に失敗しても得ることができます。成功した場合は「ロクザの実には更に美肌効果がある」といった更に詳しい情報を得ることができます。
このイベントに遭遇することがシナリオ開始フラグになっていますが、その時点では美白村を探索場所に選べないため美白村について情報収集をする必要があります。
美白村について所在地情報を得ると探索場所に指定できるようになります(具体的には路線バスで移動できる駅が一つ追加されます)。
【イベント:リュレーエ港にて早乙女紅緒との初遭遇】
港に到着した探索者達はスーツ姿の二人の男性達にヒステリックにキレている美しいスーツ姿の女性を目撃します。
ここで全員<聞き耳>を振ってください。失敗した場合でも、「ロクザと呼ばれる固有種の実が美白村にある」という情報を入手できます。成功した場合はは「ロクザの実には更に美肌効果がある」といった更に詳しい情報を得ることができます。
なお、断片的に漏れ出てくる情報から「スーツ姿の男性達は女性が経営する会社の社員で、どうやら美白村との交渉が上手くいっていないため怒りを露わにしていた」ことが分かりますが、詳しい内容は分かりません。
女性達はその後、リュレーエ港を後にします。
【シナリオの流れ】
①美白村について情報収集をする。
先程のイベントでシナリオ開始のフラグは立っていますが、開始するためには美白村の情報を集める必要があります。
基本的にどの島民に話を聞いても美白村について教えてくれます。
聞ける情報は以下の通りです。
Q.美白村の名産品は?
A.ロクザの実。食べると美しくなれるという噂がある。最近はELIXIR ROUGEという有名な化粧品会社が美白成分に興味を持って調査しにきているみたいだ。
Q.美白村への行き方は?
A.バスに乗って美白村のバス停で降りるのが近道。一応、大樹海からでも行けるけど、オススメはしない。
→この質問後に路線バスの駅に美白村が追加されます。
Q.美白村について知りたい
A.今は小さな村だが、かつては現在のファゲルズァート島のほぼ全域を収めていたアルヴレイズ伯爵家の領都があった。アルヴレイズ伯爵家はファゲルズァート王家の懐刀で代々宰相を務めていたことから宰相家とも呼ばれていた。中でも伯爵令嬢のミロワール=アルヴレイズ嬢はとても美しい容姿をしていたらしい。ミロワール嬢は優しい心の持ち主で、特に固有種のロクザの樹を大切にしていた。
②美白村を訪問する。
バスに乗り、追加された美白村のバス停で降ります。
美白村のバス停から歩いて数分で美白村に到着することができます。
エリアは美白村村長の家、美白村商店『ロクザ』、美白村旅館『柘榴亭』の三つに分かれています。
詳細は◆【エリア紹介:美白村】◆をご覧ください。
村に到着した直後、美白村村長の家が少し騒がしくなっていることに探索者達は気がつきます。
③美白村村長の家を訪問する。
美白村村長の家を訪問するとイベントが発生します。
【イベント:美白村村長の家①】
美白村村長の家に入るとリュレーエ港で見かけた女性が二人の部下を伴って村長と話をしている場面に遭遇します。
???「ELIXIR ROUGEの社長を務めている早乙女紅緒よ。既に私の会社の部下からも話は聞いていると思うけど、ロクザの実を使った化粧品をうちのお店で取り扱いたいの。勿論、相応の報酬はお支払いするわ。どう? 私の会社との専売契約を結んでくれないかしら?」
村長「ロクザの実の取引については応じるが、専売というのであれば話は違うな。美白村はロクザの実のおかげで観光地として栄えておる。わざわざ村に来てくださった観光客の皆にもロクザの実を味わってもらいたいのじゃ。それに、小さいながらも美白村は観光地として栄えておる。専売などにしたら彼らの生活はどうなるのじゃ?」
紅緒「そんなの、うちの会社で働けばいいでしょう? 少なくとも、こんな小さな田舎の村で暮らすよりももっと幸せな生活を送れるわ」
村長「……傲慢じゃな。村を丸ごと会社のものにして、使い潰すつもりじゃろう。ロクザの実を独占できればそれで十分という考えじゃな。……大体、小さな田舎の村と呼んでいる時点で蔑みの視線が隠せてないわ。良いか! この村は領主様より託された村じゃ! 貴様らのよくな欲深き者達と取引する気はない! お引き取り願おう!」
紅緒「えぇ、今回は帰らせてもらうわ。でも、いいのかしら? こんな村、私の手にかかれば簡単に捻り潰せるわよ! 私に逆らったことを後悔しなさい! 行くわよ!!」
村長「……欲深く、人の大切なものを踏み躙ろうとする輩には相応の罰が下る者じゃ。そのことを肝に銘じておくが良い!」
このイベント後、美白村商店『ロクザ』の商品が全て売り切れになります。
【MAIN SCENARIO:美人の島の魔法の鏡】のシナリオが終了するまで購入することはできません。
美白村村長の家では村長と話をすることができます。
初回は「騒がしくてすまなかったのぅ。ここは美白村、小さな村じゃがごゆるりとお過ごしくだされ。……まあ、あの傍迷惑のお客のせいでゆったりはできぬかもしれないがのぅ」と探索者に謝罪の言葉を口にします。
村長から聞ける話については◆【エリア紹介:美白村】◆をご覧ください。なお、この時点でロクザの原初の樹に行こうとしても「申し訳ないが、あの場所は村の中でも神聖な場所でのぅ。外から来たお客様に許可は出せないのじゃ」と断られてしまいます。
④美白村旅館『柘榴亭』に行く。
宿泊場所の確保のために美白村旅館『柘榴亭』に行くとエントランスでイベントが発生します。
【イベント:美白村旅館『柘榴亭』】
美白村旅館『柘榴亭』のロビーに入った探索者は早乙女紅緒が複数の部下の男達を伴って受付嬢と話しています。
受付嬢「す、スイートルームの貸切ですか?」
紅緒「えぇ、私のELIXIR ROUGEがこの村に滞在している期間、スイートルームに泊まりたいの」
受付嬢「で、ですが、既にスイートルームに泊まられているお客様もいらっしゃいますので全てのスイートルームをお貸しすることは……」
紅緒「どうせ、こんな小さな村に観光に来ている客なんてただの小金持ちでしょう? そんなの追い出しなさい! 私の方がそんな連中より金を払ってあげるわ。……それとも、武力で分からせられたいかしら?」
受付嬢「ひっ、ひぃ――ッ!! しょ、少々お待ちくださいッ!!」
血相を変えた受付嬢はそう言い残してホテルの中へと消えていきました。
紅緒はしばし受付の方を見ていましたが、しばらくすると探索者達に気づいたのか視線を向けます。
紅緒「あら、誰かと思ったら先程大事な商談を盗み聞きしていたドブネズミ達じゃない。はしたないわね、盗み聞きなんて。ああ、嫌だ嫌だ。あら? まさか、この旅館に泊まる気じゃないでしょうね? 私達はスイートだから会うこともないでしょうけど、同じ建物に一緒にいるなんて嫌な気分になるわ。あら、何かしらその目は。本当に腹が立つわね。別にドブネズミが何をしていても知ったことではないけど、くれぐれも私が更に美しくなる、その邪魔だけはしないで頂戴!!」
そう言い残し、紅緒と部下達はは戻ってきた受付嬢と旅館の中へと消えていきました。
このイベント後、美白村旅館『柘榴亭』のスイートルームでの宿泊はできなくなります。
なお、スイートルームに宿泊していた客達は部屋から放り出されてしまったようです。
受付嬢に文句を言っている客やとっとと美白村から出て行こうとしている客など反応は様々ですが、いずれも紅緒と美白村旅館『柘榴亭』に激しい怒りを持っているようです。
⑤悪巧みをする紅緒。
翌日、美白村村長の家に向かうと、怒り狂った紅緒が部下達と共に出てきます。
その際、探索者達の姿を見つけると睨め付けてくるかもしれません。
その状態で美白村村長の家を訪問するとイベントが発生します。
【イベント:美白村村長の家②】
村長「ああ、あの小娘にも困ったものじゃ。……それに、あやつらの妨害で村の商店の品物は品切れになり、本当に欲している観光客が買えなくなっている。それに、『柘榴亭』では横暴な態度を取ってスイートルームの客達を追い出したそうじゃないか。……このままでは、美白村が観光客から嫌われてしまう。これでは、伯爵との約束が……」
そこまで独り言ちたところで探索者達の存在に気づいた村長は独り言をやめます。
なお、村長から聞けることについては変化がありません。
村長の家を出たタイミングで、紅緒が何やら独り言を言っているところに出くわします。盗み聞きをする場合は<聞き耳>を振ってください。
失敗した場合は情報は出ませんが、成功した場合は以下の話を聞くことができます。
「……本当にムカつくわね。ここまでやったのにまだ頑なに私達との取引を拒否するなんて! もっと嫌がらせを……って、そういえば村人が何か言っていたわね。原初のロクザの樹だったかしら? 他のロクザよりも美白の力があるって噂もあるそうね。村の男手が二人で守っていて、村長の許可がなければ樹に近づけないみたいだけど、知ったことじゃないわ。私の部下達に捻り潰させましょう。でも、もう一回だけチャンスを与えて差し上げようかしら? 今度は原初のロクザの樹の許可も求めて……もし、これ以上頑なに拒否するのであれば本物の絶望を与えて差し上げるわ! 私に逆らうことがどれほど恐ろしいか、あの妙に美しくて腹立たしい村長にたっぷりと教えてあげなくちゃねッ!」
<聞き耳>に失敗した場合は情報が得られないだけでなく聞き耳を立てていたことに気づかれて睨め付けられます。
なお、一人失敗で近くにいた探索者全員が気づかれます。なお、睨まれるだけで特に何かをされる訳でも今後の展開に変化がある訳でもありません。ただ睨まれるだけです。
⑥動き出す紅緒
翌日、美白村村長の家が少し騒がしくなっていることに探索者達は気がつきます。
美白村村長の家を訪問するとイベントが発生します。
【イベント:美白村村長の家③】
紅緒「これが最後の機会よ。ロクザの実の専売契約、そして原初のロクザの樹の元に案内なさい!」
村長「百歩譲って仮にロクザの実の専売契約を結んだとしても、あの樹だけには絶対に近づけさせん! あの樹は、アルヴレイズのお嬢様の……」
紅緒「もう既に死んだ人でしょう? そんなのどうだっていいんじゃない。死人に口なし、どうせ何にもできないんだから! この私の貴重な時間をこれだけ浪費させたのよ! これが最後の慈悲だったのだけど従わないのであれば……本当に後悔しても知らないわよ」
捨て台詞を吐いて紅緒は部下を伴って去っていきます。その際、紅緒が探索者達に気づいた場合は親の仇でも見るような目で睨め付けられるでしょう。
なお、睨まれるだけで特に何かをされる訳でも今後の展開に変化がある訳でもありません。ただ睨まれるだけです。
村長から聞けることについては変化がありません。
紅緒は部下達に引き続き嫌がらせをさせますが、本人は美白村旅館『柘榴亭』のスイートルームに篭ってしまいます。
その日の夜になるまではイベントは発生しません。
その日の夜、探索者達が美白村に滞在している場合は悲鳴を耳にして真夜中に目を覚ましてしまいます。
美白村旅館『柘榴亭』を飛び出すと、村人達が何者かに襲われていました。
辛うじて人型を保っているゼラチン状の恐ろしい姿の化け物――ショゴス・ロードの群れを目撃したことで<SAN値チェック:1D6/1D20>が発生します。
ショゴス・ロードは探索者達の姿を認めると一斉に探索者達へと襲い掛かってきます。
ショゴス・ロード×10との戦闘開始です。……と思いきや、探索者達を守るように一人の女性がショゴス・ロードと探索者の間に割って入ります。
その女性――美白村の村長がショゴス・ロードの群れに杖先を向けた瞬間、ショゴス・ロードは一斉に石化してしまいました。
村長は杖を優雅に振り回してショゴス・ロードを殴りつけると、石化したショゴス・ロードの身体は一瞬にして粉砕してしまいます。
村長「大丈夫か? 怪我はないか? ……折角、楽しむつもりで観光に来ていたところ、このような事態に巻き込んで申し訳ない。……うむ、しかし困った。奴らは森の奥――原初のロクザの樹が眠る広場に向かってしもうた。あのショゴス・ロードに似た化け物相手は流石に無理があったようじゃな。予想以上に敵の数が多い。妾も村を守らなければならないし……お主達、先程ショゴス・ロードと戦おうとしていたようじゃな。多少なり腕は立つのじゃろう。儂の代わりにあの小娘を倒してきてはくれぬか? あの樹は大切なものなんじゃ! あの樹は、お嬢様が大切にしていた……どうか、力を貸してほしい!」
村長の提案に応じれば原初のロクザの樹のある広場に行く許可をもらえます。
なお、広場を守る衛兵達はショゴス・ロードの手によって殺害されており、蘇生は不可能です。村長もその場を離れられないため、探索者達だけで広場に向かうことになります。
⑦原初のロクザの樹の広場にて……。
探索者達が広場に入るとイベントが発生します。
【イベント:原初のロクザの樹の広場にて①】
紅緒「何? この汚らしい祠。これが、あの村長のクソ女が言っていた大切な場所? 馬鹿馬鹿しい!」
紅緒は原初のロクザの樹の近くにあった祠を蹴飛ばしました。
紅緒「このロクザの樹は私のものよ!! 誰にも渡さない!! 私はね! 美しくないといけないの!! もっともっともっと美しくならないといけないのよ!!! あの頃に戻る訳にはいかないの!! 名前負けしている醜い容姿だって虐められて、馬鹿にされて、沢山酷いことをされて!! あんな地獄の日々に戻る訳にはいかないの! 美しい顔を手に入れて、美しい容姿を手に入れて、今まで私のことを虐めてきた馬鹿な女達を驚愕させた時、私は最高の優越感に浸れたの!! 私はもっともっともっともっと美しく美しく美しくッ!! 世界で一番の美女になるの!!! 邪魔は、誰にもさせないわ!! ショゴス・ロードッ!! 貴方達、コイツらを始末なさい!!」
紅緒の側についていた二人の部下の姿が崩れ始め、ショゴス・ロードの姿へと変貌を遂げます。
イベント終了後に早乙女紅緒とショゴス・ロード×2との戦闘が開始されます。
詳細は◆『エネミー図鑑』の情報◆をご覧ください。
⑧鏡の悪霊
紅緒とショゴス・ロードを撃破すると、イベントが発生します。
【イベント:原初のロクザの樹の広場にて②】
早乙女紅緒には致命傷にも等しいダメージを与えた筈ですが、美に対する執念がそうさせるのか傷口から溢れる血にも気にも止めず、一心不乱にロクザに手を伸ばそうとします。
その時でした。祠が破壊されて、地面に落ちた鏡が黒いオーラを放出し、自然に空中に浮かび上がりました。
???『美シイ顔、美シイ容姿……許サナイ! 許サナイ! 許サナイ!! 美シサヲ吸イ取ッテ、呪イ殺シテヤル!!』
鏡のモヤは幽霊の姿を形作ります。
顔は焼け爛れ、黒い眼窩の中に青白い輝きが灯っているという悍ましい姿をした幽霊の姿を目撃したことで、<SAN値チェック:1D10/1D40>が発生します。
紅緒「な、なんなのよ! 醜いっ、化け物ッ!!」
紅緒が「化け物!」と叫んだ瞬間、周囲の空気が極寒になったような感覚を探索者は味わうでしょう。
そこからは一瞬でした。幽霊から伸びた無数の透明な触手が紅緒を貫きます。すると、紅緒の身体は少しずつ醜くなっていきます。ショゴスを研究することで手に入れたハリのある肌は次第に皺皺になり、シワ一つない手は老婆のように細くしわくちゃになり、骨が浮き始めます。
その後も美しさを吸われ続けた紅緒はこの世のものとは思えない醜い姿に成り果てて息絶えました。
???『鏡よ鏡、鏡さん! 世界で一番美しいのはだーれ! それはね、アルヴレイズ伯爵令嬢のこの私! ミロワール=アルヴレイズ!』
ミロワール『そんな私が醜いなんてあり得ない! こんな醜い姿でいい訳がない! さあ、世界で一番美しい女に返り咲くわよ! 手始めに、貴方達の美しさ、全て搾り尽くしてあげるわ!!』
ざぁぁーざぁぁーっ!
イベント終了後にミロワールとの戦闘が開始されます。
詳細は◆『エネミー図鑑』の情報◆をご覧ください。
なお、『古びた手紙』を朗読するとミロワールを倒さずに戦闘を終了することが可能です。
ミロワールを撃破するか、ミロワールを撃破しないかで展開が分岐します。
⑧′ ミロワールを撃破した場合
ミロワール『私は、美しくなりたかった、だけなのに!! ぎゃぁぁっ!!』
ミロワールは断末魔を上げて爆散します。
ミロワールが消滅したことで原初のロクザの森の広場にようやく平穏が戻りました。
その後、探索者達は村長に広場で起きたことを伝えるために美白村に戻ることになるでしょう。
美白村に戻った探索者は村長に広場で起きたことを話します(ロールプレイでも『かくかくしかじか』でも構いません)。
話を聞き終えた村長は、ほんの少し悲しそうな顔をしたように探索者達は感じましたが、すぐに顔から表情が消えてしまい、その心のうちは窺い知れなくなります。
村長「……この度は村を救ってくれて本当にありがとう。細やかかもしれないが、お礼を支払おう。どうか受け取ってもらいたい」
その後、村長から20,000,000 円相当のお礼とを支払ってもらえます。
また、一緒に『反転バッジ』×1を手渡されます。
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・反転バッジ
致命的な失敗を奇跡的な成功に塗り替えることができるバッジ。
装備している探索者がファンブルを出した場合、10%の確率でクリティカルに変えることができる。なお、このクリティカル判定では技能値を成長させることはできない。
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⑧′′ 『古びた手紙』を朗読した場合
ミロワール『えっ……』
手紙の朗読を聞き、ミロワールの動きが止まりました。
ミロワール『その手紙は、本当にあの人が書いた手紙なの!? ……もし、それが事実なら、私はなんてことを……許してくれなくてもいいって!? そんな、訳、ない、でしょう!! 顔を焼かれて、最大の取り柄だった容姿の美しさを失って、それでも側にいようとしてくれた貴方に……恨むなんて、憎むなんて、そんなこと、絶対にッ!! できる筈ないじゃない!! ……ああ、私はなんで忘れていたのかしら? ……本当は美しさなんてどうでも良かった。領民が大好きで、家族が大切で、婚約者になったあの人が大好きで、大好きなみんなに囲まれているだけで幸せだったのに。……私は多くの罪を犯してしまったわ。きっと、天国に行った彼とは二度と会えないのよね。…………私もね、ずっと、貴方のこと、愛して……よ』
目があるべき場所から雫が溢れます。
ミロワールの身体は眩い光に包まれて消えていきます。
ミロワールの成仏を見守った探索者達は、村長に広場で起きたことを伝えるために美白村に戻ることになるでしょう。
美白村に戻った探索者は村長に広場で起きたことを話します(ロールプレイでも『かくかくしかじか』でも構いません)。
話を聞き終えた村長は、ほんの少し悲しそうな顔をしたように探索者達は感じましたが、その後、どこかホッとしたような顔をしました。
村長「そうか……ミロワールお嬢様は……。あの方が昔のような優しさを取り戻して、あの世に行かれたのであれば、それで十分じゃ。ありがとう〇〇(探索者達の名前を呼ぶ)、お嬢様の友として心よりお礼申し上げる。細やかかもしれないが、お礼を支払おう。どうか受け取ってもらいたい」
その後、村長から100,000,000 円相当のお礼とを支払ってもらえます。
また、一緒に探索者の数だけ『反転バッジ』を手渡されます。
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・反転バッジ
致命的な失敗を奇跡的な成功に塗り替えることができるバッジ。
装備している探索者がファンブルを出した場合、10%の確率でクリティカルに変えることができる。なお、このクリティカル判定では技能値を成長させることはできない。
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ミロワール撃破後の村長とのイベントが終わったところで【MAIN SCENARIO:美人の島の魔法の鏡】はクリアとなります。エンディングはありませんので、他のクエストをこなすか、島から脱出するか、話し合って決めてください。
なお、ここでシナリオをクリアしても、即座にセッションを終了することはできません。
このイベント後、美白村の全施設が解禁されます。
◆ 【MAIN SCENARIO:ウェーバード博物館の『金剛の涙』】◆
【概要】
ファゲルズァート島最大の都市リンプレントにあるゼームズ・ウェーバード博士記念博物館、通称ウェーバード博物館が世界最大のダイアモンドと言われる『金剛の涙』を購入し、博物館で展示されることとなった。
その噂を聞きつけたのか、大泥棒盗道燦星から『金剛の涙』を盗み出すという予告状が届く。
盗道燦星のライバルである世界的な探偵である護堂晴充も参戦して一世一代のお祭り騒ぎとなった『金剛の涙』を巡る戦いは博物館で変死体が発見された事件を境に思わぬ方向へと舵を切っていくことになる。
【主な登場人物(ネタバレあり)】
・ツェペエリ・ウェーバード
ウェーバード博物館の館長を務めるモノクルを掛けた白髪の老紳士。
ゼームズ・ウェーバード博士記念博物館を建てる切っ掛けとなった考古学者のゼームズ・ウェーバード博士の孫に当たる。
父であるセブルス・ウェーバード(偉大な父と比較されることを嫌ってセブルス・コネリーと名乗っていた)は冒険家で若き日のウィリアム=マグヴェスと共にタッグを組んでいたが、とある遺跡探索の際に事故に巻き込まれて死亡した……ことになっている。『金剛の涙』はその古代遺跡から発見されたもの。
祖父の遺言と周囲の後押しを受け、祖父のコレクションなどをウェーバード博物館に展示して一般公開して大切に守ってきた。
館長としては働く傍ら、冒険家として活動していた父の足跡を追っており、紆余曲折を経てウィリアム=マグヴェスと父であるセブルス・ウェーバードがタッグを組んでいたこととウィリアムが事故に見せかけて遺跡の中で父セブルスを殺害したことを知る。
ウィリアムに『金剛の涙』を譲ってもらえないかと交渉をして対価として一億ユーロという破格の金額を提示し、商談を成功させる。しかし、その商談は隠れ蓑でありウィリアムを油断させて殺害し、アリバイも完璧にあるほとんど完全犯罪に近い形で『金剛の涙』を手中に収めた。
『金剛の涙』が盗まれた日の三日後、館長室で変死体として発見された。
「『金剛の涙』の秘密を知っているのではないか?」と疑われた結果の殺害だった。
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【NPC】ツェペエリ・ウェーバード
耐久値:14 魔力量:14
STR:70
CON:70
SIZ:70
DEX:80
INT:80
POW:70
APP:60
正気度:70
ダメージボーナス:+1D4
1ラウンドにつき1回行動
技能
<考古学:70%>
<博物館経営:70%>
<信用:80%>
<図書館:90%>
<母国語(ファゲルズァート語):100%>
<外国語(全ての言語):80%>
※その他の技能は初期値です。
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・ウィリアム=マグヴェス
世界最大のダイアモンドと言われる『金剛の涙』を保有していた大富豪。フランス人。
若い頃は冒険家として名を馳せていた。
ウェーバード博物館に『金剛の涙』を売却した前後に変死体として発見されている。
とある古代遺跡を探索した際にセブルス・コネリーを殺害して財宝を独り占めした。大富豪としての富は古代遺跡の財宝を売却することで得たものである。
・護堂晴充
世界有数の名探偵で、『和製ホームズ』の異名で知られている。
大泥棒の盗道燦星はライバル関係にあり、燦星が予告状を出したと聞くと必ず首を突っ込むほど燦星に対して強い執着を見せている。
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【NPC】護堂晴充
耐久値:15 魔力量:12
STR:70
CON:80
SIZ:70
DEX:70
INT:165
POW:60
APP:70
正気度:60
ダメージボーナス:+1D4
1ラウンドにつき1回行動
技能
<近接戦闘(格闘):60%>
<推理:100%>推理に特化した技能。事件に関連する情報調査や推理の組み立てに長ける。この技能に成功した場合、事件解決に繋がるヒントを閃くことや、手に入れた情報から犯人を導くことができる。
<信用:100%>
<説得:90%>
<言いくるめ:90%>
<法律:100%>
<科学(法医学):100%>
<変装:50%>
<回避:80%>
<図書館:100%>
<目星:100%>
<聞き耳:100%>
<母国語(日本語):100%>
<外国語(全ての言語):80%>
※その他の技能は初期値です。
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・盗道燦星
伝説の怪盗、盗道一聖の孫に当たる大泥棒。
護堂晴充とはライバル関係にあり、幾度となく晴充と対決して盗みを成功させてきた。
世界最大のダイアモンドと言われる『金剛の涙』を狙ってウェーバード博物館に忍び込み、警備の目を掻い潜って奪取に成功する。その後、燦星の行動を推理して先読みした晴充に追われる形となり、高度な心理戦を繰り広げることになるが、パニックを引き起こしてその騒動を利用して博物館に侵入した黒ずくめの男によって射殺されて『金剛の涙』を奪われた。
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【NPC】盗道燦星
耐久値:16 魔力量:12
STR:90
CON:90
SIZ:70
DEX:160
INT:165
POW:60
APP:80
正気度:60
ダメージボーナス:+1D4
1ラウンドにつき1回行動
技能
<近接戦闘(格闘):60%>
<射撃(拳銃):50%>
<投擲:70%>
<泥棒:90%>
<奇術:80%>
<変装:80%>
<隠密:90%>
<回避:70%>
<母国語(日本語):100%>
<外国語(全ての言語):80%>
※その他の技能は初期値です。
-----------------------------------------------
・ルミナス=シエスタ
ファゲルズァート島で信仰されている聖夜教の七つある教会を束ねるリンプレント聖統教会のトップに立つ聖教女。
銀髪碧眼の絶世の美貌を持つ女性で、慈悲深い聖女として信徒だけでなくリンプレントの人々にも慕われている。
その裏の顔は邪悪なる神である【夜の神】ゼファシェルを崇める邪教徒。そもそも、リンプレント聖統教会の正体は邪神を崇める邪教であり、リンプレント聖統教会の実態は邪神信仰を隠すための隠れ蓑である。
膨大な魔力が込められている『金剛の涙』の存在を知り、幹部であるピスコとコニャックを派遣して『金剛の涙』を奪取した。
その後、『金剛の涙』の力を使って禁断の魔術を使い、【夜の神】ゼファシェルの復活を目論む。
・ピスコ
コードネームはブドウ果汁を使った蒸留酒から。
黒いスーツを纏った青髪の鋭い目つきの殺し屋。優れた狙撃の腕を持ち、超遠距離から逃走中の燦星の眉間を撃ち抜いた。
その正体はリンプレント聖統教会の裏の顔である邪教の幹部の一人である。
・コニャック
コードネームはブドウを使った蒸留酒から。
黒いスーツを纏い、黒い帽子を被った黒髪のサングラス姿の男。ピスコとは違ってがっしりとした体格をしている。
博物館の客を殺害して騒動を起こし、その隙に『金剛の涙』を盗んだ。
ピスコと同格の幹部だが、ピスコのことを兄貴と慕っている。
・【夜の神】ゼファシェル
退廃と崩壊を司る邪悪な神。
リンプレント聖統教会の神話では【昼の神】の加護を受けた大聖教女アナスタシアの手によって封印されたとされる。
その正体はリンプレント聖統教会の大聖教女アナスタシアが妄想で生み出した存在。
当時、厨二病のようなものを患っていたアナスタシアは空想で【夜の神】ゼファシェルという邪神を生み出し、その神を【昼の神】から力を得た自分が封印したという噂を流した。
承認欲求が強く権力への執着も強かったアナスタシアはその噂を使って新興宗教のリンプレント聖統教会を打ち立てて大聖教女、つまりはその宗教の頂点に君臨することを目論んだのである。
本来であればそのような話を信じる筈がないが、百年に一度の不作や凄惨な事件の頻発などが奇跡的に重なって当時のファゲルズァート島は荒廃しており、アナスタシアが噂を流した頃にそういった問題が起こら
なくなって平和になったため、彼女の言葉が信じられてしまう事態となった。
また、彼女が「リンプレント聖統教会の正体は邪神を崇める邪教であり、リンプレント聖統教会の実態は邪神信仰を隠すための隠れ蓑。【夜の神】ゼファシェルを復活させることが教会の最終目標である」という設定を厨二病の影響で残しており、これがルミナス達の暴走と殺人事件に繋がることとなる。
作中で登場する【夜の神】ゼファシェルは『金剛の涙』の力で妄想を具現化されたものであり、実際に【夜の神】ゼファシェルという存在がいる訳ではない。全ては厨二病女の傍迷惑な妄想の産物である。
【シナリオの導入】
大都市リンプレントの街中で情報を収集する、或いは港町リュレーエの市場で玲奈から話を聞いた上で館に行くことを断ることでフラグが立ちます。玲奈の依頼を受けた場合は呪いの館の攻略後にフラグが立ちます。
【シナリオの流れ】
①シナリオ開始フラグを立てる。
本シナリオを開始するためには、シナリオ開始のフラグを立てる必要があります。
フラグを立てる前にウェーバード博物館に向かってもシナリオは開始させず、平時の図書館を見学することになります。
シナリオを開始する方法は二つで、一つ目は港町リュレーエの市場で玲奈から話を聞いた上で館に行くことを断るというものです。
既に 【MAIN SCENARIO:呪われし館の殺人事件】の項目にイベントの詳細は載せられていますが、こちらにも同様のイベントの情報を載せておきます。
【イベント:探偵助手の少女との出会い】
探偵風の少女(???)「あっ、あの!! 挙動不審でしたよね? す、すみません。私は氷岡玲奈と申します。探偵の護堂晴充の弟子をしています」
ここで探偵・護堂晴充を知っているか特殊なアイデアロールを行います。
護堂晴充は有名な探偵なので、<アイデア>に+30%して振ってください。
成功した場合、「護堂晴充が世界的に有名な名探偵であること」と、「伝説の怪盗、盗道一聖の孫に当たる大泥棒、盗道燦星とライバル関係にあること」が分かります。
失敗した場合は<コンピュータ>に成功することで上記の情報が入手可能です。
玲奈「私は護堂先生と一緒に依頼を受けて大樹海の中にある呪いの館を調査することになっていたのですが……先生は島に着くや否や、盗道燦星がリンプレントにあるウェーバード博物館が所蔵する『金剛の涙』と呼ばれる宝石を盗むと予告したと耳にしてしまいまして、依頼のことは私に任せて大都市リンプレントまで一人で行ってしまわれたのです。……の、呪われているっていう噂の館に一人でいくのが怖くて怖くて……助けて頂けませんか?」
ここで玲奈の依頼を断ることで、フラグが立ちます。なお、玲奈の依頼を受けた場合は呪いの館フラグが優先されるため、 【MAIN SCENARIO:呪われし館の殺人事件】のフラグが立たなくなります。
街で情報収集してフラグを立てようとした場合でもフラグを立てるために必要なイベントは発生しません。
玲奈とのイベントを発生させていない場合は、大都市リンプレントのリンプレント商店街で噂話を聞くことができます。
リンプレント商店街に入った時や、リンプレント商店街内の店を利用後に移動する際に<聞き耳>を振ってください。成功すると以下の噂話を聞くことができます。
【イベント:ウェーバード博物館の噂話】
マダムA「ねぇ、奥様聞いたかしら? ウェーバード博物館が『金剛の涙』というダイアモンドを手に入れたそうよ」
マダムB「あら、奥様。耳が早いのね。確か、異国の盗道燦星という怪盗が予告状を出したんじゃなかったかしら?」
マダムA「そうなのよ! で、博物館は警備員を集めたそうなんだけど、警備のアドバイザーとして島に来ていた護堂晴充って探偵を雇ったそうよ」
マダムB「確か、盗道燦星のライバルを名乗っている探偵よね。ここまでの勝負はほとんど引き分けに終わっていて、護堂晴充が警備に関わった博物館での盗難確率は五十パーセントだとか」
マダムA「今回はどちらが勝つのか、楽しみねー」
ここで探偵・護堂晴充を知っているか特殊なアイデアロールを行います。
護堂晴充は有名な探偵なので、<アイデア>に+30%して振ってください。
成功した場合、「護堂晴充が世界的に有名な名探偵であること」と、「伝説の怪盗、盗道一聖の孫に当たる大泥棒、盗道燦星とライバル関係にあること」が分かります。
失敗した場合は<コンピュータ>に成功することで上記の情報が入手可能です。
このイベントを見るか、【イベント:探偵助手の少女との出会い】でイベントのフラグを立てることでシナリオが開始できます。
②ウェーバード博物館を訪問する。
探索者達がウェーバード博物館に向かうと一階のエントランスで西洋人の老紳士と東洋人の探偵風の男が何やら話をしている場面に遭遇します。
ウェーバード博物館の詳細は◆【エリア紹介:大都市リンプレント】◆をご覧ください。
その後、イベントが発生します。
【イベント:ウェーバード博物館①】
探索者達が博物館に入ってきたところで話が終わったのか、西洋人の老紳士は博物館のバックルームの奥へと消えていきました。
探偵風の男は探索者達のことを見つけると駆け寄ってきまくる。
???「初めまして、私は護堂晴充、探偵をしている。君達も観光客なのだろう? もし、やりたいことが決まっていないのであれば手伝ってくれないか? この博物館に私のライバルである怪盗・盗道燦星が予告状を出してきた。奴は私の因縁の相手、是非ともこの手でキザなコソ泥を捕まえたいところだが……流石に一人では限界がある。そこで、君達には私の助手として手伝ってもらいたいのだ。実は私には助手が一人いるのだが……今回、私達がこの島に来たのはある館について調べるためだったんだ。だが、盗道燦星が予告状をこの博物館に出したと聞いた! どちらを優先すべきかは自明だというのに、あの助手は以来の方が大切だと言ったのだ! その後、助手は依頼を一人で解決するといって飛び出していってしまった。なので、今は私に助手がいない。……勿論、盗道燦星の逮捕ができた暁にはそれ相応の謝礼を支払おう。どうだ? 引き受けてくれるか?」
ここで晴充の依頼に応じると、晴充は探索者達をバックルームの方へと連れていきます。
断った場合は「そうか……気が変わったらまた声をかけてくれ」と言って会話が終了となります。ここで断った場合も再び晴充と話すことで助手になる依頼を引き受けることが可能です。
③バックルームへ。
探索者達がバックルームに入ると博物館職員の女性が晴充と共にいる探索者達のことを発見し、イベントが発生します。
【イベント:ウェーバード博物館②】
博物館職員「護堂さん! 部外者を連れてきたちゃダメじゃないですか!!」
晴充「部外者じゃない、助手だ。盗道燦星の逮捕に協力してくれることになった」
博物館職員「でも、晴充さんの助手って玲奈さんって方だけなんじゃ……」
晴充「だから、つい先ほど交渉をして助手になってもらったんだ」
博物館職員「さ、流石にさっき会ったばかりの方をバックルームに通す訳にはいきませんよ! バックルームには貴重なものも沢山ありますし! えっと……助手を引き受けたというお客様方、残念ながら現時点では部外者と言わざるを得ない皆様をこの先に通す訳にはいきません。しかし、怪盗逮捕に協力してくださるというのはありがたいことです。ですので、このような形ではどうでしょうか? 皆様には予告状にあった明日の深夜に当館に来て頂き、晴充様と共に『金剛の涙』の展示されている【特設展示室】の周辺で待機して頂きたいのです。怪盗が現れましたら、晴充様と協力して逮捕をして頂ければ幸いです。館長の方には私の方からお伝えしておきます。勿論、館長と交渉して謝礼をお支払いするようにお願いして参ります」
このイベント後、探索者達はバックルームの外に出されてしまいます。
④予告の日の深夜、ウェーバード博物館にて。
バックルームを追い出された後、晴充から「予告状には明日の深夜と書かれていた」ことを伝えられます。
晴充はその後バックルームに戻りますが、その際、「明日の夜に博物館の入り口まで来て欲しい。そこで合流して博物館の中に入ろう」と言われます。
予告の時間まで時間はあるため、ウェーバード博物館を巡ったり、装備などを整えたりといったそれぞれのやりたいことを進めておきましょう。
翌日の夜になると、探索者達は半ば強制的にウェーバード博物館に向かうことになります。
ウェーバード博物館の入り口で晴充と合流した探索者は【特別展示室】に向かうことになります。ここでイベントが発生します。
【イベント:ウェーバード博物館③】
【特別展示室】には既に多数の警備員がいました。探索者達は晴充と共に少し離れた場所から【特別展示室】の様子を確認することになります。
そして、深夜零時になった瞬間――【特別展示室】を真っ白な煙が覆いました。
あれだけいた警備員が全て催眠ガスで眠らされ、無防備を晒す中、一人の白い衣装を纏った仮面の怪盗が姿を見せます。
晴充「盗道燦星!!」
燦星は晴充がいたことに少し驚いた様子でしたが、すぐに靴につけられたローラーを作動させて高速で博物館の中を駆け抜けていきます。
晴充「待て! 君達! このまま奴を追いかけてくれ! 私はバックルーム経由で挟み撃ちを仕掛ける!!」
晴充はバックルームの方へと消えていきます。探索者達は晴充に言われた通り燦星を追いかけることになります。
なお、ここでDEX対抗ロールは発生しません。どれだけDEXが高くても燦星に追いつくことはできませんが、燦星も探索者達から完全に逃げ切ることはできず、一定の距離をキープしています。
探索者達が晴充と合流し、燦星に挟撃を仕掛けますが、燦星を捕らえることはできません。
燦星は博物館の外まで来ると、どこからともなく気球を出現させ、空へと逃げようとします。
晴充「くっ……逃げられてしまったか」
と、次の瞬間、燦星の乗った気球のバルーン部分が破れ、落下を始めました。
ここで<目星>を振ってください。成功した場合は気球のバルーンが弾丸に撃ち抜かれて破れた光景を目撃するでしょう。
気球は街の外れの方へと落ちていきます。
晴充は気球を追っていきます。探索者達も晴充を追って街のハズレに向かうことになるでしょう。
その移動中に<聞き耳>を振ってください。ハード成功以上が出た場合な小さな銃声が探索者の耳朶を打ちます。
気球が落ちたところに向かうと、気球が落下しており、胸を撃ち抜かれた男の死体が転がっていました。
男は東洋人のようで、怪盗・盗道燦星と同じ白い衣装を着ています……が、胸元は真っ赤に汚れており、真っ赤な鮮血が地面に大きな赤い水溜まりを作っていました。
探索者達には<SAN値チェック:0/1D3>、晴光には<SAN値チェック:1D10+90/1D100+900>が発生します。
この時、晴充が発症する狂気は固定で<特殊な狂気・精神崩壊>を起こします。この時点では失神をするだけですが、意識を取り戻してもまともに会話もできず意思も薄弱した状態になってしまいます。
晴充はその後、彼が宿泊していたホテル『ラグジュアリー・ムーン』の一室に搬送されます。ホテル『ラグジュアリー・ムーン』の晴充の部屋に行くことで晴光に会うことはできますが、既に精神が崩壊しており、彼が探偵として今後の事件解決に関わることは不可能だと探索者達は本能的に察するでしょう。
この症状は彼の生きる理由だった盗道燦星の死が原因のため、<精神分析>でも絶対に治すことができません。また、盗道燦星に関する記憶を魔術で消しても、彼の大切な部分がぽっかりと消えてしまっているため、どちらにしろ彼が狂気から回復することはありません。
⑤ウェーバード博物館で目撃した事件について今分かっていることを伝えよう。
怪盗・盗道燦星の死体を調べた場合、『金剛の涙』が無くなっていることが分かります。
晴充がこれ以上事件に関われないため、探索者達が代わりにウェーバード博物館に怪盗・盗道燦星が殺害されたことや『金剛の涙』が何者かによって盗まれたことを報告しに行くことになります。
探索者達がウェーバード博物館に行かない場合はホテル『ラグジュアリー・ムーン』の従業員などを使ってウェーバード博物館に向かうように誘導してください。
バックルームには入れないため、探索者達は受付に向かうことになります。受付にロールプレイをして事情を説明すると、探索者達にバックルームに入るように促し、二階にある【館長室】に向かうように促します。
【館長室】に入るとイベントが発生します。
【イベント:ウェーバード博物館④】
???「事情は職員から聞いているよ。初めまして、ツェペエリ・ウェーバードだ。この博物館で館長をしている。……大変なことに巻き込んでしまい申し訳ない。晴充殿も心を病んでしまったと聞いて申し訳ない気持ちでいっぱいだ」
ツェペエリ「本当はこんなこと頼むべきではないのだろうが、晴充殿の代わりにこの事件の解決に協力してもらえないだろうか? 私も個人的に事件解決に動くつもりだし、警察機関も動いてくれるようだが、犯人に皆目見当がつかない今の状態では猫の手も借りたいんだ。勿論、危険な目に遭うかもしれないのだからそれ相応のお礼はさせてもらう。協力して頂けるのであれば前金をお支払いしよう」
ここで応じた場合は100,000 円相当のお金を支払ってもらえます。
ツェペエリ「それと、博物館のバックルームに入れるように『許可証』を渡しておこう。事件解決のために必要であれば友好に活用してくれ」
ここでイベントは終了となります。ツェペエリがいるタイミングでは【館長室】を探索できないため、一度【館長室】を出ましょう。
しばらくすると、ツェペエリは【館長室】を出て施錠し、どこかにいきます。
ここから博物館の全域が調査対象に加わります。博物館の各所には警察官がいますが、話を聞いても「犯人に関する情報は今のところなく、捜査は暗礁に乗り上げている。もし、何か分かったら教えて欲しい」と言われ、特に情報は得られません。
ちなみに、探偵・護堂晴充の助手という肩書きがあるため、警察からも高い信頼を勝ち取ることができるでしょう。
⑥新たな事件発生
ウェーバード博物館は事件の日から休館となりますが、探索者は休館の博物館に入ることができます。
その後、二日間は何も起きませんが、三日目に新たな事件が起きます。
館長室の扉が破壊され、荒らされた館長室の中でツェペエリが冷たくなっていました。
<SAN値チェック:0/1D3>です。技能を振らなくても弾丸が胸元を貫通していることが分かります。
<科学(法医学)>か<医学>を振って成功すれば、彼が即死だったことが分かっていいでしょう。
その後、警察官がやってきてツェペエリの死体は運ばれています。
館長室は死体発見現場ですが、第一発見者が晴充の助手ということで「事件現場を荒らさないこと」を条件に先に調査することを許可してくれます。
机を探索することで、以下の殴り書きを入手することができます。事件後は<目星>か<幸運>に成功しなければ情報は出ません。
-----------------------------------------------
ない! ないないないない!!
自宅も探した! 倉庫も探した! しかしない!
祖父の遺品はできる限り展示したい。あれも大切な品だ。どこだ! どこにある!!
仕方がないので記憶を頼りに絵に描いたが、あんなものではダメだ。……思い出せ、思い出せ。
リンプレントに移り住む前にはアルダヴ湖畔の屋敷に住んでいたが、あそこで管理していた美術品は全て運び出した。となると、やはりどこかに……。
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棚を探索した場合は事件に関係しそうな品が少なくとも棚にはないことが分かります。
少なくとも、今ある情報で犯人の特定はできないようです。
⑥′ 寄り道をする。
机のメモからアルダヴ湖畔の屋敷にツェペエリが探していたものがある可能性が浮上します。
実際にアルダヴ湖畔に向かい、アルダヴ湖のほとりでマダムから話を聞いた後、【SUB QUEST:元ウェーバード家別荘】を発生させて元ウェーバード家別荘を貰い受けると『古き教会の紋章』をお礼として受け取ることができます。
『古き教会の紋章』は本シナリオの秘密の解明に役立つだけでなく、シナリオのボスを簡単に倒す際にも役に立つため、ここで入手しておくと良いかもしれません。
⑦怪盗・盗道燦星殺害事件と館長殺人事件の下手人は?
博物館の職員に書き込みをする場合、「館長室で少し前に大規模な工事が行われた。壁に関する工事で、その後、館長が壁に何かをしていた姿を目撃したという情報がある」という情報を得られます。
この情報を得た後、壁の探索が可能になります。
<目星>に成功すれば、一箇所だけ色が薄い部分を発見できます。
壁は取り外せるようになっており、中から録音機器が出てきます。
長時間録音されているため全て確認するのであれば数日は掛かるでしょうが、<コンピュータ>に成功すれば10分ほどで特定できます。
館長と侵入者の男が話している音声と、「教会」というキーワードが録音された録音機器が日記帳と共に入っていました。
【イベント:ウェーバード博物館⑤】
ツェペエリ「そのペンダント……まさか、教会の……」
???「ちっ、気づきやがったようだな。だが、ここには誰もこねぇ。知ったところで、次の瞬間にはあの世行きだ! 冥土の土産にしな!」
???「まだサツの奴らがうろちょろしてやがります。どうします? アニキ?」
???「関係ない話だ。俺達は闇に溶けて消えるように逃げるだけのこと。コニャック、脱出準備を整えておけ!!」
その後、一発の銃声が鳴って再び無音となりました。
※暗殺者二人がこのタイミングでツェペエリ殺しを狙ったのは、博物館が手薄になったからです。ツェペエリは警察と交渉し、あえてこの日だけ警備を外して無防備な状況を作っていました。恐らく、犯人を特定するために命を賭けることを選んだのでしょう。
-----------------------------------------------
・『ツェペエリの日記帳』
ウィリアム=マグヴェスとシンガポールで接触することに成功した。酒を飲ませたところ、ベロベロに酔っ払い、セブルス=コネリー……父とのことを教えてくれた。まあ、本人は酒の影響で覚えていないだろうが。
調べていた通り、父はウィリアムと若い頃にタッグを組んで冒険をしていたらしい。そして、砂漠の遺跡で大量の財宝を手にすることになった時、父を事故に見せかけて殺害して財宝を丸ごと手中に収めたようだ。
……大方予想通りだったな。
私がセブルス=ウェーバードの息子であることは知らないらしい。
『金剛の涙』に興味があると言ったら案の定吹っかけてきた。が、望むままに支払ってやる。
どうせ、地獄まで持っていけないんだからな。
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⑧犯人を追ってリンプレント聖統教会に向かう。
犯人が分かったところで探索者達はリンプレント聖統教会に向かうことになります。
リンプレント聖統教会の詳細は◆【エリア紹介:大都市リンプレント】◆をご覧ください。
まずは敵の拠点の入り口を探しましょう。
地下への階段はフラグがなくても見つけることはできますが、答えを知っていない限りは特定できないため、まずは情報を知っていそうな神父の部屋である【31神父私室】を目指しましょう。
【31神父私室】で事務用の机に<目星>を振って成功すると、机の引き出しから『教会本部の入り口』に関するメモを入手することができます。
どうやら各教会の神父に選ばれた者が【神父私室】と共にこの情報を継承するようです。紙には『内容を覚えたら処分するように』と書かれていましたが、何故か引き出しの中にそのまま残されていました。
メモの情報から地下への隠し階段が内陣にあることを突き止めることができます。
なお、昼は内陣に、夜は【31神父私室】にそれぞれ神父の姿があり、遭遇は避けられません。
神父の父は夜の時間帯にこの部屋に戻ってきます。耐久値は一律12で、戦闘技能は<近接戦闘(格闘):20%>と戦闘能力は皆無なため、簡単に気絶させることができます。また、交渉技能に成功すれば戦闘を回避することも可能です。
⑨地下への潜入
イベントは【42聖教女の部屋】と【邪教徒の祭壇】で発生します。
それ以外の部屋については鍵の掛かっている【43教団資料庫】以外は自由探索可能です。
ここからは戦闘が発生するため、【33暗殺者の部屋②】で武器を得ておくといいでしょう。
【41教団図書館】では【夜の神】信仰に纏わる『待夜の書』を入手することが可能です。シナリオの進行には影響を及ぼしませんが、彼らのバックグラウンドを知るのには役立ちます。
【42聖教女の部屋】の部屋に入ると自動的にイベントが発生します。
【イベント:聖教女の部屋にて】
教団幹部の私室と比べても更に絢爛豪華な部屋です。
白い壁に黄金をふんだんに使ったレリーフが数多く刻まれていて、真っ赤な絨毯が敷かれ、アンティークの高価な調度品が並べられています。
部屋には銀髪碧眼の絶世の美貌を持つ女性は、真っ白な修道服のようなものをその身に纏っています。
女性の隣には二人の黒いスーツの男達の姿がありました。二人とも探索者達の姿を見つけるなり銃を抜き、戦闘体制を整えます。
???「さて、間も無く儀式の時間ですわ。大いなる【夜の神】を復活させる大切な儀式です。……くれぐれも邪魔はさせないように」
???「これまで俺がぬかったことはあったか? 聖教女殿?」
聖教女「あら? こんなところまで鼠に入られている時点で貴方達は仕事に失敗したってことでしょう? 口を慎みなさいピスコ。では、私は儀式の間に向かうわ」
聖教女は扉をくぐり、分厚い扉を閉めてしまいました。ガチャリと音を立てて鍵が閉められてしまいます。
ピスコ「ここから先には通す訳にはいかない。好奇心は猫を殺す。ここまで来たのが運の尽きだったってことだ」
コニャック「どうせ【夜の神】が復活すれば世界は滅ぶ、今死ぬか後で死ぬかの些細な違いしかないんだぜ。……アニキと俺のコンビネーション、地獄への手土産にとくと味わってみな!!」
イベント終了後にピスコとコニャックとの戦闘が開始されます。
詳細は◆『エネミー図鑑』の情報◆をご覧ください。
戦闘終了後、部屋の机に<目星>を振って成功すると『聖女の鍵』を入手することができます。
『聖女の鍵』を使えば聖教女が消えていった扉の先に行くことが可能です。
⑨′ 再び寄り道をする。
『聖女の鍵』で解禁されるのは【邪教徒の祭壇】への扉だけではありません。
【43教団資料庫】も鍵を開けることで侵入することができます。
じっくりと探索を行えば、入り口と反対側に扉のような切れ込みを発見することができます。いかなる戦闘技能を振って破壊できず、鍵穴のようなものもありませんが、何かを嵌められる窪みがあります。
窪みに『古き教会の紋章』を嵌め込むことで【44秘密の部屋】に侵入することができます。
この隠し部屋は小さな机があるだけの簡素な部屋です。机の上には黒い日記帳が置かれています。
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・『黒い日記帳』
伝説の大聖教女にして聖統教会の創始者であるアナスタシアの日記です。
ファゲルズァートの古い言葉で書かれていますが、魔法が掛けられており、読む人の母国語で書かれていると錯覚します。
この日記帳を熟読すれば、以下のことが分かります。
当時、厨二病のようなものを患っていたアナスタシアは空想で【夜の神】ゼファシェルという邪神を生み出し、その神を【昼の神】から力を得た自分が封印したという噂を流した。
承認欲求が強く権力への執着も強かったアナスタシアはその噂を使って新興宗教のリンプレント聖統教会を打ち立てて大聖教女、つまりはその宗教の頂点に君臨することを目論んだのである。
本来であればそのような話を信じる筈がないが、百年に一度の不作や凄惨な事件の頻発などが奇跡的に重なって当時のファゲルズァート島は荒廃しており、アナスタシアが噂を流した頃にそういった問題が怒らなくなって平和になったため、彼女の言葉が信じられてしまう事態となった。
また、彼女が「リンプレント聖統教会の正体は邪神を崇める邪教であり、リンプレント聖統教会の実態は邪神信仰を隠すための隠れ蓑。【夜の神】ゼファシェルを復活させることが教会の最終目標である」という設定を厨二病の影響で残した。
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この日記帳は【夜の神】の存在そのものを否定するものです。【夜の神】が顕現してしまった際にこの日記帳を突きつけることで消滅させることができます。
PLが閃かない場合は<アイデア>などの技能を振ってヒントを与えても良いかもしれません。
⑩邪神復活の儀式。
【邪教徒の祭壇】に入るとイベントが発生します。
【イベント:邪神復活の儀式】
その部屋は地上の教会と同じ形をしていした。しかし、どこか冒涜的な気配を感じます。
聖教女「あらあら、ピスコとコニャックがやられてしまったのね。でも、儀式の準備は整ったわ」
聖教女が内陣に歩を進めると、内陣に待機していた教団幹部と思われる者達が全員、自らの喉を刺し貫いて絶命しました。
狂気的な儀式を目撃した探索者達は<SAN値チェック:1D3/1D6>です。
聖教女「さあ、始めましょう! 【夜の神】復活の儀式を!!」
聖教女が右手に抱えていた『金剛の涙』が浮かび上がり、教団幹部達が残した真っ赤な血溜まりの真紅の液体を吸収していきます。
真っ赤に染まった『金剛の涙』は空中に留まりました。
聖教女「さあ、祈りましょう! 大いなる神が蘇り、世界の全てを滅ぼすまで! ああ、【夜の神】ゼファシェル様にこの世の全てを差し出せる瞬間を思うと、ああっ、身悶えしてしまいますわ♡」
このイベント終了後、聖教女ルミナス=シエスタとの戦闘が開始されます。
詳細は◆『エネミー図鑑』の情報◆をご覧ください。
なお、『金剛の涙』は幾重にも張られたバリアと攻撃を逸らす謎の力によって破壊することができません。
ルミナス撃破によって祈りのエネルギーが供給されなくなった場合や邪神復活が成功した場合は『金剛の涙』が砕け散ってしまいます。
⑪ウェーバード博物館で顛末を伝える。
探索者達はウェーバード博物館から依頼を受けていたため、ウェーバード博物館に戻って博物館の職員に顛末を伝えなくてはなりません。
どの職員でもいいので捕まえて、事件の顛末をロールプレイで伝えてください。
無事に伝え終わるとイベントが発生します。
【イベント:ウェーバード博物館⑥】
博物館職員「……まさか教団が関わっていたとは。それに、そのような恐ろしく冒涜的なことをしようとしていたなんて。ファゲルズァート島の島民として、この世界の一員として世界を救ってくださった皆様にはお礼申し上げなければなりませんね。……多くの犠牲が今回の件で出てしまいました。護堂さんは結局回復しないまま島を去ってしまいましたし、館長も……ですが、後ろばかり向いてはいられません。館長が守ってきたこの博物館を後世まで守っていかなければなりませんからね! 実は館長から『もし、私が死んだ場合はお礼を支払ってくれ』と預かっています。……もしかしたら、館長は自らの死を予見していたのかもしれませんね」
博物館職員は一度探索者達のもとを離れた後、お礼を持って戻ってきます。
ジュラルミンケースに入った3,000,000,000 ファーゲルと『レアモンスターバッジ』×1をもらうことができます。
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・『レアモンスターバッジ』
装備しているとレアエネミーのコーヒー・トレント、白肌の恐魔竜、骨の竜王、腐肉の竜王がエンカウントテーブルに含まれている場合、含まれているエンカウントテーブルのみがエンカウントの対象に指定されるようになる。
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この【イベント:ウェーバード博物館⑥】が終わったところで【MAIN SCENARIO:ウェーバード博物館の『金剛の涙』】はクリアとなります。エンディングはありませんので、他のクエストをこなすか、島から脱出するか、話し合って決めてください。
なお、ここでシナリオをクリアしても、即座にセッションを終了することはできません。
◆ 【MAIN SCENARIO:ゼルンの匣――十年前からのタイムカプセル】◆
【概要】
ゼルン市の廃校の中庭の一角に十年前、生徒達の手で埋められたタイムカプセルが発掘されることとなった。
タイムカプセルを埋めた元生徒達が集まって一日廃校舎に泊まり込み、過ぎ去った学校での生活を思い出し、翌日タイムカプセルを掘り出すという計画である。
しかし、島外で同級生達が就職してしまったということもあってか同窓会のメンバーはたった六人になってしまっていた。
旧ゼルン・ハイスクールの同級生達から成る同窓会の幹事を務めるカルロスと知り合った探索舎達は同窓会のメンバーとたった六人で廃校舎に泊まるのは少し寂しいと思い、探索者達に「一緒にタイムカプセルを掘り起こさないか?」と提案した。
同窓会とは関係ない部外者が参加することに難色を示す同窓会メンバーもいたが、カルロスや他の同窓会メンバーのとりなしもあって同窓会メンバーと探索者達は廃校舎で一夜を過ごすことになった。
しかし、その夜――不思議な出来事が起きて。
【主な登場人物(ネタバレあり)】
・カルロス=マティアス
旧ゼルン・ハイスクールの三十八期同窓会幹事。
先祖代々受け継いできた林檎農家をしている。
ゼルン・ハイスクール時代は生徒会書記を務めていた。
同窓会メンバー六人では少し寂しいと思い、出会った探索者達に一緒に旧ゼルン・ハイスクールの廃校舎に泊まらないかと提案する。
タイムカプセルには大人になった時に飲もうと「カルヴァドス」を入れた。
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【NPC】カルロス=マティアス
耐久値:12 魔力量:12
STR:50
CON:50
SIZ:70
DEX:50
INT:50
POW:60
APP:50
正気度:60
ダメージボーナス:±0
1ラウンドにつき1回行動
技能
<農業(林檎):90%>
<経理:80%>
<説得:50%>
<信用:50%>
<母国語(ファゲルズァート語):100%>
<外国語(全ての言語):60%>
※その他の技能は初期値です。
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・ギシュターヴァ=カーマイン
旧ゼルン・ハイスクールの三十八期同窓会メンバー。
カーマイン醸造の社長令息で専務取締役を務めている。
カルロスが探索者達を連れてきた際には「余所者を連れてくるな」と難色を示した。
タイムカプセルには「ヒヤシンス」の押し花の栞を入れた。
図書室焼失事件の犯人。アニカのことが好きだったが、イグニカとアニカが相思相愛の関係だったことから嫉妬し、自身に好意を向けさせるために仕掛けを施して図書室に火を放った。
・セパード=シュチュワード
旧ゼルン・ハイスクールの三十八期同窓会メンバー。
演劇部出身で現在は島の昔話をもとにした童話を執筆する童話作家をしている。
学生時代は「王子様」の愛称で知られていた。
タイムカプセルには自身が書いた童話「王子と春風」を入れた。
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【NPC】セパード=シュチュワード
耐久値:14 魔力量:12
STR:40
CON:60
SIZ:80
DEX:80
INT:70
POW:60
APP:80
正気度:60
ダメージボーナス:±0
1ラウンドにつき1回行動
技能
<芸術(演劇):50%>
<芸術(童話):90%>
<母国語(ファゲルズァート語):100%>
<外国語(全ての言語):70%>
※その他の技能は初期値です。
-----------------------------------------------
・オーガノン=マクワレン
旧ゼルン・ハイスクールの三十八期同窓会メンバー。
老舗眼鏡屋の一人息子で自身も大の眼鏡好き。高校時代は眼鏡の布教に勤しんでいた。
ミドルスクール時代から眼鏡職人に弟子入りしており、眼鏡を作っていた。
タイムカプセルには自作の眼鏡を入れた。
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【NPC】オーガノン=マクワレン
耐久値:12 魔力量:16
STR:50
CON:60
SIZ:60
DEX:90
INT:60
POW:80
APP:50
正気度:80
ダメージボーナス:±0
1ラウンドにつき1回行動
技能
<製作(眼鏡):100%>
<手捌き:90%>
<母国語(ファゲルズァート語):100%>
<外国語(全ての言語):70%>
※その他の技能は初期値です。
-----------------------------------------------
・ミランダ=マクニエル
旧ゼルン・ハイスクールの三十八期同窓会メンバー。
祖父の代から続く純喫茶店「カフェテラス」を引き継いだ女性マスター。
タイムカプセルには当時大切にしていたティーカップを入れた。
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【NPC】ミランダ=マクニエル
耐久値:11 魔力量:12
STR:40
CON:50
SIZ:60
DEX:60
INT:70
POW:60
APP:80
正気度:60
ダメージボーナス:±0
1ラウンドにつき1回行動
技能
<製作(喫茶):100%>
<母国語(ファゲルズァート語):100%>
<外国語(全ての言語):70%>
※その他の技能は初期値です。
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・アニカ=ツェデウス
旧ゼルン・ハイスクールの三十八期同窓会メンバー。
ツェデウス医院という町の診療所で女医をしている。代々医者の家系で大学に行くために一時期島を離れていた。
タイムカプセルには将来の自分に宛てた手紙を入れた。
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【NPC】アニカ=ツェデウス
耐久値:11 魔力量:16
STR:30
CON:40
SIZ:70
DEX:50
INT:110
POW:80
APP:70
正気度:80
ダメージボーナス:±0
1ラウンドにつき1回行動
技能
<応急手当:95%>
<医学:90%>
<母国語(ファゲルズァート語):100%>
<外国語(全ての言語):70%>
※その他の技能は初期値です。
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・イグニカ=ローニス
ゼルン・ハイスクールの生徒。享年十七歳。
ゼルン・ハイスクールに通っていてカルロス、ギシュターヴァ、セパード、オーガノン、ミランダ、アニカとは友人関係にあった。
根っからの本好きでハイスクールでは図書委員をしていた。中でも『時の妖精』という物語小説がお気に入りだったと言われている。
卒業を間近で控えた四年生(12th Grade)のタイミングで起きた図書室焼失事件に巻き込まれて命を落とした。この事件で図書室が焼失しており、これがゼルン・ハイスクールが廃校になった遠縁になっている。
図書室には火の気がなく、近くに調理室なども無かったことから事件には不審な点が多い。
タイムカプセルには「時の妖精の姿が描かれた絵」を入れた。
図書室消失事件の際には大切な本を守るために一人図書室に残り、必死の消火活動を続けたが燃え盛る炎と煙によって命を落とした。
実は時の妖精と出会っており、図書室焼失事件の際に十年後の未来の友人達に自分のことを思い出してもらいたいと願い、時の妖精に一つの願いを託した。
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【NPC】イグニカ=ローニス
耐久値:10 魔力量:16
STR:40
CON:50
SIZ:50
DEX:70
INT:50
POW:80
APP:70
正気度:80
ダメージボーナス:±0
1ラウンドにつき1回行動
技能
<図書室:100%>
<母国語(ファゲルズァート語):100%>
<外国語(全ての言語):70%>
※その他の技能は初期値です。
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【シナリオの導入】
ゼルン市に向かうとカルロスと出会う強制イベントが発生します。このイベントがフラグになっています。
【シナリオの流れ】
①ゼルン市に向かう。
ゼルン市に向かうとイベントが発生します。
【イベント:カルロスとの出会い】
ゼルン市についた探索者は林檎のイラストの上に「Apple」と書かれた特注と思われる黄色いTシャツにジーンズ姿の青年と出会います。
???「こんな田舎にお客さんなんて珍しいね。私はカルロス=マティアス、ゼルン市でマティアス林檎園を経営している林檎農家だよ。ところで、ゼルン市で何をするか決めているのかな? 実はこれからハイスクール時代の同級生とタイムカプセルを掘り起こすことになっているんだけど、昔は三十人もいた生徒が今は六人だけになってね。それで、もし良かったら私達と一緒にタイムカプセルを一緒に掘り起こしてくれないかな? まあ、賑やかしみたいなものだよ」
ここでカルロスの頼みを引き受けることがシナリオの開始条件になります。
断った場合は「そうか。だが、気が変わったらまた声をかけてくれ」と言って会話が終了となります。ここで断った場合も再びカルロスと話すことで依頼を引き受けることが可能です。
②旧ゼルン・ハイスクールを訪問する。
カルロスに同行すればゼルン・ハイスクールの東門を開錠してもらい、中に入ることができます。
その後、カルロスは西門も同様に開錠してくれます。
探索者達はまず食堂へと案内されます。食堂に入るとイベントが発生します。
【イベント:食堂にて、同窓会メンバーとの顔合わせ】
探索者達が食堂に入ると、既に同窓会メンバーが揃っていました。
上等な真っ赤なスーツを着た神経質そうな赤髪の男、白いブラウスに黒いチノパン姿のショートカットの黒髪の女性、眼鏡をかけた銀髪碧眼の青年、白いワンピースに黄色いカーディガンを合わせた金髪碧眼の女性、水色のワンピースに白衣を合わせたロングの黒髪の女性が食堂のテーブルの一つを囲むように座っています。
カルロスと探索者達が部屋に入ったところで赤いスーツの男が立ち上がりました。
???(赤スーツ)「おい、カルロス! なんで部外者を連れてきたんだ!」
カルロス「同窓会のメンバーも減っちゃったしさ、少し寂しいと思って来てもらったんだ。折角来てもらったのにそういう言い方をするなよ、ギシュターヴァ」
???(ショートカットの女性)「相変わらず、カルロス君は少しズレているようだね。まあ、折角来てくれたんだ。あんまり楽しめるところじゃないけど、明日の早朝にタイムカプセルを掘り出すまで僕達に付き合ってくれると嬉しいな。ああ、物理的に掘り出しにも付き合ってくれるとありがたいんだけど。ああ、名乗っていなかったね。私はセパード=シュチュワード、島の昔話をもとにした童話を執筆する童話作家をしているよ」
???(白いワンピースの女性)「私はミランダ=マクニエル、祖父から受け継いだ純喫茶店『カフェテラス』のマスターをしているわ。タイムカプセルを掘り出し終えたら、是非うちの店で美味しい珈琲や紅茶を飲んでいってね。それと、ファゲルズァートヘブンという特別な豆を手に入れたら売ってくれると嬉しいわ」
???(白衣の女性)「私はアニカ=ツェデウス、ツェデウス医院という町の診療所で医者をしているわ。よろしくね」
???(眼鏡の青年)「僕はオーガノン=マクワレン、眼鏡屋をしている。眼鏡は人類の素晴らしさ発明だ! この眼鏡の素晴らしさを広めることが僕の使命だと思っているよ! 君達も眼鏡を持っていないのなら是非うちの店に来るといい」
ギシュターヴァ「……余所者に名乗る名前なんてない」
アニカ「仕方ない人ね……彼はギシュターヴァ=カーマイン、カーマイン醸造の社長令息で専務取締役をしているわ。私の診療所を含めてゼルンの商店街にあるから是非遊びに来てね」
その後、カルロス達の思い出話に付き合っているうちに夜になります。
カルロス達が食事の準備をしてくれるので、探索者達はその流れで一緒に夕食を食べることになるでしょう。
1D3ポイントの耐久値と正気度を回復させてください。
夕食を食べたところでまたイベントが発生します。
【イベント:夕食後に廃校舎探索】
カルロス「そうだ。折角学校に入ることができるようになったんだし、夜の校舎探索と洒落込まないか?」
ミランダ「珍しいわね。お堅い書記殿がそんなこと言うなんて……まあ、昔に比べてかなり柔軟な性格になったみたいだけど」
カルロス「そんなことなかったと思うけどなぁ、昔からユーモアはあった方だろう?」
セパード「まあ、確かに面白そうだね。こんな夜だと幽霊が出そうだ」
ギシュターヴァ「……縁起でもないこと言うなよ、セパード」
オーガノン「まあまあ、ギジュダーヴァさん、そうカッカしないでくださいよ。ああ、図書室には近づかないようにしてくださいね。あそこは昔燃えて大変なことになったんですから」
カルロス「あれは痛ましい事件だった……本当はアイツもこの場にいた筈だったんだけどな」
ギシュターヴァ「気分が悪くなってきたぜ。行くならお前達だけで行ってくるといい」
このイベント終了後、自由行動が可能になります。
カルロス、セパード、オルガノン、ミランダ、アニカはまだ校舎探索を始めないようなので、食堂で話を聞くことが可能です。
【現段階で探索者が質問しそうなこととその答え】
●カルロス
・「このメンバーとは仲が良いのか?」
「まあ、同窓会で唯一島に残っていて連絡が取れるメンバーってのもあるが、昔から仲がいいメンバーでもあるな。……まあ、もう一人いたんだけどな」
・「図書室について」
「卒業を間近に控えた時に図書室が燃えたんだ。何故燃えたかは分からない。結局最後まで原因は分からなかった。……だけど、あの場所で出火するなんて絶対あり得ないんだ。考えたくはないが……誰かが火を放ったんじゃないかと今でも疑っているんだ」
・「廃校になった理由」
「元々老朽化していたこともあって新校舎自体は建てていたんだが……旧に廃校になった理由は間違いなく図書室の火災だろう。死者が出た場所に子供を通わせられないって話が親御さんから出て、早急に新校舎に移ることになった。俺達の卒業式も新校舎だったよ」
●ギシュターヴァ
どんな質問をしても「部外者と話をする気はない」と拒否されます。
●セパード
・「このメンバーとは仲が良いのか?」
「そうだね。随分長い付き合いになるかな? ……この名前を出すと雰囲気がギクシャクするんだけど、もう一人、イグニカ=ローニス君っていう本好きの子がいてね。彼は卒業を間近で控えた四年生のタイミングで起きた図書室焼失事件で亡くなったんだ。あの子は『時の妖精』というこの島に伝わる物語が好きでね。僕もそういった話が好きだからよく図書室で話したものだよ。その話をするとアニカ君が嫉妬していたね。……懐かしいな。ああ、そうそう。彼、奇妙なことを言っていたんだ。『時の妖精』に会ったって」
・「図書室について」
「懐かしいね……今はない思い出の場所さ。色々お気に入りの本があったのだけど、私の友人と一緒に燃えてしまったよ」
・「廃校になった理由」
「やはり、あの火事が直接的な原因じゃないかと思うよ。まあ、元々校舎の建て替えの計画があったからそれが早まっただけなんだけどね」
●オルガノン
・「このメンバーとは仲が良いのか?」
「よく一緒にいるメンバーですね。真面目で堅物な生徒会書記、捻くれ者の御曹司、演劇部の王子様、高嶺の花のツートップ、妖精好きの不思議ちゃん……よくこれだけのメンバーが集まったものです。俺だけキャラが薄いなぁって思ってました」
・「図書室について」
「ああっ……なんといいますか、あんまり近づかない方がいいと思いますよ。あそこで火事が起きて、その影響で黒焦げになっていますから」
・「廃校になった理由」
「うーん……そう言うのは詳しくないので、カルロスさん辺りに聞くといいと思いますよ」
●ミランダ
・「このメンバーとは仲が良いのか?」
「そうね……随分と長い付き合いになるわね。アニカさんは一時期医学部に通うために島を離れていたけど、絶えず連絡は取っていたわ」
・「図書室について」
「私達が大切な友人を失った場所ね。……そういえば、奇妙な噂話があるわ。あの場所に行くと、可愛らしい子供の声が聞こえるって……まさか、ね」
・「廃校になった理由」
「……元々校舎の建て替えの話があったけど、早まった理由はやっぱり火事でしょうね」
●アニカ
・「このメンバーとは仲が良いのか?」
「そうね。かなり長い付き合いだと思うわ。……本当なら、彼もこの場所に……いえ、なんでもないわ」
・「図書室について」
「あの事件については……思い出したくもないわ」
・「廃校になった理由」
「……多分、あの火事が……」
③旧ゼルン・ハイスクールを探索する。
現代のゼルン・ハイスクールの探索が解禁されます。
なお、探索している間は謎の力で時間がほとんど停止している状態になり、また、ゼルン・ハイスクールの東門や西門から出ようとしても出られず、反対側の門からゼルン・ハイスクールに戻ってしまいます。
全てのエリアを探索することができますが、現在の図書室エリアに入るとイベントが発生してしまいます。シナリオ上で現在の旧ゼルン・ハイスクールを探索できるのはこのタイミングを含めて二回だけなので、念入りに探索すると良いでしょう。
なお、部屋を出入りする度に「くすくす……くすくす……」とどこからともなく子供のような声が聞こえます。
【イベント:第一の遭遇】
辛うじて棚などが残っている黒焦げの部屋に入った探索者は「くすくす……くすくす……」という声を聞きます。
???「くすくす……遊びましょー。くすくす……」
声はどんどん大きくなっていきます。そして、何もない部屋の中心で眩い光が弾けました。
そこには、真っ青な妖精の形をした影がありました。
妖精は探索者達に襲い掛かってきます。戦闘開始です。
詳細は◆『エネミー図鑑』の情報◆をご覧ください。
なあ、時の妖精のDEXは∞なので確実に先行で行動して<時渡り>を使います。
<時渡り>は自動成功のため、戦闘は終了して探索者達は過去に飛ばされてしまいます。
④一度目のタイムスリップ
探索者達が目を開けると強制的にイベントが発生します。
【イベント:過去のゼルン・ハイスクール①〜屋上にて〜】
探索者達が目を開けるとそこはゼルン・ハイスクールの屋上でした。
フェンスが建てられた屋上にいた探索者達は、階段を上る足音に気付きます。
扉が開け放たれ、複数の男女が屋上にやってきました。どうやら、探索者達には気づいていないようです。
複数の男女は学生時代のカルロス達のようですが、一人だけ知らない少年が混じっていることに気づくでしょう。
学生オーガノン「しかし、驚いたよ。まさか、カルロス君が屋上に出れるように許可をもらうなんて。真面目な性格だからこんな行動しないと思っていたんだけど」
学生カルロス「もうすぐ廃校になるし、卒業だろう? だったら一度来てみたいと思っていたんだ。ほら、屋上って夢があるだろう?」
???「カルロス君って意外と子供っぽいところあるよね」
学生カルロス「誰が子供だよ!! イグニカ、お前の方が子供っぽいだろう? 妖精とか……御伽話の存在を未だに信じて」
イグニカ「妖精は……いるんだけどな」
学生セパード「……まあまあ、その辺にしておきなよ。まあ、僕は妖精がいるって信じたいけどな。その方がロマンがある」
学生ギシュターヴァ「……それ、イグニカのことを信じているっていうフォローになってないよな?」
学生ミランダ「こうしてみんなで集まれるのもあと少しか……寂しくなるわね」
学生ギシュターヴァ「別に島を離れるって訳でもないだろう? 大体家業を継ぐか、夢に向かって頑張るかのいずれかだ。夢も、この島で大体叶えることができる」
学生アニカ「…………」
???「懐かしいわね」
探索者達が後ろから掛けられた声に気づいて後ろを向くと、そこにはアニカの姿がありました。
アニカ「私も妖精? 何かにこの場所に連れてこられたのよ。……恐らく、ほとんど十年くらい前にタイムスリップしたようね。この日、タイムカプセルを埋めて、その後、屋上でこうして話していたの。懐かしいわ。……この時、結局私は伝えなかったのよね。医者の道に進むために島外の大学に行くつもりだって。…………それに、もう一つ伝えられなかったことがあったわ。彼に……私の気持ちを」
その時、探索者の耳朶を再びあの声が打ちました。
時の妖精「くすくす……遊びましょー。くすくす……」
声はどんどん大きくなっていきます。そして眩い光が弾けました。
そこには、真っ青な妖精の形をした影がありました。
妖精は探索者達に襲い掛かってきます。戦闘開始です。
詳細は◆『エネミー図鑑』の情報◆をご覧ください。
なあ、時の妖精のDEXは∞なので確実に先行で行動して<時渡り>を使います。
<時渡り>は自動成功のため、戦闘は終了して探索者達は今とは別の時間に飛ばされてしまいます。
⑤二度目のタイムスリップ
探索者達が目を開けると強制的にイベントが発生します。
【イベント:過去のゼルン・ハイスクール②〜図書室にて〜】
探索者達が目を開けると、そこは図書室でした。
小規模ながら様々な本が棚に置かれています。
生徒達が静かに本を読んだり、小声で談笑しているようです。
その中に、見覚えのある二つの顔を探索者達は発見するでしょう。それは、セパードとイグニカでした。
学生セパード「……どうだろうか?」
イグニカ「凄いね! セパードさん。とても面白かったよ!!」
学生セパード「本好きのイグニカ君に太鼓判を押してもらえるなら大丈夫そうだね」
イグニカ「でも、本当にいいの? 演劇の道に進むって選択肢もあるんじゃないかな?」
学生セパード「まあ、確かに卒業しても演劇を続けて欲しいという声はあるよ。ただ、僕はそれよりも物語を作る方が性に合っているんだ。……ん?」
その時、ガタンと物音がして、棚から本が落ちました。
しかし、それに気づいているのかいないのか、本棚の後ろに隠れていた小さな影は物凄い速さで図書室の外に出て行ってしまいます。
学生セパード「……あれは誤解させてしまったかもしれないね」
イグニカ「どうしたの?」
学生セパード「いや、なんでもないさ」
???「こうして客観的に昔の僕を見るのは複雑な気分になるね」
探索者達が後ろから掛けられた声に気づいて後ろを向くと、そこにはセパードの姿がありました。
セパード「僕も妖精にこの場所に連れてこられてね。……妖精は一体何がしたいんだろうね。タイムカプセルを掘り出すこのタイミングで、なんとなく運命的なものを感じるよ。とりあえず元の時間に戻りたいものだけど……おや?」
その時、探索者の耳朶を再びあの声が打ちました。
時の妖精「くすくす……遊びましょー。くすくす……」
声はどんどん大きくなっていきます。そして眩い光が弾けました。
そこには、真っ青な妖精の形をした影がありました。
妖精は探索者達に襲い掛かってきます。戦闘開始です。
詳細は◆『エネミー図鑑』の情報◆をご覧ください。
なあ、時の妖精のDEXは∞なので確実に先行で行動して<時渡り>を使います。
<時渡り>は自動成功のため、戦闘は終了して探索者達は今とは別の時間に飛ばされてしまいます。
⑥三度目のタイムスリップ
探索者達が目を開けると強制的にイベントが発生します。
【イベント:過去のゼルン・ハイスクール③〜どこかの教室にて〜】
探索者達が目を開けると、そこはどこかの教室でした。
今回は一度目のタイムスリップにいたメンバーが全員揃っているようです。
学生アニカ「今日登校する時に花畑を見つけたのよ。折角だから、花を少し摘ませてもらって押し花を作ったわ」
学生オーガノン「……花を摘んできて押し花って……もう子供でもないですし」
学生アニカ「私は子供とか大人とか関係ないと思うけどなぁ……」
学生カルロス「大体花を押し花にして何に使うんだよ?」
学生アニカ「ふっふっふっ、そういうと思って押し花を栞にしてきました! これなら本を読む時に役立つでしょう? はい、カルロス君にはこれ! 桔梗の花!」
学生ミランダ「花言葉は……確か、誠実ね」
学生アニカ「詳しいわね。……でも、花言葉は関係ないのよね。似合いそうな花を選んでいるだけで。はい、ギシュターヴァ君には、白いヒヤシンス」
学生ミランダ「花言葉は心静かな愛、控えめな愛らしさ……似合わないわね」
学生ギシュターヴァ「五月蠅いなぁ……まっ、まあ、そこまで言うなら受け取ってやってもいい!」
学生ミランダ「酷い言い方ね。それだからモテないのよ」
学生ギシュターヴァ「……へいへい、高嶺の花のモテモテなミランダさんが言うならそうなんでしょうね。…………将来は家を継いで、親が決めた人と結婚するからいいんだよ」
学生カルロス「時代錯誤だよなぁ……まあ、うちは代々続いている林檎農家を継ぐのが決まっているだけでそれ以外は放任だし、ギシュターヴァのところに比べたらマシだよなぁ」
???「確かこの日ってタイムカプセルを埋める少し前だったわね」
探索者達が後ろから掛けられた声に気づいて後ろを向くと、そこにはミランダの姿がありました。
ミランダ「驚かせてしまって申し訳無かったわね。私もこの時間に飛ばされたのよ。……懐かしいわ。そうそう、ヒヤシンスは花ごとに花言葉が決まっているのよね。確か、紫の花言葉は『悲哀』、ピンクの花言葉は『しとやかな可愛らしさ』、黄色の花言葉は『勝負』、赤色の花言葉は……なんだったかしら?」
ここで探索者達は<科学(植物学)>か、<自然>あるいは<科学(生物学)>あるいは<アイデア>を振ってください。<科学(植物学)>は通常成功、それ以外はハード成功の場合に情報が出ます。
技能が成功した探索者は「赤いヒヤシンスの花言葉が『嫉妬』である」ことを思い出します。
探索者達はミランダに返答しようとするかもしれませんが、その前に探索者の耳朶を再びあの声が打ちました。
時の妖精「くすくす……遊びましょー。くすくす……」
声はどんどん大きくなっていきます。そして眩い光が弾けました。
そこには、真っ青な妖精の形をした影がありました。
妖精は探索者達に襲い掛かってきます。戦闘開始です。
詳細は◆『エネミー図鑑』の情報◆をご覧ください。
なあ、時の妖精のDEXは∞なので確実に先行で行動して<時渡り>を使います。
<時渡り>は自動成功のため、戦闘は終了して探索者達は今とは別の時間に飛ばされてしまいます。
⑥四度目のタイムスリップ
探索者達が目を開けると強制的にイベントが発生します。
【イベント:過去のゼルン・ハイスクール④〜グラウンドにて〜】
探索者達が目を開けると、そこはゼルン・ハイスクールのグラウンドでした。
???「おい、お前ら! 大丈夫か?」
振り返ると、そこにはカルロスとオーガノンの姿がありました。
オーガノン「突然、景色が変わったのには驚きましたが……ここは十年前みたいですね。しかし、いつなんでしょう?」
カルロス「時間を調べようにも時計が狂っている! だが、少なくともまだ火事にはなっていないみたいだな。しかし、あの妖精は何がしたいんだ?」
オーガノン「とりあえず元の時間に戻れる糸口を探さないといけませんね。みんなで手分けをして……」
その時、探索者の耳朶を再びあの声が打ちました。
時の妖精「くすくす……遊びましょー。くすくす……」
声はどんどん大きくなっていきます。そして眩い光が弾けました。
そこには、真っ青な妖精の形をした影がありました。妖精は探索者達の周りを踊るように飛ぶと、どこかへと飛んでいきます。
カルロス「待ちやがれ!!」
オーガノン「追いかけましょう!」
⑦過去のゼルン・ハイスクールを探索せよ
【イベント:過去のゼルン・ハイスクール④〜グラウンドにて〜】が終了後、過去のゼルン・ハイスクールの探索が解禁されます。
なお、探索している間は謎の力で時間がほとんど停止している状態になり、また、ゼルン・ハイスクールの東門や西門から出ようとしても出られず、反対側の門からゼルン・ハイスクールに戻ってしまいます。
全てのエリアを探索することができますが、過去の図書室エリアに入るとイベントが発生してしまいます。シナリオ上で現在の旧ゼルン・ハイスクールを探索できるのはこのタイミングだけなので、念入りに探索すると良いでしょう。
【イベント:図書室炎上】
探索者達が図書室に向かう途中、向こうから走ってきた何者かと衝突してしまいます。
しかし、衝突した瞬間に探索者達の体を擦り抜けるようにして反対側に走り抜けてしまいました。
あまりにも当然の出来事だったことや、その足の速さから姿を捉えるのは非常に困難です。<目星>を振ってクリティカルが出た時のみ図書室の方から走ってきた怪しい人影の正体に気づくことができます。
その正体は「ギシュターヴァ=カーマイン」でした。
探索者達が図書室に向かうと、図書室は燃えていました。炎が荒れ狂う中、たった一人、燃え盛る炎と煙の中で必死の消火活動を続ける少年がいます。
探索者達は何故か煙の影響を受けず、僅かな焦げ臭さを感じるのみですが、少年――イグニカは咳き込んでおり、煙で意識が朦朧としてきているようです。
???「おい! どうなっているんだ!!」
突如として、図書室前の廊下に複数の光が現れました。光が弾けると同時に、カルロス、セパード、オーガノン、ミランダ、アニカが現れます。
アニカ「――ッ!! イグニカ君!!」
カルロス「おい、まさか!! あの火事の……」
セパード「……最期まで必死にたった一人で消火活動を」
ミランダ「……あの時、先生達に止められて図書室にはいけませんでした。先生達がなんとかするって……それを信じて。……あの時、先生達の手を振り解いて来ていれば、もしかしたら、助けられたかもしれないと……そう思う、と」
イグニカ「……もう、僕はダメみたいだ。ああ、本達が燃えてしまう……本を守るためにこの場所に残って、それなのに守れなかったって、そんなこと言ったら、みんな僕のこと笑うかな?」
オーガノン「――ッ! 笑う訳っ、ないでしょうか!!」
イグニカ「ねぇ……妖精さん、お願いが、あるの。……時間が経てば、きっとみんな僕の存在なんて忘れてしまうことになると思う。……妖精が好きで……少し変わった子だったって……ごほっ……覚えているかもしれない……けど、みんなが、生きて、前に進んでいけば、色々な出会いが、きっと、あって……僕のことなんて……なんか、寂しいな。……だからね、たまには僕のこと、思い出して欲しいんだ。……十年後、あのタイムカプセルを、掘り出す日に……僕は、もういないけど、その時に、みんなに、僕達の思い出を、見せて欲しいな。……あんなことがあった、こんなことがあった……そんな風に、話のきっかけにして、また、みんなで笑えたら……」
イグニカの意識はそこでプツリとキレてしまいました。
イグニカは安らかな顔で崩れ落ち……そのまま炎に包まれてしまいます。
既に彼が死ぬことを察していた探索者達に正気度ロールはありません。
そこで、探索者達の視界は白に塗り潰されます。
⑧現代のゼルン・ハイスクールにて
探索者達が目を開けると強制的にイベントが発生します。
【イベント:過去のゼルン・ハイスクール⑤〜グラウンドにて〜】
???「おい、お前らいつまで寝ているんだ!!」
探索者達は頭上から降ってくる声で目を覚まします。
そこは、黒焦げの図書室でした。どうやら、探索者達は元の時間に戻ってきたようです。
図書室では探索者達だけでなくカルロス達も倒れていたようです。
カルロス達が目を覚まして立ち上がると、声の主ギシュターヴァは忌々しそうに図書室を見渡しました。
ギシュターヴァ「ほら、タイムカプセルを発掘するんだろ? とっとと行くぞ!」
ギシュターヴァは図書室を去っていき、他のメンバーも中庭に行くために図書室を出ました。
カルロス「お前達も来て発掘を手伝ってくれ。あっ、何か調べることがあるなら今のうちにしておいた方がいいぞ」
カルロス達が図書室を出て行った後、あの妖精が再び現れました。
妖精は赤い一冊の本を落とすと再び姿を消します。『赤い本』にはどうやら魔術が掛けられており、どの言語でも読むことができます。
-----------------------------------------------
・『赤魔術について』
真紅の力を司る魔術。赤に関連した魔術、例えば炎の具現化などの力を有する。
魔術を一度でも使った者の魔力は赤くなり、赤い魔力に当てられたものは真っ赤に染まる。
魔力は強い感情によって発散されることが多いようだ。
赤魔導家カーマイン三代目当主
-----------------------------------------------
また、本には探索者達の言語で、拙い文字で「犯人を見つけ出して、イグニカの無念を晴らしてください」と書かれたメモが挟まっていました。
なお、起床した時刻はシナリオ開始の翌日の朝七時に固定されます。
⑨イグニカ殺しの犯人は誰だ?
探索者達が中庭に行くと、既に発掘作業が始まっています。
穴掘りに使えそうな技能があれば振ってください。最長で四十分掛かりますが、一回の技能成功ごとに五分、最大で三十分短縮して十分でタイムカプセルを発掘することができます。
タイムカプセルには生徒全員分の宝物が入っていますが、以下に今回のシナリオに関わるものを提示しておきます。
-----------------------------------------------
・カルロス
カルヴァドスの瓶。
・ギシュターヴァ
赤いヒヤシンスの押し花。
・セパード
自身が書いた童話「王子と春風」。
・オーガノン
自作の眼鏡。
・ミランダ
大切にしていたティーカップ。
・アニカ
将来の自分に宛てた手紙。
・イグニカ
時の妖精の姿が描かれた絵。
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タイムカプセルの発掘が終わったタイミングでイベントが発生します。
【イベント:中庭にて①】
アニカ「……タイムカプセル、見つかったわね」
ミランダ「懐かしいカップだわ」
セパード「拙い童話だね。……原点か」
ギシュターヴァ「じゃあ、それぞれ宝物が見つかったところで今回の会は解散にするか? 今日からまた仕事なんだ」
カルロス「……待ってくれ」
ギシュターヴァ「まだ何かあるのか?」
カルロス「君達、まだ何かやらないといけないことがあるんだろう? 何か使命を持っているような、そんな顔をしている」
ギシュターヴァ「はぁ、なんなんだよ……たまに変なこと言い出すよな、お前って。俺は忙しいんだ。十五分だけ待ってやる」
このイベント後、十五分間の作戦会議の時間が設けられます。
時間内に以下の項目を相談してください。
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①イグニカ殺しの犯人は?
②証拠は?
③動機は?
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どれが欠けても、犯人にはぐらかされてしまうため三つの項目を全て揃える必要があります。
足りない情報がある場合は、時間内に探索するか、カルロス達から話を聞いてください。
なお、この時点では聞けることと回答に変化があります。
●カルロス
・「このメンバーとは仲が良いのか?」
「まあ、同窓会で唯一島に残っていて連絡が取れるメンバーってのもあるが、昔から仲がいいメンバーでもあるな。……もうお前達も会っただろう? イグニカだよ」
・「図書室について」
「卒業を間近に控えた時に図書室が燃えたんだ。お前たちも見ただろう? 何故燃えたかは分からない。結局最後まで原因は分からなかった。……だけど、あの場所で出火するなんて、やっぱり、絶対あり得ないんだ。考えたくはないが……誰かが火を放ったんじゃないかと今でも疑っているんだ」
・「廃校になった理由」
「元々老朽化していたこともあって新校舎自体は建てていたんだが……旧に廃校になった理由は間違いなく図書室の火災だろう。死者が出た場所に子供を通わせられないって話が親御さんから出て、早急に新校舎に移ることになった。俺達の卒業式も新校舎だったよ」
・「学生時代の恋愛事情は?」
「そういうことに疎くてな。分からん」
●ギシュターヴァ
どんな質問をしても「部外者と話をする気はない」と拒否されます。
●セパード
・「このメンバーとは仲が良いのか?」
「そうだね。随分長い付き合いになるかな? その場にイグニカ君がいれば、七人組で楽しく思い出話に花を咲かせられたかもしれないね」
・「図書室について」
「……今はない思い出の場所さ。色々お気に入りの本があったのだけど、私の友人と一緒に燃えてしまったよ。……あの時、僕は何もできなかった。あの光景を見て、改めて自らの無力さを嘆きたくなるよ」
・「廃校になった理由」
「やはり、あの火事が直接的な原因じゃないかと思うよ。まあ、元々校舎の建て替えの計画があったからそれが早まっただけなんだけどね」
・「学生時代の恋愛事情は?」
「分かりやすいのはアニカ君がイグニカ君に片思いを寄せていたことだね。後、ギシュターヴァ君は素直じゃなかったけど、アニカ君に片思いをしていたよ。そこの朴念仁は別としてみんなにはバレバレだったみたいだね」
●オルガノン
・「このメンバーとは仲が良いのか?」
「よく一緒にいるメンバーですね。真面目で堅物な生徒会書記、捻くれ者の御曹司、演劇部の王子様、高嶺の花のツートップ、妖精好きの不思議ちゃん……よくこれだけのメンバーが集まったものです。俺だけキャラが薄いなぁって思ってました」
・「図書室について」
「……無力感というか、自分が矮小な存在だと思い知らされます。手を伸ばせば届きそうなところまで行ったというのに」
・「廃校になった理由」
「うーん……そう言うのは詳しくないので、カルロスさん辺りに聞くといいと思いますよ」
●ミランダ
・「このメンバーとは仲が良いのか?」
「そうね……随分と長い付き合いになるわね。アニカさんは一時期医学部に通うために島を離れていたけど、絶えず連絡は取っていたわ」
・「図書室について」
「私達が大切な友人を失った場所ね。……そういえば、奇妙な噂話があるわ。あの場所に行くと、可愛らしい子供の声が聞こえるって……その正体は多分、あの妖精なのよね。本当にいるなんて驚いたわ」
・「廃校になった理由」
「……元々校舎の建て替えの話があったけど、早まった理由はやっぱり火事でしょうね」
・「学生時代の恋愛事情は?」
「うふふ、ナイショよ」
●アニカ
イグニカの死を目の前に魅せられてショックで心が折れているため、質問に答えられる状況ではありません。
なお、模範解答は以下の通りです。
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①イグニカ殺しの犯人は?
ギシュターヴァ=カーマイン。
②証拠は?
カルロスの「図書室について」での返答「卒業を間近に控えた時に図書室が燃えたんだ。何故燃えたかは分からない。結局最後まで原因は分からなかった。……だけど、あの場所で出火するなんて絶対あり得ないんだ。考えたくはないが……誰かが火を放ったんじゃないかと今でも疑っているんだ」から図書室に出火の余地は無かったことが分かる。となると、「なんらかの仕掛けを使って図書室に火を放った」と考えるのが妥当。
図書室で入手した『赤魔術について』によれば、赤魔術には炎を生み出すものがある。これを利用して火を放ったのだろう。イグニカの性格から本を守ろうと動くと分かっていたため、確実に殺せると判断しての犯行だったと思われる。
本には赤魔導家カーマイン三代目当主とあったが、これだけでギシュターヴァが犯人だと決めつけるのは早計。
ここで注目したいのが、「魔術を一度でも使った者の魔力は赤くなり、赤い魔力に当てられたものは真っ赤に染まる」という一文。
思い出してもらいたいのが、三度目のタイムスリップで行ったタイムカプセルを埋める前の一場面でアニカは『白いヒヤシンス』の栞を渡したにも関わらず、ギシュターヴァの栞の花は『赤いヒヤシンス』になっている。
③動機は?
『赤いヒヤシンス』の花言葉は嫉妬。ギシュターヴァはおそらくアニカに片思いを寄せていた。
しかし、アニカはイグニカに片想いを寄せており嫉妬していたのだろう。
学生時代のギシュターヴァは「将来は家を継いで、親が決めた人と結婚するからいいんだよ」と言っていたが、それは自慢ではなく不満の吐露であり、自分が自由に恋愛できないことに憤りを感じていた。
そのため、内心自分よりも劣ると感じていたイグニカにアニカが思いを寄せているという状況が許せなかったのだろう。
イグニカに対する怒りが高まり、遂には自らの手でイグニカに手を掛けることになる。その後、恋のライバルがいなくなったもののギシュターヴァは親の反対を振り切ってアニカに告白する勇気もなく、そのうちにアニカが医師になるために島を離れることになり、そのままズルズルと現在に至ってしまった。
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作戦会議後は推理タイムになります。まず、探索者は犯人を指定してください。
……まあ、分かりやすいのでギシュターヴァが犯人だと言われるでしょう。
その後、ギシュターヴァとの対決に移ります。
ギシュターヴァ「まず証拠だ! 俺が犯人っていうなら証拠は何だ? 言ってみろ?」
ギシュターヴァが証拠を求めるので思う存分証拠を突きつけてやりましょう。的外れなことや証拠が不十分の場合は「そんなんで俺を犯人だって決めつけやがって!」などと反論するといいでしょう。
ここで最低限必要な証拠は「赤いヒヤシンス」です。これがギシュターヴァが犯人であるという確たる証拠になりますが、それだけで犯人だとは言えないため、補強する材料が必要となります。『赤魔術について』やカルロスの証言はその補強になるでしょう。
証拠フェーズを終えると、ギシュターヴァは少し追い詰められす。
しかし、「そ、それなら動機はなんだ!」と反論するでしょう。
ギシュターヴァは「俺に友達を殺す理由はないだろ!」と言ってくるので、ギシュターヴァの牙城を崩すために事件の動機をぶつけてやりましょう。
『赤いヒヤシンス』からの連想では弱いため、セパードの証言からアニカにギシュターヴァが片思いをしていたこと、アニカがイグニカに想いを寄せていることを知って嫉妬した……ということが導き出せると思います。後は論を補強して終了です。
推理ディベートが終わるとイベントが発生します。
【イベント:中庭にて②】
ギシュターヴァ「ああ、そうだよ……俺はイグニカに嫉妬していた。だから、殺してやったんだ」
アニカ「ああっ……なんてことなの!」
ギシュターヴァ「てめぇらさぁ、本当にふざけたことしてくれたなぁ! てめぇらさえ来なければ、こんなことにならずに済んだってのに!! アニカは島の外にいっちまうし、親には縁談を決められちまうしで、散々だったが……なんだかんだで今の生活に折り合いがついたってのに。今更そんなことを掘り返しやがって!!」
ギシュターヴァは赤いヒヤシンスの栞を破り捨てました。
ギシュターヴァ「俺にはカーマインブランドを守らないといけない責任があるんだ。だからさあ、お前らには残念ながら死んでもらわないといけねぇな! 真実を知る者は生かして置けない!!」
その時、眩い光が弾けて時の妖精が現れました。
妖精はギシュターヴァの顔面に飛びつくと、小さな手でギシュターヴァの顔を殴りつけます……が、羽虫を払うようにギシュターヴァは時の妖精を叩き、掴むと地面に叩き付けて踏み潰しました。
ギシュターヴァ「イグニカが言っていた妖精って奴か? あの馬鹿の妄想だと思っていたが存在していたって訳か? 俺の邪魔をするとはいい度胸だな……潰れとけ! 腹立たしい奴は一体消えたがまだまだいるなぁ、てめぇらに言ってんだ! ここから、逃げられると、思うなよ!!」
このイベント終了後、ギシュターヴァ=カーマインとの戦闘が開始されます。
詳細は◆『エネミー図鑑』の情報◆をご覧ください。
戦闘終了後、イベントが発生します。
【イベント:中庭にて③】
カルロス「……最悪な同窓会になってしまったな。昨日と今日、参加してくれてありがとう」
ギシュターヴァの亡骸を置き去りにし、放心状態のアニカをミランダとセパードが支え、オーガノンが探索者達に頭を下げて去っていき、最後にカルロスだけがこの場に残りました。
カルロス「今回の件は私の方で処理しておく。……巻き込んでしまって本当に申し訳なかった。これは迷惑料だと思って受け取ってもらいたい」
1,000,000,000 ファーゲルと『プチミーティアバッジ』×1をもらうことができます。
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・『プチミーティアバッジ』
装備していると攻撃が当たった相手に稀に小さな星を降らせてダメージを与える。確率は20%で+3D10のダメージ。
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この【イベント:中庭にて③】が終わったところで【MAIN SCENARIO:ゼルンの匣――十年前からのタイムカプセル】はクリアとなります。エンディングはありませんので、他のクエストをこなすか、島から脱出するか、話し合って決めてください。
なお、ここでシナリオをクリアしても、即座にセッションを終了することはできません。
◆ 【SUB QUEST集】◆
【概要】
シナリオでは 【MAIN SCENARIO】には関係のない【SUB QUEST】が用意されています。
そんな【SUB QUEST】について内容を纏めました。
【SUB QUEST:エネミー図鑑作成依頼】
港町リュレーエ町役場観光課職員のミシェール=デヴァドンと話すと発生するクエストです。
『エネミー図鑑』というアイテムを手渡されて、図鑑完成を目指すことになります。
【SUB QUEST:エネミー図鑑作成依頼】の台詞集
◆初めて話し掛けた時
「あら、観光客の方かしら? この島のこと、楽しんでくれていると嬉しいわ。私はミシェール=デヴァドン、観光課の職員よ。あら? もしかして、スタンプラリーに参加されるのかしら? あれってザグーマ課長が一人で考えたのよ。ファゲルズァート島七景を発案して、更に七つの名所を巡るスタンプラリーを提案したのだから確かにとても有能な方だとは思うのだけど、たった二日で名所の選定から練りに練られた謎解きの用意まで完璧に熟したってのは少し信じられないわよね。普段の仕事は正直パッとしないからびっくりしたわ。……って、これはオフレコで頼むわ。あっ、そうだったわ! 肝心なことを忘れていた。もし、この島を巡るのなら、『エネミー図鑑』というものを完成させてもらいたいの。私が趣味で作っているものなんだけど、このファゲルズァート島の生息している生き物とか、面白い人とかそういうのを記録したくてね。ちなみに、向ければ名前やステータス、倒すと色々な情報が記録される優れものだよ。あっ、引き受けてくれるのね! ありがとう! じゃあ、使い方のチュートリアル、始めていきましょうか?」
探索者達はミシェールから青色のスマートフォンのようなもの『エネミー図鑑』を受け取ります。
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・エネミー図鑑
カメラを向けると情報が記録され、敵を倒すとエネミーの詳細な情報が記録される。ファゲルズァート島の全てのエネミーの情報を集めたらミシェールさんに報告だ!
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「それじゃあ、まずは私にそのカメラを向けてみてくれないかしら?」
『エネミー図鑑』のカメラを向けると「イゴーロナク・スードゥ」と表示されます。
詳細は◆『エネミー図鑑』の情報◆をご覧ください。
「あっ、言い忘れていたけど私ってイゴーロナク・スードゥっていう……えっと、よく言われる表現だと神話生物ってものの一種なのよ。旧支配者のイゴーロナクの細胞を元に生み出された人工の神話生物って感じね。まあ、私は普通の人間のつもりだし、公言して困ることでもないから皆様も普通の人間だと思って接してくれると嬉しいわ」
とはいうものの、神話生物という非常識な存在が目の前にいることを知って正気を保つ方が大変です。
<SAN値チェック:3/1D10+1>です。
◆図鑑を百パーセント完成させた時。
「えっ……もしかして完成したの!? わぁ!! 凄いなぁ!! 凄いよ!! 正直想定していた以上の情報が載っているみたいね! 驚きよ!! この島の島民である筈の私よりもこの島に詳しくなっているんじゃないかしら! これはお礼よ! 是非大切にしてくれると嬉しいわ」
『エネミー図鑑』を完成させると、ミシェールから「魔法のメトロノーム」をもらえます。
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・魔法のメトロノーム
ミシェールが開発した魔道具。持っていると同じ戦闘技能や魔法を使った場合、ダメージが最大値になる。更に使う度に与えるダメージが2倍になる。この効果は違う戦闘技能や魔法を使うと途切れる。
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【SUB QUEST:名産品好きの商人さん】
港町リュレーエ市場の名産品屋で発生するクエストです。
ターバンを巻いてサングラスをした小太りの商人が名産品を求めていて、探索者は名産品を製作して商人に売ることで対価としてファゲルズァート島で流通している通貨のファーゲルで対価を支払ってもらうことができます。
イベントを進める際に売却必須な商品は以下の通りです。
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・リュレーエの魚介スープ 初回100,000 ファーゲル 二回目以降4,500ファーゲル
・コンターチのコンポタージュスープ 初回100,000 ファーゲル 二回目以降6,000ファーゲル
・アクアリーティアの黒卵 初回100,000 ファーゲル 二回目以降1,000ファーゲル
・アルミーナの蛍烏賊の塩辛 初回100,000 ファーゲル 二回目以降3,200ファーゲル
・シャトー・リンプレント 初回100,000 ファーゲル 二回目以降80,000ファーゲル
・ゼルンのアップルパイ 初回100,000 ファーゲル 二回目以降5,000ファーゲル
・グローヴのビネガー 初回100,000 ファーゲル 二回目以降10,000ファーゲル
・クレータ高原の幻のコーヒー牛乳 初回100,000 ファーゲル 二回目以降100,000ファーゲル
・美白村のコンポート 初回100,000 ファーゲル 二回目以降80,000ファーゲル
・大樹海のトロピカルジュース 初回100,000 ファーゲル 二回目以降15,000ファーゲル
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お店を初めて訪れた時には以下のセリフと共にイベントが発生します。
「なあ、あんたら、俺は島の外から来た商人なんだが……この島には名産品ってものがあるそうだ。島に来たからにはそいつを全種類揃えて帰りたくてな。もし名産品を手に入れたら俺に売ってくれ。ああ、そうだ。港町リュレーエの名産品のレシピを手に入れたんだ。良かったら持っていってくれ」
商人から名産品のレシピを手渡されます。名産品を作る場合は調理ができる場所で必要な材料を揃えて<製作・料理>か<芸術・料理>に成功する必要があります。
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・リュレーエの魚介スープのレシピ(10人前)
潮昆布×4、黄嘴鰹×1、島大根×10、三又人参×16
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以下のイベントで情報が開示されますが、名産品を作る場合は調理ができる場所で必要な材料を揃えて<製作・料理>か<芸術・料理>に成功する必要があります。
<製作・料理>や<芸術・料理>は港町リュレーエ市場の奥義屋で購入できるため、不安なら買っておくと良いでしょう。
【各名産品の入手方法】
・コンターチのコンポタージュスープ
コンターチ市商店街のばーば食堂で秘伝のコンポタージュスープを五回注文すると、名物おばあちゃんから「このコンポタージュスープを気に入ってくれたのかい? 良かったらレシピをあげるよ!」という言葉と共にレシピをもらうことができます。
詳細は◆エリア紹介◆の項目をご覧ください。
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・コンターチのコンポタージュスープのレシピ(10人前)
黄金コーン×18、牛乳(種類は問わない)×6、甘々玉葱×8、塩バター×8
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・アクアリーティアの黒卵
アクアリーティア商店区の温玉屋で販売されています。
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・黒卵
真っ黒な殻の温泉卵。一個で500円相当。
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・アルミーナの蛍烏賊の塩辛
アルミーナ工業特区ショッピングモールの屋上で腰壁から海を見ている漁師に話しかけるとレシピを手渡されます。
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・アルミーナの蛍烏賊の塩辛のレシピ(10人前)
冷凍蛍烏賊×20、酸っぱ柚×5、塩麹×5
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・シャトー・リンプレント
リンプレント商店街の酒屋で購入することができます。
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・シャトー・リンプレント
特別な葡萄園で育てられた葡萄から作ったブランドワイン。一瓶40,000円相当。
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・ゼルンのアップルパイ
ゼルン市のマティアス林檎園でレシピが販売されています。
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・秘伝のアップルパイのレシピ
秘伝のアップルパイのレシピ。40,000円相当。
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・ゼルンのアップルパイのレシピ(10人前)
宇宙一×8、パイシート×10、砂糖×4、無塩バター×6、卵×6、カルヴァドス×1
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・グローヴのビネガー
グローヴ=ヴァイカウント商店街の八百屋でレシピが売られています。
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・グローヴのビネガーのレシピ
グローヴのビネガーのレシピ。100,000円相当。
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・グローヴのビネガーのレシピ(10人前)
金色稲米×10、島縞芭蕉×20、桃色花×6
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・クレータ高原の幻のコーヒー牛乳
クレーター高原の牧場の店で販売されています。
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・クレータ高原の幻のコーヒー牛乳
厳選に厳選を重ねた牛乳を使いました。正気度とHPを1D30ポイント回復することができる。金額は60,000円相当。
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・美白村のコンポート
美白村にある美白村商店『ロクザ』で販売されています。
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・ロクザのコンポート
名産品の一つに数えられ、美白村のコンポートとも呼ばれる。APPを20ポイント上昇させることができる。金額は30,000円相当。
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・大樹海のトロピカルジュース
大樹海のN-8で拾ったよ小僧から100,000 ファーゲルでレシピを購入できます。
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・大樹海のトロピカルジュースのレシピ(10人前)
大樹海マンゴー×6、大樹海アップル×2、大樹海バナナ×4、大樹海キウイ×6
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【セリフ】
初めて各種名産品と全ての名産品を売却した時にもイベントが発生します。
また、この 【SUB QUEST】をクリアすると商人から「雷霆鉄扇」をもらうことができます。
◆初めて各種名産品を売却した時
「ほう、こいつはなかなかいいもんだな! あんがとさん! 全部の名産品が揃ったらいいものやるから期待しておけよ!」
◆全ての各種名産品を売却した時
「ほう、こいつはなかなかいいもんだな! あんがとさん! 全部の名産品が揃ったらいいものやるから期待しておけよ! ……っておお!? もしかしなくても全ての名産品が揃ったじゃねぇか! 約束だ! こいつを持っていきな!」
名産品を全種類売却すると、商人から「雷霆鉄扇」をもらうことができます。
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・雷霆鉄扇
扇そのものに雷を纏わせる力と雷を降らせる力を持つ扇。扇で近接戦闘を行う場合はダメージ3D6+DB、雷を降らせる場合はダメージ3D6。判定は<近接戦闘(格闘)>で行われる。近接武器として使う場合はタッチ、遠距離で雷撃を放つ場合は30m。1ラウンドに1回使用できる。雷撃は高速で放たれるため<回避>を振って対抗することはできない。
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【SUB QUEST:黒いワンピースの少女を捜索せよ】
この【SUB QUEST】を発生させるには温泉街アクアリーティアの温泉街の中にある月輪の宿屋の広々とした檜の露天風呂でクトゥグアの化身である穂村椛と遭遇し、彼女から「街で見かけた少女について」の話を聞く必要があります。
クトゥグア「そういや、温泉街を歩いていた時に金髪の女の子を見かけたんだ。黒いワンピースを着ていたな。見た目は普通だったんだが、懐かしい気配を感じたんだ。まあ、悍ましい気配と言い換えてもいいけどな。しかし、あんな小さな子でも一人でくるんだなぁ、って驚いたぜ」
この情報を得ることで、【SUB QUEST:黒いワンピースの少女を捜索せよ】が解禁されます。
その後、①「港町リュレーエ市場」、②「コンターチ市商店街」、③「温泉街」、④「リンプレント商店街」、⑤「ゼルン商店街」、⑥「グローヴ=ヴァイカウント市」のいずれかの場所でイベントが発生するようになります。
イベントの発生場所に移動する場合に1D6の抽選が行われ、各地域に振り分けられた数字と出目が一致した場合にイベントが発生します。
【SUB QUEST:黒いワンピースの少女を捜索せよ】の台詞集
黒いワンピースの少女「初めまして! 旅人さんかな? 私はマナっていうの! 私の力を凌駕するあの光の神の力……じゃなくて、強力な力を感じて島に来てみたんだけど、想像以上に広くて迷っちゃった。もしよかったら、私もお兄さん(お姉さん)の仲間に入れてもらえないかな? 旅人さん達についていったらいいことがありそうな予感があるんだよね」
黒いワンピースの少女の提案に応じると、アザトースの化身マナを仲間にすることができます。
ステータスは◆『エネミー図鑑』の情報◆をご覧ください。
ちなみに、少女を連れてきても特にイベントは発生しません。
【SUB QUEST:元ウェーバード家別荘】
このの【SUB QUEST】を発生させるにはグローヴ=ヴァイカウント市のアルダヴ湖のほとりでマダムから話を聞く必要があります。
ウェーバード家がかつて保有していた別荘です。
探索者が別荘に近づこうとすると、一人の男性が探索者達を呼び止めます。
以下、男性との会話及び【SUB QUEST:元ウェーバード家別荘】の情報を記します。
【SUB QUEST:元ウェーバード家別荘】の台詞集
「ああ、どうしたらいいんだ!? 仕事で島から離れないといけないっていうのに譲る相手が見つからない! ……こんな屋敷、管理できないって言われるのは当然だよな。でも、ダメで元々だ。……おーい! そこの人達! この屋敷に興味がありそうな顔をしているな! ここはなんとあのウェーバード家の別荘だ。そいつを友人である俺が譲り受けたんだが、俺も仕事で島を出ないといけなくなった。そこで、良かったらこの屋敷をもらってくれないか? ああ、贈与税だとか云々は気にするな! この島に税金の概念は存在しないからな! 元の持ち主のウェーバード家もここに戻ってくることはないし、好きなこの広い屋敷を使えるぜ! 勿論、好きに改造しても構わない! どうだ?」
探索者はここで引き受ける、引き受けないかのいずれかの選択ができます。引き受けた場合は探索者の持ち物に別荘が加わります。複数の探索者がいる場合はどのような権利の配分にするのかを決めてください。
メタ的な話ですが、シナリオがパーフェクトエンドを迎えた場合、ファゲルズァート島のこの屋敷を別のシナリオでも拠点にすることができるようになります。
探索者が引き受けなかった場合は「仕方ないなぁ……もし、気が変わったらまた声をかけてくれ」と話を切られます。
話を引き受けた場合は「よし! 今日からここは君達の別荘だ。ああ、屋敷の細々としたことはリビングにメモがあるからそれを読んでくれ。ああ、それと屋敷にこんなものがあったんだ。当然、屋敷にあったんだからこいつも君達の所有物になる。なんだか分からないが、有効活用してくれ」と言われ、『古き教会の紋章』を手渡されます。
【SUB QUEST:鍛冶屋の依頼】
アルミーナ工業特区の鍛冶工房で「依頼を聞く」と解禁されます。
以下、【SUB QUEST:鍛冶屋の依頼】の台詞です。
「お前さん達は見たところ旅人のようじゃな。この島には古の時代の武器の逸話が伝わっておる。とはいえ、あくまで伝説のレベルで信憑性は薄かったんじゃが、つい先日、『ファゲルズァートカリバー』と呼ばれる伝説の武器の設計図を入手することができたんじゃ。もし、旅の道中で設計図を見つけたら持ってきてくれ。その武器を現代に蘇らせてやろう。とはいえ、材料は持ってきてもらわないといけないがな。それと、全ての設計図が集まったらいいものをやろう」
『ファゲルズァートナイフ』、『ファゲルズァートランス』、『ファゲルズァートアックス』、『ファゲルズァートモーニングスター』、『ファゲルズァートウィップ』、『ファゲルズァートハンマー』、『ファゲルズァートボウ』、『ファゲルズァートシューター』の設計図を全て持ち込むと『ファゲルズァートカリバー』の設計図を譲ってもらえます。
【SUB QUEST:鍛冶屋の依頼】は『ファゲルズァートカリバー』の設計図を譲ってもらうところまでなので全ての武器を作成する必要はありません。
以下は『ファゲルズァートカリバー』の設計図の内容と武器一覧です。
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・ファゲルズァートカリバー
恐竜の牙×80、竜王の骨×10、竜王の腐肉×10、吸陽鬼の魂×10、カシラの印×30
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・ファゲルズァートナイフ
ファゲルズァート島の腕利きの鍛冶屋が伝説の設計図を元に最高の素材を使って再現した最強の短剣。<近接戦闘(格闘)>で使う場合と<投擲>で使う場合で効果が異なる。
<近接戦闘(格闘)>で使う場合はSTR×100のダメージを与える。攻撃範囲はナイフの届く範囲に限定される。
<投擲>で使う場合は使用後に無くなるが、9999の固定ダメージを与える。
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・ファゲルズァートカリバー
ファゲルズァート島の腕利きの鍛冶屋が伝説の設計図を元に最高の素材を使って再現した最強の剣。
この武器は物理的な装甲や魔術的装甲、相手の耐性を無視してダメージを与え、更に相手の装甲や特殊な性質を解除することができる。また、幽霊などの擦り抜ける対象にも等倍のダメージを与える。
ダメージ計算は現在の耐久値を参照し、現在の耐久値の等倍のダメージを与える。技能は<近接戦闘(刀剣)>で判定し、攻撃範囲は剣の届く範囲に限定される。
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・ファゲルズァートランス
ファゲルズァート島の腕利きの鍛冶屋が伝説の設計図を元に最高の素材を使って再現した最強の槍。
この武器は物理的な装甲や魔術的装甲、相手の耐性を無視してダメージを与え、更に相手の装甲や特殊な性質を解除することができる。ただし、幽霊などの擦り抜ける対象には効果がない。
ダメージ計算はSTRとDEXを参照し、STR×DEXのダメージを与える。技能は<近接戦闘(槍)>で判定し、攻撃範囲は槍の届く範囲に限定される。
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・ファゲルズァートアックス
ファゲルズァート島の腕利きの鍛冶屋が伝説の設計図を元に最高の素材を使って再現した最強の斧。
ダメージ計算はSTRとCONを参照し、STR×CONのダメージを与える。技能は<近接戦闘(斧)>で判定し、攻撃範囲は斧の届く範囲に限定される。
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・ファゲルズァートモーニングスター
ファゲルズァート島の腕利きの鍛冶屋が伝説の設計図を元に最高の素材を使って再現した最強のモーニングスター。
ダメージ計算はSTRの値を参照し、STRの等倍ダメージを1D10回与える。技能は<近接戦闘(フレイル)>で判定し、攻撃範囲はモーニングスターの届く範囲に限定される。なお、攻撃のタイミングで<幸運>を振ることもできる。<幸運>に失敗した場合は<近接戦闘(フレイル)>が失敗扱いになるが、成功した場合はSTRの等倍ダメージを10回与えた後、空から流れ星が降り注いで777の固定ダメージを与える。
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・ファゲルズァートウィップ
ファゲルズァート島の腕利きの鍛冶屋が伝説の設計図を元に最高の素材を使って再現した最強の鞭。
ダメージ計算はINTの値を参照し、INTの等倍ダメージを1D30回与える。技能は<近接戦闘(鞭)>で判定し、攻撃範囲は鞭の届く範囲に限定される。
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・ファゲルズァートハンマー
ファゲルズァート島の腕利きの鍛冶屋が伝説の設計図を元に最高の素材を使って再現した最強の鎚。
この武器を使用する場合は<近接戦闘(格闘)>または、<近接戦闘(鎚)>、あるいはその両方を使用することができる。
<近接戦闘(格闘)>の場合は探索者のSTR の値を参照し、 STRの等倍ダメージを与える。
<近接戦闘(鎚)>の場合は探索者のSTR の値を参照し、 STR×4のダメージを与える。
<近接戦闘(格闘)>と<近接戦闘(鎚)>を使用する場合はどちらかに失敗した場合は技能が失敗扱いになるが、両方成功した場合はハンマーを振り回した探索者が高速回転してSTR×10×1D100のダメージを与える。
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・ファゲルズァートボウ
ファゲルズァート島の腕利きの鍛冶屋が伝説の設計図を元に最高の素材を使って再現した最強の弓。
この武器は幽霊などの擦り抜ける対象にもダメージを与えることができる。また、装甲によりダメージ軽減や無効効果を持つ装甲を持っていても装甲を無視して等倍のダメージを与える。ただし、永続的な装甲の場合は除去することができず、装甲によるダメージ軽減も問題なく機能する。
ダメージはSTRの値を参照し、STR×10のダメージを与える。一ターンに10発まで撃つことができるが、一発ごとに技能の判定が必要となる。
技能は<近接戦闘(鞭)>で判定し、攻撃範囲は矢の届く範囲に限定される。
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・ファゲルズァートシューター
ファゲルズァート島の腕利きの鍛冶屋が伝説の設計図を元に最高の素材を使って再現した最強の銃。
ダメージはPOWの値を参照し、POW×10のダメージを与える。一ターンに10発まで撃つことができるが、一発ごとに技能の判定が必要となる。
<射撃(拳銃)>、<射撃(MG)>、<射撃(R/SG)>、<射撃(SMG)>、<射撃(銃火器)>のうち、どれか一つの技能を選択して使用することができる。なお、技能に失敗してもホーミング機能が付いているため、ダメージを50%低下させて攻撃対象に与えることができる。
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◆ 【SECRET SCENARIO:(裏)三十一日の幻想】◆
【概要】
ミノタウロスから神の力を少しずつ抽出して結晶化させ、『光金の欠片』を手に入れた古代ユウエンの民の女はその力を引き出す実験を行い、ある島を生み出す。
過去の歴史を携える形で誕生したファゲルズァート島に女は外の世界の者達を招き入れ、外界の刺激でファゲルズァート島がどのような影響を受けるのかを見ることにした。
そして三十二日目、実験を終えた女は『光金の欠片』の力を使ってファゲルズァート島を抹消する。
【主な登場人物(ネタバレあり)】
・緋夏樹夏蜜
緋夏樹旅行株式会社の社長令嬢。五十周年を記念して人気のリゾート地ファゲルズァート島に一ヶ月間滞在できるミニバカンスを提供する企画して自ら添乗員を請け負った。
その正体は古代ユウエンの民であるマンダリーナ=キトルス。
【シナリオの導入】
このシナリオに導入はありません。
あえて導入を設定するのであれば、 【共通導入:ようこそファゲルズァート島へ】が本シナリオの導入となります。
【シナリオの流れ】
①シナリオのフラグを立てる。
シナリオを開始するためには緋夏樹夏蜜との敵対フラグを立てる必要があります。
夏蜜との敵対フラグを立てる方法は二つあり、一つ目は夏蜜に直接危害を加えようとする、二つ目は夏蜜に疑いを持ち、本人にそれを告げるというものです。
いずれかの選択をした場合、敵対フラグが立って自動的にイベントに移行します。
なお、夏蜜と敵対フラグを立てると、 【SECRET SCENARIO:(裏)三十一日の幻想】のクリア後までファゲルズァート島からの脱出はできなくなります。
【イベント:リュレーエ港での敵対(攻撃した場合)】
探索者達は夏蜜に攻撃を仕掛けました……が、何故かその攻撃は夏蜜の身体を擦り抜けてしまいます。
更に周囲の時間が停止したように港にいた者達が全て動きを止めてしまいました。
どうやら、動けるのは探索者達だけのようです。
夏蜜「……意図して攻撃したのか、将又何も考えていないのかは知りませんが、気づいてしまったようですね。ここにいる私は単なる幻想に過ぎません。皆様、ファゲルズァート島は楽しんで頂けましたか? 様々な見所があるリゾート地……そこでどのような冒険をしてきたのでしょうか? しかし、それは全て偽物だったということです。このファゲルズァート島は偉大なる光創神フェルマダ=ダ=アウルガダウタ様の力の片鱗、『光金の欠片』によって創り出したものに過ぎません。島を歴史と共に作り上げ、大いなる神の力で辻褄を合わせたのです。私は三十一日間、この島で実験を行うことに決めて島に外の人間を招きました。実際、貴方達は想定以上の働きをしてくれたと言えるでしょう。島は皆様方の活躍で大きく変化した……私の正体が露見するという想定外の事態はありましたけどね。ですが、私の正体を知った者達を逃すつもりはありません。この島は特殊な力によって地球と接続されています。その行き来ができるのは私の力を付与した船のみ……海を超えて外に出ようとしても、そこから先にあるのは永遠の奈落、或いは無の領域と呼ぶべき場所です。皆様方に分かりやすい表現だと、ゲームのマップ外みたいなものでしょうか? そして、船は私の許可がない限り出港できません。残念でしたね、気づかなければ、何事もなく島を出れたというのに。私は叡智の眠る塔と最下層にて、実験をしています。私に挑む覚悟が、そして島と共に消えたくないと願うならば止めて見せなさい。……邪魔者は不要なので、叡智の塔は無人にしておきましょう。まあ、辿り着けるものなら、ですけどね。その時は、古代ユウエンの民の血を引くこのマンダリーナ=キトルスが直々に相手をして差し上げましょう」
【イベント:リュレーエ港での敵対(疑いを向けた場合)】
「……素晴らしい! まさか、この島の真実に辿り着く者がいるとは。下等種族にもそれなりの知能はあったということですね。えぇ、もうお気づきだと思いますが、ファゲルズァート島なんて島は存在しません。このファゲルズァート島は偉大なる光創神フェルマダ=ダ=アウルガダウタ様の力の片鱗、『光金の欠片』によって創り出したものに過ぎません。島を歴史と共に作り上げ、大いなる神の力で辻褄を合わせたのです。私は三十一日間、この島で実験を行うことに決めて島に外の人間を招きました。実際、貴方達は想定以上の働きをしてくれたと言えるでしょう。島は皆様方の活躍で大きく変化した……私の正体が露見するという想定外の事態はありましたけどね。ですが、私の正体を知った者達を逃すつもりはありません。この島は特殊な力によって地球と接続されています。その行き来ができるのは私の力を付与した船のみ……海を超えて外に出ようとしても、そこから先にあるのは永遠の奈落、或いは無の領域と呼ぶべき場所です。皆様方に分かりやすい表現だと、ゲームのマップ外みたいなものでしょうか? そして、船は私の許可がない限り出港できません。残念でしたね、気づかなければ、何事もなく島を出れたというのに。私は叡智の眠る塔と最下層にて、実験をしています。私に挑む覚悟が、そして島と共に消えたくないと願うならば止めて見せなさい。……邪魔者は不要なので、叡智の塔は無人にしておきましょう。まあ、辿り着けるものなら、ですけどね。その時は、古代ユウエンの民の血を引くこのマンダリーナ=キトルスが直々に相手をして差し上げましょう」
上記の二つのイベントのうちいずれかが発生した後、【SECRET SCENARIO:(裏)三十一日の幻想】が開始されます。
この時点でリュレーエ港から船に乗ってファゲルズァート島を脱出するルートは封じられます。また、この島は異空間のため、例え外なる神の力を用いても島から脱出することはできません。
よって、マンダリーナを倒す以外に探索者達がキャラロストを回避する方法は無くなってしまいます。
また、バブイル図書館ではNPCが全て排除されて無人になっています。
これにより、一階受付の裏にあるバックルームへの侵入が可能になります。
②鍵を手に入れろ。
マンダリーナの潜伏先には閉架書庫を経由して行くことができる階段本棚を降りて行く以外に辿り着く方法はありません。
閉架書庫の先にある秘密の扉から侵入することができます。秘密の扉は<鍵開け>などの技能を使っても解錠することができず、専用の鍵が必要となります。
秘密の扉を開く叡智の螺旋の鍵は【火口遺跡のエリア15】で入手することができます。
詳細は◆【エリア紹介:ヴェスピオス山】◆や◆ 【MAIN SCENARIO:コーヒー牛乳の謎を追え!】◆をご覧ください。
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・叡智の螺旋の鍵
創造神フェルマダの化身の光輪を模した鍵。果たしてどこの鍵なのだろうか?
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なお、夏蜜が怪しいと気づくことができそうな最大のヒントはグリジオ人基地や火口遺跡で入手できるものなので、ここに辿り着いている時点で既に入手している可能性は高いと思います。
③バブイル図書館の地下への道を探そう。
バブイル図書館の詳細は◆【エリア紹介:大都市リンプレント】◆をご覧ください。
一階の受付カウンターからバックルームに移動し、閉架書庫の反対側の扉に鍵を差し込んで扉を開け、後はひたすら階段本棚を地下まで下っていけば、B26Fに到着します。
行き止まりになっており、重厚な扉が探索者達の前に聳え立っています。
扉を開けるとイベントが発生します。
【イベント:天空の間①】
扉を開けると、そこは空の上でした。地面は前面ガラス張りになっており、下に視線を向けると、大海の中にファゲルズァート島が浮かんでいる姿を目撃するでしょう。
マンダリーナ「まずはここまで辿り着いたこと、褒めて差し上げましょう。……私に歯向かおうとする人間なら、イゴーロナクやウボ=サスラ程度では足止めにもなりませんか。冥土の土産に一つ知恵を授けて差し上げましょう。古代ユウエンの民とは、この世界とは違う世界――今はポルナ=パルヴァド界などと呼ばれる世界にかつて存在した一つの集団です。大いなる神フェルマダを信仰し、更なる神の寵愛を受けるために神の試練に競うように挑み続けたと言われています。……まあ、その試練は異世界からやってきた勇者と神鳴りに打たれて選ばれた神使の獣達によって成し遂げられ、結局、古代ユウエンの民は神の御前に辿り着くことすらできなかった訳ですが。私はその勇者と、古代ユウエンの民の血を引く末裔の一人という訳です。それ故か、私は他の古代ユウエンの民よりも『光金の欠片』について知識がありました。……さて、お喋りはここまでにしておきましょう。私は神に会うことに興味はありません。ただ、神の力で何を成し遂げることができるのか、その限界に興味があるのです! その実験も間も無く終わりますわ。ただ、早いか遅いかの些細な違いだけです。ただ何も知らずに島と共に消え失せるのではなく、私自らの手で屠られる幸福を、思う存分味わいながら、命を散らせなさい!!」
このイベント終了後、マンダリーナ=キトルスとの戦闘が開始されます。
詳細は◆『エネミー図鑑』の情報◆をご覧ください。
戦闘終了後、イベントが発生します。
【イベント:天空の間②】
マンダリーナ「これは、予想以上ですね。……まさか、貴方達にも異界からやってきた勇者のような力があるということかしら? あはははは!! あははははは!! 良いでしょう! 私も持てる力を全て使い、貴方達を叩き潰して差し上げますわ!!」
マンダリーナの背後に巨大な機械のようなものが出現しました。
その中心に嵌められていた黄金の多面体――『光金の欠片』に触れたマンダリーナの身体にその力が流れ込んでいきます。
マンダリーナの背中に光輪が出現し、纏う衣装も巫女服のようなものへと変化しました。
辛うじて人の形を保っていますが、その力は既に人外のそれ。
人の領域を容易く逸脱し、神の代行者に相応しい、理解することを拒むような恐ろしく、そして神々しい力が渦巻いています。
マンダリーナ「大いなる神フェルマダ様! これが、彼らの試練であるとあるのであれば、私は最強の壁として彼らに立ち塞がりましょう! さあ、今度こそ本当に最終決戦ですわ! ファゲルズァートの滅亡……そして、私と貴方達の命を賭けて最後の戦いを始めましょう!!」
このイベント終了後、マンダリーナ=キトルス(選ばれし者の姿)との戦闘が開始されます。
詳細は◆『エネミー図鑑』の情報◆をご覧ください。
マンダリーナ撃破後、マンダリーナの体は無数の光の粒となって消滅します。
その後、天空の間の探索が可能になります。
天空の間には機械が一台置かれているのみです。
機械には『光金の欠片』が嵌められています。また、機械に取り付けられた画面には「ファゲルズァート島消滅まで 後●日●時間●分●秒」と表示されています。
機械には「緊急停止ボタン」が設置されており、このボタンを押すことでファゲルズァート島の消滅を回避することが可能です。
機械を停止すると、探索者達が保有する全ての『光金の欠片』が光り輝き、光輝く白い穴という形で転移門が出現します。
この白い穴を経由することで最終エリアである観測者の神域に移動することができます。
なお、【SECRET SCENARIO:(裏)三十一日の幻想】の本筋はここまでなのでそのまま天空の門を脱出して、階段本棚で大都市リンプレントに戻ることは可能です。
何らかの力が働いたのか、リュレーエ港で受付に伝えれば、探索者達の母国に戻ることもできます。
また、リュレーエ港で帰還しなくてもこの時点からいつでもセッションを終了することが可能になります。
脱出する場合は、各PLにその旨をお伝えください。
本シナリオには以降、明確な終わりが存在しません。セッションを終了したタイミングで自動的にエンディングに移行します。
やり忘れたことや心の残りがある場合は是非チャレンジしてみてください。
④観測者の神域へ、そして神への挑戦。
観測者達の神域に辿り着くと、イベントが発生します。
【イベント:観測者の神域】
そこの場所が全ての世界の中心、オムニバースの彼方にある極点、特異点と呼ぶべき場所であることを探索者達は本能的に察知することでしょう。
探索者がこの場所に到着すると、どこからともなく声がします。
『ようこそ、世界の最果て、我が領域へ』
探索者達が声の主を探して周囲を見渡す……すると、そこには光があった。
恒星の光すら生ぬるい、光という概念そのものがあった。
その存在のあまりの強大さに、探索者達はただただ圧倒されるばかりです。
<SAN値チェック:1D100/1D10000>です。
※ここでの正気度喪失によりロストはしません。また、なんらかの発狂による精神異常が発生した状態でも神との意思疎通は可能です。これも創世神の力なのでしょうか?
『ここに辿り着いた方々には試練を受ける権利があります。私の分身と戦い、勝利した暁には私が一つ、どんな願いであっても叶えましょう。挑むかどうかは自由です。挑まない場合でも、私は貴方達の心と傷を癒して元の世界にお返しすることをお約束しましょう。逃げるのは決して恥ではありません。挑まないという選択も賢明なものです』
その後、探索者達は相談の末に光創神フェルマダ=ダ=アウルガダウタに挑むかどうかを決めることになります。
選択権は個人個人に与えられ、一人ずつ挑むか挑まないかを決めることができます。
ここで挑まない選択をした場合は光創神フェルマダ=ダ=アウルガダウタに正気度とHPを全回復し、永続的狂気を含む状態異常を全て消し去ってもらった状態で元の日常に戻してもらうことができます。
ここでの正気度とHPの全回復とは、シナリオ中に増減した中での正気度とHPの最大値を指します。
挑む選択をした場合も同様に正気度とHPを全回復し、永続的狂気を含む状態異常を全て消し去ってもらうことができます。
探索者達と、ここまで辿り着いたNPC達にはここで三分間の作戦タイムが与えられます。この時間の間にNPCに作戦を伝えて任意の行動を取らせることも可能です。
基本的にNPCはKPが動かしますが、作戦を指示されていればPCの考えを汲んで行動してくれるでしょう。
なお、戦闘中に作戦を伝える場合は1ターンを要します。
作戦会議終了後、光創神フェルマダ=ダ=アウルガダウタ(強化版分身体)との戦闘になります。
詳細は◆『エネミー図鑑』の情報◆をご覧ください。
【本シナリオでの観測者の神域の二回目以降の到達、または別シナリオで観測者の神域に到達している場合の処理】
既にシナリオ『光金の欠片に願いを込めて』を通過済みでフェルマダに勝利している場合でも、光創神フェルマダ=ダ=アウルガダウタ(強化版分身体)との戦闘は可能ですが、本シナリオでの観測者の神域の二回目以降の到達時や前述の場合でもPLの希望がある場合は【神天連戦】に挑戦することができます。
【神天連戦】の詳細はシナリオ『光金の欠片に願いを込めて』の『全ルート共通②+シナリオエンディング【観測者の神域】』の項目をご覧ください。
本シナリオクリア後は、【神天連戦】がバージョン2.0にレベルアップし、光創神フェルマダ=ダ=アウルガダウタ(分身体)が光創神フェルマダ=ダ=アウルガダウタ(強化版分身体)に変更され、本シナリオで登場した『エネミー図鑑』に記されているエネミーが全て候補に加わります。
なお、【神天連戦】での戦闘ではアイテムドロップが発生しませんのでご注意ください。
⑤フェルマダとのイベントを終える。
フェルマダと戦わない選択肢を取る場合、フェルマダと戦った場合、【神天連戦】に挑んだ場合、いずれの選択肢を選んでもイベントが発生します。
フェルマダ『ファゲルズァート島については私の力で辻褄を合わせておきました。今後は地球との行き来も可能になります。港から船に乗れば、帰国することもできます。それでは、良い休暇を楽しんでください』
その後、探索者達は光に包まれて天空の間に戻されてしまいます。
そこから自由行動が解禁されます。
前述の通りリュレーエ港で受付に伝えれば、探索者達の母国に戻ることもできます。
また、リュレーエ港で帰還しなくてもこの時点からいつでもセッションを終了することが可能になります。
脱出する場合は、各PLにその旨をお伝えください。
本シナリオには以降、明確な終わりが存在しません。セッションを終了したタイミングで自動的にエンディングに移行します。
やり忘れたことや心の残りがある場合は是非チャレンジしてみてください。
◆【エンディングについて】◆
本シナリオには三つのエンディングが用意されています。
GOOD ENDとTRUE ENDとBAD ENDの三つですが、シナリオクリアの報酬は更に細分化されて設定されています。
それぞれの条件を達成できたかどうかご確認ください。
BAD ENDはファゲルズァート島の秘密を暴かず、マンダリーナと敵対しなかった場合のエンドです。そのため、ファゲルズァート島が消滅してしまいます。
TRUE ENDはマンダリーナを撃破した場合のエンドです。フェルマダ撃破のエンドと差別化するためにこの名前にしています。基本的には願いを叶える権利を行使した場合のエンドがGOOD ENDなので、権利を行使しなかった、或いはできなかった場合もTRUE END扱いとなります。
GOOD ENDはフェルマダを撃破して願いを叶える権利を手にした場合のエンドです。TRUE ENDに、フェルマダ撃破によって得た願いを叶えた際の描写が追加されます。フェルマダへの挑戦が二回目以降で【神天連戦】で願いを叶える権利を勝ち取れなかった場合や権利を保留した場合はTRUE ENDの描写となります。
なお、TRUE ENDとGOOD ENDは、本シナリオで設定されている全ての条件をクリアした場合、PERFECT ENDになります。
なお、PERFECT ENDでも個別のエンディングはありませんのでTRUE ENDかGOOD ENDのエンディングを流してください。
【GOOD END】
基本的には【TRUE END】を参考にして描写をしてください。
そこに、フェルマダに願いを叶えてもらう描写を追加する形になります。
なお、願いはDEX順で早い順にフェルマダに述べていく形になります。ここでの願いはすぐ叶えてもらうこともできますし、ここでの願いを保留してシナリオ終了後まで願いの権利を保持することもできます。
次のシナリオでKPが許可すれば、他のシナリオで願いの行使も可能です。
願いには制限はありませんが、願いを増やす願いだけは叶えられません。
願いの例としては、
「億万長者になりたい」
「不老不死になりたい」
「あの人を生き返らせたい」
「人生をやり直したい」
などが思いつきます。勿論、他の願いでも構いません。物理法則も全て無視して完璧に願いを叶えてくれます。だって創造神ですから。
なお、「フェルマダの本体や分身体を召喚したい」という願いは一度という条件付きで承諾してもらえます……が、フェルマダの本体はもとより分身体ですら召喚されてしまったら即座にシナリオブレイクですけどね。
なお、本シナリオのアザトースはこの願いによって叡智を取り戻した世界線です。そのため、味方NPCが願いを叶える描写はありません。
【TRUE END】
探索者達の活躍によりファゲルズァート島は滅亡の危機から救われました。
本来であれば、寂寞を極めた庭のような虚無へと還っていく筈だった、多くの物語を抱えたこの島は、こうして島民達の知らないところで行われた彼らの奮闘により存続を許されたのです。
三十二日を過ぎてもファゲルズァート島は平和です。
様々な旅行会社ではファゲルズァート島のツアーが企画され、今後、ますます栄えていくことになるでしょう。
探索者達は再び日常に戻るかもしれませんし、もう少しバカンスを楽しむかもしれません。
或いは、このファゲルズァート島からまた新たな物語が始まるかもしれません。
ですが、この物語はここで一つの区切りとします。
シナリオ『ファゲルズァート島奇譚集』、これにてセッション終了となります。お疲れ様でした。
【BAD END】
夏蜜「今回は我が社のファゲルズァート島ツアーにご参加くださりありがとうございました」
夏蜜はそう言い残し、港の雑踏の中に消えていきました。探索者達もそれぞれ日常へと帰っていくことでしょう。
それから数日後、探索者達がスマートフォンを触っていると、あるニュースを見つけます。
どうやら、世界各国で行方不明事件が起きているようです。
行方不明者の関係者達は「ファゲルズァート島という島にツアーで行く」と本人達が語っていたと話しますが、緋夏樹旅行株式会社などという旅行代理店どころか、そもそもファゲルズァート島という島すら存在していないことが調査により判明してしまいます。
各国の警察機関は「原因不明の集団蒸発事件」として「これ以上の捜査は不可能だ」と捜査を打ち切ってしまいました。
探索者達はこのニュースを知って背筋が凍ることでしょう。
あのファゲルズァート島で過ごした時間は紛れもなく本物であり、決して夢などではないのですから。
一歩間違えば、自分達も被害者の中に名が刻まれていたかもしれない。
そう思うと、探索者達の心に恐怖が押し寄せてきます。
<SAN値チェック:1D3/1D10>です。
探索者達は死の恐怖に苛まれながらも、今生きていることを幸福に感じてそれぞれの日常に再び戻っていくのでした。
シナリオ『ファゲルズァート島奇譚集』、これにてセッション終了となります。お疲れ様でした。
【報酬と条件】
・【MAIN SCENARIO:ファゲルズァート島スタンプラリー】でザークマの野望を挫く。
好きな戦闘技能一つに+1D10。
・ 【MAIN SCENARIO:コーヒー牛乳の謎を追え!】でグリジオ人達の基地を制圧して牧場襲撃を止める。
正気度+1D10。
・ 【MAIN SCENARIO:呪われし館の殺人事件】で探索者達が生還する。
INT+1D6。
・ 【MAIN SCENARIO:呪われし館の殺人事件】で玲奈が生還する。
INT+1D10。
・ 【MAIN SCENARIO:美人の島の魔法の鏡】で美白村の問題を解決する。
INT+1D6。
・ 【MAIN SCENARIO:美人の島の魔法の鏡】でミロワールに手紙を届けて成仏させる。
APP+1D10。
・【MAIN SCENARIO:ウェーバード博物館の『金剛の涙』】でルミナスを撃破する。
正気度+1D6。
・ 【MAIN SCENARIO:ゼルンの匣――十年前からのタイムカプセル】でギシュターヴァを討伐してイグニカの無念を晴らす。
POW+1D10。
・純喫茶店『カフェテラス』にファゲルズァートヘブンを売却する。
島で入手した技能一つに+1D10、或いは好きな技能一つに+1D4。
・ 【SECRET SCENARIO:(裏)三十一日の幻想】でマンダリーナを討伐する。
好きな技能二つに+1D10。
・【SUB QUEST:エネミー図鑑作成依頼】でエネミー図鑑を完成させる。
CON+1D10。
・【SUB QUEST:名産品好きの商人さん】で名産品をリュレーエの魚介スープ、コンターチのコンポタージュスープ、アクアリーティアの黒卵、アルミーナの蛍烏賊の塩辛、シャトー・リンプレント、ゼルンのアップルパイ、グローヴのビネガー、クレータ高原の幻のコーヒー牛乳、美白村のコンポート、大樹海のトロピカルジュースをそれぞれ最低一つ以上売却する。
POW+1D10。
・港町リュレーエ市場で冬告山の幻の冬鍋を売却する。
DEX+1D10。
・【SUB QUEST:黒いワンピースの少女を捜索せよ】でアザトースの化身マナを仲間にする。
好きな技能一つに+1D6。
・【SUB QUEST:元ウェーバード家別荘】で別荘をもらう。
好きな芸術や製作の技能一つに+1D6。
・【SUB QUEST:鍛冶屋の依頼】で全ての武器のレシピを手に入れる。
STR+1D10。
・【SUB QUEST:鍛冶屋の依頼】で全ての武器を作成する。
好きな戦闘技能一つに+1D20。
・フェルマダの試練に打ち勝つ。
願いを叶える権利×1(初回のみ)。
※長期間のセッション、お疲れ様でした。
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本作は、「 株式会社アークライト 」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『新クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。
Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
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